メプチンの新剤形スイングヘラー 承認

  • 2014年2月18日
  • 2021年1月5日
  • 承認
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メプチンの新剤形が承認されたそうです。
その名も、メプチンスイングヘラー10μg吸入100回
メプチンクリックヘラーと同じくドライパウダー吸入式製剤。
メプチンとして12番目(!)の製剤のようです。

プロカテロール塩酸塩

まずは、メプチン(一般名:プロカテロール)について復習です。
大塚製薬が自社開発した短時間作用型β2刺激薬(Short Acting β2 Agonist=SABA)です。
気管支平滑筋に多く存在するβ2受容体のフルアゴニストです。
※β2パーシャルアゴニスト(部分作動薬)はサルメテロールのみ
第三世代β2刺激剤と呼ばれるものでβ2の選択性が高く、β1受容体由来の副作用である動悸や振せん(手の震え)起こりにくくなっています。
ですが、β2受容体の刺激(血管弛緩に対する反射性頻脈)からも動悸は起こるのでゼロとなるわけではありません。
ダウンレギュレーションによる耐性の懸念はありますが、喘息発作時のリリーバーとして適した成分と言えます。
五分以内に効果を発揮し、6〜8時間持続します。

過去のメプチン製剤

過去の11製剤を振り返ってみると・・・。

  1. メプチン錠50μg(1980年)
  2. メプチンミニ錠25μg(1984年)
  3. メプチン顆粒0.01%(1984年)
  4. メプチンシロップ5μg/mL(1984年)
  5. メプチンエアー10μg吸入100回(1987年)
  6. メプチンキッドエアー5μg吸入100回(1987年)
  7. メプチン吸入液0.01%(1987年)
  8. メプチン吸入液ユニット0.3mL(2002年)
  9. メプチン吸入液ユニット0.5mL(2002年)
  10. メプチンドライシロップ0.005%(2004年)
  11. メプチンクリックヘラー10μg(2005年)

確かに11製剤。7剤形。

ちなみに、それぞれの適応です。
効能・効果を確認してみると・・・

メプチン錠

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎

メプチンミニ錠・メプチン顆粒・メプチンシロップ・メプチンドライシロップ

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎、喘息様気管支炎

メプチンエアー・メプチンキッドエアー・メプチン吸入液・メプチンクリックヘラー

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫

となっています。
意外と差があるんですね。

メプチンスイングヘラー10μg吸入100回

さて、スイングヘラーですが、個人的な印象としてはクリックヘラーの改良型といったところです。
すぐにではないでしょうけど、クリックヘラーは将来的には廃止なのではないでしょうか?

一番の特徴は小さいこと。
クリックヘラーってけっこう大きかったんです。
スイングヘラーを見ると、ポケットなどに携帯するには便利が良さそうです。
コンパクトですがしっかりと防湿剤なども入ってる様子。

次の特徴がケース一体型であること。
クリックヘラーは全体を覆うケースでしたが、スイングヘラーは口を当てる吸入部だけをを覆うカバーが本体一体型でくっついています。

最後に操作が簡便なこと。
小児や高齢者でもわかりやすく、1操作で薬品の充填が可能。
クリックヘラーでも1操作じゃんかと思ってしまいましたが、クリックヘラーは充填するプッシュ動作の前に本体を振る操作が必要でした。
スイングヘラーは振らずにそのままプッシュ→吸入でOKのようです。

効能・効果はクリックヘラーと同じ。

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫

用法・用量も同様ですね。

プロカテロール塩酸塩水和物として、通常成人1回20μg(2吸入)、小児1回10μg(1吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

100吸入なんで成人では1キットで50回分になりますね。
ちなみにクリックへラーは200吸入で100回分。

Google特許検索で探してみました。
Patent WO2009142306A1 – 粉末吸入器 – Google Patents
興味のある方はどうぞ。

何故、このタイミングで吸入SABAの新剤形を出してきたのでしょう?
ジェネリック対策・・・とも思いましたが、吸入のジェネリックってコストの関係かほとんど発売されてないんですよね。
素直に吸入しやすさの改善なんでしょうね。すいません。

リリーバーでドライパウダー製剤があるのは唯一メプチンだけです。
エアゾール製剤に比べてドライパウダー製剤は吸入操作が容易なので、ご高齢の患者さんや小児の患者さんにも安心して使ってもらえる製剤です。
薬価が気に成るところではありますが、患者さんにとって使いやすい製剤が増えるのはいいことですよね!

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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