令和6年8月15日に後発医薬品の承認が行われました。
目玉はリバーロキサバン(イグザレルト錠/OD錠)、ビルダグリプチン(エクア錠)の2製品と思いますが、今回はエクア錠に注目してみたいと思います。
令和6年8月15日に承認された後発医薬品については以下の記事にまとめているのでよかったら読んでみてください。
令和6年8月15日に承認された後発医薬品【アコファイド、サムチレール、ロスーゼット、ハラヴェン、オングリザ、スーテント、プラケニル、エクア、イムセラ/ジレニア、 イグザレルト、アナペイン】
DPP4阻害薬として初のジェネリック医薬品
ビルダグリプチン錠50mgが薬価収載、発売されればDPP-4阻害薬の後発品としては初の上市となります。
承認だけで言えば、シタグリプチン錠「サワイ」(製造販売元:メディサ新薬)が令和5年8月15日に承認されているのですが、令和5年12月、令和6年6月の薬価収載は見送られており、おそらく令和6年12月の薬価収載も見送りになるんじゃないかと予想されています。
※シダグリプチン錠「サワイ」の承認については以下の記事にもまとめているので、よければこちら↓も読んでみてください。
また、令和6年8月15日にはビルダグリプチンの他にサキサグリプチン(先発品:オングリザ)も承認されていますが沢井製薬1社のみが承認を取得しています。
シタグリプチン錠と同じく屋号は「サワイ」(製造販売元:沢井製薬)となっていますが、薬価収載されるかどうか気になるところです。
サキサグリプチン錠が薬価収載されればDPP-4阻害薬の後発品が一気に2製品登場することになりますね。
承認を取得したのは9社9銘柄
ビルダグリプチン錠は先発品エクア錠と同じく剤形は「普通錠」、規格は「50mg」のみの承認です。
承認を取得したのは9社で銘柄数は9になり、AGの承認はありません。
- ビルダグリプチン錠50mg「JG」(製造販売元:日本ジェネリック)
- ビルダグリプチン錠50mg「TCK」(製造販売元:辰己化学)
- ビルダグリプチン錠50mg「ZE」(製造販売元:全星薬品工業)
- ビルダグリプチン錠50mg「サワイ」(製造販売元:沢井製薬)
- ビルダグリプチン錠50mg「トーワ」(製造販売元:東和薬品)
- ビルダグリプチン錠50mg「ニプロ」(製造販売元:ニプロ)
- ビルダグリプチン錠50mg「フェルゼン」(製造販売元:ダイト)
- ビルダグリプチン錠50mg「日新」(製造販売元:日新製薬)
- ビルダグリプチン錠50mg「杏林」(製造販売元:キョーリンリメディオ)
このうちどれくらいが薬価収載されるかは不明ですが、PMDAのサイトへの添付文書の公開状況等を踏まえると全て薬価収載・発売されるのではないでしょうか?
初収載時のビルダグリプチンの薬価は?
後発品が登場するとなると、気になるのは薬価です。
令和6年度薬価改定後のエクア錠50mgの薬価は60.60円/錠、1日薬価は121.2円です。
通常であれば後発品が初めて収載される場合の薬価は先発品の薬価に0.5を乗じた額なので、ビルダグリプチン錠50mgの薬価は30.30円/錠となるはずです。
ですが、令和6年度薬価制度改革では後発品の薬価算定のルール変更が行われています。
令和6年度 後発品薬価の新ルール
令和6年度薬価改定前は、後発品の内用薬に関しては同時収載される銘柄数が10を超える場合、先発品の薬価の0.4掛けとするルールが存在しました。
令和6年度薬価改定ではこのルールの見直しが行われ、後発品の内用薬について同時収載される銘柄数が7を超える場合、先発品の薬価の0.4掛けとすることになっています。
ビルダグリプチンについては9銘柄が承認を取得しているため、全て薬価収載されると仮定すれば銘柄数7を超え、0.4掛けの対象となり、その場合の薬価は24.24円/錠とかなり安くなります。
が、ビルダグリプチンに関してはさらに安くなる可能性があります。
先発品のエクアは新薬創出等加算の対象
(別添6-2)新薬創出・適応外薬解消等促進加算 対象品目(薬価非維持品目)リスト(医薬品コード順)
令和6年度薬価改定においてエクア錠は新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)の対象品目を維持しています。
新薬創出等加算では本来であれば薬価改定で引き下げとなる薬価を維持する形で加算が行われるため、この加算がなければエクア錠50mgの薬価は60.60円/錠よりも安くなっているはずです。
(とは言っても新薬創出等加算の対象品目を維持するため値引き率はかなり低くされているはずなので、取引価格≒市場実勢価格はそこまで安くなっていないと思いますが・・・)
後発品の薬価算定は新薬創出等加算の加算部分を除外(新薬創出等加算の返還)した上で行われるため、ビルダグリプチン錠50mgは60.60円/錠よりもさらに安い薬価を0.4掛けする形で算出されることになりそうです。
薬剤料から変更時の自己負担額がイメージできると思いますが、かなりのインパクトがありそうですね。
エクアGE 先発との違いや各銘柄の特徴
後発品の薬価を予想してみると、患者さんの自己負担額を大きく引き下げることができそうなエクア後発品。
これは採用したい!と思う方が多いと思いますが、その際に問題になるのがどの銘柄を選択すればいいのかということです。
エクアGEはAG未承認
オーソライズドジェネリック(AG:Authorized Generic)があるならそれを採用したいという薬局は多いと思いますが、残念ながら令和6年8月15日にエクアのAGは承認されていません。
後追いAGが登場する可能性もないことはないでしょうが、これだけのメーカー数が参入し、日本におけるエクア錠のプロモーションを考えるとAGの登場は望みが薄いかなあ・・・と思います。
サンドはノバルティスから完全に独立しているのでAGの製造販売権を取得できるのかどうか怪しいですし、日本でエクア錠を販売している住友ファーマの子会社である住友ファーマプロモが承認を取得するのであれば、それこそ他社に先駆けてか同時収載でないと厳しい気がするからです。
まあ、あくまでも個人的な見解なので将来的にどうなるかはわかりませんが、少なくとも12月の新規収載時点ではAGは収載されません。
先発と後発の適応に差はない
エクア錠も後発品(ビルダグリプチン錠)も適応は「2型糖尿病」で同じです。
エクア錠については、2010年1月20日に承認された時点では、
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法、運動療法のみ
(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
でしたが、その後、2013年2月28日に一部変更承認を取得、上記適応から「ただし」以降の部分が削除され、「2型糖尿病」の適応に変更された経緯があります。
ビルダグリプチン錠については最初から「2型糖尿病」となっているので少し安心です。
承認されたビルダグリプチン各銘柄データの比較(一覧表)
ってことでようやく本題です。
ビルダグリプチン錠50mgについて公開されている添付文書・IF(2024年10月25日時点)をもとに各銘柄の特徴について表にまとめてみました。
ひとつずつ解説していきたいと思います。
共同開発は2つ
9銘柄のうち、ZEとニプロ、フェルゼンと日新については共同開発であることがインタビィーフォームに記載されています。
ZEとニプロ
ビルダグリプチン錠 50mg「ZE」は、ニプロ株式会社、全星薬品工業株式会社の 2 社が後発医薬品として共同開発を行い、共同開発グループとして実施したデータを共有し、承認を取得した。
医薬品インタビューフォーム:ビルダグリプチン錠50mg「ZE」
なお、ビルダグリプチン錠 50mg「ニプロ」は後発医薬品として、ニプロ株式会社、全星薬品工業株式会社の合計 2 社による共同開発を実施し、共同開発グループとして実施したデータを共有し、承認を得た。
医薬品インタビューフォーム:ビルダグリプチン錠50mg「ニプロ」
フェルゼンと日新
なお、ビルダグリプチン錠 50mg「フェルゼン」は後発医薬品として、ダイト株式会社、日新製薬株式会社の 2 社で共同開発を実施し、共同開発グループとして実施したデータを共有し、承認を得た。
医薬品インタビューフォーム:ビルダグリプチン錠50mg「フェルゼン」
なお、本剤は後発医薬品として、日新製薬株式会社、ダイト株式会社の 2 社と共同開発を実施し、共同開発グループとして実施したデータを共有し、承認を得た。
医薬品インタビューフォーム:ビルダグリプチン錠50mg「日新」
ということで、これらについてはそれぞれ屋号やその刻印こそ違えど、成分や製法等は全く同じ製品ということになります。
色
エクア錠は「白色~微黄白色」となっており、後発品も半数以上が同じ色(記載)になっています。
JG、トーワ、杏林については「白色」の記載になっており、どの程度かは不明ですが見た目がどの程度異なるかは不明です。
ホームページの写真を見ると、添付文書上は「白色」と記載されれいる杏林が薄いピンクに見えます・・・。
色の違いは一包化した場合等の違和感につながりますので、できれば同じ色がいいなと思います。
性状:東和のみフィルムコート(point!)
先発品のエクア錠も含めて後発品もトーワ以外は全て「割線入りの素錠」と記載されています。
唯一異なるトーワは「割線入りのフィルムコーティング錠」です。
エクア錠を一包化、粉砕する際ににおいを感じることがあると思いますが、あれはビルダグリプチン由来のにおいです。
そのため、ビルダグリプチン錠については各社がどんな対策をしてくるか、匂いが強くなってしまうことはないかというのが採用品選択の一つのポイントとなります。
何社か承認の紹介に来たので、匂いについて聞いてみるんですが、今のところ匂いがあること自体知らないという回答ばかりです。
先発品が特別な対策を行なっているわけではなさそうなので、後発品も変わらないかなとは思っていますが、採用前に一度臭いは確認しておきたいところです。
その中で注目なのが、ビルダグリプチン錠50mg「トーワ」です。
この銘柄のみフィルムコーティング錠になっており、ビルダグリプチン由来の匂いを軽減できるのではないかと期待しています。
(ちなみに自分の薬局に訪れた東和薬品さんに質問しましたが、「そんな話は聞いてはいない」という回答だったので、臭い軽減を狙ってフィルムコートを施しているわけではないのかもしれません)
ただ、フィルムコーティング錠となると気になるのは簡易懸濁法です。
場合によっては表面に傷を入れた上で簡易懸濁を行う必要があるかもしれません。
東和薬品さんについては現時点でIFが公開されていないので、簡易懸濁法に関するデータが掲載されるのを期待しています。
おまけ:ビルダグリプチンの臭い対策について
エルメッドエーザイがビルダグリプチンの臭い対策について研究していたようですね・・・。
それを引き継いでいるはずの日医工はビルダグリプチン錠の承認を取得していないのでこの技術はお蔵入りか・・・
ビルダグリプチン含有医薬組成物、医薬組成物におけるビルダグリプチンの臭い抑制方法、及び医薬組成物におけるビルダグリプチンの臭い抑制剤
https://jglobal.jst.go.jp/en/detail?JGLOBAL_ID=201803008916848354
割線の形について
エクア錠の割線は溝が深く広く、斜めに切り込みが入った様な、いわゆるカラテ錠(瓦錠)のような形をしています。
後発品のほとんども同じ形をとっているのですが、TCK、サワイ、フェルゼン、日新については溝の浅い、いわゆる通常の割線になっています。
エクア錠は空手錠のような割線が特徴的だったので、見た目の変化に戸惑う方がいるかもしれません。
大きさと重量
大きさや重量の違いが見た目の印象を変えるポイントですが、ほとんどの後発品がエクア錠と同じ程度になっています。
ただ、フェルゼンと日新だけは小さく軽く(重さは先発の半分)作っています。
錠剤を飲み込みにくいという方にはいいかもしれませんが、見た目の変化が目立つので避けたいと思う薬局は少なくないと思います。
粉砕や簡易懸濁法のデータ
インタビューフォームの最後の方に掲載されている
ⅩⅢ.備考
1.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報
(1)粉砕あるいは脱カプセル
(2)崩壊・懸濁性及び経管投与チューブの通過性
を参考にまとめました。
先発品にはデータの記載がありませんが、(1)粉砕あるいは脱カプセルについては以下のように記載されているのでデータを持っているのだと思います。
個別に照会すること
照会先:表紙の「問い合わせ窓口」の項参照
簡易懸濁については「該当資料なし」となっていますが、様々な資料で可能と記載されているので、(◯)としました。
そのほかはIFデータに基づいてまとめています。
各社の情報を確認の上、個人的に問題なしと感じた場合に「◯」と記載しています。
TCKに関しては資料なし、トーワはIFが未公開、杏林は粉砕については実施中とのことでした。
添加物の違い
最後は添加物についてです。
先発品と全く同じという銘柄は一つも存在しません。
なので、添加物を気にするのであれば類似した銘柄を選ぶことになると思います。
トーワに関しては先発品にないフィルムコートが加えられているため、そこで使われる添加物が増えている形です。
それ以外の銘柄を見ると、先発品に近いのはTCK、サワイ、杏林となっています。
いずれも先発品にはないD-マンニトールを含んでいますが、そのほかはほぼ同じで類似していると言ってもいいと思います。
ZEとニプロについてもクロスポビドンを含んでいますが、そのほかはほぼ同じです。
見た目の違い
見た目が大きく異なると患者さんが不安を覚えてしまう可能性があります。
そこで、PTP包装、バラ錠の際の画像を集めて比較できるようまとめてみました。
PTP表側
PTPの表側で気にするのは先発品(エクア錠)と似ているかどうかでしょうか?
後発品に変更した際に患者さんが同じものとわかり、変化による不安感を感じにくくすることを優先するか、
薬局内で調剤を行う際に先発品と後発品とをはっきり区別できることを優先するか、
どちらを大事にするかは薬局ごとに異なると思います。
完全に同じにしているものはないので、特徴を押さえておけば区別はしやすいのではないかと思います。
となると、どこまで似ているかが個性になりそうですが、これも好みでしょうね。
実薬を見ないと質感等わからないので・・・。
PTP裏側
PTPの裏側にはGS-1コード(調剤包装単位)を示すGS-1データバーが印字されるため、ピッキング監査システムを導入している薬局にとっては印字方法が重要になると思います。
先発品は下側真ん中のみに印字されていたので、縦切りした場合は下側を切り離した場合はGS-1コードを確認できなくなってしまいます。
サワイ、杏林、ニプロ、トーワ、日新は1錠ずつGS-1データバーが印字されており、仮に錠剤を1錠に切り離してもGS-1コードを確認することが可能となっているのでありがたいです。
また、トーワについては中央下部に1つのみですが、QRコードが印字されており、スマホのカメラ等で読み込むことにより、患者用薬の情報ページに飛ぶことができるようになっています。
こういった取り組みは素晴らしいですよね。
バラ錠
TCKとフェルゼンはホームページで画像が公開されていなかった(2024年10月26日時点)ので、バラのみ添付文書の画像を採用しています。
こうしてみるとバラ錠については見た目の印象が大きく異なりますね。
名前が印字されるのはとてもありがたいですが、患者さんから見た場合の印象が大きく変化します。
となると形にはあまりこだわらなくてもいいのかなあ?(どうせ印象違うのだから)
まとめ:ぺんぎん薬剤師はどの銘柄を選ぶ?
現時点でわかる範囲のエクア後発品に関する情報をまとめてみました。
意外と各社の個性があって、まとめていて楽しかったです。
さて、うちの薬局ではもちろんエクア錠の後発品を採用する予定ではありますが、どの銘柄にするか・・・。
悩んでみることにします。
ビルダグリプチン錠50mg「トーワ」
まず、検討したいのが「トーワ」です。
やはりフィルムコーティング錠が気になります。
匂いがマスクされていればいうことなしなんですが、この臭いについて患者さんから指摘されたことは一度もありません。
また、フィルムコートを行うことで簡易懸濁にどの程度影響が出るのか気になります。
ただ、エクア錠の匂いについて患者さんから指摘されたことがないんですよね。
そこを考えると、フィルムコーティング錠とすることのメリットが薄まります。
せっかくカラテ錠様の形になっているので、押さえて割れれば嬉しいのですが、その場合にフィルムコートが残らないか?
簡易懸濁について問題なく行えるのか?(IF公開待ち)
この辺りを確認してからになりますね。
PTP裏のQRコード印字等、いろんな努力が垣間見えることも含めて、採用第一候補の一つではあります。
ビルダグリプチン錠50mg「フェルゼン」、「日新」
「フェルゼン」、「日新」は錠剤が小型化されたことが特徴で、先発品のエクア錠より一回り以上小さくなっています。
が、エクア錠が大きくて飲めないという患者さんには出会ったことがありません。
小さくなれば飲みやすくなることは思いますが、あまり小さいと紛失の原因となります。
また、先発品との見た目の違いが大きくなると不安を覚える患者さんもいるかもしれません・・・と思っていましたが、MRさんのお話を聞いてかなり印象が変わりました。
ビルダグリプチンは成形性が乏しく添加物なしでは打錠過程で割れや欠けを生じてしまいます。
ですが、添加物が多いと分解物を生成しやすくなる性質も併せ持っています。
そこでビルダグリプチン錠50mg「日新」(フェルゼンも同様のはずです)は、まずビルダグリプチンを顆粒状に成形し、その後で打錠を行うことで、成形性の乏しさと添加物による分解物生成の両方を克服したそうです。
結果として、錠剤を小さくするが可能になったのと同時に分解物も生じにくくなったということです。
こういう話を聞くと気になりますね〜。
これ、結果として匂いも抑制できているんじゃないかと期待しています。(製剤見本で確認したい)
ビルダグリプチン錠50mg「サワイ」
流通の安定性を考える際に東和と並んで候補に上がるのが沢井です。
トーワとの違いはフィルムコーティング錠ではなく、より先発に近い製剤となっていることです。
添加物を見ても、先発品から乳糖とデンプングリコール酸ナトリウムがなくなり、代わりにD-マンニトールが加わっただけです。
が、見た目を気にするのであれば割線の形状がカラテ錠様ではなく通常のものになっているところが残念ですね。
両側割線なので大量に半錠を行う時は表裏を気にせずスムーズに行えるかもしれませんが、そもそもDPP-4阻害薬の半錠ってそこまでないと思うので・・・。
第一候補ではありますが、悩むところです。
ビルダグリプチン錠50mg「TCK」、「杏林」、「ZE」、「ニプロ」
先発品と添加物が類似するものを比較してみました。
(JGは割愛しましたがメリットとなる情報があれば教えてください)
TCKと杏林はサワイと同じ添加物となっており、
先発品から乳糖とデンプングリコール酸ナトリウムがなくなり、代わりにD-マンニトールが加わっただけです。
ZEとニプロは少し異なり、
先発品からデンプングリコール酸ナトリウムがなくなり、代わりにクロスポビドンが加わっています。
ZEとニプロに使用されているクロスポビドンについて、少し気になるのが、湿気による外観の変化が起こるかどうかです。
製剤によっては表面がボコボコになることがあるのですが、インタビューフォームでは外観に関して記載されておらず、試験の対象じゃなかったということなのか、何も変化がなかったので記載しなかったのかが不明です。
となってくると残るはTCKと杏林になるのですが、TCKについてはIFに粉砕や簡易懸濁に関するデータがない。
杏林については粉砕に関しては記載ありませんが実施中となっており、簡易懸濁のデータはしっかり記載されています。
ということで、この4製剤の中では杏林が気になります。
PTP裏面のGS-1データバー印字も1錠ずつになっているのでポイント高いです。
結果
今の段階で絞っているのは、以下の3種類です。
- ビルダグリプチン錠50mg「サワイ」
- ビルダグリプチン錠50mg「トーワ」
- ビルダグリプチン錠50mg「杏林」
- ビルダグリプチン錠50mg「日新」(フェルゼン)
東和薬品についてはIF待ちですし、キョーリンリメディオも粉砕データの掲載待ちです。
日新(フェルゼン)に関しては錠剤を小さくするためのエピソードを聞いて、一気に注目度が増しました。
4製品については可能であれば製剤見本をお願いして検討したいと思います。
GEの選定についてはみなさん、それぞれの視点、こだわりがあるとは思いますが、その参考となれば幸いです。