2018年12月13日、官報で後発医薬品の薬価収載が告示、12月14日に正式に薬価基準収載されました。
今回新たに登場するジェネリック医薬品の目玉はトラムセット配合錠(統一名称:トアラセット)とリフレックス錠/レメロン錠(一般名:ミルタザピン)です。
そのほか、新規に参入するものに、イレッサ、レルパックス、ストラテラ、ゼローダ、バイナス、ユリーフ、ロルカム、ルナベルULD、ルミガン点眼液、モーラスパップXR120mg、プレセデックス静注液のGEがあります。
また、AGとして、ゲフィチニブ錠250mg「DSEP」(イレッサ錠)、シロドシン錠「DSEP」(ユリーフ錠)、シロドシンOD錠「DSEP」(ユリーフOD錠)、ボグリボース錠「武田テバ」(ベイスン錠)、ボグリボースOD錠「武田テバ」(ベイスンOD錠)が登場します。
今回薬価収載される医薬品の承認時の記事はこちらです。
官報はこちら
使用薬剤の薬価(薬価基準)及び療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する告示(厚生労働四一五)
初めてジェネリック医薬品が承認された成分
今回、新規ジェネリックとして薬価収載されたものは配合剤(合わせて1成分)も含めると14成分とかなり多くなっています。
- 内服・外用
- イレッサ(ゲフィニチブ)
- レルパックス(エレトリプタン)
- ストラテラ(アトモキセチン)
- ゼローダ(カペシタビン)
- トラムセット(トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン)
- バイナス(ラマトロバン)
- ユリーフ(シロドシン)
- リフレックス/レメロン(ミルタザピン)
- ルミガン(ビマトプロスト)
- ロルカム(ロルノキシカム)
- 注射
- プレセデックス(デクスメデトミジン)
オーソライズドジェネリック(AG)
まずは有効成分として新規参入のジェネリックのうち、AG*1であるものをまとめます。
イレッサのAG登場
イレッサ錠250mgのジェネリックが薬価収載されています。
アストラゼネカが販売している医薬品のGEですが、第一三共エスファはAGの権利を取得しています。
第一三共エスファ株式会社のがん領域におけるオーソライズド・ジェネリック事業について
第一三共エスファは本気でAG事業に取り組んでいますね。
成分はゲフィニチブ、上皮成長因子受容体(EGFR*2)チロシンキナーゼ阻害剤です。
今回、薬価収載されるのは第一三共エスファのAGのみです。
- ゲフィチニブ錠250mg「DSEP」:2,662.00円/錠
先発医薬品であるイレッサ錠250mgの薬価が5,323.90円/錠なので0.5掛けですね。
発売は体制が整う2019年3月上旬を予定しているそうです。
ジェネリック医薬品新発売のお知らせ(2018.12.13)
ユリーフのAG登場
ユリーフ錠/OD錠のジェネリックが薬価収載されています。
先発医薬品は親会社である第一三共の製品であるため、第一三共エスファがAGの権利を取得しています。
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「ユリーフⓇ錠/OD錠」のオーソライズド・ジェネリック(AG)事業について
成分はシロドシン。選択的α1A受容体遮断薬として前立腺肥大症に使用されます。
- シロドシンOD錠2mg「DSEP」:18.00円/錠
- シロドシンOD錠4mg「DSEP」:35.00円/錠
- シロドシン錠2mg「DSEP」:18.00円/錠
- シロドシン錠4mg「DSEP」:35.00円/錠
先発医薬品であるユリーフ錠/OD錠2mgの薬価が37.00円/錠、ユリーフ錠/OD錠4mgの薬価が72.10円/錠なので、約0.5掛けとなっています。
ゲフィニチブと同じく、発売は体制が整う2019年3月上旬を予定しているそうです。
ジェネリック医薬品新発売のお知らせ(2018.12.13)
→どうやら発売日は2019年3月13日(水)に決定したようです。(H31.2.3更新)
オーソライズドジェネリック以外
新規に登場する成分のジェネリックのうち、AG以外のものについてまとめます。
ストラテラのジェネリック登場
成分はアトモキセチン、注意欠陥多動性障害(ADHD*3)に使用されるノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI*4)です。
カプセル剤が3社、内用液が2社、先発医薬品には存在しない剤形の錠剤が4社それぞれ薬価収載されています。
薬価は以下の通りです。
- アトモキセチンカプセル5mg:108.50円/カプセル
- アトモキセチンカプセル10mg:129.30円/カプセル
- アトモキセチンカプセル25mg:163.00円/カプセル
- アトモキセチンカプセル40mg:183.60円/カプセル
- アトモキセチン内容液0.4%:84.00円/mL
- アトモキセチン錠5mg:108.50円/錠
- アトモキセチン錠10mg:129.30円/錠
- アトモキセチン錠25mg:163.00円/錠
- アトモキセチン錠40mg:183.60円/錠
ちなみに、先発医薬品であるストラテラの薬価は以下の通りです。
- ストラテラカプセル5mg:272.50円/カプセル
- ストラテラカプセル10mg:324.70円/カプセル
- ストラテラカプセル25mg:409.50円/カプセル
- ストラテラカプセル40mg:461.20円/カプセル
- ストラテラ内用液0.4%:209.20円/カプセル
比較すると約0.4掛けになります。
内服薬の10社を超えて同時薬価収載の基準には達していないのですが、ストラテラは新薬創出加算*5の対象なのでその分GEの薬価は安くなっています。
参入メーカーは7社
参入メーカーは以下の通りです。
- 沢井製薬:アトモキセチンカプセル「サワイ」
- ファイザー(マイラン製薬):アトモキセチンカプセル「ファイザー」
- 日医工:アトモキセチンカプセル「日医工」
- 高田製薬:アトモキセチン錠「タカタ」
- ジェイドルフ製薬(第一三共エスファ):アトモキセチン錠「DSEP」
- 東和薬品:
- アトモキセチン内用液0.4%「トーワ」
- アトモキセチン錠「トーワ」
- ニプロ(ニプロESファーマ):
- アトモキセチン内用液0.4%「ニプロ」
- アトモキセチン錠「ニプロ」
オススメは?流通は?
各社、薬価収載後、即発売とはなっています。
個人的には東和薬品が資材等も頑張っていると思うのでオススメです。
ジェイドルフ製薬は東和薬品の子会社なので第一三共エスファ(DSEP)は東和薬品からの導入品ですね。
ただ、このアトモキセチン。
需要が供給の予想を大きく上回ってしまったようで、年内は出荷調整がかかっているところが多いようです。
東和薬品の場合、予約分は発売日に納品できるが、それ以降は年明けの納品になると説明がありました。
東和薬品については製造計画を前倒ししていることに加え、原材料のメーカーを増やすべく申請を行っているようです。
ゼローダのジェネリック医薬品
成分はカペシタビン、フッ化ピリミジン系代謝拮抗剤です。
沢医薬品1社のみが承認を取得しています。
- カペシタビン錠300mg 「サワイ」:136.20円/錠
先発医薬品であるゼローダ錠300mgの薬価が358.00円/錠なので約0.4掛けになります。
1社のみの薬価収載なので内服薬10社超えで0.4掛けのルールには遠く及びませんが、ゼローダは新薬創出加算の対象なのでその分GEの薬価は安くなっています。
ついにトラムセットのジェネリックが登場
今回承認されるジェネリック医薬品の目玉といってもいいかもしれません。
トラマドール塩酸塩37.5mgとアセトアミノフェン325mgの配合剤です。
- トアラセット配合錠:22.80円/錠
先発医薬品であるトラムセット配合錠の薬価69.80円/錠なので約0.3掛けになります。
同時薬価収載が10社を超えているので0.4掛けの薬価が適応されるのと同時に、トラムセットが新薬創出加算の対象なのでその分GEの薬価は安くなっています。
参入メーカーは22社
さすが注目されているようで、22社の製剤が薬価収載されれいます。
- 第一三共エスファ:トアラセット配合錠「DSEP」
- エルメッドエーザイ:トアラセット配合錠「EE」
- 日本ジェネリック:トアラセット配合錠「JG」
- Meファルマ(MeijiSeikaファルマ):トアラセット配合錠「Me」
- 中北薬品(GRUNENTHALGMBH/東洋カプセル):トアラセット配合錠「TC」
- 陽進堂:トアラセット配合錠「YD」
- あすか製薬:トアラセット配合錠「あすか」
- 大原薬品工業:トアラセット配合錠「オーハラ」
- 日本ケミファ/日本薬品工業:トアラセット配合錠「ケミファ」
- 沢井製薬:トアラセット配合錠「サワイ」
- サンド:トアラセット配合錠「サンド」
- 東和薬品:トアラセット配合錠「トーワ」
- マイラン製薬(ファイザー):トアラセット配合錠「ファイザー」
- 丸石製薬:トアラセット配合錠「マルイシ」
- 三笠製薬:トアラセット配合錠「三笠」
- 共創未来ファーマ:トアラセット配合錠「共創未来」
- 日医工:トアラセット配合錠「日医工」
- 日新製薬:トアラセット配合錠「日新」
- 日本臓器製薬:トアラセット配合錠「日本臓器」
- 杏林製薬/ニプロ(キョーリンリメディオ/ニプロESファーマ):トアラセット配合錠「杏林」
- 武田薬品工業(武田テバファーマ):トアラセット配合錠「武田テバ」
- 辰巳化学:トアラセット配合錠「TCK」
シオノケミカル(SN)と大興製薬(DK)と帝國製薬(テイコク)の製品も承認されているのですが薬価収載されていませんね。
オススメなど
ほとんどのメーカーが薬価収載即発売を予定しています。
にしても、この「トアラセット」って名前(統一名称)はなんとかならんものですかね?
先発品と絶対に間違える・・・。
オススメは東和薬品です。
おそらく、唯一、錠剤に含有量が印字されています。
自動分包機の試験も行われており、トラムセット配合錠のカセットがそのまま使えるそうです。
バイナスに初のジェネリック医薬品登場
実はジェネリックが発売されていなかったバイナスですが、今回ついにGEが薬価収載されます。
寿製薬一社のみの参入です。
寿製薬はいいところを狙ってきますね。
- ラマトロバン錠50mg「KO」:42.10円/錠
- ラマトロバン錠75mg「KO」:53.60円/錠
先発医薬品の薬価は、バイナス錠50mgが84.20円/錠、バイナス錠75mgが107.10円/錠なので、先発医薬品の0.5掛けになっています。
内服薬で薬価収載数は10社以内の場合のルール通りですね。
発売開始は少し先
在庫確保のため1月ごろに発売開始を予定しているようです。
プレセデックスのジェネリック医薬品
α2作動性鎮静剤のプレセデックスにジェネリックが登場します。
この薬も古くから存在しているもので何故このタイミングなんでしょう?
何か理由があるのか?注射に触れることがないのでわかりません。
- デクスメデトミジン静注液200μg「ニプロ」:1,908円/瓶
- デクスメデトミジン静注液200μg「サンド」:1,908円/瓶
- デクスメデトミジン静注液200μg/50mLシリンジ「ニプロ」:2,223円/瓶
デクスメデトミジン静注液200μg「ハンルイ」も承認されていましたが、薬価収載されていません。
リフレックス/レメロンのジェネリック医薬品にはOD錠も
ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA*6)のリフレックス/レメロンにジェネリック医薬品が登場します。
トラムセットと並ぶ今回の注目株ですね。
先発医薬品には存在しないOD錠も登場します。
- ミルタザピン錠15mg:51.50円/錠
- ミルタザピン錠30mg:85.20円/錠
- ミルタザピンOD錠15mg:51.50円/錠
- ミルタザピンOD錠30mg:85.20円/錠
先発医薬品の薬価は、リフレックス錠15mg/レメロン錠15mgが159.80円/錠、リフレックス錠30mg/レメロン錠30mgが264.30円/錠なので、0.3掛け近くになっています。
これは内服薬で10社を越えて同時薬価収載のルールで0.4掛けの薬価に加え、リフレックス/レメロンが新薬創出加算の対象である為ですね。
これは安いなあ・・・。
参入メーカーは18社
さすがに参入する会社が多い!
普通錠17社、OD錠4社が参入です。(普通錠・OD錠を区別しなければ18社の商品が薬価収載)
- エルメッドエーザイ:ミルタザピン錠「EE」
- 日本ジェネリック(長生堂):ミルタザピン錠「JG」
- 陽進堂:ミルタザピン錠「YD」
- 共和薬品工業:ミルタザピン錠「アメル」
- 日本ケミファ:ミルタザピン錠「ケミファ」
- 沢井製薬:
- ミルタザピン錠「サワイ」
- ミルタザピンOD錠30mg「サワイ」
- 東和薬品:
- ミルタザピン錠「トーワ」
- ミルタザピンOD錠「トーワ」
- ニプロ(ニプロESファーマ):
- ミルタザピン錠「ニプロ」
- ミルタザピンOD錠「ニプロ」
- ダイト(ファイザー/マイラン):ミルタザピン錠「ファイザー」
- フェルゼンファーマ:ミルタザピン錠「フェルゼン」
- 共創未来ファーマ:ミルタザピン錠「共創未来」
- 日医工:ミルタザピン錠「日医工」
- 日新製薬:ミルタザピン錠「日新」
- MeijiSeikaファルマ(大蔵製薬):ミルタザピン錠「明治」
- 杏林製薬(キョーリンリメディオ):ミルタザピン錠「杏林」
- 武田薬品工業(武田テバファーマ):ミルタザピン錠「武田テバ」
- 辰巳化学:ミルタザピン錠「TCK」
- ジェイドルフ製薬(第一三共エスファ):ミルタザピンOD錠「DSEP」
あれ?「タカタ」(高田製薬)の普通錠と「アメル」(共和薬品)のOD錠がない・・・。
承認はされていたんですが添付文書も出てないですね。
オススメはどのメーカー?
ミルタザピンは各社かなり力を入れています。
先発医薬品であるリフレックスを販売している明治はAGではないものの(MSDの許可が得られなかったそうです)、添加物や剤形をきっちり合わせておりリフレックス/レメロン用の自動分包機のカセット(ユヤマ製とのこと)でも試験を行って問題なく使用できることを確認しているようです。
沢井製薬のOD錠は唯一、形を普通錠と合わせた楕円形にしており(他者は普通錠と区別するために円形)、15mgはリフレックス錠15mg/レメロン錠15mgの自動分包機のカセットで使用できるようですね。
さすがに割線をつけているメーカーはなく、全社共に先発医薬品と同様の「割線模様」になっていますが、これはしょうがないんでしょうね。
ただ、明治や東和は1/4錠もいけるという謎?のコメントをいただきました。
そう、リフレックス錠15mg/レメロン錠15mg共に意外と1/4錠が綺麗に割れるんだよなあ・・・。
ルミガン点眼液のジェネリック医薬品
プロスタマイド誘導体の緑内障治療点眼薬ルミガンにジェネリック医薬品が登場します。
メーカーは、以下の5社です。
- テイカ製薬:ビマトプロスト0.03%「TS」
- 日東メディック:ビマトプロスト0.03%「ニットー」
- 参天製薬(参天アイケア):ビマトプロスト0.03%「SEC」
- わかもと製薬:ビマトプロスト0.03%「わかもと」
- 日本ジェネリック(日新製薬):ビマトプロスト0.03%「日新」
薬価は全て390.7円/mLです。
ルミガン点眼液0.03%の薬価が910.00円/mLなので0.4掛けに近くなっています。
収載品目数は10を下回っていますがルミガンは新薬創出加算の対象なのでその分安くなっているということでしょうね。
ビマトプロスト点眼液0.03%はTS、ニットー、SEC、わかもと、日新以外にSNJ(セオリアファーマ)が承認されていましたが薬価収載は見送りのようですね。
ロルカム初のジェネリック医薬品
何気にジェネリックが存在しなかった非ステロイド性消炎症鎮痛薬(NSAIDs*7)ロルカム。
寿製薬から発売されます。
さすが。痒いところに手が届く寿製薬ですね。
- ロルノキシカム錠2mg「KO」:7.1円/錠
- ロルノキシカム錠4mg「KO」:9.8円/錠
先発品の薬価は、ロルカム錠2mgが14.10円/錠、ロルカム錠4mgが19.50円/錠なので、内服薬10社以内のルールに従って0.5掛けですね。
レルパックスのジェネリック
成分はエレトリプタン、5-HT1B/1D受容体作動型片頭痛治療剤です。
普通錠は7社が薬価収載、先発医薬品にはないOD錠の剤形で1社が薬価収載されています。
普通錠、OD錠ともに薬価は352.20円/錠です。
- エレトリプタン錠20mg:352.20円/錠
- エレトリプタンOD錠20mg:352.20円/錠
先発医薬品であるレルパックス錠20mgの薬価が704.40円/錠なのでちょうど0.5掛けですね。
参入メーカー
参入メーカーは以下の通りです。
- 第一三共エスファ:エレトリプタン錠20mg「DSEP」
- 陽進堂:エレトリプタン錠20mg「YD」
- サンド:エレトリプタン錠20mg「サンド」
- 東和薬品:エレトリプタン錠20mg「トーワ」
- 日医工:エレトリプタン錠20mg「日医工」
- 日新製薬:エレトリプタン錠20mg「日新」
- 辰巳化学:エレトリプタン錠20mg「TCK」
- 共和薬品工業:エレトリプタンOD錠20mg「アメル」
薬価収載が見送られた医薬品
今回は薬価収載されていないものをまとめておきます。
アリムタ注射用のジェネリック医薬品(薬価収載なし)
成分はペメトレキセドナトリウム水和物、抗がん剤として使用される葉酸代謝拮抗剤です。
DRRD一社のみが承認されていましたが薬価収載は見送りのようです。
- ペメトレキセド点滴静注用100mg「DRRD」
- ペメトレキセド点滴静注用500mg「DRRD」
DRRDはDr. Reddy’s Laboratories Ltd.のブランド名のようです。
インドの会社ですが今回が初参入になる予定でした。
デュオトラバのAG?(薬価収載なし)
成分はトラボプロスト・チモロールマレイン酸塩、プロスタグランジンF2α誘導体/β遮断薬配合の緑内障点眼薬です。
それぞれの成分を用いた点眼液のジェネリックは発売されていますが、この組み合わせの配合点眼薬のジェネリックは初めてです。
一社のみが承認を取得しています。
- トラチモ配合点眼液「サンド」
先発品はノバルティスグループのアルコン、サンドもノバルティスグループですからAGっぽいんですけどねぇ・・・。
他社の動きを見て検討するということでしょうか?
ネスプのバイオセイム(薬価収載なし)
ネスプのAGが承認されていましたが、企業側から収載希望が出されなかったようです。
持続型赤血球造血刺激因子製剤 『ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」』国内製造販売承認取得のお知らせ
バイオ医薬品なので、ABS*8、いわゆるバイオセイムになりますね。
協和発酵キリンの子会社、協和キリンフロンティア株式会社が承認を取得しています。
- ダルベポエチンアルファ注5μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注10μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注15μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注20μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注30μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注40μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注60μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注120μgシリンジ「KKF」
- ダルベポエチンアルファ注180μgシリンジ「KKF」
バイオセイムとは?
元来、バイオ医薬品は単純な構造式での比較を行うことができず、同様のものを作ろうとしてもあくまでも類似品(バイオシミラー)としての承認を取得することしかできませんでした。
ただ、特許を譲り受けたABSであれば製法まで全て同一で製造を行うことができ、同一品として認められます。
これをバイオセイムと言います。
バイオセイムは後発医薬品扱いとなり、初参入の薬価は0.5掛けになるのではないかと言われています。
新規参入のジェネリック以外の薬価収載品目
新規参入のGE以外にも多くの薬が薬価収載されています。
剤形・規格として初収載のジェネリック医薬品
成分としてはすでにジェネリック医薬品が登場していますが、剤型や規格として初めての登場となるものもあります。
先発には存在しないアレロックのドライシロップがジェネリックで登場
アレロックの散剤にはアレロック顆粒0.5%しか存在しませんが、GEでドライシロップが薬価収載されています。
- オロバタジン塩酸塩ドライシロップ1%「日本臓器」:69.00円/g
含量%が異なるので注意が必要ですね。
薬価としては先発医薬品であるアレロック顆粒0.5%が61.10円/gなので成分に換算すると50%強と言ったところですね。
ブイフェンド静注用のジェネリック医薬品
抗真菌薬ブイフェンド200mg静注用のジェネリック医薬品が登場します。
これまでは錠剤にしかジェネリック医薬品は存在しませんでした。
- ボリコナゾール点滴静注用200mg「YD」:4,679円/瓶
先発医薬品であるブイフェンド200mg静注用の薬価が11,375.00円/瓶なので約0.4掛けですね。
ブイフェンド200mg静注用は新薬創出加算の対象だからですね。
アレグラDSのジェネリック医薬品
これまで、フェキソフェナジンの後発医薬品のうち、ドライシロップの剤型を持つのは
- フェキソフェナジン塩酸塩DS6%「トーワ」
- フェキソフェナジン塩酸塩DS6%「タカタ」
のみで、先発医薬品とは含量が異なるもので、アレグラドラシロップ5%自体のジェネリック医薬品は存在しない状態でした。
今回、正式にアレグラドラシロップ5%の後発医薬品が薬価収載されています。
ただし、東和薬品一社のみです。
- フェキソフェナジン塩酸塩DS5%「トーワ」:49.20円/g
先発医薬品であるアレグラドライシロップ5%の薬価が113.40円/gなので約0.4掛けになっています。
フェキソフェナジン塩酸塩 DS5%「トーワ」(2018年12月薬価収載予定)「用法・用量」の追加承認取得のお知らせ
フェキソフェナジン塩酸塩DS5%「トーワ」とアレグラドライシロップの用法・用量の差は解消されています。
ちなみに、先発医薬品のアレグラドラシロップ5%は2016年の冬から出荷調整〜出荷停止のままなんですよね。
先発医薬品が流通できていないのにジェネリック医薬品が登場するというわけのわからん状態・・・。
サノフィ頑張れ・・・。
ルナベルULDのジェネリック医薬品にはAGも登場
ルナベル配合錠ULD(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)のジェネリック医薬品が薬価収載されました。
ちなみに、ルナベル配合錠LDにはジェネリック医薬品が存在しましたが、ULDは今回が初めてです。
- フリウェル配合錠ULD:140.50円/錠
先発医薬品であるルナベル配合錠ULDの薬価が314.10円/錠なので約45%の薬価になっています。
以下の4社の製品が薬価収載されています。
- あすか製薬(武田薬品):フリウェル配合錠ULD「あすか」
- 沢井製薬:フリウェル配合錠ULD「サワイ」
- 東和薬品:フリウェル配合錠ULD「トーワ」
- 持田製薬:フリウェル配合錠ULD「モチダ」
ちなみにあすか製薬のものはAGになります。
これに合わせてフリウェルLD「あすか」(150.20円/錠)も薬価収載されています。
http://ssl.eir-parts.net/doc/4514/tdnet/1624372/00.pdf
モーラスパップXRのジェネリック医薬品
一社のみですがモーラスパップXR120mgのジェネリックが登場します。
- ケトプロフェンパップXR120mg「テイコク」
薬価は16.90円/枚。
先発医薬品のモーラスパップXR120mgの薬価が37.10円/枚なので、ジェネリックの薬価は先発品の45.5%と言うことになります。
モーラスパップXRと言えばパップ剤で水分が減るほど密着性が強くなる特殊な技術を用いた剤型になりますが、装着感、効果の持続はどうなんでしょうか?
ちなみにケトプロフェンパップXR120mg「テイコク」の発売日ですが、需要が供給を上回ることが予想されるため1月下旬になるそうです。
そのほか気になるもの(AGなど)
パキシルCRの新規格やベイスンのAGも承認されています。
パキシルCRの新規格
パキシルCR錠に新規格が登場するようです。
- パキシルCR錠6.25mg:48.0円/錠
ようやく登場・・・と思う方も多いですよね。
ちなみにすでに発売されている規格の薬価は以下の通りです。
- パキシルCR錠12.5mg:83.20円/錠
- パキシルCR錠25mg:144.10円/錠
ベイスンのAG登場
武田テバからベイスンのAGが登場します。
オーソライズド・ジェネリック製造販売承認取得のお知らせ ボグリボース錠0.2mg・0.3mg「武田テバ」 ボグリボースOD錠0.2mg・0.3mg「武田テバ」
- ボグリボースOD錠0.2mg「武田テバ」:12.3円/錠
- ボグリボースOD錠0.3mg「武田テバ」:17.0円/錠
- ボグリボース錠0.2mg「武田テバ」:12.3円/錠
- ボグリボース錠0.3mg「武田テバ」:17.0円/錠
武田テバは後からAGを増やしていますね。
後から登場してもそれだけシェアが取れるのでしょう。
流通の方もお願いしますね。