この記事は2015年1月に作成したものです。
その後、出荷調整は解除されました。
2014年12月8日に60mgの新剤型が発売されたリクシアナ錠(一般名:エドキサバン)。
2014年9月26日に、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」及び「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の適応が追加になり、使用されるケースが大きく増えたのではないでしょうか?
その影響か、リクシアナ錠15mg、リクシアナ錠30mgの在庫逼迫状態となり、一部包装の出荷が停止してしまったようです。
リクシアナ錠の在庫逼迫状況
第一三共からの案内によると「需要が当初の予定を上回ったため」、以下の規格・包装の在庫逼迫により、希望通りに供給が行えない状態のようです。
- リクシアナ錠30mg:(PTP)100錠
- リクシアナ錠15mg:(PTP)140錠
- リクシアナ錠15mg:(PTP)100錠
- リクシアナ錠15mg:(バラ)100錠
60mgについては、(PTP)100錠・(PTP)140錠・(バラ)100錠のいずれも問題なく流通しているようです。
30mgについては、(PTP)140錠・(バラ)100錠が流通していますが、15mgは全滅のようですね・・・。
30mgの残っている包装に注文が集中しそうですが、大丈夫なんでしょうか?
今の時点で、30mgの他の包装にも出荷調整がかかり、使用実績がない、新規購入はできなくなっているようです。
在庫逼迫の時期・供給再開の目安
リクシアナ錠30mg (PTP)100錠
在庫逼迫の期間:1月下旬~2月上旬
供給再開予定:2月上旬
リクシアナ錠15mg (PTP)140錠
在庫逼迫の期間:1月下旬~2月下旬
供給再開予定:2月下旬
リクシアナ錠15mg (バラ)100錠
在庫逼迫の期間:1月下旬~3月下旬
供給再開予定:3月下旬
何故、15mgばかり在庫がなくなったのか?
御覧の通り、15mgは全滅なわけですが、何故、15mgだけがそこまで品薄になったのでしょうか?
リクシアナの用法・用量を見てみましょう。
「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」、「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の場合の用法・用量
「通常、成人には、エドキサバンとして以下の用量を1日1回経口投与する。」
- 体重60kg以下:30mg
- 体重60kg超:60mg なお、腎機能、併用薬に応じて1日1回30mgに減量する。
「重要な基本的注意」
- ワルファリンに切り替える場合は、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤30mgを投与している患者では15mg 1日1回とワルファリン、60mgを投与している患者では30mg 1日1回とワルファリンを併用投与する
「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の場合の用法・用量
「通常、成人には、エドキサバンとして30mgを1日1回経口投与する。」
※腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがあるので、中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min未満)のある患者では、個々の患者の静脈血栓塞栓症発現リスク及び出血リスクを評価した上で、15mg 1日1回に減量することを考慮すること
15mgを使うのはどんなとき?
今回、追加された適応は、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」、「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の二つです。
この適応で15mgを使用するのは、ワーファリンへの切り替え時のみ。
そこまで、頻度の多いものではないです。
じゃあ、なんで需要が増えたかというと、出血リスクを考慮して、高齢者に15mgが使用されるケースが多いのかもしれませんね。
実際のところはわかりませんが。
代替薬は何?
もちろん、代替薬にはほかのNOAC(新規経口抗凝固薬)DOAC(Direct Oral AntiCoagulant:直接経口抗凝固薬)が選択されると思います。
ですが、「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の効能・効果を持っているのはリクシアナのみだということに注意が必要です。
プラザキサ | イグザレルト | エリキュース | リクシアナ | |||
15mg | 30mg | 60mg | ||||
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制 | – | – | – | ○ | ○ | ○ |
下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
| – | – | – | ○ | ○ | – |
15mgは30mgの半割で対応するのが現実的?
リクシアナの30mgと60mgは割線がついています。
なので、15mgが必要であれば30mgの半錠で対応するのが現実的じゃないかと思います。
もし、仮に30mgの全包装の流通が止まれば、60mgの半錠ということになります。
リクシアナは60mgがお得
リクシアナといえば、30mgに比べて60mgの半錠がお得ということで話題になりましたね。
リクシアナの薬価ですが、
- リクシアナ錠15mg:408.8
- リクシアナ錠30mg:748.1
- リクシアナ錠60mg:758.1
となっています。
リクシアナ錠30mg 1錠が748.1円なのに対し、リクシアナ錠60mg 0.5錠は379.05円になります。
元々、あえて60mgを半錠で使うことがあったかと思いますが、今回の流通停止により、ますます増えそうな気がしますね。