ノバルティスファーマへの業務停止命令

昨年発覚したノバルティスファーマの副作用報告遅延。
それにより、厚生労働大臣より業務停止命令処分を受けることになっていたのですが、その詳細が決定しました。
第一種医薬品(処方箋医薬品)の製造販売に関する業務停止命令で、期間は15日間、平成27年3月5日(木)〜3月19日(木)です。

発端となった事件

ノバルティスファーマと言えば、ディオバン問題が記憶に新しいですが、今回の問題はそれとは異なります。
今回問題となったのは副作用の報告に関することです。

2014年7月、厚労省は、慢性骨髄性白血病治療薬(グリベック、タシグナ)の臨床研究で副作用を把握していたにもかかわらず厚労大臣に報告していなかったなどとして、ノバルティスファーマに対して業務改善命令を発出しました。
その後、ノバルティス自身が内部調査を行ったところ、定められた期間内にPMDAに報告を行っていなかった事案が3,264症例にのぼることが明らかになりました。
それに対する厚生労働大臣の処分が、今回の業務停止処分です。

ディオバン問題に関しては、まだ、問題を洗い出している段階で、その処分がどうなるかはまだ決まる段階ではないようです。

業務停止命令の内容

今回の処分により、2015年3月5日〜3月19日の期間、

  • 医療用医薬品の卸・特約店への供給
  • 医療関係者、特約店との面談、
  • 訪問ならびに電話、Eメールなどによる販促活動全般

が停止となります。
ただし、製造販売後安全管理業務、つまり、副作用報告や回収などについては除外となり、通常通り行われます。

また、代替性が無く保健衛生上重要なものについては除外されるということで、

  • イラリス皮下注用150mg
  • サンディミュン点滴静注用250mg
  • シムレクト小児用静注用10mg
  • シムレクト静注用20mg
  • レギチーン注射液10mg

5製品の出荷については今回の業務停止命令から除外されるようです。

薬局への影響はある?

コールセンターやOTCに関する業務、添付文書の更新やホームページ運営に関しては通常通り行われるということです。
また、医薬品の流通に関しては、期間内に必要な量については各卸が確保しているはずなので、薬局が実質的に困ることはないはずです。
あるとすれば、報道を見た患者さんが、ノバルティスファーマの医薬品使用するのを嫌がるかもしれない、といったところでしょうか。
そういった質問を受けることがあるかもしれませんね。

こうして見てみると、業務停止と言っても、ほとんど実質的な損害はなさそうに見えます。
記憶に新しいものでは、2010年に田辺三菱とその子会社が業務停止処分を受けたことがありましたが(バイファの承認申請データ改ざん問題)、特に問題なく過ぎた記憶があります。
今回の処分によるダメージも、イメージダウンのみな気がします。
さらに、業務停止期間は15日間となってますが、営業日数で考えると11日ですね。

薬局から見ると、対象期間は薬局にノバルティスファーマのMRさんが来ることはないということだけなのかもしれませんね。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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