平成27年8月24日、医療用医薬品10製品が新たな効能追加等の承認を取得しました。
以前、紹介したクラビット・レボフロキサシン「DSEP」の結核に対する適応、イクセロン/リバスタッチパッチの1ステップ漸増法が承認されています。
クラビット・レボフロキサシン「DSEP」が結核に対する適応取得
新たに効能・効果が追加されたのは、
- クラビット錠250mg(一般名:レボフロキサシン水和物)
- クラビット錠500mg(一般名:レボフロキサシン水和物)
- クラビット細粒10%(一般名:レボフロキサシン水和物)
- レボフロキサシン錠250mg「DESP」(一般名:レボフロキサシン水和物)
- レボフロキサシン錠500mg「DESP」(一般名:レボフロキサシン水和物)
- レボフロキサシン細粒10%「DESP」(一般名:レボフロキサシン水和物)
クラビットとそのAG(オーソライズドジェネリック)です。
追加された効能・効果は、「肺結核及びその他の結核症」。
一次抗結核薬ではなく、薬剤耐性結核症や副作用で一次抗結核薬が使用できない場合に選択される二次抗結核薬の1つとして位置付けられます。
詳しくは過去記事を参照してください。
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イクセロンパッチ/リバスタッチパッチに1ステップ漸増法追加
新たな用法・用量が追加されたのは、
- イクセロンパッチ4.5mg(一般名:リバスチグミン)
- イクセロンパッチパッチ9mg(一般名:リバスチグミン)
- イクセロンパッチパッチ13.5mg(一般名:リバスチグミン)
- イクセロンパッチパッチ18mg(一般名:リバスチグミン)
- リバスタッチパッチ4.5mg(一般名:リバスチグミン)
- リバスタッチパッチパッチ9mg(一般名:リバスチグミン)
- リバスタッチパッチパッチ13.5mg(一般名:リバスチグミン)
- リバスタッチパッチパッチ18mg(一般名:リバスチグミン)
「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」の効能・効果に対して、新たな用法・用量として1ステップ漸増法が追加されました。
追加された、用法・用量は、「患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。」というものです。
これまでは維持量に達するまで服用開始から12週間かかっていましたが、今回の承認により、4週間で維持量に達することが可能となります。
これは、症状管理のため、より早くから維持量の投与を開始することが重要との考えに基づくものです。
ただ、あくまでも、原則として通常は今まで通りの用法・用量である3ステップ漸増法による投与とし、患者の状態に応じて、1ステップ漸増法の投与可否を判断するというものです。
ノバルティスと小野薬品の発表によると、二重盲検比較臨床試験では、有害事象による投与中止率は、
- 1ステップ漸増法群で15.0%
- 3ステップ漸増法群で18.5%
- 有効性は同程度
ということです。
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そのほかに適応追加が承認されたもの
そのほか承認されたものは以下のとおりです。
ブイフェンド
- ブイフェンド錠50mg(一般名:ボリコナゾール)
- ブイフェンド錠200mg(一般名:ボリコナゾール)
- ブイフェンド200mg静注用(一般名:ボリコナゾール)
- ブイフェンドドライシロップ2800mg(一般名:ボリコナゾール)
「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の効能・効果が追加。
レミケード
- レミケード点滴静注用100(一般名:インフリキシマブ遺伝子組換え)
「既存治療で効果不十分な腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病」の効能・効果が追加。
トラクリア
- トラクリア錠62.5mg(一般名:ボセンタン水和物)
「全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制(ただし手指潰瘍を現在有している、または手指潰瘍の既往歴のある場合に限る)」の効能・効果が追加。
アイノフロー
- アイノフロー吸入用800ppm(一般名:一酸化窒素)
「心臓手術の周術期における肺高血圧の改善」の効能・効果が追加
トレシーバ
- トレシーバ注フレックスタッチ(一般名:インスリン デグルデク遺伝子組換え)
- トレシーバ注ペンフィル(一般名:インスリン デグルデク遺伝子組換え)
「インスリン療法が適応となる糖尿病」の効能・効果に関して、小児の用法・用量追加。
アーチスト
- アーチスト錠2.5mg(一般名:カルベジロール)
- アーチスト錠10mg(一般名:カルベジロール)
- アーチスト錠20mg(一般名:カルベジロール)
「頻脈性心房細動」の効能・効果が追加。