ジプレキサ、ダイアート、グレースビット、グリベックなどに添付文書改訂指示

平成28年8月4日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
今回は、ジプレキサ(成分名:オランザピン)による薬剤性過敏症症候群、ダイアートによる無顆粒球症と白血球減少、グレースビット(成分名:シタフロキサシン水和物)による血小板減少、錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状が追記されています。
また、グリベック(成分名:イマチニブメシル酸塩)、タシグナ(成分名:ニロチニブ塩酸塩水和物)、スプリセル(成分名:ダサチニブ水和物)、ボシュリフ(成分名:ボスチニブ水和物)に対するB型肝炎ウイルスの再活性化に関する注意喚起も追記されています。

※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

H28年8月4日付 使用上の注意の改訂指示

PMDAのリンクを貼っておきます。

具体的な改訂指示の内容についてまとめていきます。

おくすり

 

オランザピンによる薬剤性過敏症症候群

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ジプレキサ錠2.5mg
  • ジプレキサ錠5mg
  • ジプレキサ錠10mg
  • オランサピン錠1.25mg
  • オランサピン錠2.5mg
  • オランサピン錠5mg
  • オランサピン錠10mg
  • オランサピン錠20mg
  • ジプレキサザイディス錠2.5mg
  • ジプレキサザイディス錠5mg
  • ジプレキサザイディス錠10mg
  • オランサピンOD錠1.25mg
  • オランサピンOD錠2.5mg
  • オランサピンOD錠5mg
  • オランサピンOD錠10mg
  • ジプレキサ細粒1%
  • オランサピン細粒1%
  • ジプレキサ筋注用10mg

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に、薬剤性過敏症症候群に関する内容を追記するよう指示が出されています。

薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

薬剤性過敏症症候群関連症例が2例(うち、因果関係が否定できない症例1例)報告され、死亡は1例(うち、因果関係が否定できない症例はなし)となっています。
国内症例に加えて、米国、欧州での添付文書改訂、CDDSの改訂を踏まえて、添付文書の改訂が適切と判断されたようです。

アゾセミドによる無顆粒球症、白血球減少

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ダイアート錠30mg
  • ダイアート錠60mg
  • アゾセミド錠30mg
  • アゾセミド錠60mg

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に、無顆粒球症、白血球減少に関する内容を追記するよう指示が出されています。

無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、白血球減少関連症例が4例(うち、因果関係が否定できない症例2例)報告され、死亡は0例です。

シタフロキサシン水和物による血小板減少、錯乱・せん妄・幻覚等の精神症状

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • グレースビット錠50mg
  • グレースビット錠細粒10%

添付文書の「副作用」の「重大な副作用」の項に、血小板減少、錯乱・せん妄・幻覚等の精神症状に関する内容を追記するよう指示が出されています。

血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状:錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

血小板減少関連症例が2例(うち、因果関係が否定できない症例はなし)報告され、死亡は0例です。
また、精神症状関連症例が1例(うち、因果関係が否定できない症例は1例)報告され、死亡は0例です。

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬によるB型肝炎ウイルス再活性化

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブメシル酸塩、ダサチニブ水和物、ニロチニブ塩酸塩水和物、ボスチニブ水和物について、B型肝炎ウイルスの再活性化に関する注意喚起が追記されています。

イマチニブメシル酸塩、ダサチニブ水和物によるB型肝炎ウイルス再活性化

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

    • イマチニブメシル酸塩
      • グリベック錠100mg
      • イマチニブ錠100mg
      • イマチニブ錠200mg
    • ダサチニブ水和物
      • スプリセル錠20mg
      • スプリセル錠50mg

添付文書の「重要な基本的注意」の項に以下の内容を追記するよう指示が出されています。

B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

また、「副作用」の「重大な副作用」の項の感染症に関する記載に下線部を追記するよう指示が出されています。

感染症:肺炎、敗血症等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。定期的に血液検査を実施し、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

イマチニブメシル酸塩については、B型肝炎ウイルスの再活性化関連症例が2例(うち、因果関係が否定できない症例1例)報告され、死亡は0例です。
ダサチニブ水和物については、B型肝炎ウイルスの再活性化関連症例が1例(因果関係が否定できない症例はなし)報告され、死亡は0例です。

ニロチニブ塩酸塩水和物によるB型肝炎ウイルス再活性化

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • タシグナカプセル150mg
  • タシグナカプセル200mg

添付文書の「重要な基本的注意」の項に以下の内容を追記するよう指示が出されています。

B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

また、「副作用」の「重大な副作用」の項の感染症に関する記載に下線部を追記するよう指示が出されています。

感染症:肺炎、敗血症等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

B型肝炎ウイルスの再活性化関連症例が1例(因果関係が否定できない症例はなし)報告され、死亡は0例です。

ボスチニブ水和物によるB型肝炎ウイルス再活性化

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ボシュリフ錠100mg

添付文書の「重要な基本的注意」の項に以下の内容を追記するよう指示が出されています。

B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

B型肝炎ウイルスの再活性化関連症例は報告されていませんが欧州添付文書及びCCDSが改訂されたことを踏まえて、添付文書の改訂が適切と判断されたようです。

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