アシテアダニ舌下錠~家ダニに対する舌下免疫療法薬の承認が了承

平成27年1月21日、厚生労働省の薬食審医薬品第二部会が開催されました。
その中で、塩野義製薬が申請していたアシテアダニ舌下錠100単位、アシテアダニ舌下錠300単位の承認が了承されました。
効能・効果は、「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法」です。
昨年末(平成26年12月)に鳥居薬品の治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」が承認されていますが、皮下注による減感作療法を行うためなのに対して、アシテアでは経口減感作療法を行うことができます。

アシテアダニ舌下錠

フランスのスタラジン社が開発した家ダニを抗原とするアレルギー性鼻炎に対する抗原特異的舌下免疫療法薬がアシテアです。
塩野義製薬がスタラジン社とライセンス契約を結び、日本と台湾における独占開発・販売権を取得していたものです。
欧州では製品名「アクテア」として開発段階にあります。

特定の一般名は持たず、ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニから抽出・調製した、ヤケヒョウヒダニエキス原末とコナヒョウヒダニエキス原末が等量混合されています。

国内二剤目の舌下免疫療法薬

経口減感作療法といえば、昨年発売されたシダトレンスギ花粉舌下液が記憶に新しいところです。
シダトレンがスギ花粉症を対象としていたのに対して、アシテアはダニアレルギーによる鼻炎を対象としています。

特異的免疫療法(減感作療法)は、アレルギーの原因となる抗原を、少しずつ増量しながら投与していくことで、抗原に対する免疫応答性を弱めていく治療方法です。
従来のアレルギー治療薬は、あくまで対象療法にすぎませんが、減感作療法は根治的治療方法と考えられています。
ですが、従来の皮下注射による方法では、長年にわたって院内で皮下注射を続けなければならない上に、アナフィラキシーショックの危険もありました。
経口減感作療法では、専門医の管理のもとという条件付ではありますが、在宅での治療を行うことが可能となるので、通院回数を減らすことが可能となります。
また、皮下注に比べて、アナフィラキシーを引き起こす可能性が低いというメリットもあります。

アシテアの効果

スタラジン社によると、投与開始4ヶ月目からアレルギー性鼻炎の症状を改善する効果を発揮し、投与終了1年経過後も効果を示す成績が得られているようです。

鳥居薬品の治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」は「ダニ抗原による下記アレルギー性疾患に対する減感作療法」として、「アレルギー性鼻炎、気管支喘息」に効果がありますが、アシテア「アレルギー性鼻炎」のみを対象としています。
今後、適応が拡大する可能性もありますね。

ちなみに、塩野義とスタラジン社はスギ花粉に関する舌下免疫療法も開発中だったと思うのですが、シダトレンが発売されている現在、そちらの方はどうなったのでしょうか?
液に対して舌下錠であれば少しは製剤的メリットをもって発売される可能性があるのかな?

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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