SGLT2阻害薬その1〜スーグラ承認

昨年11月末の話になりますが、ついに国内初の選択的SGLT2阻害剤 スーグラ(一般名:イプラグリフロジン L-プロリン/アステラス製薬)の承認が了承されました。今月(1月)承認、4月収載予定となっています。
若干、今更感はありますが、武田薬品のGPR40作動薬ファシグリファムの開発が止まってしまったので、しばらくはSGLT2阻害剤が糖尿病治療薬の話題の中心となるので、きちんとまとめておこうと思います。
まとめるからにはとことんやります!

スーグラ錠についてはこちらにもまとめてあります。
国内初のSGLT2阻害剤 スーグラ発売~服薬指導や特徴を考えてみる – 薬剤師の脳みそ

SGLT2阻害剤の作用機序

SGLT2阻害剤の作用機序ですが、近位尿細管において糖の再吸収を司る輸送体であるSGLT2(Sodium-Glucose Transporter 2)を阻害することで、尿中への糖の排出を促進し血糖を低下させます。
糖の再吸収の90%はこの近位尿細管に存在するSGLT2によって行われていると言われています。
つまり、糖の再吸収を抑えることで血糖を低下させる薬ということになります。
糖の尿中排泄が増加するため、尿糖が上昇するので、尿糖検査では偽陽性となってしまいますね。

元々排泄される予定だった糖がそのまま排泄されるだけなので、インスリンを介した作用を持つ糖尿病治療薬に比べて低血糖が起こりにくいことが想像できます。
また、インスリンを介さないメリットは低血糖以外にもあり、血中の糖を細胞内に取り込む訳ではないので体重増加、肥満が起こりません。

ただし、近位尿細管において糖の吸収が抑制される結果、原尿の浸透圧は高くなり、排出される尿量が増加することになります。
これが多尿・頻尿の副作用につながります。
また、尿中の糖分が増えるため、感染症を起こしやすくなり、腎盂腎炎、膀胱炎などの尿路感染症、外陰部ヘルペスなどの性器感染症、尿路結石の副作用につながっています。
その他の副作用としては水分減少による口渇、便秘、低血圧が挙げられています。

また、尿を介しての糖排泄ということで、腎機能が低下している患者では効果が下がります。
中度以上の腎障害では使用するかどうかの考慮が必要となります。
重度の腎障害・透析では効果無効とされています。
高齢者の方でも腎機能が低下している場合が多いので注意が必要ですね。
前立腺肥大症などで排尿困難な状態の患者でも同様だと思います。

肝機能の影響を受けるため、肝機能障害患者には低用量からの開始が望ましく、25mg錠(通常は50mg)が用意されています。
用法は1日1回朝食前または朝食後。

とても使いやすそうな薬です。
発売直後から多くの処方が見られるのではないでしょうか?

続々登場するSGLT2阻害剤

SGLT2阻害剤にはまだまだ他にも承認を控えている成分が存在しています。
イプラグリフロジンとともに申請を行い承認待ちの薬剤だけでも4剤。
ダパグリフロジン(アストラゼネカ、ブリストル・マイヤーズ、小野薬品工業)
国内2番目のSGLT2阻害剤 フォシーガ – 薬剤師の脳みそ
ルセオグリフロジン(大正製薬、大正富山製薬、ノバルティスファーマ)
カナグリフロジン(田辺三菱製薬、第一三共)
トホグリフロジン(サノフィ、興和)
他より遅れて承認申請を行ったのが1剤。
エンパグリフロジン(イーライリリー、ベーリンガーインゲルハイム)
まだ詳細不明な薬剤としてPF-4971729(ファイザー)。
SGLT1/2阻害薬のLX4211(レキシコン)なんてものもあります。
スーグラを合わせて8剤!
ARBやDPP4阻害剤以上の激戦区になりそうですね。
今回、特にすごいのはほとんどタイムラグなしに新薬が開発されてることです。

ところで。
最後の一剤。
ん?SGLT1も阻害するの?
ってなりますよね。
そのへんは・・・。
長くなってきたので明日に続きます。

つづきです↓
SGLT2阻害薬その2〜SGLT1/2阻害薬 – 薬剤師の脳みそ

 

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