【薬食審・医薬品第二部会】ボトックス注とゼルヤンツ錠の適応追加について【承認了承】

  • 2018年5月6日
  • 2021年1月17日
  • 薬食審
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平成30年4月27日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会が開催されました。
今回は2つの医薬品についての適応追加が審議され、承認が了承されています。

  • ボトックス注:痙攣性発声障害
  • ゼルヤンツ錠:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

簡単にまとめます。
(2剤ともに平成30年5月25日付で正式に一変承認されています)

効能・効果の追加について審議

今回は2製品の適応追加について審議の結果、承認が了承されています。

ボトックス注:痙攣性発声障害

    • 成分名:A型ボツリヌス毒素
      • 製品名
        • ボトックス注用50単位
        • ボトックス注用100単位
      • 申請者:グラクソ・スミスクライン
      • 効能・効果:痙攣性発声障害

現在の適応は、

      • 眼瞼痙攣
      • 片側顔面痙攣
      • 痙性斜頸
      • 上肢痙縮
      • 下肢痙縮
      • 2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足
      • 重度の原発性腋窩多汗症
      • 斜視

となっており、承認されれば8つ目の適応になります。

国内初の痙攣性発声障害治療薬

日本で初めて痙攣性発声障害の適応を持つ薬剤になります。
痙攣性発声障害については一般社団法人SDCP発声障害患者会に詳しい解説が掲載されています。

痙攣性発声障害(SD)とは
痙攣性発声障害(SD=SpasmodicDysphonia)は、声を出そうとすると自分の意志と無関係に声帯が異常な動き方をしてしまう病気です。
内転型(声帯が内側に閉じてしまう)の場合は声が詰まったり震えたりして、苦しく絞り出すような声に、外転型(声帯が外側に開いてしまう)の場合は息漏れ声・かすれ声に、混合型はこの2つの症状を併せ持った状態になってしまいます。
声帯には見た目の異常がなく、耳鼻咽喉科の医師にも周知が徹底されていないため、「精神的なもの」と診断されることも多く、幾つもの病院にかかり病名にたどり着くのに何年もかかるケースも珍しくありません。
正しい診断・治療のできる病院は全国にまだ限られた数しかありません。
患者の多くが、仕事や人間関係・就職活動などに困難を覚え、学校ではいじめの原因になることもあります。また、声が稀に正常に出る時もあることがかえって周囲からの理解を得にくくしています。
【病態】
脳の大脳基底核という部分の異常によって起こるジストニアという疾患の一種と考えられています。原因は不明です。
SDは大きく3つのタイプに分類されます。

  • 内転型:最も患者数が多いタイプ。声を出そうとすると声帯が過度に内側に閉じようとしてしまうため、締めつけられて絞り出すような声になってしまう。
  • 外転型:声を出そうとすると声帯が開いてしまうため、息が漏れるようなかすれ声や失声状態になってしまう。
  • 混合型:上の2つの症状を併せ持つ。

ボツリヌストキシンを投与することで、アセチルコリンの放出抑制による筋弛緩作用が起こり、内喉頭筋の不随意かつ断続的な痙攣を抑制することで効果を発揮します。

ゼルヤンツ:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

  • 成分名:トファシチニブクエン酸塩
  • 製品名:ゼルヤンツ錠5mg
  • 申請者:ファイザー
  • 効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

現在は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」に対する適応のみなので、承認されれば2つの適応を持つことになります。

JAK阻害薬として初めての潰瘍性大腸炎治療薬

ゼルヤンツの成分であるトファシチニブはヤヌスキナーゼ(特にJAK1とJAK3)を阻害することにより、炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL:InterLeukin)の働きを阻害します。
ILによるシグナル伝達を阻害することで関節リウマチに対して効果を発揮するのと同じように潰瘍性大腸炎に対しても効果を発揮すると思われます。

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