【新薬】令和3年5月19日 薬価収載一覧【再生医療等製品】

2021年5月19日に薬価収載された新医薬品についてまとめます。
また、同時に薬価収載された再生医療等製品と、費用対効果により薬価の見直しを受けた品目についても紹介します。

2021年5月19日 薬価収載

今回薬価収載された医薬品について一覧にまとめてみました。

新医薬品一覧(2021.5.19薬価収載)
医薬品
(成分名)
薬価備考
イスツリサ錠1mg
イスツリサ錠5mg
(オシロドロスタットリン酸塩)
3,335.90円/錠
13,249.00円/錠
クッシング症候群(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
ヴァイトラックビカプセル25mg
ヴァイトラックビカプセル100mg
ヴァイトラックビ内用液20mg/mL
(ラロトレクチニブ硫酸塩)
4,042.50円/カプセル
14,542.90円/カプセル
2,908.60円/mL
NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
ペマジール錠4.5mg
(ペミガチニブ)
230,860円/錠再発寛解型多発性硬化症や疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制
ケシンプタ皮下注20mgペン
(オファツムマブ(遺伝子組換え))
230,860円/キット再発寛解型多発性硬化症や疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制
イズカーゴ点滴静注用10mg
(パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え))
251,030円/瓶ムコ多糖症II型
ジョイクル関節注30mg
(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム)
4,394円/筒変形性関節症(膝関節、股関節)
ポライビー点滴静注用30mg
ポライビー点滴静注用140mg
(ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え))
298,825円/瓶
1,364,330円/瓶
再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
レミトロ点滴静注用300μg
(デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え))
85,610円/瓶再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
ダラキューロ配合皮下注
(ダラツムマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
434,209円/瓶多発性骨髄腫
ヌーイック静注用250
ヌーイック静注用500
ヌーイック静注用1000
ヌーイック静注用2000
ヌーイック静注用2500
ヌーイック静注用3000
ヌーイック静注用4000
(シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え))
22,543円/瓶
41,865円/瓶
77,750円/瓶
144,395円/瓶
176,239円/瓶
207,405円/瓶
268,164円/瓶
血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
ユプリズナ点滴静注
(イネビリズマブ(遺伝子組換え))
3,495,304円/瓶視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
ジクトルテープ75mg
(ジクロフェナクナトリウム)
156.50円/枚各種がんにおける鎮痛
アリケイス吸入液590mg
(アミカシン硫酸塩(リポソーム製剤))
42,408.40円/瓶ラミラネブライザシステム」を用いて吸入
適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
適応症:マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性 抗酸菌症
ラミラネブライザシステムは特定保険医療材料ではなく技術料での評価
再生医療等製品一覧(2021.5.19薬価収載)
医薬品名
(成分名)
薬価備考
ブレヤンジ静注
(リソカブタゲン マラルユーセル)
34,113,655円/患者
(34,113,655円/患者)
3番目のCAR-T細胞療法
(再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫)

薬価収載された新医薬品の紹介

今回、薬価収載された医薬品について簡単に紹介していきます。

イスツリサ錠

  • 収載時薬価
    • イスツリサ錠1mgの薬価:3,335.90円/錠
      原価計算方式(内訳は製品総原価 2,370.40円、営業利益 434.80円、流通経費 227.40円、消費税 303.30円)で算定。
      外国平均価格は3,825.00円/錠
    • イスツリサ錠5mgの薬価:13,249.00円/錠
      原価計算方式(内訳は製品総原価 9,414.30円、営業利益 1,726.90円、流通経費 903.30円、消費税 1,204.50円)で算定。
      外国平均価格は15,128.20円/錠
  • 加算:なし
  • 申請者:レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン
  • 成分名:オシロドロスタットリン酸塩
  • 効能・効果:クッシング症候群(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
  • 用法・用量:通常、成人にはオシロドロスタットとして1回1mgを1日2回経口投与から開始するが、開始用量は患者の状態に応じて適宜減量する。その後は、患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1回30mgを1日2回とする。

クッシング症候群はコルチゾールが過剰になる疾患で、特徴的な身体徴候には満月様顔貌、野牛肩、中心性肥満、皮膚菲薄化、腹部赤色皮膚線条、近位筋の筋力低下があります。
※クッシング症候群とクッシング病という名称がありますが、クッシング病はクッシング症候群のなかでもACTH(Adrenocorticotropic Hormone:副腎皮質刺激ホルモン)の過剰分泌によりコルチゾールが過剰となったものをクッシング病と言います。

イスツリサ錠の有効成分オシロドロスタットリン酸塩は、コルチゾール生合成の最終段階で働く11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害し、副腎でのコルチゾール生合成を抑制する副腎皮質ホルモン合成阻害薬です。
類似の作用を持つ薬剤にデソパン錠(トリロスタン、3β-hydroxysteroid脱水素酵素阻害薬)、メトピロン(メチラポン、11β-水酸化酵素阻害薬)がありますが、過去10年以内に薬価収載されたものには該当しないため原価計算方式で薬価算定が行われています。

ヴァイトラックビカプセル/内用液

  • 収載時薬価
    • ヴァイトラックビカプセル100mgの薬価:14,542.90円/カプセル
      類似薬効比較方式(I)で、ロズリートレクカプセル200mgの1日薬価(30,219.00円)を元に小児加算A=5%を加えて算出
    • ヴァイトラックビカプセル25mg:4,042.50円/カプセル
      上記で算出されたヴァイトラックビカプセル100mgの薬価を元に、ロズリートレクカプセル200mgと100mgの規格間比(0.9235)を使用して算出
    • ヴァイトラックビ内用液20mg/mL:2,908.60円/mL
      上記で算出されたヴァイトラックビカプセル100mgの薬価を元に、ロズリートレクカプセル200mgと100mgの規格間比(0.9235)を使用して算出
  • 加算:
    • 小児加算(A=5%):「国内で小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児にも使用できる製剤(内用液)が存在すること、効能・効果や用法用量に小児に係るものが明示的に含まれていること、比較薬のエヌトレクチニブ(ロズリートレクカプセル)が小児加算の適用を受けていないことから、小児加算の要件に該当する」
    • 新薬創出等加算:「加算適用品等の収載から3年以内・3番手以内」
  • 申請者:バイエル薬品
  • 成分名:ラロトレクチニブ硫酸塩
  • 効能・効果:NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
  • 用法・用量:通常、成人にはラロトレクチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。通常、小児にはラロトレクチニブとして1回100mg/㎡(体表面積)を1日2回経口投与する。

ペマジール錠

  • 収載時薬価
    • ペマジール錠4.5mgの薬価:25,631.20円/錠
      原価計算方式(内訳は製品総原価 16,708.90円、営業利益 3,065.00円、流通経費 1,603.30円、消費税 2,137.70円)に有用性加算(I)(A=35%)、市場性加算(I)(A=10%) 加算係数 0.2を加えて算定。
      外国平均価格は154,456.80円/錠
  • 加算:
    • 有用性加算(Ⅰ)(A=35%):理由「FGFR融合遺伝子の阻害作用を有する新規作用機序医薬品で、米国NCCNガイドラインで推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられる」
    • 市場性加算(Ⅰ)(A=10%):理由「希少疾病用医薬品に指定されているため」
    • 新薬創出等加算:「加算適用品」
  • 申請者:インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社
  • 成分名:ペミガチニブ
  • 効能・効果:がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
  • 用法・用量:通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

 

ケシンプタ皮下注

  • 収載時薬価
    • ケシンプタ皮下注20mgペンの薬価:230,860円/キット
      類似薬効比較方式(I)でタイサブリ点滴静注300mgの1日薬価(8,245円)を元に算出
  • 加算:新薬創出等加算(希少疾病用医薬品)
  • 申請者:ノバルティスファーマ
  • 成分名:オファツムマブ(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:再発寛解型多発性硬化症や疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制
  • 用法・用量:通常、成人には、オファツムマブ(遺伝子組換え)として1回20mgを初回、1週後、2週後、4週後に皮下注射し、以降は4週間隔で皮下注射。

 

イズカーゴ点滴静注用

  • 収載時薬価
    • イズカーゴ点滴静注用10mgの薬価:251,030円/瓶
      類似薬効比較方式(I)でエラプレース点滴静注液6mgの1日薬価(95,630円)を元に、有用性加算(I)(A=40%)、先駆け審査指定制度加算(A=10%)を加えて算出
  • 加算:
    • 有用性加算(Ⅰ)(A=40%):理由「全身症状及び中枢神経症状に有効性があると評価される本剤は既存の類似薬にない有効性を有している。また、脳室内投与に比べて非常に低い侵襲性で中枢作用を期待できる点は、既存の治療方法に比べて利便性が著しく高く、ムコ多糖症II型の中枢神経症状に対しては標準的治療法ないため」
    • 先駆け審査指定制度加算(A=10%):「先駆け審査指定制度の指定を受けており要件を満たすが、国内臨床試験では症例数が限られるため」
    • 新薬創出等加算:「希少疾病用医薬品の指定、加算適用品」
  • 申請者:JCRファーマ
  • 成分名:パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:ムコ多糖症II型
  • 用法・用量:通常、パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり2.0mgを週1回、点滴静注する。

マンノース6リン酸受容体を介した作用に加え、JCR独自の血液脳関門(BBB)通過技術である「J Brain Cargo」によりトランスフェリン受容体を介してBBBを通過させることで、中枢神経症状に対する作用が期待される薬剤。静脈内投与することで末梢組織とともに中枢神経系に移行することを可能にしたもの。
ムコ多糖症II型に対する既存の治療酵素製剤はBBBを通過できないため、脳内で薬効を発揮できず、中枢神経症状に対し効果が期待できないことが大きな課題となっている。

ジョイクル関節注

  • 収載時薬価
    • ジョイクル関節注30mgの薬価:4,394円/筒
      原価計算方式(内訳は製品総原価 3,122円、営業利益 573円、流通経費 300円、消費税 399円)で算定。
      最初に承認されたのは日本であるため外国平均価格はなし
  • 加算:なし
  • 申請者:生化学工業
  • 成分名:ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム
  • 効能・効果:変形性関節症(膝関節、股関節)
  • 用法・用量:通常、成人1回1シリンジを4週間ごとに関節腔内に投与する。

ポライビー点滴静注用

  • 収載時薬価
    • ポライビー点滴静注用30mgの薬価:298,825円/瓶
      類似薬効比較方式(I)でアドセトリス点滴静注用50mgの1日薬価(40,656円)を元に、有用性加算(II)(A=5%)を加えて算出
    • ポライビー点滴静注用140mgの薬価:1,364,330円/瓶
      上記で算出されたポライビー点滴静注用30mgの薬価を元に、リツキサン点滴静注100mgとリツキサン点滴静注500mgの規格間比(0.9857934)を使用して算出
  • 加算:
    • 有用性加算(II)(A=5%):理由「NCCNガイドラインでは、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫においてCategory2Aとして最も推奨されるレジメンに位置づけられている」
    • 新薬創出等加算:「希少疾病用医薬品の指定、加算適用品」
  • 申請者:中外製薬
  • 成分名:ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  • 用法・用量:ベンダムスチン塩酸塩及びリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人には、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)として1回1.8mg/kg(体重)を3週間間隔で6回点滴静注する。初回投与時は90分かけて投与し、忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

費用対効果評価に該当(H1)

 

レミトロ点滴静注用

  • 収載時薬価
    • レミトロ点滴静注用300μgの薬価:85,610円/瓶
      類似薬効比較方式(I)でポテリジオ点滴静注20mgの1日薬価(30,575円)を元に、リザベン細粒10%とリザベンドライシロップ5%の剤形間比(2.1646)を使用し、さらに小児加算A=5%を加えて算出
  • 加算:新薬創出等加算:「新規作用機序医薬品」
  • 申請者:エーザイ
  • 成分名:デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:
    • 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫
    • 再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
  • 用法・用量:通常、成人にはデニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)として1日1回9μg/kgを1時間かけて5日間点滴静注した後、16日間休薬する。この21日間を1サイクルとして、最大8サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

 

ダラキューロ配合皮下注

  • 収載時薬価
    • ダラキューロ配合皮下注の薬価:434,209円/瓶
      類似薬効比較方式(I)でダラザレックス点滴静注400mgの1日薬価(14,769円)を元に、有用性加算(II)(A=5%)を加えて算出
  • 加算:
    • 有用性加算(II)(A=5%):理由「比較薬であるダラザレックス点滴静注は、3~7時間の長時間の投与が必要であるが、本剤は皮下投与製剤であり、投与時間は約3~5分であるため、比較薬に比べて使用に際しての利便性が高い」
    • 新薬創出等加算:「加算適用品」
  • 申請者:ヤンセンファーマ
  • 成分名:
    • ダラツムマブ(遺伝子組換え)
    • ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:多発性骨髄腫
  • 用法・用量:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1,800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30,000単位(2,000単位/mL)を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。
    A法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
    B法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

費用対効果評価に該当(H1)

 

ヌーイック静注用

  • 収載時薬価
    • ヌーイック静注用4000(4,000国際単位1瓶(溶解液付))の薬価:268,164円/瓶
      類似薬効比較方式(II)で過去6年間の薬理作用類似薬の最低一日薬価(67.041円)を元に算出
    • ヌーイック静注用250(250国際単位1瓶(溶解液付)):22,543円/瓶
      上記で算出されたヌーイック静注用4000の薬価を元に、エイフスチラ静注用2500及び同3000の規格間比(0.893096)を使用して算出
      (以下全て同じ)
    • ヌーイック静注用500(500国際単位1瓶(溶解液付)):41,865円/瓶
    • ヌーイック静注用1000(1,000国際単位1瓶(溶解液付)):77,750円/瓶
    • ヌーイック静注用2000(2,000国際単位1瓶(溶解液付)):144,395円/瓶
    • ヌーイック静注用2500(2,500国際単位1瓶(溶解液付)):176,239円/瓶
    • ヌーイック静注用3000(3,000国際単位1瓶(溶解液付)):207,405円/瓶
  • 加算:なし
  • 申請者:藤本製薬
  • 成分名:シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、
  • 効能・効果:血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
  • 用法・用量:通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の症状に応じて適宜増減する。
    定期的に投与する場合、12歳以上の患者には、通常、1回体重1kg当たり30〜40国際単位を週3回又は隔日投与する。患者の状態に応じ、投与量は1回体重1kg当たり65国際単位を超えない範囲で、投与間隔は3〜5日の範囲で適宜調節することもできる。12歳未満の患者には、通常、1回体重1kg当たり30〜50国際単位を週3回又は隔日投与する。

 

ユプリズナ点滴静注

  • 収載時薬価
    • ユプリズナ点滴静注の薬価:3,495,304円/瓶
      類似薬効比較方式(I)でエンスプリング皮下注120mgシリンジの1日薬価(54,721円)を元に、有用性加算(II)(A=5%)を加えて算出
    • 有用性加算(II)(A=5%):理由「サトラリズマブ製剤に比べて投与間隔が5か月延長されており、患者にとって維持期の注射回数が1/6に減少するメリットがあることから、既存 の治療方法に比べて効果の持続が著しく長いに該当」
    • 新薬創出等加算:「希少疾病用医薬品、加算適用品のため」
  • 申請者:田辺三菱製薬
  • 成分名:イネビリズマブ(遺伝子組換え)
  • 効能・効果:視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
  • 用法・用量:通常、成人には、イネビリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを初回、2週後に点滴静注し、その後、初回投与から6か月後に、以降6か月に1回の間隔で点滴静注する。

 

ジクトルテープ

  • 収載時薬価
    • ジクトルテープ75mgの薬価:156.50円/枚
      原価計算方式(内訳は製品総原価 111.22円、営業利益 20.40円、流通経費 10.67円、消費税 14.23円)で算定。
      最初に承認されたのは日本であるため外国平均価格はなし
  • 加算:なし
  • 申請者:久光製薬
  • 成分名:ジクロフェナクナトリウム
  • 効能・効果:各種がんにおける鎮痛
  • 用法・用量:通常、成人に対し、1日1回、2枚貼付。

 

アリケイス吸入液

  • 収載時薬価
    • アリケイス吸入液590mgの薬価:42,408.40円/瓶
      原価計算方式(内訳は製品総原価 29,543.20円、営業利益 5,419.20円、流通経費 2,834.80円、消費税 3,779.70円)で算定。
      外国平均価格は50,807.7円
  • 加算:
    • 有用性加算(II)(A=10%):理由「治療抵抗性の肺MAC症患者に対して本剤を併用した多剤併用療法の有効性が示されている。欧米のガイドラインでは、治療抵抗性の肺MAC症に対して本剤の併用レジメンが最も強く推奨されており、標準的治療法であると言える」。
    • 新薬創出等加算:「加算適用品」
  • 申請者:インスメッド合同会社
  • 成分名:アミカシン硫酸塩(リポソーム製剤)
  • 効能・効果:
    • 適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
    • 適応症:マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性 抗酸菌症
  • 用法・用量:通常、成人にはアミカシンとして590mg(力価)を1日1回ネブライザを用いて吸入投与する。

費用対効果評価に該当(H1)

再生医療等製品

再生医療等製品としてブレヤンジ静注が薬価収載されています。
同じCAR-T療法のキムリア点滴静注と同じ薬価になっており、3千万円超えです。

ブレヤンジ点滴静注

  • 収載時薬価
    • ブレヤンジ点滴静注:34,113,655円/患者
      類似薬効比較方式(I)で、キムリア点滴静注の薬価(34,113,655円)を元に算出
  • 申請者:セルジーン
  • 成分名:リソカブタゲン マラルユーセル
  • 効能・効果:
      • 以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫
        びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ 腫、高悪性度B細胞リンパ腫

    <li再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

  • 用法・用量:通常、成人には、CAR発現生T細胞としてCD8陽性細胞(20×106〜50×106個)及びCD4陽性細胞(20×106〜50×106個)を、合計細胞数が体重を問わず100×106個を目標(範囲:44×106〜100×106個)に、CD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の比が1(範囲:0.8〜1.2)となるよう、CD8陽性細胞を静脈内投与した後にCD4陽性細胞を静脈内投与する。なお、本品の再投与はしないこと。

薬価の見直し

今回の薬価収載の決定と同時に市場拡大再算定ならびに費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しも決定しています。
医療機関における在庫への影響等を踏まえ、価格調整後の薬価の適用には一定の猶予期間を設け、2021年8月1日に薬価引き下げが行われます。

市場拡大再算定

12月診療分のNDBデータを用いた検討で、ビンダケルカプセル20mg、テセントリク点滴静注1200mg及びその類似品が市場拡大再算定の要件に該当しました。
薬価の引き下げが行われるのは以下の製品です。

  • ビンダケルカプセル20mg:43,672.80円→38,866.00円/キット
  • テセントリク点滴静注1200mg:637,152円→563,917円/キット
  • オプジーボ点滴静注 20mg:36,063円→31,918 円/瓶
  • オプジーボ点滴静注 100mg:175,211円→155,072円/瓶
  • オプジーボ点滴静注 120mg;209,570円→185,482円/瓶
  • オプジーボ点滴静注 240mg:413,990円→366,405円/瓶
  • キイトルーダ点滴静注100mg:242,355円→214,498円/瓶
  • イミフィンジ点滴静注120mg:115,029円→101,807円/瓶
  • イミフィンジ点滴静注500mg:467,245円→413,539円/瓶

費用対効果評価結果に基づく価格調整

ユルトミリス点滴静注について価格調整が行われます。

  • ユルトミリス点滴静注:730,894円→699,570円/瓶

 

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