2021年8月16日付で新規後発医薬品が承認されています。
今回承認された後発医薬品は2021年12月に薬価収載される予定です。
じほう社さんが公開している承認簿はこちら
https://nk.jiho.jp/sites/default/files/nk/document/2021/08/8月16日付医薬品承認情報(承認簿).pdf
新規ジェネリック医薬品(内服薬)
イーケプラ(レベチラセタム)
イーケプラの後発医薬品が登場です。
合計14社が承認を取得しています。
イーケプラの適応は
- てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
- 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
点滴静注は「一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するレベチラセタム経口製剤の代替療法」の縛りがあるので使用が限られると思うのですが、3社が承認を取得しています。
☆は他の剤形が存在しないものを示しています
レベチラセタム錠250mg/500mg
- レベチラセタム錠「サワイ」
- レベチラセタム錠「タカタ」
- レベチラセタム錠「日新」
- レベチラセタム錠「明治」
- レベチラセタム錠「杏林」
- レベチラセタム錠「ニプロ」
- レベチラセタム錠「JG」
- レベチラセタム錠「トーワ」
- レベチラセタム錠「日医工」
- レベチラセタム錠「VTRS」☆
- レベチラセタム錠「アメル」
- レベチラセタム錠「フェルゼン」☆
単独の剤形・品目では今回最多の12社。
「VTRS」はヴィアトリスかなあ・・・。申請者はダイトになっています。
レベチラセタムドライシロップ50%(DS50%)
- レベチラセタムDS50%「サワイ」
- レベチラセタムDS50%「タカタ」
- レベチラセタムドライシロップ50%「日新」
- レベチラセタムドライシロップ50%「明治」
- レベチラセタムDS50%「杏林」
- レベチラセタムドライシロップ50%「ニプロ」
- レベチラセタムドライシロップ50%「JG」
- レベチラセタムDS50%「トーワ」
- レベチラセタムドライシロップ50%「日医工」
- レベチラセタムドライシロップ50%「YD」
10社が承認を取得。
ドライシロップ派とDS派。
ちなみにイーケプラは「ドライシロップ」
レベチラセタム点滴静注500mg
- レベチラセタム点滴静注500mg「日新」
- レベチラセタム点滴静注500mg「明治」
- レベチラセタム点滴静注500mg「アメル」
使用頻度はそこまで多くないと思うのですが・・・。
意外にも?3社が承認を取得。
レベチラセタムOD錠250mg/500mg
- レベチラセタムOD錠「YD」
- レベチラセタムOD錠「TCK」☆
新剤形!
イーケプラ錠は大きくて飲みづらいという方もいるのでOD錠は嬉しいですね。
OD錠になって大きくなったら嫌だなと思いましたが、TCKを見る限りはイーケプラ錠より少しだけ大きい程度ですね。
レベチラセタム粒状錠250mg/500mg
- レベチラセタム粒状錠「サワイ」
新剤形!沢井製薬はOD錠ではなく粒状錠を採用しました。
この粒状錠、バラシクロビルやレボフロキサシンで採用されているものと同じだと思いましたが、これら2つは持田製薬のGEMTAB技術を用いた剤形です。
今回の沢井製薬のものが持田製薬の技術を用いて作られたものなのか、全く別の技術なのか?
添加物で区別がつくのかどうかは分かりませんが、バラシクロビル粒状錠「モチダ」やレボフロキサシン粒状錠「モチダ」とレベチラセタム粒状錠「サワイ」の添加物は全く異なりますね。(バラシクロビルとレボフロキサシンは類似)
ヴォリブリス(アンブリセンタン)
適応は「肺動脈性肺高血圧症」
選択的ETA受容体拮抗薬です。
アンブリセンタン錠2.5mg
- アンブリセンタン錠2.5mg「サワイ」
- アンブリセンタン錠2.5mg「KMP」
ケアラム(イグラチモド)
「関節リウマチ」治療薬。
イグラチモド錠25mg
- イグラチモド錠25mg「サワイ」
沢井製薬のみが承認取得。
また、裁判とかならないよね・・・?
ソタコール(ソタロール塩酸塩)
「生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合
心室頻拍、心室細動」
ソタロール塩酸塩錠40mg/i80mg
- ソタロール塩酸塩錠「TE」
なぜ、このタイミングでソタコール?
新規ジェネリック医薬品(外用)
アレジオンLX点眼液(エピナスチン)
アレジオン点眼液の1日2回製剤。
(アレジオン点眼液0.05%:1日4回、アレジオンLX点眼液0.1%:1日2回)
防腐剤フリーが特徴。
エピナスチン塩酸塩LX点眼液0. 1%
- エピナスチン塩酸塩LX点眼液0. 1%「SEC」
参天アイケアなのでAGでしょうね。
エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%は薬価収載されませんでしたがLXはどうなるか?
パタノール点眼液(オロパタジン)
一度はサンドが承認を取得していたけど、そのまま発売されていなかったパタノールのGEがついに登場!
オロパタジン点眼液0.1%
- オロパタジン点眼液0.1%「三和」
- オロパタジン点眼液0.1%「杏林」
- オロパタジン点眼液0.1%「タカタ」
- オロパタジン点眼液0.1%「日新」
- オロパタジン点眼液0.1%「TS」
- オロパタジン点眼液0.1%「ニッテン」
- オロパタジン点眼液0.1%「わかもと」
- オロパタジン点眼液0.1%「ニットー」
- オロパタジン点眼液0.1%「トーワ」
- オロパタジン点眼液0.1%「サワイ」
- オロパタジン点眼液0.1%「センジュ」
外用では最多の11社が承認。
※オロパタジン点眼液は2019年2月15日に「サンド」が製造承認を取得したのですが、薬価収載されませんでした。
オロパタジン点眼液0.1%「サンド」も薬価収載予定?
各社がオロパタジン点眼液0.1%の承認を取得、2021年12月に薬価収載されるのに合わせて、オロパタジン点眼液0.1%「サンド」も薬価収載されるようです。
オロパタジン点眼液0.1%「サンド」はAGのようです。
アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)
アラミスト点鼻液の後発品は武田テバのみ承認を取得。
少し特殊な形状のデバイスなので同じデバイスを用いたAGではないかと期待しましたが、武田テバのアナウンスを見る限りAGではないようですね。(後述のカンデサルタンはAGと明記)
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5μg56噴霧用/120噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5μg「武田テバ」56噴霧用
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5μg「武田テバ」120噴霧用
新規ジェネリック医薬品(注射)
プロイメンド点滴静注用(ホスアプレピタント)
「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」
ホスアプレピタント点滴静注用150mg
- ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」
新規先発医薬品
バクタミニ配合錠
シオノギファーマが承認取得
あれ?バクタミニって少し前に話題になったような・・・?と思って調べたら出てきました。
合成抗菌剤「バクタ®配合錠」の小型錠剤形追加の製造販売承認申請のお知らせ(2020年8月28日)
バクタ®配合錠の直径は11mmと,小児や高齢者が服用するには若干大きく、免疫抑制剤や抗がん剤で治療中の小児患者さまでは、ニューモシスチス肺炎の発症抑制目的で投与する際に、服薬に抵抗を示される問題がありました。
このような背景をふまえ、同センターよりバクタ®配合錠の改良に関する相談があり、服薬コンプライアンスの向上を目的とした3者間での共同研究開発の結果、国立成育医療研究センターでは子どもが服用可能な製剤の大きさや苦みに関する検討、塩野義製薬CMC研究本部において製剤化、当社において製造方法の検討がなされ、1錠の直径を6mmに小型化し、その錠剤を4錠服用することで従来の1錠分に相当する製剤を開発し、製造販売承認申請に至りました。
ということでバクタミニ配合錠は1錠あたりの成分量がバクタ配合錠の4分の1に該当し、錠剤を小型化したものということですね。
エンブレル皮下注クリックワイズ用
- エンブレル皮下注25mgクリックワイズ用0.5mL
- エンブレル皮下注50mgクリックワイズ用1.0mL
エンブレル皮下注クリックワイズ用については詳しい紹介ページが開設されています。
https://pfizerpro.jp/cs/sv/enbrel/clickwise/index.html
専用デバイスであるクリックワイズは液晶ディスプレイが搭載された注入器で、操作が簡単なことに加えて、注入速度を変更できたり、スマホとの連携をおこなることが特徴のようです。
そのほか
その他、気になったジェネリック医薬品を簡単に紹介します。
ブロプレス2つ目のAG
ブロプレスのAGとしてカンデサルタン錠「あすか」がすでに承認・発売されていますが、武田テバが新たにAGを取得しています。
ブロプレス(カンデサルタン)は日本で初めて2つのAGが存在する医薬品になりますね。
ちなみに、カンデサルタン錠「テバ」も存在しているので武田薬品関連企業が関わるカンデサルタン製剤はカオスな状況に・・・。
カンデサルタン錠2mg/4mg/8mg/12mg「武田テバ」
- カンデサルタン錠2mg「武田テバ」
- カンデサルタン錠4mg「武田テバ」
- カンデサルタン錠8mg「武田テバ」
- カンデサルタン錠12mg「武田テバ」
AG(AG2)としてカンデサルタン錠「あすか」が存在しているのにも関わらず、武田テバがAG(おそらくAG1)を取得。
将来的にあすかが製造中止になるのかな・・・?
武田薬品工業とカンデサルタン製剤
武田薬品工業に関連する企業が関わっているカンデサルタン(単独)製剤をまとめてみます。
製造販売元:武田テバ薬品、販売元:武田薬品工業
- ブロプレス錠
製造販売元:あすか製薬、販売元:武田薬品工業
- カンデサルタン錠「あすか」
製造販売元:武田テバファーマ、販売元:武田薬品工業
- カンデサルタン錠「テバ」(プロモーション提携:日医工)
- カンデサルタン錠「武田テバ」
武田薬品工業、カンデサルタン売りすぎじゃん・・・。
ザルティア(タダラフィルZA)のAG
ザルティアのジェネリックはタダラフィルZAの名称ですでに複数の製品が発売されていますが、今回の承認でシオエ製薬がAGの承認を取得しています。
タダラフィル錠ZA「シオエ」
- タダラフィル錠2.5mgZA「シオエ」
- タダラフィル錠5mgZA「シオエ」
ザルティアは日本イーライリリーが製造販売承認を取得し、日本新薬が販売を行っていた薬剤ですが、2020年4月から製造販売権が承継され、日本新薬が製造販売元となっています。
シオエ製薬は日本新薬グループなので、AGの製造販売を行うのは納得ですね。
タダラフィル錠AD「シオエ」もAG?
同時にタダラフィル錠AD「シオエ」も製造販売承認を取得しているのですが、こちらについては添付文書を確認できていないのでAGかどうかの確認はできていません。
ですが、タダラフィル製剤(シアリス、ザルティア、アドシルカ)の製造販売権を日本新薬が保有していることを考えるとタダラフィル錠AD「シオエ」もAGのような気がしますね。
こちらについては情報を待ちたいと思います。
第一三共エスファが3成分のAGを取得
第一三共エスファがカルベジロール、ピルシカイニド、アゾセミドのAGを取得しています。
カルベジロール、ピルシカイニドについては12月販売という案内が出ています。
アゾセミド錠「DSEP」については遅れて発売の案内が出そうということです。
カルベジロール錠「DSEP」(アーチスト)
- カルベジロール錠1.25mg「DSEP」
- カルベジロール錠2.5mg「DSEP」
- カルベジロール錠10mg「DSEP」
- カルベジロール錠20mg「DSEP」
ピルシカイニド塩酸塩カプセル「DSEP」(サンリズム)
- ピルシカイニド塩酸塩カプセル25mg「DSEP」
- ピルシカイニド塩酸塩カプセル50mg「DSEP」
アゾセミド錠「DSEP」(ダイアート)
- アゾセミド錠30mg「DSEP」
- アゾセミド錠60mg「DSEP」
ベルケイド注射用(ボルテゾミブ)の新規格
ボルテゾミブ注射用1mg/3mg
- ボルテゾミブ注射用1mg「ファイザー」
- ボルテゾミブ注射用3mg「ファイザー」
※先発品は3mgのみ、1mgは新規格
シザナリン配合点滴静注液
おそらくシザナリンN注の名称変更
サワイ→SW?
「サワイ」の屋号ですでに販売されているもののいくつかが「SW」で承認取得。
単純な名称変更?
「SW」に統一かと思いきやレベチラセタムやオロパタジンは「サワイ」で承認取得してるしなあ・・・。
- セフジトレンピボキシル錠100mg「SW」
セフジトレンピボキシル小児用細粒10%「SW」 - セフカペンピボキシル塩酸塩小児用細粒10%「SW」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「SW」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「SW」 - カルボプラチン点滴静注液50mg「SW」
カルボプラチン点滴静注液150mg「SW」
カルボプラチン点滴静注液450mg「SW」