令和4年2月15日に承認されたジェネリック医薬品【イグザレルト・エルカルチンFF・サムスカ・ジュリナ・スプリセル・トラマール・トレアキシン・ビダーザ・フェブリク・ヤーズ・ロゼレム・ロトリガ】

2022年2月15日付で新規後発医薬品が承認されています。
今回承認された後発医薬品は2022年6月に薬価収載される予定です。

じほう社さんが公開している承認一覧はこちらです。
2022年2月15日付医薬品承認情報(承認簿)

今回、初めて参入となるのは12製品(規格として新規参入を加えると14製品)で、そのうち7製品でAGが承認されています。
新規参入:イグザレルト・エルカルチンFF・サムスカ・ジュリナ・スプリセル・トラマール・トレアキシン・ビダーザ・フェブリク・ヤーズ・ロゼレム・ロトリガ
規格として新規参入:アリピプラゾール1mg製剤・ディナゲスト0.5mg製剤
AG承認:イグザレルト・クラリス・サムスカ・ディナゲスト・ビダーザ・フェブリク・リーマス・ロゼレム・ロトリガ

ですが、昨今の医薬品供給問題の影響もあり、参入メーカーは今回も少なめな気がします。
実際に10社を超えるのはフェブキソスタットのみです。

今回承認された製品の薬価収載については以下の記事にまとめています。

【令和4年6月17日】新規薬価収載のジェネリック医薬品【フェブリク、ロトリガ、サムスカ、ヤーズ、トラマール、ロゼレム、エルカルチンFF】

新規参入となる製品

イグザレルト(リバーロキサバン):AGのみ

イグザレルトの後発医薬品が登場です。

  • イグザレルト錠10mg → GE承認
  • イグザレルト錠15mg → GE承認
  • イグザレルトOD錠10mg → GE承認
  • イグザレルトOD錠15mg → GE承認
  • イグザレルト細粒分包10mg → GE承認
  • イグザレルト細粒分包15mg → GE承認
  • イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg
  • イグザレルトドライシロップ小児用103.4mg

製造販売元:バイエル薬品
2012年1月 イグザレルト錠10mg/15mg 承認(非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制)
2015年9月 「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」の適応追加
2015年9月 イグザレルト細粒分包10mg/15mg 承認
2020年8月 イグザレルトOD錠10mg/15mg 承認
2021年1月 「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」(小児)の適応追加
2021年1月 イグザレルトドライシロップ小児用 承認

  • リバーロキサバン錠10mg「バイエル」(AG)
  • リバーロキサバン錠15mg「バイエル」(AG)
  • リバーロキサバンOD錠10mg「バイエル」(AG)
  • リバーロキサバンOD錠15mg「バイエル」(AG)
  • リバーロキサバン細粒分包10mg「バイエル」(AG)
  • リバーロキサバン細粒分包15mg「バイエル」(AG)

錠剤・OD錠・細粒分包のみが承認されていますが、承認を取得しているのはバイエル薬品販売のAGのみです。
錠剤だけかと思いきや、ドライシロップを除くすべての剤形が承認されています。
他社に先駆けての承認ということで、特許を有するAGのメリットを活かした先行承認になります。

個人的な予想ですが、おそらく6月の薬価収載は見送りになるのではないでしょうか?
AG1社のみの承認なので、他メーカーへの牽制を目的とした承認じゃないかと予想します。
イグザレルトの特許を考えると、他社が後発医薬品の承認を取得するのは2年後くらいになりそうです。

バイエル薬品はこのような案内も出しています。

謹  告

リバーロキサバンに関する特許権について

バイエル薬品株式会社(以下「当社」)は、リバーロキサバンを有効成分とする「イグザレルト®錠10mg/15mg」、「イグザレルト®細粒分包10mg/15mg」、「イグザレルト®OD錠10mg/15mg」、および「イグザレルト®ドライシロップ小児51.7mg/103.4mg」を製造販売しております。
当社は、リバーロキサバンを有効成分とする製品を保護する特許として、日本特許第4143297号、第4852423号、同第5147703号、同第5311742号、および同第5416408号の5件の特許を保有しており、そのうち同第4143297号、同第4852423号および同第5311742号については、特許延長登録を取得済みです。当社は、これら特許および特許延長登録は有効であると共に、実効性があるものと確信しております。とくに、有効成分リバーロキサバンにかかる特許第4143297号の特許存続期間は5年延長されております点には是非ご留意ください。
当社は、これら特許権(存続期間延長にかかる部分を含む)を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対し、厳正かつ厳格なる法的処置を講じる所存です。
リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のなきよう、十分ご留意いただきたくお願い申し上げます。

2022年2月1日

バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田2-4-9

ぺんぎん薬剤師
このコメントを出している会社がAG承認を先行した状況ではたして他社が参入してくるのか・・・?

エルカルチンFF(レボカルニチン)

レボカルニチンのフリー体製剤であるエルカルチンFF錠/静注の後発医薬品も参入します。
ちなみにFFはFree Formの略です。

  • エルカルチンFF錠100mg → GE承認
  • エルカルチンFF錠250mg → GE承認
  • エルカルチンFF静注1000mgシリンジ 1,000mg5mL → GE承認
  • エルカルチンFF内用液10%
  • エルカルチンFF内用液10%分包5mL
  • エルカルチンFF内用液10%分包10mL

製造販売元:大塚製薬
1990年 エルカルチン錠 承認(プロピオン酸血症およびメチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善)
2011年3月 「カルニチン欠乏症」の適応追加
2012年12月 エルカルチンFF内用液10%、エルカルチンFF静注1000mg 承認(カルニチン欠乏症)
2014年6月 エルカルチンFF錠 承認(カルニチン欠乏症)
2016年3月 エルカルチン錠100mg/300mg 発売中止(薬価削除)
2017年9月 エルカルチンFF静注1000mgシリンジ 承認(カルニチン欠乏症)
2017年9月 エルカルチンFF内用液10%分包10mL、エルカルチンFF内用液10%分包5mL 承認(カルニチン欠乏症)
2020年3月 エルカルチンFF静注1000mg 発売中止(薬価削除)

内用液のジェネリックは承認されていません。

  • レボカルニチンFF錠100mg「トーワ」
  • レボカルニチンFF錠250mg「トーワ」
  • レボカルニチンFF静注1000mgシリンジ「トーワ」
  • レボカルニチンFF静注1000mgシリンジ「ニプロ」
  • レボカルニチンFF静注1000mgシリンジ「フソー」

東和薬品は錠剤と静注の両方に参入しています。
錠剤(100mg/250mg)は東和薬品のみ
静注(1000mgシリンジ)は東和薬品、ニプロ、扶桑薬品工業の3社が承認です。

子ぺんぎん(ジェンツー)
東和薬品のみが錠剤(と静注の両方)を発売するよ!

サムスカ(トルバプタン):AGあり・適応違い

トルバプタン製剤であるサムスカにジェネリックが登場します。

  • サムスカ顆粒1% → GE承認
  • サムスカOD錠7.5mg → GE承認(AGあり)
  • サムスカOD錠15mg
  • サムスカOD錠30mg

製造販売元:大塚製薬
2010年10月 サムスカ錠15mg 製造販売承認(心不全)
2013年2月 サムスカ錠7.5mg 製造販売承認(心不全)
2013年9月 「肝硬変」の適応追加
2014年3月 「常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)」適応追加
2014年3月 サムスカ錠30mg 製造販売承認(ADPKD)
2017年3月 サムスカ顆粒1% 製造販売承認(心不全、肝硬変、ADPKD)
2019年8月 サムスカOD錠7.5mg/15mg/30mg 承認
2020年6月 「SIADHにおける低ナトリウム血症」の適応追加
2021年3月 サムスカ錠7.5mg/15mg/30mg 発売中止(薬価削除)

今回GE承認となったのは2製品だけで、ジェネリックの適応は「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」のみです。(2022年2月承認時時点)

上の表のようにサムスカは今回GEが取得した「肝硬変における体液貯留」以外にも「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」、「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」、「腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制」を合わせた合計4つの適応を取得しています。
要は特許切れとなる適応が「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」のみということです。

  • トルバプタンOD錠7.5mg「DSEP」
  • トルバプタンOD錠7.5mg「TE」
  • トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」(AG)
  • トルバプタンOD錠7.5mg「ニプロ」
  • トルバプタン顆粒1%「サワイ」
  • トルバプタン顆粒1%「トーワ」

OD錠7.5mgが第一三共エスファ、トーアエイヨー、大塚製薬工場(AG)、ニプロ
顆粒%が沢井製薬、東和薬品

ぺんぎん薬剤師
OD錠7.5mgがAGを含む4社、顆粒1%が2社ですね。
子ぺんぎん(ジェンツー)
OD錠と顆粒の両方の承認を取得している会社はないんだね・・・!

ジュリナ(エストラジオール):一社のみ

天然型のエストロゲンのうちもっとも生理活性の高い17β-エストラジオールを成分とするジュリナ錠の後発医薬品が登場します。

  • ジュリナ錠0.5mg → GE承認

製造販売元:バイエル薬品
2008年4月 ジュリナ錠0.5mg 承認(「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)及び腟萎縮症状」)
2008年10月 「閉経後骨粗鬆症」の適応追加

  • エストラジオール錠0.5mg「F」

富士製薬のみが承認を取得しています。

スプリセル(ダサチニブ):適応違い

第二世代チロシンキナーゼ阻害薬、マルチキナーゼ阻害薬であるスプリセル錠の後発医薬品が登場します。

  • スプリセル錠20mg → GE承認
  • スプリセル錠50mg → GE承認

製造販売元:ブリストル・マイヤーズスクイブ
2009年1月 スプリセル錠20mg/50mg 承認(「イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病」、「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」)
2011年6月 「慢性骨髄性白血病」の適応追加(「イマチニブ抵抗性の」削除)

後発医薬品の適応は「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」のみです。

  • ダサチニブ錠20mg「JG」
  • ダサチニブ錠20mg「NK」
  • ダサチニブ錠20mg「サワイ」
  • ダサチニブ錠20mg「トーワ」
  • ダサチニブ錠50mg「JG」
  • ダサチニブ錠50mg「NK」
  • ダサチニブ錠50mg「サワイ」
  • ダサチニブ錠50mg「トーワ」

20mg、50mgともに、日本ジェネリック、日本化薬、沢井製薬、東和薬品が承認を取得しています。

トラマール(トラマドール塩酸塩):一社のみ

トラマールOD錠の後発医薬品が登場します。

  • トラマールOD錠25mg → GE承認
  • トラマールOD錠50mg → GE承認

製造販売元:日本新薬
2010年7月 トラマールカプセル25mg/50mg 承認(軽度から中等度の疼痛に伴う各種がんにおける鎮痛)
2013年6月 「慢性疼痛における鎮痛」の適応追加
2014年9月 トラマールOD錠25mg/50mg 承認
2016年3月 トラマールカプセル25mg/50mg 発売中止(薬価削除)

  • トラマドール塩酸塩OD錠25mg「K O」
  • トラマドール塩酸塩OD錠50mg「K O」

寿製薬 一社のみが承認を受けています。

トレアキシン(ベンダムスチン塩酸塩):新規格あり・適応違い

アルキル化剤と代謝拮抗剤の構造をあわせもつ抗がん剤であるトレアキシン点滴静注液の後発医薬品が登場します。

  • トレアキシン点滴静注用100mg
  • トレアキシン点滴静注用25mg
  • トレアキシン点滴静注液100mg/4mL → GE承認

製造販売元:シンバイオ製薬
2010年10月 トレアキシン点滴静注用100mg 承認(再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫)
2016年8月 「慢性リンパ性白血病」の適応追加
2016年9月 トレアキシン点滴静注用25mg 承認
2016年12月 「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫」の適応追加(「再発又は難治性の」削除)
2019年3月 「腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置」の適応追加
2020年9月 トレアキシン点滴静注液100mg/4mL 承認
2021年3月 「再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の適応追加

後発医薬品の適応は「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫」と「腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置」です。

  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「イセイ」
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「トーワ」
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「ファイザー」
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL「明治」
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液200mg/8mL「ファイザー」(新規格)
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「イセイ」(新規格)
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「トーワ」(新規格)
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「ファイザー」(新規格)
  • ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL「明治」(新規格)

後発医薬品はすべてRTD製剤(Ready-To-Dilute : 溶解不要で希釈するのみの製剤)となっています。

コーアイセイ、東和薬品、ファイザー、Meiji Seikaファルマの4社が承認を取得しています。
各社ともに先発医薬品のトレアキシンでは静注用にしか存在しない25mgのRTD製剤の承認も取得しており、ファイザーについてはさらに200mgの承認も取得しています。

ビダーザ(アザシチジン):AG・新規格あり・適応違い

DNAメチル化阻害薬であるビダーザ注射用の後発医薬品が登場します。

  • ビダーザ注射用100mg → GE承認

製造販売元:日本新薬
2011年1月 ビダーザ注射用100mg 承認(骨髄異形成症候群)
2021年3月 急性骨髄性白血病の適応追加

後発医薬品の適応は「骨髄異形成症候群」のみです。

  • アザシチジン注射用100mg「NK」
  • アザシチジン注射用100mg「オーハラ」
  • アザシチジン注射用100mg「サワイ」
  • アザシチジン注射用100mg「シオエ」(AG)
  • アザシチジン注射用150mg「NK」(新規格)
  • アザシチジン注射用150mg「オーハラ」(新規格)

日本化薬、大原薬品工業、沢井製薬、シオエ製薬の4社が承認を取得しています。
日本化薬、大原薬品工業は先発品にはない150mgの規格の承認も取得しています。
シオエ製薬がAGを取得しています。

フェブリク(フェブキソスタット):AGあり・適応違い

非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤であるフェブリク錠の後発医薬品が登場します。

  • フェブリク錠10mg → GE承認
  • フェブリク錠20mg → GE承認
  • フェブリク錠40mg → GE承認

製造販売元:帝人ファーマ
2011年1月 フェブリク錠10mg/20mg/40mg 承認(痛風、高尿酸血症)
2016年5月 「がん化学療法に伴う高尿酸血症」の適応追加

AGは「痛風、高尿酸血症」と「がん化学療法に伴う高尿酸血症」の両方の適応を取得していますが、ジェネリックは「痛風、高尿酸血症」の適応のみです。

  • フェブキソスタット錠10mg
  • フェブキソスタット錠20mg
  • フェブキソスタット錠40mg

「AFP」、「DSEP」、「JG」、「KMP」、「TCK」、「YD」、「ケミファ」、「サワイ」、「トーワ」、「ニプロ」、「杏林」、「日新」、「明治」
※「DSEP」はAG

  • フェブキソスタットOD錠10mg(剤形)
  • フェブキソスタットOD錠20mg(剤形)
  • フェブキソスタットOD錠40mg(剤形)

「NPI」、「ケミファ」、「サワイ」、「日新」、「明治」

普通錠は、アルフレッサ ファーマ、第一三共エスファ、日本ジェネリック、共創未来ファーマ、辰巳化学株式会社、陽進堂、日本ケミファ、沢井製薬、東和薬品、ニプロ、キョーリンリメディオ、日新製薬、Meiji Seikaファルマの13社が承認を受けています。
第一三共エスファがAGの承認を取得しています。

また、先発品には存在しない剤形としてOD錠が承認されており、日本薬品工業、日本ケミファ、沢井製薬、日新製薬、Meiji Seikaファルマの5社が承認を受けました。

子ぺんぎん(ジェンツー)
今回、唯一、10社以上が承認を取得した薬剤になります。
ぺんぎん薬剤師
すべて薬価修正されれば、ルールに基づいて薬価は先発品の0.4掛けになるけど・・・。
AG(DSEP)も承認されているし、撤退を考えるメーカーも出てくるかも・・・。

ヤーズ(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス):一社のみ

合成黄体ホルモン・合成エストロゲンの配合剤とプラセボを組み合わせた月経困難症治療薬ヤーズ配合錠の後発医薬品が登場します。

  • ヤーズ配合錠 → GE承認
  • ヤーズフレックス配合錠

製造販売元:バイエル薬品
2010年7月 ヤーズ配合錠 承認(月経困難症)
2016年12月 ヤーズフレックス配合錠 承認(「子宮内膜症に伴う疼痛の改善」、「月経困難症」)
2019年5月 ヤーズフレックス配合錠 用法・用量追加(月経困難症に対する28日周期処方)

今回承認されたのはヤーズ配合錠のジェネリックで、ヤーズフレックス配合錠のジェネリックは承認されていません。

  • ドロエチ配合錠「あすか」

あすか製薬 一社のみが承認を取得しています。

子ぺんぎん(ジェンツー)
統一名称を使用しているんだね。
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス)

ロゼレム(ラメルテオン):AGのみ

メラトニン受容体アゴニストであるロゼレム錠のジェネリックが登場します。
  • ロゼレム錠8mg → GE承認

製造販売元:武田薬品工業
2010年4月 ロゼレム錠8mg 承認(不眠症における入眠困難の改善)

  • ラメルテオン錠8mg「武田テバ」(AG)

承認を取得したのは武田テバファーマのAGのみです。

ロトリガ(オメガ-3 脂肪酸エチル):AGあり

EPA-DHA製剤であるロトリガ粒状カプセルのジェネリックが登場します。
  • ロトリガ粒状カプセル2g → GE承認

製造販売元:武田薬品工業
2012年9月 ロトリガ粒状カプセル2g 承認(高脂血症)

  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「MJT」
  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「YD」
  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「サワイ」
  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「トーワ」
  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「ニプロ」
  • オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「武田テバ」(AG)

森下仁丹、陽進堂、沢井製薬、東和薬品、ニプロ、武田テバファーマの6社が承認を取得しており、武田テバファーマはAGです。

MJT(森下仁丹)は粒子径が小さい?

森下仁丹がオメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「MJT」の製造販売承認を取得しています。
森下仁丹はエパデールSのジェネリック、イコサペント酸エチル顆粒状カプセル「MJT」で他社よりも粒子径の小さい製剤を開発しています。
(先発のエパデールS:直径4mm、イコサペント酸エチル顆粒状カプセル「MJT」は直径1.2mm)

オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセルでも粒子系の小さい製剤を作ってくるのかな?と思いましたが、公開されている添付文書を見ると、先発品と同じ直径4mmとなっていますね。
(イコサペント酸エチルの場合は他社が「粒状カプセル」のところ、森下仁丹は「顆粒状カプセル」でした)

規格として初めて参入となる製品

エビリファイ1mg(アリピプラゾール1mg)

エビリファイ錠1mgのジェネリックが登場します。
  • エビリファイ錠1mg → GE承認
  • エビリファイ錠3mg・6mg → GE既承認
  • エビリファイ錠12mg → GE既承認
  • エビリファイOD錠3mg・6mg・12mg・24mg → GE既承認
  • エビリファイ散1% → GE既承認
  • エビリファイ内用液0.1% → GE既承認

製造販売元:大塚製薬
2006年1月 エビリファイ錠3mg・6mg、エビリファイ散1% 承認(統合失調症)
2007年4月 エビリファイ錠12mg 承認
2009年1月 エビリファイ内用液0.1% 承認
2012年1月 「双極性障害における躁症状の改善」の適応追加
2012年1月 エビリファイOD錠3mg・6mg・12mg・24mg 承認
2013年6月 「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)」の適応追加
2016年9月 に「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の適応追加
2016年9月 エビリファイ錠1mg 承認

  • アリピプラゾール錠1mg「サワイ」
  • アリピプラゾール内用液1mg分包「サワイ」(新規格)

沢井製薬 一社のみが承認を取得しています。

子ぺんぎん(ジェンツー)
「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の適応が追加されるのかもしれないね・・・

ディナゲスト0.5mg(ジエノゲスト0.5mg):AGのみ

ディナゲスト錠0.5mgのジェネリックが登場します。
  • ディナゲスト錠0.5mg → GE承認
  • ディナゲスト錠1mg → GE既承認
  • ディナゲストOD錠1mg → GE既承認

製造販売元:持田製薬
2007年10月 ディナゲスト錠1mg 承認(子宮内膜症)
2014年8月 ディナゲストOD錠1mg 承認(子宮内膜症)
2016年12月 「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の適応追加
2020年1月 ディナゲスト錠0.5mg 承認(月経困難症)

  • ジエノゲスト錠0.5mg「モチダ」(AG)

承認を取得したのは持田製薬販売のAGのみです。

そのほか新しくAGが登場する製品

クラリス(クラリスロマイシン)のAG

  • クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「大正」(AG)
  • クラリスロマイシン錠200mg「大正」(AG)
  • クラリスロマイシン錠50mg小児用「大正」(AG)

大正製薬グループのトクホンがクラリスAGの承認を取得しています。

子ぺんぎん(ジェンツー)
クラリスロマイシンの先発品のうち、クラリスは大正製薬なので、クラリスロマイシン「大正」はクラリスのAGといえるね。
ぺんぎん薬剤師
クラリシッドは今は日本ケミファは製造販売元なんだね!(元々はアボットでした)

リーマス(炭酸リチウム)のAG

  • 炭酸リチウム錠100mg「大正」(AG)
  • 炭酸リチウム錠200mg「大正」(AG)

大正製薬グループのトクホンがリーマスAGの承認を取得しています。

子ぺんぎん(ジェンツー)
大正製薬グループのAGはトクホンが担うことになるのかな?
ぺんぎん薬剤師
トクホンが製造販売を行っている医療用医薬品はヤクバンテープだけだったんだね

そのほか気になる承認

アレジオンLXのジェネリックがいよいよ登場?

エピナスチン塩酸塩LX点眼液0.1%「ニットー」(東亜薬品)が承認されています。
エピナスチン塩酸塩LX点眼液0.1%はアレジオンLX点眼液0.1%のジェネリックに該当しますが、承認自体は今回が初めてではありません。
2021年8月16日にエピナスチン塩酸塩LX点眼液0. 1%「SEC」(参天アイケア、おそらくAG)が承認されていますが、薬価収載されていませんでした。
今回、東亜薬品が承認を取得したことで、ニットー、SECの両方が6月に薬価収載される可能性があります。
子ぺんぎん(ジェンツー)
アレジオンLXは高いのでジェネリックが出てくれると嬉しいな・・・

テリボンのジェネリックが登場?

テリパラチド皮下注用56.5μg「サワイ」(沢井製薬)が承認されています。
テリパラチド皮下注用56.5μgはテリボン皮下注用56.5μgのジェネリックになりますが、これも今回がはじめての承認ではありません。

2019年2月15日に旭化成シンメッドがテリボンのAGとしてテリパラチド皮下注用56.5μg「旭化成」の承認を取得していますが薬価収載されていない状態でした。
今回、沢井製薬が承認を取得したことでAGと合わせてテリボンのジェネリックも登場しそうですが、旭化成は特許について争う姿勢のようなのでここがどうなるか気になるところです。

謹  告
テリパラチド酢酸塩に関する特許権について
旭化成ファーマ株式会社は、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売しております。2018年1月29日に、旭化成ファーマ株式会社は、テリパラチド酢酸塩に関する特許権(日本特許第6150846号、同第6043008号、同第6198346号、同第5922833号、同第5960935号、同第5996824号、同第6031633号、同第6057492号、同第6025881号、同第6258426号)を保有する旨を謹告にてお知らせ申し上げました。
今般、新たに、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権(日本特許第6522715号)が以下の特許請求の範囲(請求項2は省略)にて登録されましたのでお知らせ申し上げます。
【請求項1】
1回当たり200単位のPTH(1-34)又はその塩が週1回投与され、PTH(1-34)又はその塩を有効成分として含有する、骨粗鬆症治療剤ないし予防剤であって、下記(1)~(3)の全ての条件を満たす骨粗鬆症患者を対象とし、皮下注射投与であることを特徴とする、骨折抑制のための骨粗鬆症治療剤ないし予防剤;
(1)年齢が65歳以上である
(2)既存の骨折がある
(3)骨密度が若年成人平均値の80%未満である、および/または、骨萎縮度が萎縮度I度以上である
さらに、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権(日本特許第6275900号、同第6274634号、同第6301524号)、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする凍結乾燥製剤に関する特許権(日本特許第6487597号、同第6467102号)も取得しております。
これら特許権は有効に存続しており、旭化成ファーマ株式会社は、これら特許権を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対しましては、厳正なる法的処置を講じる所存です。
テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤またはテリパラチド酢酸塩を有効成分とする凍結乾燥製剤の製造、販売、輸入等を計画されている企業におかれましては、当社の知的財産権の侵害行為のないよう、十分ご留意いただきたくお知らせ申し上げます。

2019年6月5日
旭化成ファーマ株式会社
東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

含嗽用ハチアズレのジェネリック登場?

AZ含嗽用配合顆粒「ニプロ」(ニプロ)が承認されています。

含嗽用ハチアズレのジェネリックのようなんですが、なんでこのタイミングで承認を取得したのか、気になります・・・。

感想

イグザレルト、(一部適応ですが)サムスカ、ロトリガ、ロゼレム…。
もうジェネリックが登場するの!?と思ってしまうのは年をとったから?
それだけじゃなく、今回ジェネリックが承認された多くの薬剤が第一線で使われている薬剤ってこともあると思います。
10年前から新薬登場のペースは落ちてるってことですね。
それにしても参入メーカーが少ない!
その背景にあるのは供給問題を受けて新規製品よりも既存の製品の製造に力を入れたいからなのか、それとも、他社との競争を続けるだけの体力がなくなってきてるということなのか?
AGも多く承認されています。
先発品メーカーのAG戦略が本格化してきた印象です。
こうなるとAGを有さないGEメーカーはきつくなる…。
クラリスロマイシンや炭酸リチウムのAG承認にもメーカーの戦略変更を感じますね。

 

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