プロペシアのジェネリックが承認~AGA治療についての復習も

平成27年2月19日、ファイザーがプロペシア(一般名:フィナステリド)のジェネリックの承認を取得しました。
フィナステリドの後発医薬品は初めてになります。

フィナステリド錠「ファイザー」

今回承認されたのは、フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」とフィナステリド錠1mg「ファイザー」。
プロペシアの初の後発医薬品となります。
プロペシアと同じく薬価見収載品のまま発売となります。
発売日ですが、今のところ未定のようですが、準備でき次第すぐ販売ということです。

フィナステリド錠「ファイザー」の値段は?

プロペシアの標準的な価格が250円/錠と言われています。
(プロペシア錠0.2mg、プロペシア錠1mgで価格差はなく、同価格であることがほとんど)

自由診療で使用される医薬品のジェネリックについて、他の例をみると0.8掛けが標準的なようです。
となると、フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」/フィナステリド錠1mg「ファイザー」は200円/錠といったところでしょうか?

プロペシア錠は28日分で、250(円)×28(錠)×1.08(消費税)=7,560円
フィナステリド錠「ファイザー」は28日分で、200(円)×28(錠)×1.08(消費税)=6,048円
1年間で考えると20,000円弱の価格差となります。

こう考えると、ジェネリックが出ればそちらを希望する方も多そうですね。

フィナステリドとAGA

少しだけフィナステリドとAGAについて復習しておきます。

男性型脱毛症

AGAとはAndroGenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症を指します。
遺伝が大きく影響することはわかっていますが、詳細は明らかになっていません。
男性ホルモン、特にジヒドロテストステロン(DHT)の影響により、抜け毛が増え、薄毛になるのが症状です。
主に額の生え際・頭頂部の毛髪から薄くなっていきます。

フィナステリド

プロペシアの主成分であるフィナステリドは5α-還元酵素阻害剤と呼ばれるものです。
生体内でテストステロンからDHTを生合成するのに必要な5α-還元酵素(5α-リダクターゼ)の働きを阻害することで、DHTを抑制し、AGAの進行を抑えます。

フィナステリドの注意点

男性ホルモンの働きに大きく影響する薬剤ですので、妊娠中の方が服用したり、フィナステリドに直接触れたりすると、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがあります。
ですので、プロペシア錠は半割や粉砕が禁止となっています。
また、女性に対する効果は認められていないこともあり、女性の服用も禁止となっています。
これは、フィナステリド錠「ファイザー」も同じになると思われます。

デュタステリド

日本で販売されているもう一つの5α-還元酵素阻害剤にデュタステリドがあります。
ですが、日本ではデュタステリドはAGA治療薬ではなく、前立腺肥大症治療薬として認可されています。
アボルブカプセル0.5mgの有効成分がデュタステリドです。

フィナステリドとデュタステリドの違いですが、5α-還元酵素の選択性が異なります。
5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型が存在しますが、フィナステリドはⅡ型を選択的に阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害します。
Ⅰ型は皮脂腺に多く存在しており、Ⅱ型は毛乳頭に多く存在しています。
通常考えれば、Ⅱ型の阻害だけでも十分かと思われますが、両方阻害した方が効果的な場合もあるようです。
なので、海外ではAvodartやDutasという名前でAGA治療薬としてデュタステリドが販売されています。

フィナステリド錠「ファイザー」発売日と予想価格

フィナステリド錠「ファイザー」の発売日が平成27年4月6日に決定しました。
気になる価格ですが、フィナステリド錠「ファイザー」納入価はプロペシアの75%程度とされています。
プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mgの価格の相場は250円/錠。
75~80%と考えると、フィナステリド錠「ファイザー」0.2mg/フィナステリド錠「ファイザー」1mgの価格は180~200円といったところでしょうか。
一か月分(28錠)で比較すると、プロペシアの7,000円に対して、ジェネリックのフィナステリド「ファイザー」は5,000円~5,600円くらいになりそうですね。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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