新規抗血小板薬ブリリンタ錠の承認了承〜2016年9月7日医薬品第一部会審議品目②

平成28年9月7日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で10製品の承認が審議され、すべて了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、前回の第一部会で見送りとなっていた新規抗血小板薬ブリリンタについてまとめます。
代謝を受けることなく活性を発揮し、可逆的であるため休薬後の回復が早いことが特徴の薬です。
なお、ブリリンタ錠は平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

平成28年9月7日薬食審・医薬品第一部会での審議品目

今回審議され、承認が了承されたのは以下の通りです。

一つずつまとめていきたいと思います。

ブリリンタ錠の承認了承

成分名:チカグレロル

  • ブリリンタ錠60mg
  • ブリリンタ錠90mg

申請者:アストラゼネカ
効能・効果:

  1. 以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い患者
    • 65歳以上
    • 薬物療法を必要とする糖尿病
    • 2回以上の心筋梗塞の既往
    • 血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患
    • 末期でない慢性腎機能障害
  2. 経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)(ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板薬の投与が困難な場合に限る)

用法・用量:

  1. (陳旧性心筋梗塞)1回60mgを1日2回
  2. (急性冠症候群)初回用量180mg、2回目以降の維持用量90mgを1日2回

陳旧性心筋梗塞の適応については海外で広く承認されており、急性冠症候群の適応については米国、欧州で承認されています。

一度は継続審議となっていたブリリンタ錠の承認了承

ブリリンタ錠は平成28年5月27日の薬食審第一部会で継続審議となっていました。

問題となったのは、「急性冠症候群」の適応に関する臨床試験の結果。
結果にばらつきが見られ、「非劣性が認められていない結果もある」との意見が出ていました。
また、プラビックス(成分名:クロピドグレル)などのチエノピリジン系抗血小板薬を投与しても効果が不十分な例がどの程度存在するのかとの指摘があったようです。
今回の再審議では、他のチエノピリジン系抗血小板薬の使用が難しいケースが報告され、そのような例に使用するということで承認が了承されたと思われます。

チカグレロルの特徴

ブリリンタの有効成分であるチカグレロルは、クロピドグレル(プラビックス)やプラスグレル(エフィエント)と同様に、ADP(Adenosine DiPhosphate:アデノシン2リン酸)のP2Y12受容体を選択的に阻害することで抗血栓作用を発揮する薬剤です。

クロピドグレルとプラスグレルの違い

審議の中で出てきた「他のチエノピリジン系で効果不十分なケース」という記述で思い出すのが、クロピドグレルとプラスグレルの違いです。
クロピドグレルはCYP2C19により代謝を受けて活性化されるプロドラッグです。
ですが、CYP2C19は日本人における遺伝子多型が存在するという問題があります。
プラスグレルも代謝を受けて活性化されるプロドラッグではありますが、複数の酵素により代謝を受けるため、CYP2C19による影響が少ないです。
そのため、効果の個人差が少なく、活性化されるスピードが速いという特徴があります。

ということでしたが、最近はクロピドグレルの活性化に大事なのはCYP2C19ではなく、パラオキソナーゼ-1(ParaOxoNase-1:PON1)ということが明らかになっています。
そうなると、CYP2C19を根拠としていたプラスグレルの優位性はどうなるんだろ・・・?

プロドラッグではなく、効果も非可逆的なチカグレロル

今回承認が了承されるチカグレロルはそもそもプロドラッグではありません。
つまり、そのままの状態で抗血小板活性を発揮します。
そのため、CYP2C19やPON1の遺伝子多型の問題が回避でき、効果発現も速いというのが特長です。
また、P2Y12受容体への結合が可逆的なので、投与中止後の血小板機能の回復が早いという特徴も持っています。

まとめ

審議の中では結構厳しく追及を受けたようなんですが、個人的にはチカグレロル(ブリリンタ)はなかなかいい薬剤だと思うのですがどうでしょうか?
個人差が少なく、効果が早く、中止後の血小板機能の回復も早い・・・。
それでも、なかなか了承されなかったというのは、臨床の現場でそう言った問題に直面することがほとんどないためか、そう言った問題が目にみえるレベルではないということなのでしょうか?

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