平成30年8月21日、厚生労働省医薬・生活衛生局は、国内で承認されている全てのフィブラート系薬剤とスタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)について添付文書の改訂指示を出しました。
これまで、原則禁忌とされていた「フィブラート系薬剤とスタチン系薬剤の併用」を削除し、重要な基本的注意の項で「腎機能に異常を持つ場合、両剤の併用は治療上やむを得ないと判断する場合のみ」とするように注意喚起されるようになっています。
使用上の注意の改訂指示(平成30年10月16日)
PMDAへのリンクを貼っておきます。
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/revision-of-precautions/0332.html
今回の改訂に至る経緯
pmdaのホームページに今回の調査結果報告書が掲載されており、「II.今回の調査の経緯」の中で、
- スタチンとフィブラートの併用が原則禁忌・原則併用禁忌となった経緯
- 今回、スタチンとフィブラートの併用が原則禁忌・原則併用禁忌から解除された経緯
について記載されています。
スタチンとフィブラートの併用が原則禁忌となった経緯
まずは、スタチンとフィブラートが原則併用禁忌となった経緯です。
自分自身が働き出した頃にはすでに「原則禁忌」だったので、非常に興味深く読ませてもらいました。
簡単にまとめてみます。
- 平成6年5月:ベザフィブラートの「慎重投与」と「相互作用」の項で併用に対する注意喚起
- 慎重投与:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン)を投与中の患者
- 相互作用:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン)との併用により横紋筋融解症があらわれやすいので注意すること。
- 平成7年5月:ベザフィブラートの「相互作用」の記載が変更
- 相互作用:併用に注意すること HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン)[横紋筋融解症があらわれることがある。]
- 平成11年3月:ベザフィブラートの再審査で禁忌」及び「併用禁忌」の項に記載追加(スタチン併用例で横紋筋融解症が発現した症例の多くが、投与前の血清クレアチニン値が1.5mg/dLを超えていたため)
- 禁忌」及び「併用禁忌」:血清クレアチニン値が1.5mg/dLを超え、HMG-CoA還元酵素阻害薬を投与中の患者
- 平成11年6月16日:医薬安第61号厚生省医薬安全局安全対策課長通知
- 医療現場においては、ベザフィブラートとスタチンが併用される患者が存在するため、「禁忌」及び「併用禁忌」 の項から「原則禁忌」及び「原則併用禁忌」の項に移行
- 原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。
- その他のスタチン及びフィブラートについても統一
スタチンとフィブラートの併用が原則禁忌から解除された経緯
これはそのまま転載します。
平成30年4月11日、一般社団法人日本動脈硬化学会より、「HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)とフィブラート系薬剤の併用に関する添付文書改訂の要望書」が厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課(以下、「安全対策課」)に提出された。
当該学会は、欧米においては原則禁忌の制限なくスタチンとフィブラートが長年併用されている医療実態があること、本邦においても併用治療のニーズがあること等から、腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者におけるスタチンとフィブラートの併用に関する原則禁忌に係る添付文書の改訂を要望するとのことであった。
フィブラートとスタチンといえば「原則禁忌!」と印象づいているので、「ついにか・・・」と感慨深いものがあります。
添付文書改訂に至った根拠
にpmdaが添付文書の改訂について判断した経緯が記載されていますが、海外の添付文書を中心に調査を行なったようです。
まとめると以下の通りです。
海外で禁忌(Contraindications)とされている組み合わせ
- gemfibrozil(ゲムフィブロジル、国内未承認)とシンバスタチンのみ(米国・EU)
- ロスバスタチン40mgとフィブラートとの併用(EUのみ、米国では未記載)
- ミオパチーの素因のある患者におけるベザフィブラートとスタチンとの併用(EUのみ)
国内外ガイドライン
- 日本での承認用量では、腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者でのスタチンとフィブラートとの併用は禁忌とされていない
国内での安全性情報
- 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められ、かつ、スタチンとフィブラートを併用した症例は、製造販売後調査及び国内副作用報告において少なく、当該集団の安全性に関する情報は限定的
これらに加えて、平成31年4月1日に施行される改正後の医療用医薬品の添付文書等の記載要領(平成29年6月8日付け薬生発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)において「原則禁忌」が廃止され、そのほとんどが「特定の背景を有する患者に関する注意」の項へ移行される見込みであることを踏まえて、「原則禁忌」及び「原則併用禁忌」を削除することは可能と判断したようです。
スタチンとフィブラートの添付文書改訂内容
添付文書の具体的な改訂内容についてまとめます。
(スタチン)アトルバスタチン・プラバスタチン
- アトルバスタチンカルシウム水和物
- リピトール錠5mg
- リピトール錠10mg
- アトルバスタチン錠5mg「各社」
- アトルバスタチン錠10mg「各社」
- アトルバスタチン錠20mg「日医工」
- アトルバスタチンOD錠5mg「トーワ」
- アトルバスタチンOD錠10mg「トーワ」
- アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物
- カデュエット配合錠1番
- カデュエット配合錠2番
- カデュエット配合錠3番
- カデュエット配合錠4番
- アマルエット配合錠1番「各社」
- アマルエット配合錠2番「各社」
- アマルエット配合錠3番「各社」
- アマルエット配合錠4番「各社」
- エゼチミブ・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤
- アトーゼット配合錠LD
- アトーゼット配合錠HD
- プラバスタチンナトリウム
- メバロチン錠5
- メバロチン錠10
- メバロチン細粒0.5%
- メバロチン細粒1%
- メバトルテ錠5
- メバトルテ錠10
- メバトルテ細粒0.5%
- メバトルテ細粒1%
- メバリリン錠5
- メバリリン錠10
- メバレクト錠5
- メバレクト錠10
- プラバスタチンNa塩錠5mg「タナベ」
- プラバスタチンNa塩錠10mg「タナベ」
- プラバスタチンNa錠5mg「各社」
- プラバスタチンNa錠10mg「各社」
- プラバスタチンナトリウム錠5mg「各社」
- プラバスタチンナトリウム錠10mg「各社」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。- [相互作用]の項の
原則併用禁忌:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)
その上で[重要な基本的注意]の項に以下の文章が追記されます。
「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。」
(スタチン)シンバスタチン
シンバスタチン
- リポバス錠5
- リポバス錠10
- リポバス錠20
- リポザート錠5
- リポザート錠10
- リポザート錠20
- ラミアン錠5mg
- ラミアン錠10mg
- ラミアン錠20mg
- シンバスタチン錠5mg「各社」
- シンバスタチン錠10mg「各社」
- シンバスタチン錠20mg「各社」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用することとし、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。原則併用禁忌:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)
その上で以下の文章が追記されます。
- [慎重投与]:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)を投与中の患者
- [重要な基本的注意]:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用することとし、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
(スタチン)ピタバスタチン
ピタバスタチンカルシウム
- リバロ錠1mg
- リバロ錠2mg
- リバロ錠4mg
- ピタバスタチンCa錠1mg「各社」
- ピタバスタチンCa錠2mg「各社」
- ピタバスタチンCa錠4mg「各社」
- ピタバスタチンカルシウム錠1mg「各社」
- ピタバスタチンカルシウム錠2mg「各社」
- ピタバスタチンカルシウム錠4mg「各社」
- リバロOD錠1mg
- リバロOD錠2mg
- リバロOD錠4mg
- ピタバスタチンCa・OD錠1mg「各社」
- ピタバスタチンCa・OD錠2mg「各社」
- ピタバスタチンCa・OD錠4mg「各社」
- ピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「日医工」
- ピタバスタチンカルシウムOD錠2mg「日医工」
- ピタバスタチンカルシウムOD錠4mg「日医工」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合に限ること。原則併用禁忌:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)
その上で[重要な基本的注意]の項に以下の文章が追記されます。
「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。」
(スタチン)フルバスタチン
フルバスタチンナトリウム
- ローコール錠10mg
- ローコール錠20mg
- ローコール錠30mg
- フルバスタチン錠10mg「各社」
- フルバスタチン錠20mg「各社」
- フルバスタチン錠30mg「各社」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。原則併用禁忌:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)
その上で以下の文章が追記されます。
- [慎重投与]:フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)を投与中の患者
- [重要な基本的注意]:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
(スタチン)ロスバスタチン
ロスバスタチンカルシウム
- クレストール錠2.5mg
- クレストール錠5mg
- ロスバスタチン錠2.5mg「各社」
- ロスバスタチン錠5mg「各社」
- ロスバスタチン錠10mg「各社」
- クレストールOD錠2.5mg
- クレストールOD錠5mg
- ロスバスタチンOD錠2.5mg「各社」
- ロスバスタチンOD錠5mg「各社」
- ロスバスタチンOD錠10mg「トーワ」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。原則併用禁忌:フィブラート系薬剤[ベザフィブラート等(腎機能に関する臨床検査値に異常を認める場合)]
その上で[重要な基本的注意]の項に以下の文章が追記されます。
「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。」
(フィブラート)クリノフィブラート・クロフィブラート
- クリノフィブラート:リポクリン錠200
- クロフィブラート:クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」
※クロフィブラートの先発医薬品だったアモトリール(住友化学)は販売中止
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。原則併用禁忌:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)
その上で以下の文章が追記されます。
- [重要な基本的注意]:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
- 「併用注意」:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者
(フィブラート)フェノフィブラート・ベザフィブラート
- フェノフィブラート:
- トライコア錠53.3mg
- トライコア錠80mg
- フェノフィブラート錠53.3mg
- フェノフィブラート錠80mg
- リピディル錠53.3mg
- リピディル錠80mg
- ベザフィブラート:
- ベザトールSR錠100mg
- ベザトールSR錠200mg
- ベザレックスSR錠100mg
- ベザレックスSR錠200mg
- ベスタリットL錠100mg
- ベスタリットL錠200mg
- ミデナールL錠100mg
- ミデナールL錠200mg
- ベザフィブラートSR錠100mg「各社」
- ベザフィブラートSR錠200mg「各社」
- ベザフィブラート徐放錠100mg「各社」
- ベザフィブラート徐放錠200mg「各社」
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。原則併用禁忌:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)
その上で[重要な基本的注意]の項に以下の文章が追記されます。
「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。」
(フィブラート)ペマフィブラート
- ペマフィブラート:パルモディア錠0.1mg
添付文書の改訂内容
添付文書の以下の内容が削除されます。
原則禁忌:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。原則併用禁忌:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)
その上で以下の文章が追記されます。
- [重要な基本的注意]:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
- 「併用注意」:HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)
まとめ
ついに、スタチン・フィブラートから原則禁忌が削除となりました。
もちろん、今回の改訂は、「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者におけるスタチンとフィブラート併用投与時の横紋筋融解症に関する注意喚起を引き続き行う」ことを大前提としたものです。
腎機能悪化時にはスタチンとフィブラートの併用による横紋筋融解症の発現について十分注意を行う必要がありますが、それは過剰である必要ではないということですね。
余談ですが、パルモディアが発売された時、初めて原則禁忌の記載がないフィブラート(正確にはSPPARMαですが)となるかと少し話題になりましたが、結局、通常通り原則禁忌が記載されていました。
それどころか、全てのスタチン・フィブラートから原則禁忌が削除されることになったわけですから、パルモディアとしては少し悔しいところかもしれませんね。