ザガーロカプセルの発売日決定〜新規AGA(男性型脱毛症)治療薬

平成28年9月28日に承認された国内2成分目のAGA治療薬ザガーロカプセル。
その成分は、前立腺肥大症治療薬であるアボルブカプセルと同じデュタステリドです。
昨年末に起きたアボルブカプセルの出荷調整により、平成28年11月24日に予定されていた発売日が延期されていました。
ですが、その後、無事に流通が再開し、今回、正式に発売日が決定しました。

ザガーロカプセル

ザガーロカプセルの発売延期から発売日決定まで

昨年末に当ブログでも記事にまとめました。

アボルブカプセルもザガーロカプセルも、フランスにあるキャタレント社のベインハイム工場で原薬の生産が行われていました。
異物の混入があったため工場での生産がストップしてしまったことが原因でした。
その結果、アボルブは出荷調整、平成28年11月24日に向けて発売準備中だったザガーロの発売は延期となりました。
ですが、現在はその問題も解決し、アボルブカプセルは問題なく流通を再開しています。
その結果、ザガーロカプセルは平成28年6月13日に発売されることとなりました。

ザガーロカプセルの特徴

アボルブカプセルと同じ有効成分ながら、異なる適応に使用されるザガーロカプセル。
その特徴についてまとめていこうと思います。

製品概要

まずは製品概要をまとめます。
わかりやすくするためにアボルブのものも掲載します。

ザガーロカプセル

  • 商品名:ザガーロカプセル0.1㎎、ザガーロカプセル0.5㎎
  • 成分名:デュタステリド
  • 効能・効果:「男性における男性型脱毛症」
  • 用法・用量:「男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1㎎を1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5㎎を1日1回経口投与する。」

アボルブカプセル

  • 商品名:アボルブカプセル0.5㎎
  • 成分名:デュタステリド
  • 効能・効果:「前立腺肥大症」
  • 用法・用量:「通常、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。」

 

アボルブとの違い

ザガーロは0.1mgと0.5mgの規格が存在しますが、アボルブは0.5mgのみです。
適応が異なるのは当然ですし、規格が複数あるので用法・用量の記載も異なりますね。
一番の違いは、アボルブカプセルは薬価収載されており保険調剤の対象となりますが、ザガーロカプセルは薬価基準未収載で自由診療(自費処方箋)の対象ということです。

処方箋なしでは調剤できない処方せん医薬品ではありますが、医療保険の対象外となります。
服用を希望する場合、病院で診察を受けて、院内で処方してもらうか、自費処方せんを発行してもらって薬局で自費で購入するかということになります。
いずれにせよ、医師の診察が必ず必要なので注意してください。

気になる値段は?

6月13日の発売を心待ちにしている方は値段の方も気になるところかと思います。
聞いているところでは、0.1mgも0.5mgも1箱30カプセル入りで、卸さんからの納入価が7,400円(税別)。
税込で考えると、どちらの規格も、およそ8,000円/30capなので267円/capということになりますね。
そこから考えると薬局では税抜きで300円/cap、つまり税別9,000円/30capといったところでしょうか?
プロペシアが税別で250円/錠、7,500円/28錠なので、妥当なとことではないかと思います。

プロペシアもそうですが、規格が異なって納入価には差がないので、規格が異なっても価格は同じになると思います。
ですので、ザガーロについても0.5mgの処方が主流になるのではないかと思います。

AGAとデュタステリドについて

成分であるデュタステリドはアボルブと同じではありますが、承認された効果が大きく異なります。
AGAに対する効果を中心にDIについてまとめてみようと思います。

AGAとは?

AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略です。
日本語に訳すと男性型脱毛症。
思春期以降に男性の頭髪が薄くなっていくことを指し、額の生え際や頭頂部の髪のどちらか一方、もしくは両方が薄くなっていきます。
原因としては主に男性ホルモンの影響です。
放っておくと、年月とともに薄毛が進行していくので、早めに治療を行うことが大切です。

最近ではAGA遺伝子検査キットというものもあるようです。
ひょっとしたら・・・って悩んでいる方には紹介してあげたいですね。
【AGAドック】男性型脱毛症・遺伝子検査キット

AGAに対するフィナステリドとデュタステリドの効果

フィナステリド(商品名:プロペシア)デュタステリド(商品名:ザガーロ)は男性ホルモンの働きを抑えることでAGAに対する効果を発揮します。
その作用機序は、5α還元酵素の阻害です。
男性ホルモンと呼ばれるアンドロゲンは、

  • テストステロン
  • デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)
  • ジヒドロテストステロン(DHT)

の3種類の総称です。
この中で、AGAに最も影響しているのはDHT(ジヒドロテストステロン)です。

5α還元酵素阻害剤

テストステロンは前立腺細胞の中で、5α還元酵素(5αリダクターゼ)から活性体であるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。
5α還元酵素阻害薬であるフィナステリドやデュタステリドは、テストステロンがDHTに変換されるのを阻害することで、AGAを改善します。
血中のテストステロン量には影響を与えないため、他の抗アンドロゲン薬で問題となる副作用を回避できるのが特徴です。

フィナステリドとデュタステリドの違い

フィナステリドとデュタステリドの作用の違い。
フィナステリドが阻害できるるのは5α還元酵素のうちⅡ型のみなのに対して、デュタステリドは5α還元酵素のⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。
また、5α還元酵素を阻害する活性自体もフィナステリドよりデュタステリドの方が強いと言われいます。
この二つと違いにより、デュタステリドはフィナステリドよりも強力にDHTの産生を抑え、AGAに対する効果も強いと言われています。

実際に、投与後24週の発毛・育毛を比較した試験で、デュタステリドはフィナステリドよりも強い効果を発揮しています。
https://www.healthgsk.jp/content/cf-pharma/other-hcpjapan/ja_JP/top-page/products-info/zagallo/clin-safety.html

服用開始24週時点での毛髪数の変化を見た試験では、

  • プラセボ:-4.9(n=148)
  • フィナステリド1mg:56.5(n=141)
  • ザガーロ0.1mg:63.0(n=158)
  • ザガーロ0.5mg:89.6(n=150)

となっています。

デュタステリドの注意点

特徴的な注意点がいくつかある薬なのでまとめます。
そのほとんどは、デュタステリド(ザガーロ、アボルブ)に限ったものではなく、フィナステリド(プロペシア)と共通です。

ザガーロの副作用

副作用ですが、フィナステリドとほぼ共通、発現頻度もほぼ同等となってます。
(フィナステリド1mg:20%、ザガーロ0.1mg:21%、ザガーロ0.5mg:16%)
ザガーロカプセル0.5mgについて主なものをまとめると、184例に対して、

  • 勃起不全:14例(5%)
  • リビドー減退:4例(2%)
  • 精液量減少:2例(1%)

となっています。
当然ですが、アボルブともほぼ同じですね。

初期脱毛

AGA治療開始直後の1〜2週間くらいで一時的な脱毛が見られることがあります。
だいたい1〜3か月もすれば落ち着く一時的なものです。
原因は不明ですが、ヘアサイクル(毛髪の生え変わりのサイクル)がかかわっていることが指摘されています。
ザガーロのみでなく、プロペシアも同様です。

ザガーロが効果を発揮できないケース

デュタステリドは、あくまでも5α還元酵素の阻害により効果を発揮するもので、どんな脱毛にも効果を発揮できるわけではありません。
次のような場合は効果は期待できないので注意が必要です。

  • AGA(男性型脱毛症)以外の脱毛
  • 20歳未満の方
  • 女性

これはフィナステリドも共通です。

PSAに対する影響

フィナステリドやデュタステリドは前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの数値を低下させることが知られています。
ザガーロカプセル0.5mg(アボルブカプセル0.5mg)を服用している方で約50%PSA値が低下するとされています。
なので、PSAを測定するときは必ずザガーロを服用していることを伝えることが大切です。
仮に、前立腺がんであったとしても、PSA値が低いためにそれを発見できない可能性があります。
服用していることが前もってわかっている場合は、測定PSA値の2倍を目安として判断されます。
服用中止後6か月でPSAは元の数値に戻ると言われています。

女性・子どもの経皮吸収

デュタステリドは経皮吸収されることが知られています。
ですので、ザガーロカプセル(アボルブカプセル)は基本的に女性や子供が触れることのないように扱う必要があります。
実際に、カプセルの中身が漏れていなければ問題はありませんが、触れるまでそれに気づくことができないケースもあるので注意が必要です。
もし、妊娠中の女性が触れてしまうと、男性胎児の生殖器官(外性器)の正常発育に影響を及ぼす可能性があります。

このことに伴い、ザガーロカプセルを服用している際は輸血ができません。
服用中止後6か月間以上は間隔を開けることが推奨されています。(海外の名称であるアボダートで記載されています。)
(プロペシアの場合は1か月以上)
https://www.tokyo.bc.jrc.or.jp/current/index2.html

まとめ

プロペシアで十分な効果が発揮できない方やこれから治療にのぞむ方にとって、新しい選択肢ができたことは嬉しいニュースですね。
薬局の方では自由診療ということで、価格設定をしなければいけませんし、普段、自由診療を扱わない場合、設定等の準備が必要ですね。
(調剤技術料の算定をどうするか、消費税がかかるのでレジの設定をどうするか等)

同効薬ということで、プロペシアとザガーロの併用はありませんが、OTCのリアップ(成分名:ミノキシジル)との併用は考えられます。
他にも育毛剤や健康食品等と組み合わせて使用したいという方も多いと思うので、よく勉強しておきたいところです。

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