アレリックスの販売中止〜簡単にループ利尿薬をおさらい

  • 2016年5月31日
  • 2021年2月11日
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販売中止の記事が続きますね。
少し前ですが、アレリックス(一般名:ピレタニド)の販売中止が発表されています。
代替薬を考える流れでループ利尿薬について簡単におさらいしてみました。

アレリックス錠

今回製造中止となるアレリックスはループ利尿薬の一つです。
主成分であるピレタニドを含む他の薬剤はありません。

  • アレリックス錠3mg
  • アレリックス錠6mg
  • アレリックス注6mg

経過措置(予定)は2017年3月までのようです。

アレリックスが使えなくなるということで、代替薬を考えるのですが、まあ、フロセミド(商品名:ラシックス等)が無難なところになりますね。

ループ利尿薬についてのまとめ

ループ利尿薬について復習をしてみます。

ループ利尿薬の作用機序

尿細管のヘンレ係蹄(ヘンレループ)上行脚に作用することが名前の由来です。
Na+/K+/2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+、K+、Cl-の再吸収を抑制します。
Na+の再吸収が抑制されることで、浸透圧により水の排泄が進み、利尿作用となります。
ただし、集合管でのナトリウムの再吸収が進む結果、カリウムや水素イオンの尿中排泄が進み、低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされる可能性があります。
また、尿細管細胞間を通してのCa2+とMg2+の再吸収も抑制されてしまうため、低カルシウム血症や低マグネシウム血症が引き起こされる場合もあります。

また、尿酸値の上昇が引き起こされてしまうことも知られています。
これは尿酸排泄を担っているトランスポーターであるMRP4(Multidrug Resistance Protein 4)を競合的に阻害するためと言われています。

ループ利尿薬の特徴

ループ利尿薬はその作用機序により以下のような特徴を持ちます。

  • 強力な利尿作用
  • 腎血流や糸球体濾過に対する影響が少ないので腎障害時にも使用可能

特に利尿作用は強力なので、浮腫性疾患の第一選択薬として広く使用されています。
心不全や高血圧にも使用されます。

ですが、その反面、以下の副作用が引き起こされる可能性も持ちます。

  • 低カリウム血症
  • 低カルシウム血症
  • 代謝性アルカローシス
  • 低マグネシウム血症
  • 高尿酸血症

特に電解質の変動には注意が必要です。
この作用を利用して、高カリウム血症や高カルシウム血症の治療に使用されることもあります。

ループ利尿薬の比較

現在発売されているループ利尿薬はアレリックスを含めて4成分です。
それぞれの特徴についてまとめてみます。

商品名成分名作用発現時間効果持続時間
ラシックスフロセミド0.1〜1hr6hr
ルプラックトラセミド0.5〜1hr8hr
ダイアートアゾセミド〜1hr9〜12hr
アレリックスピレタニド〜1hr5〜6hr

 

フロセミドとピレタニド

ループ利尿薬といえばフロセミドを基本として考えます。
最もループ利尿薬らしい、シャープな効果を持つのがフロセミドです。
ピレタニドはそれに準ずる効果といったところでしょうか?

低カリウム血症を起こしにくいトラセミド

ループ利尿薬の中でも特徴的なのがトラセミドです。
SU骨格を持つループ利尿薬で、アルドステロン受容体拮抗作用を持っています。
そのため、他剤と比較して低K血症が起きにくくなっています。

長期使用に適しているアゾセミドとトラセミド

アゾセミドとトラセミドは作用時間が長いため、長期間の使用においても安定して効果を発揮できるという特徴があります。

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