令和元年8月15日、新たな後発医薬品が承認されました。
承認された品目は12月に薬価収載される予定です。
新規承認の品目はそれほど多くありませんが、AGと思われるものが4つ承認されています。
今回の目玉はやはりゼチーアとウリトス/ステーブラのジェネリックですね。
ジェネリック医薬品として初めて登場する成分/初めて登場する規格
今回、新規にジェネリックが登場となるのは9成分、規格として初登場が1つとなっています。
新登場の成分もそうですが、承認品目数自体が比較的少なめですね。
2019年末8月15日付医薬品承認情報(承認簿)
- 内服
- イミダフェナシン「杏林」(先発医薬品名:ウリトス、ステーブラ) ※AG?
- エゼチミブ錠10mg「DSEP」(先発医薬品名:ゼチーア錠10mg) ※AG?
- デフェラシロクス顆粒分包「サンド」(先発医薬品名:ジャドニュ顆粒分包) ※AG?
- ラバミコム配合錠「アメル」(先発医薬品名:エプジコム配合錠)
- アプレピタントカプセル「サワイ」(先発医薬品名:イメンドカプセル)
- リセドロン酸Na錠75mg(先発医薬品名:ベネット錠75mg/アクトネル錠75mg)
- 外用
- ブデソニド吸入液「武田テバ」(先発医薬品名:パルミコート吸入液)
- 注射
- ファスジル塩酸塩点滴静注液30mg「旭化成」(先発医薬品名:エリル点滴静注液30mg) ※AG?
- ガンシクロビル点滴静注用500mg「ファイザー」(先発医薬品名:デノシン点滴静注用500mg)
- ミカファンギンNa点滴静注用「サワイ」(先発医薬品名:ファンガード点滴用)
内服薬
内服薬は5成分が新規ジェネリックとして登場です。
また、ジェネリックとしては新規格のベネット錠75mg/アクトネル錠75mgのジェネリックも登場します。
ウリトス/ステーブラのジェネリック(AG?)
- イミダフェナシンOD錠0.1mg「杏林」
- イミダフェナシン錠0.1mg「杏林」
先発品はウリトス(杏林製薬)/ステーブラ(小野薬品工業)の2銘柄併売です。
イミダフェナシンは杏林製薬が創製し、それを小野薬品工業と共同開発した薬剤になります。
今回のジェネリックは杏林製薬の子会社であるキョーリンリメディオが製造販売を行うので当然AGだと思います。
ゼチーアのジェネリック(AG?)
- エゼチミブ錠10mg「DSEP」
ゼチーア錠10mgのジェネリックです。
エゼチミブはシェリング・プラウ(現MSD)が創製し、ゼチーア錠はMSDとバイエル薬品が併売しています。
今回のジェネリックは第一三共エスファが製造販売を行います。
一社のみの承認、予想よりも少し早い承認なので、これもほぼ間違いなくAGだと思います。
ジャドニュ顆粒のジェネリック(AG?)
- デフェラシロクス顆粒分包90mg「サンド」
- デフェラシロクス顆粒分包360mg「サンド」
先発品はジャドニュ顆粒分包90mg/ジャドニュ顆粒分包360mgです。
ノバルティスの子会社であるサンドが製造販売を行うのでおそらくAGではないかと予想します。
エプジコム配合錠のジェネリック
- ラバミコム配合錠「アメル」
先発品はエプジコム配合錠(製造販売元:ヴィーブヘルスケア)です。
成分はラミブジン・アバカビル硫酸塩ですが、配合剤ジェネリック医薬品の統一ブランド名称が採用されています。
イメンドカプセルのジェネリック
- アプレピタントカプセル80mg「サワイ」
- アプレピタントカプセル125mg「サワイ」
- アプレピタントカプセルセット「サワイ」
イメンドカプセル(製造販売元:小野薬品工業)のジェネリックです。
ベネット錠75mg/アクトネル錠75mgのジェネリック
- リセドロン酸Na錠75mg「トーワ」
- リセドロン酸Na錠75mg「日医工」
先発品はベネット錠75mg/アクトネル錠75mgの2銘柄併売です。
毎日服用のリセドロン酸Na錠2.5mg、週一回の服用リセドロン酸Na錠17.5mgのジェネリックは存在しますが、月一回製剤は今回初めての承認になります。
外用
今回承認された外用薬のうち、ジェネリック医薬品として新規の成分となるのはブデソニドのみです。
パルミコート吸入液のジェネリック
ブデソニド吸入液0.25mg「武田テバ」 ブデソニド吸入液0.5mg「武田テバ」 1成分2品目の製造販売承認を取得
- ブデソニド吸入液0.25mg「武田テバ」
- ブデソニド吸入液0.5mg「武田テバ」
先発品はパルミコート吸入液0.25mg/パルミコート吸入液0.5mgです。
ブデソニドとホルモテロールフマル酸塩水和物の配合吸入薬はブデホルとして承認されていますが、ブデソニド単独は初めての承認です。
武田テバのみが承認を取得していますが、これはなんでだろ・・・?
注射
注射は3成分が新規にジェネリック医薬品として承認されています。
エリル点滴静注液のジェネリック(AG?)
- ファスジル塩酸塩点滴静注液30mg「旭化成」
先発品のエリル点滴静注液は旭化成ファーマですが、ジェネリックは恐らく旭化成シンメッドになるのかな?
子会社がジェネリックを出すということで、これもAGなんじゃないかと思います。
デノシン点滴静注用500mgのジェネリック
- ガンシクロビル点滴静注用500mg「ファイザー」
先発品はデノシン点滴静注用500mgです。
ファンガード点滴用のジェネリック
- ミカファンギンNa点滴静注用50mg「サワイ」
- ミカファンギンNa点滴静注用75mg「サワイ」
先発品はファンガード点滴用50mg、ファンガード点滴用75mgです。
まとめと雑感
今回の承認をざっとまとめますと。
- 薬局的に注目はゼチーアとウリトス/ステーブラにジェネリックが登場すること
- AGっぽいのが4つ ゼチーア、ウリトス/ステーブラ、ジャドニュ、エリル
- どの成分も参入メーカーが少ない(0.4掛けはなし)
ってところですね。
AG戦略が当たり前になってきてるので、AG以外のメーカーは参入に対して慎重になっているのかな?
何も考えずに全てAG。AGの一人勝ちってのはよくありません。
AG以上のメリットを持つ製品が登場し、競争が生まれないとね。