山本化学工業のアセトアミノフェン原薬出荷停止④〜原薬の出荷再開、各製剤の出荷調整解除へ

この記事は2017年10月に作成しました。
その後、問題は解決し、出荷調整も解除されました。

平成29年10月18日、かねてより出荷停止の処分を受けていた山本化学工業にアセトアミノフェン原薬の出荷許可が下りたようです。
この連絡を受け、あゆみ製薬はカロナール細粒の生産再開準備に入っているようです。
流通再開までには1ヶ月くらいの期間を要するようですが、順次、出荷調整が緩和されていく予定です。

山本化学工業のアセトアミノフェン問題

山本化学工業は国内最大のシェアを持つアセトアミノフェン原薬製造メーカーです。
問題が発覚したのは平成29年6月、山本化学工業が承認内容と異なる原料を用いてアセトアミノフェンの製造を行なっていたことが発覚しました。
アセトアミノフェンの品質には問題がなく、健康被害はありませんでしたが、申請内容と異なる製造を行なっていたことは重大な問題で、医薬品医療機器法違反となり、原薬の出荷停止の処分を受けました。
その出荷停止が長引いてしまった結果、需要が増える冬が近づき、各製品に出荷制限がかかっている状態になっていました。

カロナール細粒の出荷制限緩和

カロナール細粒は9月末から出荷制限となっており、10月13日の時点で在庫がほとんどない状態でした。
供給についてのお知らせ カロナール®︎関連商品(あゆみ製薬)

アセトアミノフェン原薬の出荷再開

あゆみ製薬によると、10月18日付で、山本化学工業に対する原薬の出荷停止処分が解除されたそうです。
これにより、山本化学工業製のアセトアミノフェン原薬を用いていたメーカーは原薬の調達が可能となり、アセトアミノフェン製剤の製造を再開することが可能となります。
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カロナール各製品の出荷調整緩和時期

今回あゆみ製薬が発表したカロナール各製品の出荷調整緩和時期は以下の通りです。

  1. 山本化学工業からの原薬調達品
    • カロナール®︎細粒20%
      • 100g:11月中旬
      • 500g、0.5g×1200包、1g×360包、1g×1200包:未定(調整中)
    • カロナール®︎細粒50%
      • 100g:11月中旬
      • 500g、0.6g×1200包、1g×360包、1g×1200包:未定(調整中)
    • カロナール®︎坐剤小児用50
      • 50個:未定(調整中)
  2. 山本化学工業以外からの原薬調達品
    • カロナール®︎原末
      • 500g:未定(調整中)
    • カロナール®︎坐剤100
      • 10個、50個、200個:11月上旬
    • カロナール®︎坐剤200
      • 50個、200個:10月末
    • カロナール®︎坐剤400
      • 50個:10月末
    • カロナール®︎シロップ2%
      • 500mL:10月末

 

まとめ

山本化学工業のアセトアミノフェン原薬の出荷停止が解除されたならば、各社すぐにでも製造再開準備に動いているはずです。
これからインフルエンザ流行期に入ってくるのに小児用アセトアミノフェン製剤なしか・・・と頭を抱えていた薬局は少なくはないのではないでしょうか?
その中にこの連絡はまさに朗報でした。
今後、他社からも同様のメーカーがあるとは思いますが、一刻も早くの出荷再会を期待しています。

関連記事

2017年6月に発覚した問題が契機となっています。
山本化学工業のアセトアミノフェン原薬出荷停止①〜初期報道

この後、出荷調整の範囲は拡大し、カロナール細粒もその対象となってしまいました。
山本化学工業のアセトアミノフェン原薬出荷停止②〜コカールドライシロップ・アルピニー坐剤の出荷調整
山本化学工業のアセトアミノフェン原薬出荷停止③〜カロナール細粒が出荷停止の可能性

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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