新薬の処方日数制限が見直しに?~規制改革会議 健康・医療WGの提示

平成27年4月16日、内閣府の規制改革会議 健康・医療ワーキング・グループは、「医薬分業」の見直しの中で、新医薬品の処方を14日間に制限する規制の見直しを進めることを提示しました。

昨日の記事にも書きましたが、発売後1年に満たない新薬の投与日数は14日間に制限されています。
https://pharmacist.hatenablog.com/entry/2015/04/21/%E6%8A%95%E4%B8%8E%E6%97%A5%E6%95%B0%E3%81%AB%E5%88%B6%E9%99%90%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E8%96%ACpharmacist.hatenablog.com
今後、新薬の投与制限の撤廃、もしくは投与制限日数の延長(14日以上の日数に変更)が行われる可能性があります。

第34回健康・医療WGの議事次第

特定非営利活動(NPO)法人 血液情報広場・つばさ 提出資料より

血液がんの治療に関する問題点として新薬の14日制限を挙げています。
これまでは移植による治療でしか根治ができなかった血液がんが、新たな治療薬の開発・一般化により、生活と治療の両立が可能になってきました。
ですが日本国内で、高度先進医療施設が身近にある患者は少数で、血液がんの治療は非常に高額です。
14日ごとの通院を行いながら、仕事や生活を両立するのは難しいのが現状であることから、14日ルールの見直しを訴えられています。

医療法人財団荻窪病院 理事長・血液科 花房秀次医師 提出資料より

新薬の1年間、14日処方制限の理由の一つである「処方医による観察頻度を確保し、患者の観察を十分に行う必要がある」に対して以下のような疑問を投げかけています。

  • 副作用などの市販後調査は日本だけ
  • 国際共同治験の意義は?(通常1年以上+延長試験で長期観察)
  • 国際試験と日本人データの比較検討(サブ解析)も実施している
  • 副作用などが生じると病院にすぐに連絡し、IT技術で世界中に通達することが可能
  • 間もなく発売されるC型肝炎治療薬(ソバルディ/一般名:ソホスブビル)も14日処方制限がかかり、1ボトル28錠入をわざわざ分包する予定(抗HIV剤などは品質管理の問題)
  • 飛行機で通院している方は東京に賃貸住宅を借りて治療を予定
  • 海外出張を予定している方は治療の延期
  • そもそも14日毎に通院すれば本当に副作用を発見できるのか?
  • 14日の科学的根拠は?

たしかに、14日の根拠は何なんでしょうね?
前回のブログにも書きましたが、元々、医薬品の処方はすべて14日間以内とされていました。
そこから長期処方が解禁され、今は向精神薬と麻薬(多くは30日間まで可能)、新薬のみ14日間の制限が残っているという状態です。
じゃあ、新薬だから14日間というところにどれだけの根拠があるかというと疑問です。
安全性を確保するために、見直しを行うタイミングなのかもしれません。

新薬の安全管理こそ薬剤師の仕事!

医薬品の安全性を考えれば安易に日数制限を解除するべきではないと思いますが、確かに現状の方法以外でも安全性を確保することが可能かもしれません。
逆に言えば、現在行っている投与制限で本当にどこまで安全性を確保できるのかにも疑問はあります。
投与日数制限の問題だけでなく、医薬品の安全管理に関する問題として見直すいい機会なのかもしれません。
その中で薬剤師が大きな役割を担うのは間違いありません。
服薬指導時の説明、情報収集、医療機関・製薬会社との情報共有。
新薬の安全性確保において中心的な役割になれるのではないでしょうか?

規制改革推進室の大熊裕二参事官は「これから専門家で議論してもらい、その結果、制限の撤廃、日数の延長、現状のまま、いずれの可能性もあると考えている」

ということなので、どうなるかはわかりませんが、注目すべき部分ですね。

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