2021年4月21日に薬価収載された新医薬品についてまとめます。
また、同時に薬価収載された再生医療等製品と、費用対効果により薬価の見直しを受けた品目についても紹介します。
2021年4月21日 薬価収載
今回薬価収載された医薬品について一覧にまとめてみました。
医薬品 (成分名) | 薬価 | 備考 |
---|---|---|
イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg イグザレルトドライシロップ小児用103.4mg (リバーロキサバン) | 5,308.30円/瓶 9,333.10円/瓶 | 小児VTE適応に伴う新剤形 |
マスーレッド錠5mg マスーレッド錠12.5mg マスーレッド錠25mg マスーレッド錠75mg (モリデュスタットナトリウム) | 44.30円/錠 93.70円/錠 165.10円/錠 405.30円/錠 | 5番目のHIF-PH阻害薬(腎性貧血) |
エドルミズ錠50mg (アナモレリン塩酸塩) | 246.40円/錠 | がん悪液質の適応を持つ初の薬剤 |
アルンブリグ錠30mg アルンブリグ錠90mg (ブリグチニブ) | 4,200.50円/錠 11,598.00円/錠 | ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 の適応を持つ次世代ALK阻害薬 |
カルケンスカプセル100mg (アカラブルチニブ) | 15,202.20円/カプセル | 2剤目のブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬 (再発又は難治性の慢性リンパ性白血病) |
オラデオカプセル150mg (ベロトラルスタット塩酸塩) | 74,228.20円/カプセル | 選択的血漿カリクレイン阻害作用 (遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制) |
エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター エムガルティ皮下注120mgシリンジ (ガルカネズマブ(遺伝子組換え)) | 45,165円/キット 44,940円/キット | ヒト抗CGRPモノクローナル抗体 (片頭痛発作の発症抑制) |
サルプレップ配合内用液 (無水硫酸ナトリウム/硫酸カリウム/硫酸マグネシウム水和物) | 1,011.60円/瓶 | 大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除 |
ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg (イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)) | 1,981,462円/瓶 | ムコ多糖症II型 |
リンスパッド点滴静注用1000mg (ヒトα1-プロテイナーゼインヒビター) | 216,054円/瓶 | 重症α1-アンチトリプシン欠乏症 |
ジムソ膀胱内注入液50% (ジメチルスルホキシド) | 11,210.50円/瓶 | 間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状 (膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感及び不快感、尿意亢進又は頻尿等の下部尿路症状)の改善 |
医薬品名 (成分名) | 薬価 | 備考 |
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イエスカルタ点滴静注 (アキシカブタゲン シロルユーセル) | 34,113,655円/患者 (34,113,655円/患者) | 2番目のCAR-T細胞療法 (再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫) |
薬価収載された新医薬品の紹介
今回、薬価収載された医薬品について簡単に紹介していきます。
イグザレルトドライシロップ小児用
- 収載時薬価
- イグザレルトドライシロップ小児用103.4mgの薬価:9,333.10円/瓶
類似薬効比較方式(II)でイグザレルト細粒分包10mgの1日薬価(595.70円)を元に、リザベン細粒10%とリザベンドライシロップ5%の剤形間比(2.1646)を使用し、さらに小児加算A=5%を加えて算出 - イグザレルトドライシロップ小児用51.7mgの薬価:5,308.30円/瓶
上記で算出されたイグザレルトドライシロップ小児用103.4mgの薬価を元に、イグザレルト細粒分包10mgと同細粒分包15mgの規格間比(0.8141)を使用して算出
- イグザレルトドライシロップ小児用103.4mgの薬価:9,333.10円/瓶
- 製造販売元:バイエル薬品
- 成分名:リバーロキサバン
- 効能・効果:静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制
- 用法・用量:(一部省略)
体重2.6kg以上12kg未満 1日3回 8時間おき(用量は略)
体重12kg以上30kg未満 1回5mgを1日2回 12時間おき
体重30kg以上 1回15mgを1日1回 24時間おき
2021年1月22日に追加された小児静脈血栓塞栓症(VTE:Venous ThromboEmbolism)適応に伴う剤形追加。
51.5mgは50mL、103.4mgは100mLの水を加えて60秒以上振り混ぜて調整。
毎回、10秒以上振盪後に計量用ピペットを用いて1回量を量り取る。
調整後のシロップは水等で希釈してはいけない。
調整後は30℃以下で遮光保存し、14日以内に使用する。
マスーレッド錠
- 収載時薬価
- マスーレッド錠75mg:405.30円/錠
類似薬効比較方式(II)で、過去6年間の薬理作用類似薬(HIF-PH阻害薬)の最低一日薬価(457.00円)を元に算出
※ESA前治療ありの成人血液透析患者を対象とした国内第III相試験での平均投与量に基づき1日薬価を計算 - マスーレッド錠5mg:44.30円/錠
マスーレッド錠75mgの薬価(405.30円/錠)を元に、ダーブロック錠4mgと同錠6mgの規格間比(0.8173)を利用して算出 - マスーレッド錠12.5mg:93.70円/錠
マスーレッド錠75mgの薬価(405.30円/錠)を元に、ダーブロック錠4mgと同錠6mgの規格間比(0.8173)を利用して算出 - マスーレッド錠25mg:165.10円/錠
マスーレッド錠75mgの薬価(405.30円/錠)を元に、ダーブロック錠4mgと同錠6mgの規格間比(0.8173)を利用して算出
- マスーレッド錠75mg:405.30円/錠
- 発売日:2021年4月23日
- 製造販売元:バイエル薬品
- 成分名:モリデュスタットナトリウム
- 効能・効果:腎性貧血
- 用法・用量:1日1回食後 最大1回200mgだが状態によって開始用量が異なる(一部省略)
- 保存期ESA未治療 25mg開始
- 保存期ESA切替 25mgまたは50mg開始
- 透析 75mg開始
※類似薬効比較方式(II)
5剤目となるHIF-PH阻害薬。
50mg錠も承認されているが薬価収載は見送りされたようです。
(理由は不明)
開始用量が状態によって3種類に分かれていること、食後服用の記載があるので注意が必要。
エドルミズ錠50mg
- 収載時薬価
- エドルミズ錠50mg:246.40円/錠
原価計算方式で、製品総原価(176.50円)、営業利益(30.70円)、流通経費(16.80円)、消費税(22.40円)の合計で算出
- エドルミズ錠50mg:246.40円/錠
- 発売日:2021年4月21日
- 製造販売元:小野薬品
- 成分名:アナモレリン塩酸塩
- 効能・効果:下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質
非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌 - 用法・用量:通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100mgを1日1回、空腹時に経口投与する。
がん悪液質に対する適応を持つ初の薬剤。
3週間で効果を発揮できない場合、投与を中止する。
クラリスロマイシンやイトラコナゾールを含む強いCYP3A4阻害薬の併用は禁忌となっている。
E-Learningを受講した医師でないと処方できないので注意。
アルンブリグ錠
- 収載時薬価
- アルンブリグ錠90mg:11,598.00円/錠
類似薬効比較方式(II)で、過去10年間に薬価収載された薬理作用類似薬(ALK阻害薬)の平均1日薬価(23,195.90円)を元に算出 - アルンブリグ錠30mg:4,200.50円/錠
アルンブリグ錠90mgの薬価(11,598.00円/錠)を元に、ザーコリカプセル250mgと同カプセル200mgの規格間比(0.92446)を利用して算出
- アルンブリグ錠90mg:11,598.00円/錠
- 製造販売元:武田薬品工業
- 成分名:ブリグチニブ
- 効能・効果:ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 用法・用量:通常、成人にはブリグチニブとして、1日1回90mgを7日間経口投与する。その後、1日1回180mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
次世代ALK阻害薬。
ALK融合遺伝子陽性かどうかの検査には承認されているコンパニオン診断薬を用いる。
カルケンスカプセル100mg
- 収載時薬価
- カルケンスカプセル100mg:15,202.20円/カプセル
類似薬効比較方式(I)で、イムブルビカカプセル140mgの1日薬価(30,404.40円)を元に算出
- カルケンスカプセル100mg:15,202.20円/カプセル
- 発売日:2021年4月21日
- 製造販売元:アストラゼネカ
- 成分名:アカラブルチニブ
- 効能・効果:再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)
- 用法・用量:通常、成人にはアカラブルチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2剤目のブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬。
先発であるイブルチニブ(イムブルビカカプセル)と比較した第Ⅲ相試験(ELEVATE-RR)で有効性の非劣勢に加えて心房細動の発現率(副次評価項目)が低かった。
オラデオカプセル150mg
- 収載時薬価
- オラデオカプセル150mg:74,228.20円/カプセル
原価計算方式で、製品総原価(50,648.70円)、営業利益(8,798.10円)、流通経費(4,820.00円)、消費税(6,426.70円)の合計に、有用性加算(II)A=5%、市場性加算(I)A=10%、先駆審査指定制度加算A=10%、加算係数=0.2を加えて算出
- オラデオカプセル150mg:74,228.20円/カプセル
- 発売日:2021年4月23日
- 製造販売元:オーファンパシフィック
- 成分名:ベロトラルスタット塩酸塩
- 効能・効果:遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制
- 用法・用量:通常、成人及び12歳以上の小児には、ベロトラルスタットとして150mg(1カプセル)を1日1回経口投与する。
新規作用機序(選択的血漿カリクレイン阻害作用)により遺伝性血管性浮腫の急性発作を予防する。
希少疾病用医薬品、先駆け審査指定制度の指定を受けている薬剤。
新薬創出等加算の対象。
エムガルティ皮下注
- 収載時薬価
- エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター:45,165円/キット
原価計算方式で、製品総原価(31,530円)、営業利益(5,477円)、流通経費(3,001円)、消費税(4,001円)の合計に、外国平均価格調整(調整額1,157円)を加えて算出 - エムガルティ皮下注120mgシリンジ:44,940円/キット
原価計算方式で、製品総原価(32,197円)、営業利益(5,593円)、流通経費(3,064円)、消費税(4,085円)の合計で算出
- エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター:45,165円/キット
- 発売日:2021年4月26日
- 製造販売元:日本イーライリリー
- 成分名:ガルカネズマブ(遺伝子組換え)
- 効能・効果:片頭痛発作の発症抑制
- 用法・用量:通常、成人にはガルカネズマブ(遺伝子組換え)として初回に240mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mgを皮下投与する。
偏頭痛の誘発に係るCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の働きを阻害することで偏頭痛発作を予防するヒト抗CGRPモノクローナル抗体。
費用対効果評価(H1)の対象。
添付文書「8. 重要な基本的注意 8.1 本剤は、片頭痛の治療に関する十分な知識及び経験を有する医師のもとで使用すること。」と記載されているように少なくとも投与開始においては専門医で行われることが望ましいと思われます。
サルプレップ配合内用液
- 収載時薬価
- サルプレップ配合内用液:1,011.60円/瓶
類似薬効比較方式(II)で、過去10年間に薬価収載された薬理作用類似薬の平均1日薬価(2,023.20円)を元に算出
- サルプレップ配合内用液:1,011.60円/瓶
- 製造販売元:日本製薬
- 成分名:無水硫酸ナトリウム/硫酸カリウム/硫酸マグネシウム水和物
- 効能・効果:大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除
- 用法・用量:
- 〈検査当日に投与する場合〉
通常、成人には本剤480mLを30分かけて経口投与する。本剤480mLを投与した後、水又はお茶約1Lを1時間かけて飲用する。以降、排泄液が透明になるまで本剤240mLあたり15分かけて投与し、投与後に水又はお茶約500mLを飲用するが、本剤の投与量は合計960mLまでとする。
なお、検査前日の夕食後は絶食(水分摂取は可)とし、検査開始予定時間の約3時間以上前から投与を開始する。 - 〈検査前日と当日に分けて2回投与する場合〉
通常、成人には検査前日に、本剤480mLを30分かけて経口投与する。本剤480mLを投与した後、水又はお茶約1Lを1時間かけて飲用する。検査当日は、検査開始予定時間の約2時間以上前から、排泄液が透明になるまで本剤240mLあたり15分かけて投与し、投与後に水又はお茶約500mLを飲用するが、本剤の投与量は前日から合計960mLまでとする。
なお、検査前日の夕食は投与開始の3時間以上前に終了し、夕食後は絶食(水分摂取は可)とする。
- 〈検査当日に投与する場合〉
検査当日のみの投与と、検査前日と当日に分けて2回投与の2つの用法を有する初の腸管洗浄剤。
大腸内視鏡検査を行う前に使用する。
ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg
- 収載時薬価
- ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg:1,981,462円/瓶
類似薬効比較方式(I)で、エラプレース点滴静注液6mgの1日薬価(141,533円)を元に算出
- ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg:1,981,462円/瓶
- 発売日:2021年4月26日
- 製造販売元:クリニジェン
- 成分名:イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)
- 効能・効果:ムコ多糖症II型
- 用法・用量:通常、イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回30mgを4週間に1回、脳室内投与する。
既承認のエラプレース点滴静注液6mg(有効成分は同じイデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え))は中枢に移行しないので中枢神経系症状に対する有効性は認められていないが 、ヒュンタラーゼは直接脳内に投与するので中枢神経系症状に対する効果を発揮できる。
新薬創出等加算の対象。
リンスパッド点滴静注用1000mg
- 収載時薬価
- リンスパッド点滴静注用1000mg:216,054円/瓶
原価計算方式で、製品総原価(134,603円)、営業利益(23,382円)、流通経費(12,810円)、消費税(17,079円)の合計に、有用性加算(II)A=5%、市場性加算(I)A=10%、加算係数=1.0を加えて算出
- リンスパッド点滴静注用1000mg:216,054円/瓶
- 製造販売元:オーファンパシフィック
- 成分名:ヒトα1-プロテイナーゼインヒビター
- 効能・効果:重症α1-アンチトリプシン欠乏症
- 用法・用量:通常、成人にはヒトα1-プロテイナーゼインヒビターとして60mg/kgを週1回、点静注する。
α1-アンチトリプシン欠乏症(AAT)は若年性に肺気腫を生じ、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症する疾患。
ヒトα1-プロテイナーゼインヒビターを補充することで肺気腫の発生・進展を抑制し、COPDの病態の進行を遅くする。
希少疾病用医薬品として指定を受けている薬剤。
新薬創出等加算の対象。
ジムソ膀胱内注入液50%
- 収載時薬価
- ジムソ膀胱内注入液50%:11,210.50円/瓶
原価計算方式で、製品総原価(6,693.10円)、営業利益(1,162.70円)、流通経費(637.00円)、消費税(849.30円)の合計に、有用性加算(II)A=10%、市場性加算(I)A=10%、加算係数=1.0を加えて算出
- ジムソ膀胱内注入液50%:11,210.50円/瓶
- 発売日:2021年4月21日
- 製造販売元:杏林製薬
- 成分名:ジメチルスルホキシド
- 効能・効果:間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状(膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感及び不快感、尿意亢進又は頻尿等の下部尿路症状)の改善
- 用法・用量:通常、成人には50%(w/w)ジメチルスルホキシド溶液を1回あたり1バイアル50mL(ジメチルスルホキシドとして27g)、2週間間隔で6回膀胱内に注入する。なお、膀胱内注入後、可能な限り15分間以上膀胱内に保持してから排出させる。
作用機序は十分に解明されていないが、炎症抑制及び鎮痛等の関与により間質性膀胱炎に対して効果を発揮すると考えられている。
希少疾病用医薬品として指定を受けている薬剤。
新薬創出等加算の対象。
再生医療等製品
再生医療等製品としてイエスカルタ点滴静注の薬価収載が決定しています。
同じCAR-T療法のキムリア点滴静注と同じ薬価になっており、3千万円超えです。
イエスカルタ点滴静注
- 収載時薬価
- イエスカルタ点滴静注:34,113,655円/患者
※ただし、薬価収載と同時に32,647,761円/患者に引き下げ(キムリアの費用対効果評価結果に基づく価格調整に合わせて)
類似薬効比較方式(I)で、キムリア点滴静注の薬価(34,113,655円)を元に算出
- イエスカルタ点滴静注:34,113,655円/患者
- 製造販売元:第一三共
- 成分名:アキシカブタゲン シロルユーセル
- 効能・効果:以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ 腫、高悪性度B細胞リンパ腫 - 用法・用量:
〈医療機関での白血球アフェレーシス~製造施設への輸送〉
1 .白血球アフェレーシス
白血球アフェレーシスにより、非動員末梢血単核球を採取する。
2 .白血球アフェレーシス産物の輸送
採取した白血球アフェレーシス産物を、2〜8 ℃に設定された保冷輸送箱で梱包して本品製造施設へ輸送する。
〈医療機関での受入れ〜投与〉
3 .本品の受領及び保存
本品を受領し、使用直前まで液体窒素気相下(-150℃以下)で凍結保存する。
4 .投与前の前処置
末梢血リンパ球数等を確認し、必要に応じて前処置として、本品投与の5日前から3日間連続で、以下のリンパ球除去化学療法を行う。シクロホスファミド(無水物として)500mg/㎡を 1日1回3日間点滴静注及びフルダラビンリン酸エステル30mg/㎡を1日1回3日間点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
5 .本品の投与
通常、成人には抗CD19CART細胞として2.0×106個/kg(体重)を目安に(体重100kg以上の患者の最大投与量は2×108個を)、5分以上かけて30分を超えないように単回静脈内投与する。なお、本品の再投与はしないこと。
キムリアに続く2番目のCAR-T細胞療法です。
CAR-T細胞療法は、患者さんのT細胞を採取し、大細胞型B細胞リンパ腫に特異的なキメラ抗原受容体(CAR:Chimeric Antigen Receptor)を結合させたものを作成、増殖させて再び患者さんに戻す治療方法です。
キムリアの費用対効果評価結果に伴い、イエスカルタの薬価も引き下げられる。
キムリアについては猶予期間が設けられ7月1日に薬価引き下げ。
費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直し
今回の薬価収載の決定と同時に費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しも決定しています。
医療機関における在庫への影響等を踏まえ、価格調整後の薬価の適用には一定の猶予期間を設け、2021年7月1日に薬価引き下げが行われます。
薬価の引き下げが行われるのは以下の製品です。
- テリルジー100エリプタ14吸入用:4,183.50円→4,160.80円/キット
- テリルジー100エリプタ30吸入用:8,853.80円→8,805.10円/キット
- ビレーズトリエアロスフィア56吸入:4,150.30円→4,127.60円/キット
- エナジア吸入用カプセル中用量:291.90円→290.30円/カプセル
- エナジア吸入用カプセル高用量;333.40円→331.50円/カプセル
- テリルジー200エリプタ14吸入用:4,764.50円→4,738.50円/キット
- テリルジー200エリプタ30吸入用:10,098.90円→10,043.30円/キット
- キムリア点滴静注:34,113,655円→32,647,761円/患者
テリルジー100エリプタは市場規模が100億円以上ということで費用対効果評価の対象となり、薬価の引き下げが決定しました。
ビレーズトリエアロスフィア、エナジア吸入用カプセル、テリルジー200エリプタはテリルジー100の類似薬として同様に薬価が引き下げられます。
キムリア点滴静注は単価が高いことから費用対効果評価の対象となり、薬価の引き下げが決定しました。