平成26年4月30日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で、グラクソ•スミスクラインのアノーロエリプタ7吸入用とアノーロエリプタ30吸入用の承認が了承されました。
ウルティブロ吸入用カプセルに続く、国内2剤目のLAMA/LABA配合剤となります。
米国では昨年12月に承認済みです。
用法•用量は一日一回、1吸入となっています。
アノーロの適応
効能•効果は、「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」です。
グラクソはレルベアエリプタの申請途中でCOPDに関する効能•効果を取り下げていますので、エリプタを用いた初のCOPD吸入薬となります。
アノーロの有効成分
有効成分は、ウメクリジニウム臭化物 / ビランテロールトリフェニル酢酸塩。
LAMA(Long Acting Muscarinic Antagonist:長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬)のウメクリジニウムとLABA(Long Acting β2 Agongst:長時間作用型β2受容体作動薬)であるビランテロールの配合剤です。
持効型β2作動薬ビランテロール
ビランテロール(VI)と言えば、レルベアにも使用されている成分です。
サルメテロール(製剤としてアドエア、セレベント)よりも効果の立ち上がりが早い速効性を持ちながら、ホルメテロール(製剤として、シムビコート、オーキシス、フルティフォーム)よりも長く効果を発揮するのが特徴です。
新規長時間作用型坑コリン薬ウメクリジニウム
ウメクリジニウム(UMEC)については既存のLAMAであるチオトロピウム(商品名:スピリーバ)、グリコピロニウム(製剤としてシーブリ、ウルティブロ)と比較したデータを見つけることはできませんでしたが、非劣勢が認められているのではないかと想像できます。
ウルティブロとの比較
2013年9月に承認されたウルティブロ(グリコピロニウム/インダカテロール)に遅れての販売開始となりますが、カプセルを自身でセット、穴を開けて吸入を行うブリーズヘラーと比較して、蓋を開けて吸入を行うだけで済むエリプタは操作の簡便さと言う点で大きく有利な気がします。
一週間分の規格
規格を見ていると不思議なことが。
1年後の長期処方後に販売開始となるであろう30吸入用と、それまでに使用されることになるのが7吸入用。
7吸入………と言うことは一週間用と言うことになります。
ほとんどの薬剤が処方上限の2週間に対応させた吸入回数のものを販売しているのに対してこれは珍しいですね。
って言うか、吸入器では初めてでは?
これは何か理由があるのでしょうか?
どんどん増える吸入薬
それにしても、吸入剤はどんどん増えますね。
そう遠くない将来、UMEC/VIにフルチカゾンフランカルボン酸(FF、製剤としてレルベア)を加えた3剤配合剤も登場しそうですし、FFやVIの単剤も登場しそうです。
そろそろ一覧表をまとめていきたいと思います。