【アレジオン】自主回収を理解する〜エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤の自主回収【ICH-M7】

2021年3月15日、日本ベーリンガーインゲルハイム、沢井製薬、東和薬品、日医工はアレジオンドライシロップをはじめとするエピナスチン塩酸塩DS製剤の自主回収を発表しました。
有効期限内の全てのロットが自主回収ということで、花粉症シーズンにエピナスチンの小児用DSが全てなくなってしまうという薬局としては悩ましい事態になってしまいました。
ですが、それ以上に心配なのが該当する製剤を服用していた患児の親の不安感です。
NHKの報道では当初「子ども向け治療薬にがん誘発リスクの物質検出」と報道されてしまいました。(のちに「遺伝情報変化起こす可能性の物質 限度超えて検出」に変更)
今回の自主回収の案内を受けて薬剤師としてどのように説明しますか?
結論としては「そのまま服用しても問題ない」という回答でしたが、自信を持って説明し、患者さんの不安感を解消できるように自主回収の内容をしっかり理解してみたいと思います。

「アレジオン錠、もしくはエピナスチン塩酸塩錠」を服用されている方へ」
今回、自主回収となったのはアレジオン(もしくはエピナスチン塩酸塩)ドライシロップ(DS)です。錠剤については自主回収の対象となっていませんので、錠剤を服用中の方はそのまま服用を継続してください。自己判断でやめてしまうとアレルギー性疾患が悪化してしまう恐れがあります。
「アレジオンドライシロップ(エピナスチン塩酸塩DS)を服用されているお子さんのお父さん、お母さんへ」
今回の報道で「発癌性」という言葉が出てきて不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の自主回収に関しては将来的な発癌性のリスクは極めて低いものです。メーカーの報告によると、生涯(最長70年)毎日服用しても健康への影響は極めて低いものです。
アレジオンドライシロップやエピナスチン塩酸塩DSの流通が停止になるので、次回からは他の薬剤に変更になるとは思いますが、この薬を服用することによって有害事象が発生することはまず考えられませんので不安にならず、かかりつけ医、薬剤師と相談の上、安心して治療を継続してください。
メーカーからの患者さん向けの案内をtwitter上で公開してくれている方がいたのでそのtweetを埋め込みます。

画像を読んでいただければわかりますが、手元にある薬の服用は継続するようにとまで記載されていることから服用に不安を感じる必要はないことがわかります。

エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤の自主回収

まずは今回の自主回収の内容について整理しておこうと思います。

2021.3.15 自主回収(クラスⅡ)

  • アレジオン®ドライシロップ 1%
  • エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」
  • エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「トーワ」
  • エピナスチン塩酸塩DS1%小児用「日医工」

以上の有効期限内の全ロット

アレジオン®ドライシロップ1%の供給に関するお知らせ(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」自主回収に関するお知らせ(沢井製薬株式会社)エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「トーワ」 自主回収に関するお知らせ(東和薬品株式会社)エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤自主回収に関するお知らせ(日医工株式会)

※内容は全て同一です

回収範囲は期限内の全ロット、当然ですがしばらく出荷停止になります。

代替え薬の検討

花粉症シーズン真っ只中にエピナスチンのドライシロップ製剤が市場から消えてしまう!ということで日本中の薬局は大慌て!
近隣医療機関を訪問し、Drと代替薬について相談をした薬局も少なくなかったと思います。

アレジオンドライシロップ1%の適応、使用可能の年齢は以下の通りです。
適応:気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
年齢:3歳以上

小児適応を取得している主な第二世代抗ヒスタミン薬は以下の通りです。

  • クラリチンドライシロップ1%(ロラタジン)
    適応:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
    年齢:3歳以上
  • アレグラドライシロップ5%(フェキソフェナジン)
    適応:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
    年齢:6ヵ月以上
  • ジルテックドライシロップ1.25%(セチリジン)
    適応:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
    年齢:2歳以上
  • ザイザルシロップ0.05%(レボセチリジン)
    適応:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
    年齢:6ヵ月以上
    ※ジェネリックにDSあり
  • アレロック顆粒0.5%(オロパタジン)
    適応:アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
    年齢:2歳以上
    ※ジェネリックにDSあり

この中から代替薬を選ぶ必要があるんですが、年齢的にはどの薬剤でもいけそうですね。(アレジオンDSが使用可能な3歳以上にはいずれも使用可能)

ただ、あまり多くはないと思いますが、気管支喘息に使用している場合はアレジオン以外には適応がないので注意が必要ですね。

クラリチンDSの出荷調整

早速出てしまいました・・・。
クラリチンドライシロップ1% 製品出荷調整に関するお知らせとお詫び(2021.3.15)
出荷調整の理由:同効薬の自主回収による需要の増加が見込まれるため

やっぱりそうですよね・・・。
まさか先発がいきなり出荷調整とは思っていませんでした。
ということで、クラリチンDSはアレジオンDSの代替薬として使用するには難しくなってしまいました。

ジェネリックも含めると他にも色々出てきそうですね・・・。

患者さんの不安感

さらに(2021.3.15)夜のNHKニュースで報道されたため、これまでお子さんにエピナスチン製剤が処方されていた方が不安になってしまう事態・・・。

子ども向け治療薬にがん誘発リスクの物質検出 製薬会社が回収|NHK NEWS WEB

日本べーリンガーインゲルハイム」が自主調査を行った結果、がんの発症を誘発するリスクのある物質が許容の限度値を超えて検出されたということです。

このニュースを見たらお子さんが服用している場合、親としてはかなり不安になりますね・・・。

薬局として、薬剤師として患者さんの不安を解消する必要があります。
どのように説明すべきか、それを考えるために今回の回収についてしっかり理解する必要があります。

2021.3.16の夜にはNHK NEWS WEBの記事は訂正されています。
変更前:子ども向け治療薬にがん誘発リスクの物質検出
変更後:遺伝情報変化起こす可能性の物質 限度超えて検出

患者さんの不安を解消するために

患者さんの不安を解消するためには、自主回収の内容についてしっかり理解する必要があります。
特に、昨年から小林化工のイトラコナゾール、日医工と大きな自主回収が相次ぎ、自主回収に対して患者さんの注目や不安感が集中しています。
薬剤師として、自主回収が起こった際に、それがどのようなものかしっかり理解できるようになることが患者さんに安心してもらえる説明に繋がるのではないでしょうか?

ということでまずはメーカーからの案内をしっかり理解しましょう。

アレジオン®ドライシロップ1%の供給に関するお知らせ(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)

さて、この度、アレルギー性疾患治療剤 エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤におきまして、ICH-M7ガイドライン*1に基づく自主的な調査の結果、ICH-M7ガイドラインでクラス2に分類される可能性のある分解物が認められ、その許容限度値を超えていることが判明致しました。つきましては、2021年3月15日より、先発品および後発品全てのエピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤の自主回収を行うことを決定しました。自主回収に伴い、当該製品の新規の出荷も停止いたします。なお、現在のところ、供給再開の見通しは立っておりません。

製品名[製造販売元]
・アレジオン®ドライシロップ 1%[日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社]
・エピナスチン塩酸塩 DS 小児用 1%「サワイ」[沢井製薬株式会社]
・エピナスチン塩酸塩 DS 小児用 1%「トーワ」[東和薬品株式会社]
・エピナスチン塩酸塩 DS1%小児用「日医工」 [日医工株式会社]
回収詳細
・回収着手日:2021年3月15日(月)
回収クラス分類:クラスII*2
(参考:平成12年3月8日医薬発第237号/平成26年7月1日薬食発0701第2号改正)
・ロット番号:使用期限内の全ロット

*1:ICH-M7 ガイドライン:潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理に適用される実質的な枠組みを示すものです。
*2:クラス II とは、その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況又はその製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。

(一部省略)

結論から言うと、ここに記載した内容から「服用したからと言って不安を感じる必要はない」と言うことがわかります。

その根拠についてまとめていきたいと思います。

自主調査の結果に基づく回収

「自主的に調査を行った」と記載されているので、何か起こったから判明したわけではなく、製薬メーカーの自主点検により異物混入が発覚し、今回の自主回収に繋がったということがわかります。

こういう発表があると、どうしても「今は公開されていないだけで、実はもっと重大なことを隠しているんじゃないか?」と不安になってしまう方もいらっしゃいますが、自主的に調査を行った結果に基づいて回収しているということはその点は少し安心してもいいのではないかと思います。
もし、大きな問題があれば一刻も早く公表するでしょうし、公表したくないのであれば今回の自主回収自体を行わないはずです。

ICH-M7ガイドラインでクラス2に分類される可能性のある分解物

まず、ICH-M7ガイドラインという言葉が聞き慣れないと思います。
これについてはPmdaにも詳しい情報が公開されています。
ICH-M7 潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理

以前は「遺伝毒性不純物」と呼ばれていたものがICH-M7ガイドラインでは「変異原性,即ち遺伝情報に変化を引き起こす作用を有し,ヒトに癌を引き起こす不純物」と定義されています。
要は発がん性物質や発がん性の可能性を持つ物質を管理するためのガイドラインということになります。

クラス2ってなに?

今回の自主回収の案内で紛らわしいのがこの部分です。

  • クラス2:ICH-M7ガイドラインにおける不純物のクラス分類
  • クラスⅡ:回収される製品によりもたらされる健康への危険度のクラス分類
ぺんぎん薬剤師
クラス2はICH-M7による不純物の評価、クラスⅡは自主回収となる製品の危険度を示す分類ってことだね。
子ぺんぎん(ジェンツー)
クラス2とクラスⅡが記載されていたから、普段自主回収で見かけるクラスⅡをクラス2と誤変換しているのかと思ったよ。

ICH-M7ガイドラインでは以下のように不純物のクラス分類が決められています。

  • クラス1:既知の変異原性発がん物質
  • クラス2:発がん性が不明の既知の変異原性物質
  • クラス3:原薬の構造とは関連しないアラート構造を持ち、変異原性試験データがない物質
  • クラス4:原薬または原薬に類似の化合物と関連したアラート構造を持ち、非変異原性が示されている物質
  • クラス5:アラート構造を持たないか、アラート構造を持つが変異原性または発がん性のないことが十分なデータにより示されている物質

※アラート構造:反応性の高い部位を持つ構造、もしくは代謝され反応性の高い部位を生じ得る構造

ということで、今回、エピナスチン塩酸塩に含まれていた不純物は「発がん性が不明の既知の変異原性物質」ということになります。
変異原性(遺伝毒性)とは遺伝子(DNA)に障害を与えることで細胞に突然変異を起こす性質です。つまり、変異原性物質とは細胞に突然変異を引き起こす可能性のある物質ということになります。
変異原性を引き起こす物質は発がん性を持つ可能性が高いですが、変異原性物質が必ず発がん性を持つというわけではありません。
「発がん性が不明の既知の変異原性物質」(クラス2)という表現から、変異原性はあるが発がん性を示す証拠は見つかっていない物質(発がん性物質ではない)という認識で問題ないのではないかと思います。

ICH-M7ガイドライン クラス1の物質に関連した自主回収

ちなみに、去年、クラス1に該当する物質の自主回収が行われたのを覚えていますか?

ICH-M7でクラス1に分類されるのがNDMA(N-ニトロソジメチルアミン)やNDEA(N-ニトロソジエチルアミン)です。
2018〜2020年にかけてバルサルタン、ラニチジン、ニザチジン、メトホルミンの自主回収(クラスⅠ)が行われましたね。

つまり、今回の自主回収の原因となった不純物はバルサルタン、ラニチジン、ニザチジン、メトホルミンの自主回収の原因となった物質ほど深刻なものではないことが理解できると思います。

ICH-M7における不純物の許容限度値とは?

これについては2018年のバルサルタンの自主回収の際に厚生労働省から出された案内にわかりやすく記載されています。

NDMA及びNDEAの管理指標の設定について(平成30年11月5日)
(1)許容摂取量の設定
ICH-M7における不純物管理の考え方としては、①生涯における10万分の1未満の発がんリスクを無視できるものとし、この水準となるよう、想定される発がんリスクのある不純物の許容摂取量を設定した上で、②許容摂取量を超えないよう、原薬又は製剤中の不純物の限度値(許容限度値)を設定し、製造工程の管理を行う、こととされている。

ということで、生涯その薬剤の服用を継続した結果、発がんリスクが10万分の1上昇するのが許容限度値という理解で間違いないと思います。

つまり、めちゃくちゃ厳しい数値!ということですね。
「許容限度値を超えた」としか記載されていないので実際のリスクは不明ですが、おそらく心配するようなものではないと思います。

自主回収のクラス分類Ⅱの評価

次は自主回収リスクのクラス分類でクラスⅡと評価されていることが持つ意味について少し掘り下げてみましょう。
まずは復習。

  • クラスⅠ:クラスIとは、その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況をいう。
  • クラスⅡ:クラスIIとは、その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況又はその製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
  • クラスⅢ:クラスIIIとは、その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。

クラスⅡの説明を読んでも、わかったようなわからないような・・・。
そんな感想を持つ方が多いのではないでしょうか?
多分、そんなに危険なものではないのだろうけど、いまいちはっきりしない書き方なので、患者さんには伝えにくいですよね。

ちなみに、ここ数年で行われた医薬品の自主回収をクラスごとに数えてみると・・・。
(ぺんぎんが手動で数えたので数え間違いがあったらすいません)

クラス分類2018年度2019年度2020年度
(〜2020.3.2)
クラスⅠ
(血液製剤)
27件
(25件)
43件
(30件)
75件
(70件)
クラスⅡ109件110件250件
クラスⅢ15件4件8件

クラスⅡが圧倒的に多くなっています。
ちょっと意外じゃないですか?

これはクラス分類の判定を行う際に、まずクラスⅡに該当すると考え、その上でクラスⅠやクラスⅢに該当するものかどうかを検討するためです。

クラス分類は「健康被害」の有無によって分類されています。
この健康被害には「直接的な安全性」と「有効性の欠如」の両方が含まれます。
具体的に言うと、直接的な安全性とは「異物や不純物の混入」「手術時間の延長」など、有効性の欠如とは「期待される効果を発揮できない」「正確な診断に影響」などです。

さらにその影響は二次的なものまで想定して検討されています。
実際にクラスⅢに分類されたものの回収理由を見てみると「期限が1ヶ月異なった」「ロット番号が記載されていない」等の理由になっており、健康被害がまず想定されないもののみがクラスⅢに分類されることがわかります。

近年でクラスⅠとなったものでは、昨年のイトラコナゾール錠50mg「MEEK」にリルマザホンが混入したケースや2018〜2020年にかけてバルサルタン、ラニチジン、ニザチジン、メトホルミンからNDMAが検出(生涯服用したとしてもほぼ問題はないレベル)があります。
イトラコナゾールやラニチジンについては患者さんに投薬したものについても自主回収が行われましたが、それ以外では行われませんでした。(バルサルタンは任意で交換対応)

これらのことから、自主回収のクラス分類が安全性をしっかり考慮して行われていることがわかります。
今回のアレジオンドライシロップとエピナスチンDSの自主回収がはクラスⅡに分類されていると言うことで、服用を行うことによる不安を感じる必要はないと結論づけても問題ないかと思います。

まとめ

簡単にまとめます。

今回の自主回収で薬局が考えないといけない問題は2つ。

1、代替薬の検討と在庫の確保
シーズン的に(春の花粉症)使用量が多い薬剤(エピナスチン)の散剤が全て出荷停止となってしまったため代替薬を決定する必要あり。
ただし、クラリチンドライシロップは早々に出荷調整がかかり、他の薬剤でも出荷調整が行われる可能性が高い。

2、患者さんの不安感の解消
ニュース等で「発がん性物質」と言う言葉が使われてしまったこと、小児用の薬剤と言うことで親にすれば自分が飲んでしまったことよりも重大なリスクとなってしまい、大きな不安を感じてしまっている可能性が高い。

各薬局が対応を行なっていることと思います。

自分もtwitter上で複数の相談を受けましたが、みなさん、お子さんの薬ということで大きな不安を抱えていました。
中には「自分を責めてしまった」と言う方もいらっしゃり、短期間とはいえ、相当に苦しい思いをされていたことが伝わってきました。

こういった時、誰がその薬を使用したかを把握できる薬剤師が積極的に情報提供を行うことが重要と考えます。
そのためにも、メーカーからの案内を理解できるようになっていることで、素早い対応を行うことができると思います。
そう思って今回の記事をまとめています。

安全に関する結論(メーカーから患者さんへの案内)

記事の冒頭の方に記載した日本ベーリンガーインゲルハイムから出された患者さん用の案内について簡単に内容をまとめておきます。
ベーやん@ラーメン薬剤師(@genki_souzou)さんのtweetより

エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤自主回収に関するお知らせ

患者様の健康への影響については、エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤を一生涯(最長70年間)枚にり服用すると言う状況を仮定して検討しました。そのような仮定においても、健康への影響が極めて低いと考えられることから、患者様からの回収は行いませんが、医療機関にある製品については念のため回収することに致しました。

【よく寄せられるご質問】
Q1:許容限度値とはなんですか?
A1:許容限度値とは、一生涯(最長70年間)毎日服用したとしても、健康への影響がないとされている値です。

Q2:今までエピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤を服用していたが問題ないですか?
A2:一生涯(最長70年間)毎日服用するという仮定においても、健康への影響が極めて低いと考えられています。

Q3:特定の分解物とは何ですか?また、体にどのような影響を与えますか?
A3:特定の分解物とは、エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤の主成分であるエピナスチン塩酸塩が酸化した物質です。通常、エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤にわずかに含まれています。一生涯(最長70年間)毎日服用するという状況の仮定においても、健康への影響が極めて低いと考えられています。

Q4:現在、服用しているエピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤はどうすれば良いですか?
A4:そのままお薬をお飲み続けていただいても構いません。一生涯(最長70年間)毎日服用するという状況の仮定においても、健康への影響が極めて引くと考えられています。

参考資料

アレジオン®ドライシロップ1%の供給に関するお知らせ(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」自主回収に関するお知らせ(沢井製薬株式会社)エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「トーワ」 自主回収に関するお知らせ(東和薬品株式会社)エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤自主回収に関するお知らせ(日医工株式会)子ども向け治療薬にがん誘発リスクの物質検出 製薬会社が回収(遺伝情報変化起こす可能性の物質 限度超えて検出 製薬会社回収)|NHK NEWS WEB潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドラインの補遺NDMA及びNDEAの管理指標の設定について(平成30年11月5日)医薬品の回収について(東京都福祉保健局)

 

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