薬食審第二部会 テセントリクに進展型小細胞肺がん【報告品目】アレジオンLX点眼液・マヴィレットの小児用量など

  • 2019年8月3日
  • 2021年1月17日
  • 薬食審
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2019年8月2日に厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会が開催され、審議の結果、抗PD-L1抗体テセントリク点滴静注の「進展型小細胞肺がん」に対する適応の承認が了承されています。
この記事を作成している時点では承認が了承された段階で、正式には承認されていません。
(近々正式に承認される予定です)

2019年8月2日の薬食審・医薬品第二部会

今回審議が行われたのはテセントリクの一部変更についてのみです。

  • テセントリク(適応追加)

また、5製品の一部変更について、報告品目が挙げられています。

  • アレジオンLX点眼液(新用法・新用量)
  • ロンサーフ配合錠(適応追加)
  • ダラザレックス点滴静注(適応追加、ベルケイド併用)
  • ベルケイド注射用(ダラザレックス併用)
  • マヴィレット配合錠(小児用量)

審議品目

今回審議が行われたのは1品目のみです。

テセントリク点滴静注:進展型小細胞肺がん

  • 医薬品名:テセントリク点滴静注1200mg
  • 成分名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
  • 申請者:中外製薬
  • 新規 効能・効果:進展型小細胞肺がん

テセントリク(アテゾリズマブ)は免疫チェックポイント阻害薬の一種で抗PD-L1抗体に分類されます。
現在の適応は「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」です。

小細胞肺がんの適応を持つ初の免疫チェックポイント阻害薬

現在、小細胞肺がんに対する適応を取得している免疫チェックポイント阻害剤は存在しません。
非小細胞肺がんについては、アテゾリズマブ(テセントリク)以外にも、ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、デュルバルマブ(イミフィンジ)が適応を有しています。
肺がんのうち20%を占めると言われている小細胞肺がんは進展型の割合が60〜70%と非常に高く、新たに免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療が可能となることが期待されています。

報告品目

PMDA*1(医薬品医療機器総合機構)の審査段階で部会での審議を行わず報告のみでよいと判断されたものです。

ロンサーフ配合錠:がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん

  • 医薬品名:
    • ロンサーフ配合錠T15
    • ロンサーフ配合錠T20
  • 成分名:トリフルリジン/チピラシル塩酸塩
  • 申請者:大鵬薬品
  • 新規 効能・効果:がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん

ロンサーフ配合錠(トリフルリジン/チピラシル塩酸塩)は経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤であるトリフルリジンとトリフルリジンの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害するチピラシル塩酸塩の配合剤です。

結腸・直腸がんに続いて胃がんの適応が追加

ロンサーフ配合錠の現在の適応は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」です。
これに「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん」が追加となります。
ロンサーフ配合錠はニボルマブ(オプジーボ)と同じく三次治療(サードライン)での使用となるようです。

アレジオンLX点眼液0.1%(新規格)

  • 医薬品名:アレジオンLX点眼液0.1%
  • 成分名:エピナスチン塩酸塩
  • 申請者:参天製薬
  • 効能・効果:アレルギー性結膜炎

アレジオン点眼液0.05%の新規格になります。
第二世代抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)であるエピナスチンを成分とする点眼薬です。

1日2回で効果を発揮

名前からわかるように、アレジオンLX点眼液0.1%は有効成分であるエピナスチンをアレジオン点眼液0.05%の倍の濃度で含んでいます。
それにより投与回数がアレジオン点眼液0.05% の1日4回からアレジオンLX点眼液0.1%では1日2回に減っています。
アレジオン点眼液0.05%はBAC*2フリー(塩化ベンザルコニウム不使用)なのでソフトコンタクトレンズを着用したまま使用できるので、点眼回数が減ることによる利便性の向上はそこまで大きくはないかもしれませんが、1日4回の点眼を毎日行うのはなかなか大変なので、1日2回で効果を発揮できるのであれば嬉しいですね!

ただ、アレジオン点眼液0.05%はこういう話もあるので・・・。

臨床成績
2.第III相試験(環境試験)
なお、アレルギー性結膜炎患者を対象に環境下で実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験では、有効性についてプラセボに対する優越性は示されなかった。
引用元:アレジオン点眼液0.05% 添付文書

アレジオン点眼液0.05%の1日2回とアレジオンLX点眼液0.1%の1日2回で効果に有意差が付いているのかが気になるところです。。。
でも、なんか回数が少ないと効いてる気がしないとか言われそう。。。
ちなみに、アレジオンLX点眼液0.1%は海外未承認です。

ダラザレックス点滴静注(適応拡大)とベルケイド注射用(両剤の併用療法追加)

  • 医薬品名:
    • ダラザレックス点滴静注100mg
    • ダラザレックス点滴静注400mg
  • 成分名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)
  • 申請者:ヤンセンファーマ
  • 効能・効果の拡大:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」→「多発性骨髄腫」
  • 用法・用量の変更:ベルケイドとの併用の追加

ダラザレックス(ダラツムマブ)は、CD38を標的とするモノクローナル抗体(ヒト抗CD38モノクローナル抗体)です。

  • 医薬品名:ベルケイド注射用3mg
  • 成分名:ボルテゾミブ
  • 申請者:ヤンセンファーマ
  • 用法・用量の変更:ダラザレックスとの併用の追加

ベルケイド(ボルテゾミブ)はプロテアソーム阻害薬です。
細胞内の蛋白質分解酵素複合体であるプロテアソームに結合し、キモトリプシン様活性を不可逆的かつ選択的に阻害することでがん細胞のアポトーシスを誘導します。

ダラザレックスは多発性骨髄腫の一次治療に使用可能に

ダラザレックス(ダラツムマブ)の適応から「再発又は難治性の」が外れることで、多発性骨髄腫の一次治療(ファーストライン)で使用が可能になります。

ダラザレックスとベルケイドの併用療法

多発性骨髄腫に対して、ダラザレックス(ダラツムマブ)とベルケイド(ボルテゾミブ)の併用療法が可能になります。

マヴィレット配合錠:小児用量追加

  • 医薬品名:マヴィレット配合錠
  • 成分名:グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル
  • 申請者:アッヴィ合同会社
  • 用法・用量:12歳以上まで拡大

マヴィレット配合錠はNS5A阻害剤ピブレンタスビルとNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤グレカプレビルの配合剤でパンジェノ型リバビリンフリーDAA製剤です。

小児適応を持つ初のDAAs

12歳以上という縛りはありますが、小児に適応をもつ初めてのDAA*3(直接作用型抗ウイルス剤)になります。
これまではインターフェロン+リバビリン併用療法しか選択肢がなかったため、DAA療法が可能になる15歳まで治療を待つケースがありましたが、これでより早い段階で治療開始が可能になります。
インターフェロン+リバビリン併用療法と比較して、DAA療法の方が有効性、安全性ともに高いことは十分知られているので早い段階で治療開始が可能になることは嬉しいですね。

*1:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency

*2:BenzAlkonium Chloride

*3:Direct Acting Antivirals

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