2015年9月に作成した記事です。
その後、出荷調整は解除されました。
日薬ニュースでも配信されていましたが、テノゼット錠300mgに出荷調整がかかっています。
平成27年8月12日に起きた中国天津浜海新区倉庫爆発事故による影響で、グラクソ・スミスクライン天津工場が被害を受けたため、テノゼット錠の製造・出荷が停止しているようです。
テノゼット錠300mg(一般名:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩)はB型慢性肝炎治療薬です。
B型肝炎ウイルス(HBV)に対する経口治療薬(核酸アナログ製剤)には、
- ゼフィックス(一般名:ラミブジン)
- ヘプセラ(一般名:アデホビルピボキシル)
- バラクルード(一般名:エンテカビル)
- テノゼット(一般名:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩)
の4種類が存在します。
他の抗ウイルス療法、一番の問題は耐性化です。
現在、発売されている核酸アナログ製剤の中では、エンテカビル、テノホビルが耐性ウイルスが出現しにくいことが知られています。
そのため、B型肝炎治療ガイドラインにおいても、エンテカビル、テノホビルが第一選択薬として推奨されています。
今回の事故により、テノゼットの製造・出荷が停止してしまいましたが、日本国内における在庫量は約2ヶ月分とのことです。
これを受けて、グラクソ・スミスクラインならびに日本肝臓学会からは、
- テノゼットの処方を新たな患者に対し開始することを控えること
- 現在テノゼットを処方中の患者に対しては、長期処方を避け、一処方箋あたりの処方期間を短くする
との呼びかけられています。
当面は、バラクルードを第一選択として扱うしかないのかな、といったところですね。
もしくは、HIV治療薬として認可されている同成分同含量のビリアード錠300mgを特例で使用可能に•••とかないですかね?
でも、まあ、ビリアード錠の在庫量も国内にはそう多くはないですよね。
ニュースで見て、かなり大きな事故だったので、日本の医薬品関係にも影響があるのかな・・・とは思ってはいましたが、やはりありましたね。
ほかにも影響が出てこないかが心配です。