令和6年度診療報酬改定で新設された「特定薬剤管理指導加算3」についてまとめます。
「特定薬剤管理指導加算3」は服薬管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料についての加算となり、かかりつけ薬剤師包括管理料や在宅患者訪問薬剤管理指導料等とは併算定できません。
※実際の算定については、告示や通知等を確認の上、各自で判断を行っていただくようお願いします。
特定薬剤管理指導加算3(R6年度改定)
- イ:5点/回
- RMP資材を用いて指導を行った場合
- 緊急安全性情報等が発出された際に安全性についての指導を行った場合
- ロ:5点/回
- 選定療養の対象となる先発品を選択する患者に対して説明を行った場合
- 供給不安による銘柄変更について説明を行った場合
※実績要件への該当
- かかりつけ減算の実績(薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務):該当しない
- 地域支援体制加算の実績(地域医療への貢献に係る実績):該当しない
特定薬剤管理指導加算3(R6年度改定)のポイント
- 令和6年度改定で新設された「重点的に丁寧な説明が必要となる場合の評価」
- イはRMP資材を用いた指導または緊急安全性情報等の説明に対する評価
- ロは選定療養に関する説明と供給不安によりやむを得ず銘柄変更する場合の説明に対する評価
- イについて:RMPが策定されていても資材がないものは算定の対象外(疑義解釈1の問21)
- ロ:医薬品の供給状況を踏まえ説明を行なった場合は確保できなかった薬剤名をレセプトに記載
- イとロ:要件を満たせば同時に算定することも可能(疑義解釈1の問18、19)
- 要件を満たせば特定薬剤管理指導加算1・2と同時に算定することも可能(留意事項(5))
- 服薬管理指導料(手帳減算)、かかりつけ薬剤師包括管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料をはじめとする在宅関連の管理料とは併算定不可
- 特別調剤基本料Bを算定する場合 (服薬管理指導料とかかりつけ薬剤師指導料自体が算定不可)は算定不可
RMPとは医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan)の略称です。
詳しい解説は↓を読んでもらえればと思います。
医薬品リスク管理計画(RMP)|Pmda
RMP提出品目一覧|Pmda
RMP資材については医療用医薬品添付文書等情報検索(Pmda )で検索、印刷可能です。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch
ぺんぎん薬剤師の個人的な印象
個人的な印象をまとめます。
「重点的に丁寧な説明が必要となる場合の評価」ですが、同時に「従来の服薬指導の延長線上にある指導」を評価する加算とも言えます。
点数は5点ですが、これをしっかり算定していくかどうかで薬局の質に差が出ると思っています。
イとロは同時算定可能なため、取り逃しがないようにしたいところです。
ポイントは点数が低く、算定頻度がそれなりにあるというところだと思います。
薬局内で算定要件を理解し、どのようなケースで算定できるのかをスタッフ間で共有しておくことが大切です。
・新規採用時(改定時)にRMP資材を準備すると同時にレセコンの薬品名等に目印をつける
(レセコンがRMP資材の有無についてマスタ情報を持ってくれればいいのですが・・・)
・供給不安による採用変更があった場合、スタッフがその理由まで把握できるようにしておく
(単純な採用品の変更では算定不可です)
以上は簡単な例ですが、こういったイメージをスタッフ間で共有し、算定に繋がるように準備しておくことが大切ですね。
RMP資材(患者向け)を有する医薬品一覧を作成しました(令和6年5月15日付)。
noteで公開しているので、よかったら参考にしてください。
https://note.com/penguin_pharm/n/n6c6c4f8c075c
省令・告示・事務連絡(R6年度改定)
令和6年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
診療報酬の算定方法の一部を改正する告示
診療報酬の算定方法の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第57号)
別表第三(調剤点数表)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001218733.pdf
第2節 薬学管理料
区分10の3 服薬管理指導料(令和6年度改定)
注7 調剤を行う医薬品を患者が選択するために必要な説明及び指導を行ったイ又はロに掲げる場合には、特定薬剤管理指導加算3として、患者1人につき当該品目に関して最初に処方された1回に限り、5点を所定点数に加算する。
- イ 特に安全性に関する説明が必要な場合として当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合
- ロ 調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合
注13 別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、注1、注2又は注3に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1から注3までの規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、13点を算定する。この場合において、注4から注10までに規定する加算は算定できない。
区分13の2 かかりつけ薬剤師指導料(令和6年度改定)
注5 調剤を行う医薬品を患者が選択するために必要な説明及び指導を行ったイ又はロに掲げる場合には、特定薬剤管理指導加算3として、患者1人につき当該品目に関して最初に処方された1回に限り、5点を所定点数に加算する。
- イ 特に安全性に関する説明が必要な場合として当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合
- ロ 調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合
「最初に処方された1回に限り」の意味が気になりますが、基本的には「同一の算定要件が発生した直後の1回に限る」の意味と理解しています。
そう解釈しないと、元々服用を継続していた薬について緊急安全性情報等が発出された場合に算定不可になってしまいます。
ただし、繰り返し算定することは不可と思われます。
①ムコダイン錠500mg→②カルボシステイン錠500mg「サワイ」→③ムコダイン錠500mg
②のタイミングでロを算定したのであれば③では算定不可と理解しています。
(◯数字は来局順を意味する。以下同じ)
イについて、複数のRMP資材が存在する場合、
①資材1を用いて指導→②資材2を用いて指導
①でイを算定して②でも算定することは可能なんでしょうか?
「最初に処方された1回に限り」の考え方次第ですね。
(個人的には算定できないと思っていますが、5点ですしどうでしょうか)
①資材を用いて指導→(緊急安全性情報等発出)→②緊急安全性情報等について説明
この場合は①と②の両方でイを算定できそうです。
発出後に服薬フォローの形で指導した場合でも②のタイミングでそれを確認することでイを算定可能と思います。
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和6年3月5日保医発0305第4号)
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf
調剤報酬点数表に関する事項
<薬学管理料>
区分10の3 服薬管理指導料(令和6年度改定)
8 特定薬剤管理指導加算3
(1) 服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、処方された医薬品について、保険薬剤師が患者に重点的な服薬指導が必要と認め、必要な説明及び指導を行ったときに患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限り算定する。
(2) 「イ」については、「10の2」調剤管理料の1の(1)を踏まえ、「当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合」とは、以下のいずれかの場合をいう。
- RMPの策定が義務づけられている医薬品について、当該医薬品を新たに処方された場合に限り、患者又はその家族等に対し、RMPに基づきRMPに係る情報提供資材を活用し、副作用、併用禁忌等の当該医薬品の特性を踏まえ、適正使用や安全性等に関して十分な指導を行った場合
- 処方された薬剤について緊急安全性情報、安全性速報が新たに発出された場合等に、安全性に係る情報について提供及び十分な指導を行った場合
(3) 「ロ」に示す「調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合」とは、以下のいずれかの場合をいう。
- 後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合
- 医薬品の供給の状況が安定していないため、調剤時に前回調剤された銘柄の必要な数量が確保できず、前回調剤された銘柄から別の銘柄の医薬品に変更して調剤された薬剤の交付が必要となる患者に対して説明を行った場合
(4) 対象となる医薬品が複数処方されている場合に、処方箋受付1回につきそれぞれ1回に限り算定するものであること。また、複数の項目に該当する場合であっても、重複して算定することができない。
(5) 特定薬剤管理指導加算3を算定する場合は、それぞれの所定の要件を満たせば特定薬剤管理指導1及び特定薬剤管理指導加算2を算定できる。
(6) 薬剤服用歴等には、対象となる医薬品が分かるように記載すること。また、医薬品の供給の状況を踏まえ説明を行った場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要数量が確保できなかった薬剤名を記載すること。
区分10の3 かかりつけ薬剤師指導料(令和6年度改定)
(8) 麻薬管理指導加算、特定薬剤管理指導加算1、特定薬剤管理指導加算2、特定薬剤管理指導加算3、乳幼児服薬指導加算、小児特定加算及び吸入薬指導加算の取扱いについては、服薬管理指導料の麻薬管理指導加算、特定薬剤管理指導加算1、特定薬剤管理指導加算2、特定薬剤管理指導加算3、乳幼児服薬指導加算、小児特定加算及び吸入薬指導加算に準じるものとする。
(4)に複数の項目に該当する場合であっても重複して算定できないとあるので、
パターン1:A薬についてRMP資材を用いた指導を行いつつ、B薬の緊急安全性情報等について説明→イを1回算定
パターン2:C薬について選定療養の対象となることを説明しつつ、供給不安で入手でき無いD薬をD’薬に変更することを説明→ロを1回算定
・パターン1・2を同時に実施→イとロを1回づつ算定
ということになるのではないかと考えています。
イについてパターン1をあえて2回に分けて実施した場合が出てきそうですが、ここで点数表の「最初に処方された1回に限り」が効いてくる気がします。
個人的にはそういう場合は算定不可と思っていますが、5点ですしね・・・。
別表1(併算定の可否をまとめた表)
特定薬剤管理指導加算1は服薬管理指導料(かかりつけ薬剤師と連携する薬剤師が対応した場合の特例を含む)またはかかりつけ薬剤師指導料の加算です。
服薬管理指導料(手帳減算)、かかりつけ薬剤師包括管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料をはじめとする在宅関連の管理料とは併算定不可になります。
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) (令和6年3月5日保医発0305第4号)
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf
「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252051.pdf
特定薬剤管理指導加算3ロ
- 記載事項:(医薬品の供給の状況を踏まえ説明を行った場合)調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載すること。
- レセプト電算処理システム用コード:830100910(調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名(特定薬剤管理指導加算3);******)
特定薬剤管理指導加算3のロで、医薬品の供給状況を踏まえ説明を行なった場合は、確保できなかった薬剤名をレセプトに記載する必要があります。
補足
「特定薬剤管理指導加算3」(令和6年度改定)について、直接的な部分ではないけど知っておきたい関連する情報をまとめます。
RMP資材の活用について(服薬管理指導料)
「特定薬剤管理指導加算3のイ」はRMP資材を活用した服薬指導を評価するものですが、RMP資材の活用自体は特別なことではなく、服薬管理指導料1・2の算定要件に含まれるものです。
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和6年3月5日保医発0305第4号)
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf
調剤報酬点数表に関する事項
<薬学管理料>
区分10の3 服薬管理指導料(令和6年度改定)
2 服薬管理指導料「1」及び「2」
(2) 薬剤の服用に関する基本的な説明 患者ごとに作成した薬剤服用歴等に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずるもの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を患者又はその家族等に行うこと。また、必要に応じて、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:以下「RMP」という。)に基づく患者向け資材を活用すること。
(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
(ロ) 用法、用量、効能、効果
(ハ) 副作用及び相互作用
(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項
(ホ) 調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報
(ヘ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
(ト) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
この点からも特定薬剤管理指導加算3は本来薬剤師が行うべき指導に対する評価ということがわかります。
緊急安全性情報、安全性速報が新たに発出された場合等に、安全性に係る情報について提供及び十分な指導を行った場合
令和6年度改定では服薬情報等提供料2の「患者・家族等の求めに基づいた情報提供」について廃止されてしまいましたが、そのうち、イの部分は令和6年度改定で新設された「特定薬剤管理指導加算3のイ」に引き継がれた形になっています。
令和4年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和4年3月4日 保医発0304第1号
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000923500.pdf
<薬学管理料>
区分15の5 服薬情報等提供料(令和4年度改定)
(3) 服薬情報等提供料2は、以下の場合に算定できる。
- ア 患者又はその家族等の求めがあった場合、患者の同意を得て、次に掲げる情報等の内容について、患者又はその家族等に対して速やかに提供等し、当該情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を次回以降の来局時に行った場合。
(イ) 緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など、処方箋受付時に提供した薬剤情報以外の情報で患者の服薬期間中に新たに知り得た情報
(ロ) 患者の服薬期間中に服薬状況の確認及び必要な指導- イ 保険薬局の薬剤師が薬剤服用歴等に基づき患者の服薬に関する(5)のアからウまでに掲げる情報提供の必要性を認めた場合にその理由とともに、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合。これには、保険薬局において患者の服用薬の残薬を確認し、処方箋を発行した保険医療機関に対して情報提供を行った場合が含まれる。
令和6年度改定では「ア」が廃止されたんですが、そのうち「イ」に注目です。
服用期間中の情報提供と服薬指導の違いはありますが、「緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など」という提供すべき情報は同じです。
服薬指導にといては継続的に行うことが求められているので、服用期間中に(情報発出後早い段階で)情報提供を行い、次回来局時に確認を行えば「特定薬剤管理指導加算3のイ」を算定可能と思います。
点数は20点から5点と大幅に下がってしまいますけどね・・・。
算定を行った根拠について薬剤服用歴等に記載する(薬学管理料)
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) (令和6年3月5日保医発0305第4号)
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf
<薬学管理料>
通則
(5) 薬剤服用歴等の記載に当たっては、患者から収集した情報、相談事項及び患者への指導内容を単に全て記載するのではなく、その要点を記載することで差し支えないが、指導後速やかに記載を完了させること。また、定型文を用いて画一的に記載するのではなく、指導等を行った保険薬剤師が必要事項を判断して記載すること。特に、薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載すること。なお、指導の内容等について処方医等へ情報提供した場合には、情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付すること。
薬剤服用歴の記載について、令和4年度改定では調剤管理料で定められていましたが、令和6年度からは薬学管理料の通則に変更されています。
主に細かい変更となっていますが、ポイントとなるのが追加された(5)の内容です。
改定前に話題になった、「要点の記載」、「情報提供文書の写しの添付があれば要点省略可能」、「定型分による画一的な記載の禁止」がここで述べられています。
この中で、「薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載する」という文章が追加されており、すべての薬学管理料について、算定を行う根拠の記載が求めらています。
これまでに公開されている疑義解釈資料
過去の診療報酬改定時も含めた疑義解釈資料を整理します。
令和6年度改定 疑義解釈資料の送付について(その1)
疑義解釈資料の送付について(その1) (令和6年3月28日 事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf
(別添6)調剤報酬点数表関係
【特定薬剤管理指導加算3】問 18 特定薬剤管理指導加算3について、1回の処方で「イ」に該当する医薬品と「ロ」に該当する医薬品が同時に処方されている場合に、「イ」及び「ロ」をそれぞれ算定可能か。(答)特定薬剤管理指導料3の「イ」及び「ロ」は算定できる対象が異なることから、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能。問 19 特定薬剤管理指導加算3について、1つの医薬品が、「イ」と「ロ」の両方に該当する場合に、「イ」と「ロ」を重複して算定することが可能か。(答)当該事例が生じることは想定されないが、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能。問 20 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、患者向けの医薬品リスク管理計画(以下、RMPという。)に係る資材を用いて指導を行った場合は、指導に使用した患者向けRMP資材を薬剤服用歴等に添付もしくは資材の名称等を記載する必要があるのか。(答)患者向けRMP資材の薬剤服用歴等への添付及び資材の名称等の記載は不要であるが、指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること。問 21 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、RMPに係る患者向け資材がない医薬品については算定できないのか。また、薬機法の再審査が終了し、RMPの策定・実施が解除された医薬品については算定の対象外になるのか。(答)いずれの場合も算定不可。RMP提出品目及び資材については、医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにて最新の情報を確認した上で指導をすること。
(https://www.pmda.go.jp/safety/infoservices/drugs/itemsinformation/rmp/0001.html)問 22 特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合には、患者が先発医薬品を希望しているにもかかわらず、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可能か。(答)可能である。
イは「RMPが策定されている薬品の指導」ではなく、「RMP資材を用いた指導」に対する評価です。
正しいURLは「https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0001.html」です。
令和6年度 改定疑義解釈資料の送付について(その8)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001265536.pdf
(別添3)調剤報酬点数表関係
【特定薬剤管理指導加算】問1 特定薬剤管理指導加算3の「イ」又は「ロ」について、当該患者が継続して使用している医薬品ではあるが、当該医薬品に関して、保険薬剤師が重点的な服薬指導が必要と認め、当該加算の算定要件を満たす説明及び指導を行った場合、初回に限り算定できるか。算定可能。問2 長期収載品の処方等又は調剤について選定療養の仕組み(以下「本制度」という。)が導入される令和6年 10 月1日より前の時点で、本制度の対象となる医薬品について患者に対して説明を行った場合、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」は算定できるか。本制度に関し、調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に対し、当該患者が求める情報について必要かつ十分な説明を行えば算定することができる。なお、本制度に関する運用上の取扱い(患者が支払う額の具体的な計算方法等)については今後更に周知する予定であるので留意されたい。
「継続している医薬品ではあるが、薬剤師が重点的な服薬指導が必要と認め、要件を満たす説明を行った場合、初回に限り算定できる」と言う言葉が、
- 自局以外でその薬剤を継続していたが自局では初めて(初回)の場合
- 自局・他局を問わずその薬剤を継続しているがこれまで自局では特薬3を算定していない(初回)場合
皆さんも是非、考えてみてください。
特薬3が新設された段階で、改めて「重点的な服薬指導」の必要性を検討し、これまで継続して使用しているにもかかわらず「重点的な服薬指導」が必要と判断した場合には特薬3を1回のみ(判断した初回に限って)算定できるということではないでしょうか?
あまりはっきり言うと全員ベタ取りみたいなことになってしまいかねないので、あえて曖昧にしているのかなと思っています。
なので、疑義解釈の疑義解釈が出たら前者の場合のみになってしまいそうですね。
でも、まあ、5点ですからね。どうなんでしょう。
そのほか 厚生労働省 資料(令和6年度改定)
個別改定項目について(短冊)
第2 改定の概要
1.個別改定項目について(令和6年2月14日)※2月14日から修正しております。(3月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220531.pdf
Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進
【Ⅲ-7 薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価、薬局・薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進、病院薬剤師業務の評価-①】
① 薬局薬剤師の業務実態及び多職種連携のニーズに応じた薬学管理料の見直し第1 基本的な考え方
薬剤師による患者の処方状況に応じた服薬指導の推進とともに、これらの業務の合理化を行う観点から、服薬管理指導料、服薬情報提供料等の薬学管理料について、業務実態に応じた要件及び評価の在り方を見直す。第2 具体的な内容
3.服薬指導を行う際に、特に患者に対して重点的に丁寧な説明が必要となる場合として、①特に安全性に関する情報活用が必要となる、医薬品リスク管理計画に基づく説明資料を活用する場合及び緊急安全性情報等の医薬品の安全性に関する情報を提供する場合、②長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして導入された選定療養の対象となる品目が処方された患者に対する制度の説明が必要な場合等、患者に対してより丁寧な説明を実施する必要がある場合において、必要な指導・情報提供を行った際に、1回に限り、服薬管理指導料の加算として新たな評価を行う。
令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】
3.令和6年度診療報酬改定説明資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html
令和6年度改定前の中医協での議論
改定前(短冊公開前)の中医協での議論で使用された資料をまとめておきます。
どのような議論に基づいて改定が行われたかを知っておくことで、点数の持つ意味(込められた思い)や今後の方向性が見えてきます。
中央社会保険医療協議会 総会(第568回)(調剤その3)
中央社会保険医療協議会 総会(第568回)議事次第
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00227.html
○調剤(その3)について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001172376.pdf
改めて見ると、「特定薬剤管理指導加算1」の算定を制限することと引き換えに、「特定薬剤管理指導加算3のイ(RMP資材を用いた服薬指導)」が新設されたようにも思えますね。
中央社会保険医療協議会 総会(第550回)(調剤その1)
中央社会保険医療協議会 総会(第550回)議事次第
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00197.html
○調剤について(その1)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001125226.pdf