ビスホスホネート系薬剤7成分に外耳道骨壊死など〜添付文書改訂指示

平成28年5月31日、厚労省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
ダイドロネル、ボナロン、フォサマック、アクトネル、ベネット、ボノテオ、リカルボン、ボンビバ等のビスホスホネート製剤の重大な副作用に「外耳道骨壊死」が追記されます。
また、イーケプラの重大な副作用に「急性腎不全」が追記されます。

※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

H28.5.31付 使用上の注意の改訂指示

PMDAのリンクを貼っておきます。

具体的な改訂指示の内容についてまとめていきます。

おくすり

 

レベチラセタム(錠剤・ドライシロップ・注射)による急性腎不全

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • イーケプラ錠250mg
  • イーケプラ錠500mg
  • イーケプラドライシロップ50%
  • イーケプラ点滴静注500mg

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全関連症例が7例(うち、因果関係が否定できない症例2例)報告されているようです。
死亡は2例(うち、因果関係が否定できない症例 0 例)報告されているようです。

ビスホスホネート系薬剤による外耳道骨壊死

添付文書改訂の対象となる成分、商品名は以下のとおりです。

  • エチドロン酸二ナトリウム
    • ダイドロネル錠
  • パミドロン酸二ナトリウム水和物
    • アレディア点滴静注用15mg
    • アレディア点滴静注用30mg
    • パミドロン酸二Na点滴静注用15mg
    • パミドロン酸二Na点滴静注用30mg
  • アレンドロン酸ナトリウム水和物
    • テイロック注射液5mg
    • テイロック注射液10mg
    • フォサマック錠5mg
    • フォサマック錠35mg
    • ボナロン錠5mg
    • ボナロン錠35mg
    • ボナロン経口ゼリー35mg
    • ボナロン点滴静注バッグ900μg
    • アレンドロン酸錠5mg
    • アレンドロン酸錠35mg
  • リセドロン酸ナトリウム水和物
    • アクトネル錠2.5mg
    • アクトネル錠17.5mg
    • アクトネル錠75mg
    • ベネット錠2.5mg
    • ベネット錠17.5mg
    • ベネット錠75mg
    • リセドロン酸Na塩錠2.5mg
    • リセドロン酸Na塩錠17.5mg
    • リセドロン酸ナトリウム錠2.5mg
    • リセドロン酸ナトリウム錠17.5mg
  • ゾレドロン酸水和物
    • ゾメタ点滴静注4mg/5mL
    • ゾメタ点滴静注4mg/100mL
    • ゾレドロン酸点滴静注4mg/5mL
    • ゾレドロン酸点滴静注4mg/100mL
    • ゾレドロン酸点滴静注4mg/100mLバッグ
  • ミノドロン酸水和物
    • ボノテオ錠1mg
    • ボノテオ錠50mg
    • リカルボン錠1mg
    • リカルボン錠50mg
  • イバンドロン酸ナトリウム水和物
    • ボンビバ静注1mgシリンジ
    • ボンビバ錠100mg

添付文書の重要な基本的注意の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。

また、「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

外耳道骨壊死:外耳道骨壊死があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

外耳道骨壊死関連症例の国内報告は0例ですが、欧州での添付文書改訂を受けて、国内においても改訂を行うことになりました。

ビスホスホネート製剤と骨壊死

BP剤の骨壊死といえばBRONJ(Bisphosphonate-Related OsteoNecrosis of the Jaw:ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死)です。
当ブログでも過去に記事にしています。

BRONJ、非定型大腿骨骨折、そして外耳道骨壊死。
BP製剤というのは骨折リスクの改善において優れた薬剤ではありますが、逆説的とも言える副作用が多いのも確かです。
これらリスクを踏まえた上で上手に使っていかなければならない製剤ですね。
5年を目処に服用を継続すべきかどうかという議論もあるようです。
個人的には一定期間の服用の後、骨密度が一定以上まで改善することがあれば休薬でもいいとは思います。
ですが、骨密度の改善が途中であれば、注意しながら継続するべきではないかと思います。

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