2023年2月15日付で新規後発医薬品が承認されています。
じほう社さんで承認一覧が公開されています。
今回、初めて参入となるのは13製品で、そのうち2製品でAGが承認されています。
- 新規参入:アジルバ錠(新剤形あり)、アトーゼット配合錠、イムセラカプセル/ジレニアカプセル(→2023.6 収載見送り)、オノアクト点滴静注用(→2023.6 収載見送り)、セララ錠、タプロス点眼液、タプコム配合点眼液、タルセバ錠、ノベルジン錠、フェソロデックス筋注(→2023.6 収載見送り)、ムコスタ点眼液UD(新剤形のみ)、レブラミドカプセル(→2023.6 収載見送り)、ロゼックスゲル(→2023.6 収載見送り)
- 承認は初めてではないが未収載:アラミスト点鼻液(AGあり)
- AG承認:アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「武田テバ」、レナリドミドカプセル2.5mg/5mg「BMSH」(→2023.6 収載見送り)、ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg/2.5mg/5mg「DSEP」
※フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「武田テバ」56噴霧用/120噴霧用は既承認(2021年8月承認) - 新剤形・新規格:メトトレキサート錠1mg「日本臓器」、ルリコン外用液(ルリコナゾール外用液1%「イワキ」→2023.6 収載見送り)
承認品目数はそれなりなんですが、どの製品も製造承認を取得したメーカーが少なく、一社のみがほとんどです。
やはり昨今の医薬品供給問題の影響もあり、参入メーカーは今回も少なめです。
10社を超えたのはアジルサルタンのみ(12社)です。アジルサルタンについては順当にいけば先発薬価の0.4掛けルールが適用されると思います。
今回承認された後発医薬品は2023年6月16日に薬価収載され、順次発売される予定です。
- 1 初めて後発品が承認されたもの
- 1.1 アジルバ錠のGE(アジルサルタン):AGあり、新剤形あり、適応違い
- 1.2 アトーゼット配合錠のGE(エゼアト配合錠):1社のみ
- 1.3 イムセラカプセル/ジレニアカプセルのGE(フィンゴリモド)→2023.6収載見送り
- 1.4 オノアクト点滴静注用のGE(ランジオロール塩酸塩):1社のみ、適応違い?→2023.6収載見送り
- 1.5 セララ錠のGE(エプレレノン):1社のみ
- 1.6 タプロス点眼液とタプコム配合点眼液のGE(タフルプロスト/チモロール):1社のみ
- 1.7 タルセバ錠のGE(エルロチニブ):1社のみ
- 1.8 ノベルジン錠のGE(酢酸亜鉛):1社のみ、適応違い
- 1.9 フェソロデックス筋注のGE(フルベストラント):1社のみ→2023.6収載見送り
- 1.10 ムコスタ点眼液UDのGE(レバミピド懸濁性点眼液):1社のみ
- 1.11 レブラミドカプセルのGE(レナリドミド):AGあり→2023.12収載
- 1.12 ロゼックスゲルのGE(メトロニダゾールゲル):1社のみ、適応違い→2023.6収載見送り
- 2 そのほか気になる承認品目
- 3 参考資料
初めて後発品が承認されたもの
アジルバ錠のGE(アジルサルタン):AGあり、新剤形あり、適応違い
アジルバのGEが承認されました。
不思議に思われていた方も多いと思いますが、アジルバ錠(アジルサルタン)より先にザクラス配合錠(アジルサルタン/アムロジピン)のジェネリックであるジルムロ配合錠が承認・薬価収載・販売されています。(先発品の発売はアジルバが先でザクラスが後)
アジルバについては途中で小児用量が追加されたため、再審査期間が延長され、再審査完了(令和3年10月17日まで)までジェネリックの申請が行えなかったというのが理由です。
アジルバ錠10mg/20mg/40mg GE
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「JG」
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「トーワ」
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「ニプロ」
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「武田テバ」(AG)
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「サワイ」
- アジルサルタン錠10mg/20mg/40mg「サンド」
アジルサルタン口腔内崩壊錠10mg/20mg/40mg(新剤形)
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「DSEP」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「ケミファ」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「日新」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「明治」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「杏林」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「サワイ」
- アジルサルタンOD錠10mg/20mg/40mg「フェルゼン」
製造承認取得メーカー:日本ジェネリック、東和薬品、ニプロ、武田テバファーマ、沢井製薬、サンド、第一三共エスファ、日本ケミファ、日新製薬、Meiji Seika ファルマ、キョーリンリメディオ、ダイト(屋号:フェルゼン)
アジルバ顆粒1%の承認を取得したメーカーはAGを含めてありません。
また、AGを含めて小児に対する用法用量を取得したものはありません。
アジルサルタン錠の薬価予想
12社が承認を取得しており、今回唯一の10社超え(0.4掛けの対象)となっています。
効能効果:高血圧症
- アジルバ錠10mg:93.80円/錠
- アジルバ錠20mg:140.20円/錠
- アジルバ錠40mg:210.20円/錠
- アジルバ顆粒1%:73.30円/g
(いずれも新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
単純に先発品の0.4掛けで考えるとアジルサルタン錠20mgの薬価は56.08円/錠になります。さらにアジルバが新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.4掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりもさらに安くなると予想されます。
アトーゼット配合錠のGE(エゼアト配合錠):1社のみ
アトーゼット配合錠のGEが承認されました。
アトーゼットGEの統一名称は「エゼアト」(エゼチミブ+アトルバスタチン)です。
成分名そのままでとてもわかりやすいのに混乱してしまうのは、アトーゼット、ロスーゼット(エゼチミブ+ロスバスタチン)に加えて、リバゼブ(エゼチミブ+ピタバスタチン)が登場して間もないタイミングだからじゃないかと思います・・・。(自分だけ?)
アトーゼット配合錠LD/HD GE
- エゼアト配合錠LD「JG」
- エゼアト配合錠HD「JG」
製造承認取得メーカー:日本ジェネリック
エゼアト配合錠の薬価予想
アトーゼット配合錠の薬価ですが、それぞれ単独のジェネリック(エゼチミブ錠とアトルバスタチン錠)にした方が薬価が安いというのは有名な話だと思いますので、そのあたりも踏まえて考えてみたいと思います。
効能効果:高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
- アトーゼット配合錠LD:149.70円/錠
- アトーゼット配合錠HD:146.90円/錠
※補足
- エゼチミブ錠10mg:31.60円〜43.20円/錠
- アトルバスタチン錠10mg:14.80円〜28.50円/錠
- アトルバスタチン錠20mg:44.30円/錠
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
エゼアト配合錠LDの薬価は0.5掛けで74.85円/錠になると予想されます。
エゼチミブ錠10mg+アトルバスタチン錠10mg=46.40円〜71.70円
エゼアトになればアトーゼットに比べて薬価の差は縮まりますが、それでもそれぞれ単独に分けて服用した方が薬価が安いという結果は変わらないですね。
イムセラカプセル/ジレニアカプセルのGE(フィンゴリモド)→2023.6収載見送り
国内初の経口多発性硬化症(MS:Multiple Sclerosis)治療薬として登場したイムセラカプセル/ジレニアカプセルのジェネリックが承認されました。
イムセラカプセル/ジレニアカプセル GE
- フィンゴリモドカプセル0.5mg「トーワ」
- フィンゴリモドカプセル0.5mg「サンド」
製造承認取得メーカー:東和薬品、サンド
フィンゴリモドカプセルの薬価予想
効能効果:多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
- イムセラカプセル0.5mg:8166.90円/カプセル
- ジレニアカプセル0.5mg:8299.60円/カプセル
(いずれも新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
フィンゴリモドカプセル0.5mgの薬価は先発品の0.5掛けで計算すると4083.45〜4149.80円/カプセルと予想されますが、イムセラカプセル/ジレニアカプセルは新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.5掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりも安くなると予想されます。
サンドはAGなのではないか?
イムセラカプセルの製造販売元は田辺三菱製ですが、ジレニアカプセルの製造販売元はノバルティスファーマです。
サンドは元々ノバルティスの子会社だったので(現在は完全に独立)、フィンゴリモドカプセル0.5mg「サンド」はオーソライズドジェネリックではないか?と考えたのですが・・・。
フィンゴリモドは京都大学薬学部の藤多教授(当時)により冬虫夏草菌から発見された物質です。これを田辺三菱が開発着手した後に、ノバルティスファーマに導出したもので、海外ではノバルティスファーマ、国内ではノバルティスファーマと田辺三菱が共同開発したものです。
となるとAGの権利はどちらが保有しているんでしょう・・・?
サンド単独でAGを出すのは難しい気もしますし、どうなんでしょうか。気になるところです。
オノアクト点滴静注用のGE(ランジオロール塩酸塩):1社のみ、適応違い?→2023.6収載見送り
オノアクト点滴静注用のジェネリックが承認されていますが一社のみです。
オノアクト点滴静注用50mg/150mg GE
- ランジオロール塩酸塩点滴静注用50mg「F」
- ランジオロール塩酸塩点滴静注用150mg「F」
製造承認取得メーカー:富士製薬工業
おそらくですが、先発品と後発品で適応違いが生じるのではないかと思います。
ランジオロール塩酸塩点滴静注用の薬価予想
効能効果:
〈成人〉手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈
〈成人〉手術後の循環動態監視下における下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈
〈成人〉心機能低下例における下記の頻脈性不整脈:心房細動、心房粗動
〈成人〉生命に危険のある下記の不整脈で難治性かつ緊急を要する場合:心室細動、血行動態不安定な心室頻拍
〈成人〉敗血症に伴う下記の頻脈性不整脈:心房細動、心房粗動、洞性頻脈
〈小児〉心機能低下例における下記の頻脈性不整脈:上室頻拍、心房細動、心房粗動
- オノアクト点滴静注用50mg:4203.00円/瓶
- オノアクト点滴静注用150mg:11334.00円/瓶
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
ランジオロール塩酸塩点滴静注用50mgは先発品の0.5掛けで計算すると2101.50円/瓶と予想されます。
セララ錠のGE(エプレレノン):1社のみ
セララ錠のジェネリックが承認されていますが、一社のみです。
セララ錠25mg/50mg/100mg GE
- エプレレノン錠25mg「杏林」
- エプレレノン錠50mg「杏林」
- エプレレノン錠100mg「杏林」
製造承認取得メーカー:キョーリンリメディオ
エプレレノン錠の薬価予想
効能効果:
・高血圧症
・下記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者:慢性心不全(25mg・50mgのみ)
- セララ錠25mg:36.70円/錠
- セララ錠50mg:70.80円/錠
- セララ錠100mg:131.70円/錠
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
エプレレノン錠は先発品の0.5掛けで計算すると35.40円/錠と予想されます。
意外なことにセララGEは一社のみ
セララのジェネリックが一社のみだったのを意外に思うのは自分だけでしょうか?
第二世代の選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA:Mineral corticoid Receptor Antagonist)としてそれなりに使用されている気がするんのですが・・・。
「それなりの使用量」では今のジェネリックの販売戦略的に難しいのかもしれませんね。
タプロス点眼液とタプコム配合点眼液のGE(タフルプロスト/チモロール):1社のみ
タプロス点眼液はプロスタグランジンF2α誘導体であるタフルプロストを有効成分とする点眼液です。
タプコム配合点眼液はプロスタグランジンF2α誘導体であるタフルプロストと非選択的β遮断薬であるチモロールマレイン酸塩を配合した点眼液です。
タプロス点眼液 GE
- タフルプロスト点眼液0.0015%「NIT」
タプコム配合点眼液 GE
- タフチモ配合点眼液「NIT」
製造承認取得メーカー:東亜薬品
東亜薬品が単独・配合薬の両方の承認を取得しています。
タフルプロスト点眼液・タフチモ配合点眼液の薬価予想
効能効果:緑内障、高眼圧症
- タプロス点眼液0.0015%:871.40円/mL
- タプコム配合点眼液:841.40円/mL
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
タフルプロスト点眼液0.0015%の薬価は先発品の0.5掛けで計算すると435.70円/mLと予想されます。
同様にタプコム配合点眼液の薬価は420.70円/mLと予想されます。
タルセバ錠のGE(エルロチニブ):1社のみ
タルセバ錠は第一世代の上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI:Epidermal Growth Factor Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor)です。
タルセバ錠25mg/100mg/150mg GE
- エルロチニブ錠25mg「NK」
- エルロチニブ錠100mg「NK」
- エルロチニブ錠150mg「NK」
製造承認取得メーカー:日本化薬
日本化薬のみが承認を取得しています。
エルロチニブの薬価予想
効能効果:
・切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌
・EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌
・治癒切除不能な膵癌
- タルセバ錠25mg:2003.10円/錠
- タルセバ錠100mg:7369.70円/錠
- タルセバ錠150mg:10777.40円/錠
(いずれも新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
エルロチニブ錠150mgの薬価は先発品の0.5掛けで計算すると5388.70円/錠と予想されますが、タルセバ錠は新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.5掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりも安くなると予想されます。
1社のみの参入となった理由は?
国内ではイレッサ(ゲフィニチブ)に続いて2番目に登場した第一世代 EGFR-TKIであるタルセバ(エルロチニブ)ですが、肺がん治療におけるEGFR-TKI治療では第三世代であるタグリッソ(オシメルチニブ)が強く推奨されています。
治癒切除不能な膵癌でも選択肢には上がってきますが、後発医薬品の販売戦略を考える際に、積極的に参入したいというほどの市場ではないというのが一社のみの参入という結果になっているのではないかと思います。
日本化薬はがん領域に強いメーカーとして、選択肢の一つとしてエルロチニブを保有することで、総合的なメリットを考えての戦略なんだろうと想像しています。
ノベルジン錠のGE(酢酸亜鉛):1社のみ、適応違い
先発医薬品のノベルジンは「ウィルソン病(肝レンズ核変性症)」と「低亜鉛血症」の適応を有していますがおり、承認当初は酢酸亜鉛錠「サワイ」の適応は現時点で「ウィルソン病(肝レンズ核変性症)」のみでしたが、2023年6月7日に「低亜鉛血症」の適応を取得したことが発表されましたになっています。
ノベルジン錠25mg/50mg GE
- 酢酸亜鉛錠25mg「サワイ」
- 酢酸亜鉛錠50mg「サワイ」
製造承認取得メーカー:沢井製薬
沢井製薬のみの参入です。
また、つい先日発売されたばかりの顆粒については承認されていません。
酢酸亜鉛錠錠の薬価予想
効能効果:
・ウィルソン病(肝レンズ核変性症)
・低亜鉛血症
- ノベルジン錠25mg:230.40円/錠
- ノベルジン錠50mg:361.00円/錠
- ノベルジン顆粒5%:460.80円/g
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
酢酸亜鉛錠50mgは先発品の0.5掛けで計算すると180.50円/錠と予想されます。
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
適応拡大後に承認を狙うメーカーも?
やはり「低亜鉛血症」の適応についての特許が切れるまでは他社は参入を見送るのだと思います。そこまで使用量の多い薬剤ではないのでそれも参入見送りの原因かもしれません。
※2023年4月18日にノーベルファーマは沢井製薬に対してノベルジンに関する特許侵害を理由に裁判を起こしている(参考)ので、他社の参入見送りは特許の問題かもしれません
ただ、ノベルジンの薬価は非常に高く、ジェネリックが登場することで使いやすくなり、処方量が増えるのではないかとも思います。
いずれにせよ、本格的に使用されるのは「低亜鉛血症」の適応が取得されてからですが、「低亜鉛血症」の適応については2023年1月に再審査期間が満了しているので、そう遠くないタイミングで追加されるのではないかと思います。(薬価収載前に適当違いが解消される可能性も?)
(その後、2023年6月7日に酢酸亜鉛錠「サワイ」は「低亜鉛血症」の適応を取得しました。)
フェソロデックス筋注のGE(フルベストラント):1社のみ→2023.6収載見送り
フェソロデックス筋注のジェネリックが承認されていますが一社のみです。
フェソロデックス筋注250mg GE
- フルベストラント筋注250mgシリンジ「オーハラ」
製造承認取得メーカー:大原薬品工業
フルベストラント筋注の薬価予想
効能効果:乳癌
- フェソロデックス筋注250mg:38404.00円/筒
(新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
フルベストラント筋注250mgシリンジの薬価は先発品の0.5掛けで計算すると19202.00円/錠と予想されますが、フェソロデックス筋注は新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.5掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりも安くなると予想されます。
ムコスタ点眼液UDのGE(レバミピド懸濁性点眼液):1社のみ
ムコスタ点眼液のジェネリックと思われるものが承認されています。
ムコスタ点眼液UD2% GE
- レバミピド懸濁性点眼液2%「参天」
製造承認取得メーカー:参天製薬
レバミピド懸濁性点眼液の薬価予想
効能効果:ドライアイ
- ムコスタ点眼液UD2% 0.35mL:27.30円/本
(新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
レバミピド懸濁性点眼液の剤形が不明なので予想が立てにくくなってます。
ムコスタ点眼液UDのような使い捨てタイプではなく通常の点眼液であれば・・・どうやって計算するんだろう?
UDではない?
ムコスタ点眼液UDの「UD」はUnit Dose、つまり1回使い切りの剤形を意味しています。
今回承認されたレバミピド懸濁性点眼液2%「参天」はUDでなく、その代わりにただの懸濁性点眼液になっています。
(ムコスタ点眼液UDも名称とはなっていませんが、懸濁性点眼液です)
ということは、使い捨てではなく通常の点眼液(瓶)として承認されているのかもしれませんね。
レブラミドカプセルのGE(レナリドミド):AGあり→2023.12収載
先発品(レブラミド)の製造販売元であるブリストル・マイヤーズスクイブの子会社であるブリストル・マイヤーズ スクイブ販売がAGを取得しています。
レブラミドカプセル2.5mg/5mg GE
- レナリドミドカプセル2.5mg/5mg「BMSH」(AG)
- レナリドミドカプセル2.5mg/5mg「サワイ」
製造承認取得メーカー:ブリストル・マイヤーズ スクイブ販売、沢井製薬
免疫調節薬(IMiDs:Immunomodulatory Drugs)のひとつであるレナリドミドは催奇形性を有するため、先発品であるレブラミドには胎児への曝露を回避するための適正管理手順
(RevMate®:レブメイト®)が定められています。
BMSHについてはAGなのでレブメイトの対応がスムーズだと思いますが、サワイに関してはどのような体制を取る予定なのかが気になりますね・・・。
レナリドミドカプセルの薬価予想
効能効果:
・多発性骨髄腫
・5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
・再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
・再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫
- レブラミドカプセル2.5mg:6783.90円/カプセル
- レブラミドカプセル5mg:8085.30円/カプセル
(新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
レナリドミドカプセル5mgの薬価は先発品の0.5掛けで計算すると4042.65円/カプセルと予想されますが、レブラミドカプセルは新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.5掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりも安くなると予想されます。
ロゼックスゲルのGE(メトロニダゾールゲル):1社のみ、適応違い→2023.6収載見送り
ロゼックスゲルのジェネリックが承認されていますが一社のみです。
ロゼックスゲル0.75% GE
- メトロニダゾールゲル0.75%「マルイシ」
製造承認取得メーカー:丸石製薬
ロゼックスゲルの適応は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」と「酒さ」ですが、現時点で後発品の適応は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」のみになっています。
メトロニダゾールゲルの薬価予想
効能効果:
・がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減
・酒さ
- ロゼックスゲル0.75%:102.30円/g
(新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象)
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
メトロニダゾールゲル0.75%の薬価は先発品の0.5掛けで計算すると51.15円/gと予想されますが、ロゼックスゲルは新薬創出等加算の対象のため、加算分を差し引いて上で0.5掛けの計算が行われることになるので薬価はこれよりも安くなると予想されます。
そのほか気になる承認品目
メトトレキサート錠の新規格
メトトレキサート錠に1mgが追加されます。
- メトトレキサート錠1mg「日本臓器」
製造承認取得メーカー:日本臓器製薬
これまでは2mgしか存在しなかったので、1mgが登場したことで用量調節が容易になります。
ルリコン液のGE(ルリコナゾール):ルリコナゾール外用の剤形追加→2023.6収載見送り
ルリコン液のジェネリックが承認されています。
岩城製薬はすでにルリコナゾールクリーム1%「イワキ」とルリコナゾール軟膏1%「イワキ」の承認を取得しているので、剤形追加の形になります。
ルリコン液1% GE
- ルリコナゾール外用液1%「イワキ」
製造承認取得メーカー:岩城製薬
アラミスト点鼻液のGE(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)
アラミスト点鼻液のジェネリックが複数登場です。
アラミスト点鼻液27.5µg56噴霧用/120噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「杏林」56噴霧用/120噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「ニットー」56噴霧用/120噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「タカタ」56噴霧用/120噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「トーワ」56噴霧用/120噴霧用
製造承認取得メーカー:キョーリンリメディオ、日東メディック、高田製薬、東和薬品
実は初承認ではないフルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液の薬価予想
効能効果:アレルギー性鼻炎
- アラミスト点鼻液27.5µg56噴霧用:1672.50円/キット
- アラミスト点鼻液27.5µg120噴霧用:3513.80円/キット
※薬価は記事執筆時点(2023年2月15日)のもの
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg56噴霧用の薬価は先発品の0.5掛けで計算すると836.25円/キットと予想されます。
追加:フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「武田テバ」56噴霧用/120噴霧用はAG
2023年2月16日になって武田テバファーマがフルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「武田テバ」56噴霧用/120噴霧用を6月に薬価収載予定として発表し、合わせてAGであることが発表されました。
当時の記事でもアラミストAGではないか?と予想しましたが、一年半後に正解だったことがわかりました。
令和3年8月16日に承認されたジェネリック医薬品【イーケプラ・ヴォリブリス・ケアラム・ソタコール・アレジオンLX・パタノール・アラミスト】
メインテート錠のAG
メインテート錠のAGが登場します。
メインテート錠0.625mg/2.5mg/5mg GE
- ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg「DSEP」(AG)
- ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「DSEP」(AG)
- ビソプロロールフマル酸塩錠5mg「DSEP」(AG)
製造承認取得メーカー:第一三共エスファ
参考資料
- キョーリンリメディオ – 2023年2月製造販売承認取得品目の製品ページを公開しました(アジルサルタンOD錠、エプレレノン錠、フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)
- 沢井製薬の新製品(アジルサルタン錠、アジルサルタンOD錠、酢酸亜鉛錠)
- 酢酸亜鉛錠25mg/50mg「サワイ」[薬価基準未収載] 効能又は効果追加等のお知らせ
- 「ノベルジン」特許に関する特許権侵害訴訟の提起について
- 第一三共エスファ – 製造販売承認取得のご案内(アジルサルタンOD錠)
- 第一三共エスファ – 販売予定製品のご案内(アジルサルタンOD錠)
- 第一三共エスファ – 製造販売承認取得のご案内(ビソプロロールフマル酸塩錠)
- 第一三共エスファ -販売予定製品のご案内(ビソプロロールフマル酸塩錠)
- 高田製薬 – ジェネリック医薬品1成分2品目の製造販売承認取得(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)
- 武田テバファーマ – 製造販売承認取得のお知らせ(アジルサルタン錠)
- 武田テバファーマ – 薬価基準収載予定のお知らせ(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)
- 東和薬品 – 3成分6品目の製造販売承認を取得(アジルサルタン錠、フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液、フィンゴリモドカプセル)
- 日東メディック – 新製品発売予定のお知らせ(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)
- 日本化薬 – 製造販売承認取得のお知らせ(エルロチニブ錠)
- 日本ジェネリック – ジェネリック医薬品 2成分5製品 製造販売承認取得に関するお知らせ(アジルサルタン錠、エゼアト配合錠)
- 日本臓器製薬 – メトトレキサート錠1mg「日本臓器」製造販売承認取得のご案内
- ブリストル・マイヤーズ スクイブ – レブラミドのオーソライズド・ジェネリック製品の製造販売承認を取得(レナリドリドカプセル)
- Meファルマ – 高血圧症治療薬「アジルサルタンOD錠『明治』」製造販売商人に関するお知らせ
- 万有製薬株式会社一部製品の日医工株式会社への承継について
- 販売名(屋号)変更ならびに日本薬局方収載に伴う包装表示変更のご案内(旧 注射用硫酸アミカシン「萬有」200mg)