スタリビルド配合錠

  • 2013年4月22日
  • 2021年1月4日
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平成25年3月25日付承認医薬品です。
今回は新薬18成分を含む23品目でした。

エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩配合錠(商品名:スタリビルド配合錠/日本たばこ産業)
新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤
※エルビテグラビル、コビシスタットの2成分が新有効成
オーファンドラッグ
効能・効果は「HIV-1感染症」。

エルビテグラビル 150mg、コビシスタット 150mg、エムトリシタビン 200mg、テノホビルジソブロキシルフマル酸塩 300mgを含む。
国内では日本たばこ産業が開発を行いましたが、元々海外ではギリアド・サイエンシズ社によって開発・商業化が進められています。
米国等では既に HIV-1 感染症の治療に使用されています。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬であるエムトリシタビン(FTC)、テノホビルジソブロキシルフマル酸塩(TDF)は、それぞれエムトリバカプセル、ビリアード錠として、さらに、この二つの配合剤はツルバダ配合錠として、すでに国内で発売されています。
スタリビルド配合錠はツルバダ配合錠にエルビテグラビルとコビシスタットをさらに加えた薬ということになります。

エルビテグラビルは日本たばこ産業が創製し、ギリアド・サイエンシズ社に導出したインテグラーゼ阻害剤(Integrase Inhibitor/INI)です。
HIV が宿主細胞の染色体DNAに組み込まれる過程で働く酵素インテグラーゼの働きを阻害することでHIVの増殖を阻害します。
国内で承認されているINIとしてはラルテグラビルカリウム(RAL、商品名:アイセントレス)に続いて二剤目となります。

コビシスタットはキリアド・サイエンシズ社が創製した薬物動態学的増強因子(ブースター)です。
チトクローム P450 3A(CYP3A)の働きを阻害することにより、エルビテグラビルの有効血中濃度を維持する働きを持っています。

HIV感染症治療は、複数の抗 HIV 薬を組み合わせて併用する多剤併用療法が標準です。
HIVは突然変異を起こしやすく、単剤を用いた治療ではすぐに耐性を獲得してしまいます。
そこで多剤併用療法を用いるわけですが、服用する薬剤が増えれば飲み忘れのリスクが増します。
スタリビルド配合錠は、HIV 感染症の多剤併用療法に用いる薬剤として日本で初めて、単剤を1日1回1錠服用するだけで治療を完結させることを可能とします。
今まで、INIを用いた治療では、RALを1日2回、FTC+TDFを1日1回服用していましたが、スタリビルドを1日1回だけであれば、服用の負担も減りますし、飲み忘れも減るんじゃないでしょうか?
用法も「食事中または食直後」なので忘れにくい気がします。

すでに4月16日付で緊急薬価収載されましたね。
発売も間も無くのはずです。
販売はグループの鳥居薬品が行う予定です。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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