平成27年10月29日、厚生労働省薬食審医薬品第二部会が開催され、抗がん剤の適応追加について、PMDAで承認が了承された内容についての報告が行われました。
ゼローダとエルプラットが胃がん術後も使用可能に
- ゼローダ錠300(一般名:カペシタビン)
- エルプラット点滴静注液(一般名:オキサリプラチン)
カペシタビンは腫瘍組織内で活性化するように設計された5-FUのプロドラッグ、オキサリプラチンは腎毒性等が改善された白金製剤です。
効能・効果に「胃がん」が追加。
これまで両剤の併用療法の効能・効果は、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」となっていましたが、「胃がん」となることで、術後補助化学療法にも使えるようになります。
ハイカムチンに子宮頸がんへの適応追加
- ハイカムチン注射用1.1mg(一般名:ノギテカン塩酸塩)
効能・効果に、「進行または再発子宮頸がん」が追加。
簡単に復習すると、ノギテカンは、トポイソメラーゼ阻害剤でありながら、同様の作用機序をもつイリノテカンとは異なり、代謝過程でSN-38が生じないことから下痢等の副作用が改善された薬剤です。
当初の適応「小細胞肺がん」に加え、「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」、「小児悪性固形腫瘍」に対する適応を取得していましたが、新たに「子宮頸がん」に対する適応が追加となります。
タイケルブとアロマターゼ阻害剤の併用療法が可能に
- タイケルブ錠250mg(一般名:ラパチニブトシル塩酸塩水和物)
ラパチニブは、EGFRとHER2、2つの受容体に対して阻害作用を示す分子標的薬です。
効能・効果は、これまでと同様の「HER2過剰発現が確認された手術不能または再発乳がん」のままです。
これまではカペシタビン(ゼローダ)と併用する用法・用量しかありませんでしたが、アロマターゼ阻害剤併用の用法・用量が追加されます。
アロマターゼ阻害剤としては、
- アリミデックス(一般名:アナストロゾール)
- アロマシン(一般名:エキセメスタン)
- フェマーラ(一般名:レトロゾール)