ルセフィ錠にデベルザ錠・アプルウェイ錠~続々登場のSGLT2阻害剤

どんどん登場するSGLT2阻害薬。
平成26年2月24日に厚生労働省 薬事・食品衛生審議会の医薬品第一部会で新たなSGLT2阻害薬の承認が了承されました。
今回は2成分、3薬品です。

SGLT2阻害薬

まずは復習。
SGLT2とはNa+/グルコース共輸送担体 2(Sodium-glucose Cotranesporter2)。
SGLT2阻害剤は、近位尿細管において糖の再吸収を司る輸送体であるSGLT2を阻害することで、尿中への糖の排出を促進し血糖を低下させます。
インスリンを介さずに血糖を降下させることが可能なため、低血糖が起こりにくい、肥満をおこしにくいことが予想され、期待されている糖尿病の新薬です。

詳しくはこちらをどうぞ。
SGLT2阻害薬その1〜スーグラ承認 – 薬剤師の脳みそ
SGLT2阻害薬その2〜SGLT1/2阻害薬 – 薬剤師の脳みそ
国内2番目のSGLT2阻害剤 フォシーガ – 薬剤師の脳みそ

ルセフィ錠

まずは大正製薬のルセフィ錠。
ルセイフィ錠2.5mgとルセフィ錠5mgの2規格です。
有効成分はルセオグリフロジン水和物。

効能・効果は、「2型糖尿病」
用法用量は、「通常、成人にはルセオグリフロジンとして2.5 mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら5 mg l日1回に増量することができる。」となっています。

日本での承認が世界初となる成分です。
大正製薬とノバルティスファーマが共同販売を行います。

新規作用機序の薬剤であること、海外でも同一作用機序の薬剤が承認されて間もないこと、脱水や感染症のリスクがあることから、スーグラ錠やフォシーガ錠と同様、直後調査が定められています。
また、特定使用成績調査として、2型糖尿病患者対象の3年間の調査、65歳以上の2型糖尿病患者対象の1年間の調査が予定されています。

デベルザ錠・アプルウェイ錠

デベルザ錠は興和。
アプルウェイ錠はサノフィです。
ともにデベルザ錠20mg、アプルウェイ錠20mgの1規格です。
有効成分はプラスグレル塩酸塩。

効能・効果は、「2型糖尿病」
用法用量は、「通常、成人にはトホグリフロジンとして20 mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。」となっています。

これらも日本での承認が世界初となる成分です。
ルセフィ錠と同様に直後調査が定められ、特定使用成績調査も行われます。

平成26年3月26日追記:3月24日付で全て承認されたのでフォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイが同時に承認され、早速アプルウェイの資料が届きました。
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リンゴの皮を向くように開ける封筒に、金のリンゴの形の資料。
金のリンゴの形をしたペーパーウェイトもありましたよ。
アプルウェイ…アップルか…。
SGLT2阻害薬の元となったフロリジンがリンゴの樹皮から発見されたことに由来してるんでしょうね。
インパクトあるなー。こりゃ覚えるかも。

これまでに承認されたSGLT2阻害剤

これで日本で承認されたSGLT2阻害薬は4成分、5薬品となります。

わかる範囲で違いをまとめてみます。

成分(薬品名)製造販売規格用法用量
イプラグリフロジン(スーグラ)アステラス25mg・50mg朝食前または朝食後50mg(~100mg)
ダパグリフロジン(フォシーガ)ブリストル5mg・10mg1日1回5mg(~10mg)
ルセオグリフリジン(ルセフィ)大正製薬2.5mg・5mg朝食前または朝食後2.5mg(~5mg)
トホグリフロジン(デベルザ・アプルウェイ)興和・サノフィ20mg朝食前または朝食後20mg

用量調節や規格でも差が見えてきましたね。

まだ承認されてないものをまとめると・・・。
 ・カナグリフロジン:田辺三菱製薬、第一三共 ※SGLT1/2阻害薬
 ・エンパグリフロジン:イーライリリー、ベーリンガーインゲルハイム
 ・PF-4971729:ファイザー
 ・LX4211:レキシコン ※SGLT1/2阻害薬
といったところです。
熾烈な争いが間近まで迫っていますね!

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