調剤後薬剤管理指導料【令和6年度改定】

令和6年度診療報酬改定で新設された「調剤後薬剤管理指導料」についてまとめます。
名称としては新設なんですが、内容は「調剤後薬剤管理指導加算」をベースとしたものです。

※実際の算定については、告示や通知等を確認の上、各自で判断を行っていただくようお願いします。

目次

調剤後薬剤管理指導料(R6年度改定)

  • 1 糖尿病患者に対して行った場合:60点/月
  • 2 慢性心不全患者に対して行った場合:60点/月

1については糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して
2については心疾患による入院の経験がある患者であって、作用機序が異なる循環器官用薬等の複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全のものに対して

患者又はその家族等の求めがあり、保険薬剤師が必要性を認め、医師の了解を得た場合
又は
保険医療機関の求めがあった場合に当該患者の同意を得て

調剤後に
当該薬剤の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について当該患者へ電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場合を除く。)、
必要な薬学的管理及び指導を継続して実施、
処方医へ必要な情報を文書により提供すること

調剤後薬剤管理指導料(R6年度改定)のポイント
・糖尿病治療薬と心不全治療薬についての服薬フォローを評価する点数
・加算から指導料に変更されかかりつけ薬剤師包括管理料を除く全ての薬学管理料と併算定可能に(在宅患者訪問薬剤管理指導料も可)
・「1」について対象患者が「インスリン製剤等が処方等された患者」から「糖尿病患者」に拡大
・新設された「2」は「慢性心不全患者」が対象、入院歴+治療薬複数で算定可能(新規処方等の制限の記載なし)
・心不全治療薬はACE 阻害薬、ARB、β遮断薬、MRA、ARNI、SGLT2阻害薬等
・地域支援体制加算を算定している薬局のみが算定可能(R4年度改定 調剤後薬剤管理指導加算から変更なし)
・要件を満たせば「1」と「2」は併算定可能(疑義解釈1の問23)
・レセプトには処方元医療機関の名称と情報提供を行なった年月日を記載する必要あり
・薬歴に算定の根拠となる内容(医師の指示、入退院歴、フォローアップの実施、情報提供の実施)を記載する
・特別調剤基本料B(点数表 注3)、特別調剤基本料Aで特別な関係を有する医療機関に情報提供を行った場合(点数表 注2)は算定不可

ぺんぎん薬剤師の個人的な印象

個人的な印象をまとめます。
R4年度改定ではインスリン製剤等(インスリン製剤またはスルフォニル尿素系製剤)が処方された患者のみが対象でしたが、今回の改定で「糖尿病治療薬が処方された患者」、「入院経験があり心不全治療薬が処方された患者」と対象範囲が大きく拡大されました。
また、改定前は併算定不可だったかかりつけ薬剤師指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料と併算定することが可能となりました。
60点と大きい点数(服薬管理指導料よりも高い!)のため、今回の改定を機会に、これまで算定を行なっていなかった薬局も(地域支援体制加算算定薬局に限定されますが)積極的に算定したいところです。
反面、情報通信機器を用いた方法については、「一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは、継続的服薬指導を実施したことにはならない」という注意書きが加わりました。
服薬フォローに関するシステムを導入している薬局については、この文章がどこまで該当するかの見極めが重要と思います(個人的にはシステム的なものは避けたほうがいいと思います)。
また、情報提供の内容については、「単に確認された服薬状況、副作用の状況を記載して情報提供するだけでなく、医療機関との連携の下で、処方医等の求めに応じた情報の収集と、薬学的分析及び評価に基づく情報提供を実施するとともに、必要に応じて処方に係る提案等を行うこと」の記述が追加されています。
単純な状況確認のみで算定を繰り返すことは避けるようにという意味合いと理解しています。
算定しやすくなった反面、2年後に向けて、その効果が維持できるかどうか注目されることになるはずです。
2年後にさらなる拡大を期待するためにも、大事に育てていきたい点数と思います。

省令・告示・事務連絡(R6年度改定)

令和6年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html

診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 令和6年厚生労働省告示第57号

別表第三(調剤点数表)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001218733.pdf

第2節 薬学管理料
区分14の4 調剤後薬剤管理指導料

  • 1 糖尿病患者に対して行った場合 60点
  • 2 慢性心不全患者に対して行った場合 60点

注1 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、1については糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、2については心疾患による入院の経験がある患者であって、作用機序が異なる循環器官用薬等の複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全のものに対して、患者又はその家族等の求めがあり、保険薬剤師が必要性を認め、医師の了解を得た場合又は保険医療機関の求めがあった場合に当該患者の同意を得て、調剤後に次に掲げる業務等の全てを行った場合には、調剤後薬剤管理指導料として、月1回に限り算定できる。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

  • 調剤後に当該薬剤の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について当該患者へ電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場合を除く。)。
  • 必要な薬学的管理及び指導を継続して実施すること。
  • 処方医へ必要な情報を文書により提供すること。

注2 区分番号00に掲げる特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、区分番号00に掲げる調剤基本料の注6に規定する別に厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、算定できない。

注3 区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

算定を行うためには「地域支援体制加算」(調剤基本料の注5)の届出を出しておく必要があります。
これについては調剤後薬剤管理指導加算のころから変化ないのですが、何故「地域支援体制加算」にこだわるのかはあまり理解できていません・・・。

算定には①「医師の指示」もしくは②「患者の求めと医師の了解」が必要となります。
「医師の了解」についてどう考え、担保するかが算定しやすさに大きく影響します。

「電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場合を除く。)」については、「朝処方されて帰宅後すぐ服用→午後に様子を確認」では算定できないということになります。
少なくとも翌日以降に確認を行うか、「当日と後日」に行うことができれば理想と思います。
必要な薬学的管理及び指導の「継続実施」にも該当すると思います。

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日保医発0305第4号

別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251783.pdf

<薬学管理料>
区分14の4 調剤後薬剤管理指導料

(1) 調剤後薬剤管理指導料の「1」は、新たに糖尿病用剤が処方等された患者に対し、薬物治療を適切に継続する観点から、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定
できない。

(2) (1)の「新たに糖尿病用剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。

  • 新たに糖尿病用剤が処方された患者
  • 糖尿病用剤の用法・用量の変更があった患者

(3) 調剤後薬剤管理指導料の「2」は、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者に対し、薬物治療を適切に継続するとともに、特に入院歴を有する慢性心不全患者の再入院を抑制する観点から、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(4) (3)の「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者」とは、日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し、複数の作用機序の異なる循環器疾患に係る治療薬の処方を受けている慢性心不全患者をいう。

(5) 調剤後薬剤管理指導料に係る電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等は、以下のいずれかの場合に患者の同意を得て行うものであること。なお、電話等による確認方法については、電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは、継続的服薬指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて必要な対応を行うこと。

ア 保険医療機関からの求めがあった場合

イ 患者若しくはその家族等の求めがあり、保険薬剤師が調剤後の薬剤管理指導を必要と認め、医師の了解を得た場合

(6) 調剤後薬剤管理指導料に係る調剤後の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話等による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

(7) 電話等による患者の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき患者の服薬中の体調の変化等の情報を入手した場合は、当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。

(8) 医療機関への情報提供に当たっては、単に確認された服薬状況、副作用の状況を記載して情報提供するだけでなく、医療機関との連携の下で、処方医等の求めに応じた情報の収集と、薬学的分析及び評価に基づく情報提供を実施するとともに、必要に応じて処方に係る提案等を行うこと。この際、体重の増減、塩分摂取、飲水の状況など、薬学的管理に密接に関係する情報も積極的に収集し、活用することが望ましい。また、医療従事者間のICTを活用した服薬状況等の情報共有等により対応した場合には、処方提案等の行為を行った日時が記録され、必要に応じてこれらの内容を随時確認できることが望ましい。

(9) 調剤後薬剤管理指導料の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(10) 調剤後薬剤管理指導料は、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、当該保険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は算定できない。

(1)(2)について、「1」が調剤後薬剤管理指導加算から改定された部分になりますが、SU剤かインスリン製剤のみだったものが「糖尿病用」(糖尿病治療薬全て)に拡大されています。
新規処方時もしくは用法・用量変更時に限定されるのはこれまでと同様です。

(3)(4)について、「2」の対象に関して『「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者」とは日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し』とあります。
現時点では「2021年JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Tsutsui.pdf)」がそれに該当し、「第2章 心不全治療の基本方針」13ページ(図 2 心不全治療アルゴリズム)を見る限りでは以下の薬剤が対象になるものと思われます。
(厚労省の資料には

  • ACE 阻害薬 ★
  • ARB ★
  • β遮断薬 ★
  • MRA ★
  • ARNI ★
  • SGLT2阻害薬 ★
  • 利尿薬
  • イバブラジン
  • ジギタリス
  • 血管拡張薬(硝酸イソソルビド、ヒドララジン 等)

★:厚生労働省の改定資料 (https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238903.pdf)に記載

「等」がついているので★以外も対象になるのかなと考えています。

「2」については「1」とは異なり、「新たに処方等された患者」の記載がないので、入院歴・複数の治療薬があれば算定可能となります。
ただ、それだけに「1」以上に、「医師の指示」や「薬剤師が必要と判断した理由」が重視されるのではないかと思います。
入院歴や医師の指示等については薬剤服用歴の頭書部分に記載しておく必要がありますね。(補足参照)

(5)について、「情報通信機器を用いた方法」の部分は補足参照。

(8)について、厚労省資料の改定の概要部分にまとめていますが、滋賀県で実施されている心不全フォローアップシートの事例を参考にしていくべきと考えます。(厚生労働省 資料 参照)

別表1(併算定の可否をまとめた表)

別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf

短冊ではかかりつけ薬剤師指導料と併算定可能となったことが強調されていましたが、在宅患者訪問薬剤管理指導料等も併算定可能となっていることに注目です。

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知) 令和6年3月27日 保医発0327第5号

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知) 令和6年3月27日 保医発0327第5号
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252051.pdf
別表Ⅰ 調剤報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧
調剤後薬剤管理指導料1
  • 記載事項:当該患者に糖尿病用剤を処方している保険医療機関の名称及び当該保険医療機関に情報提供を行った年月日を記載すること。
  • レセプト電算処理システム用コード
    • 850190255(情報提供を行った年月日(調剤後薬剤管理指導加算1);(元号)yy“年”mm“月”dd“日”)
    • 830100911(糖尿病用剤を処方した保険医療機関名(調剤後薬剤管理指導加算1);******)
調剤後薬剤管理指導料2
  • 記載事項:当該患者に循環器用薬等を処方している保険医療機関の名称及び当該保険医療機関に情報提供を行った年月日を記載すること。
  • レセプト電算処理システム用コード
    • 850190256(情報提供を行った年月日(調剤後薬剤管理指導加算2);(元号)yy“年”mm“月”dd“日”)
    • 830100912(循環器用薬等を処方した保険医療機関名(調剤後薬剤管理指導加算2);******)

それぞれ処方元と情報提供を行なった年月日をレセプトに記載する必要があります。

補足

「調剤後薬剤管理指導料」(令和6年度改定)について、直接的な部分ではないけど知っておきたい関連する情報をまとめます。

RMP資材の活用について(服薬管理指導料)

別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf

<薬学管理料>
区分14の4 調剤後薬剤管理指導料

(5) 調剤後薬剤管理指導料に係る電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等は、以下のいずれかの場合に患者の同意を得て行うものであること。なお、電話等による確認方法については、電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは、継続的服薬指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて必要な対応を行うこと

令和6年度改定で調剤後薬剤管理指導料には(令和4年度の調剤後薬剤管理指導加算と比較して)情報通信機器を用いた方法についての文章が追加されていますが、その内容は令和4年度改定で服薬管理指導料に追加された以下に示す文章とほぼ同じです。

<薬学管理料>
区分10の3 服薬管理指導料

(4) 継続的服薬指導
保険薬剤師が、薬剤交付後においても、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について、継続的な確認のため、必要に応じて指導等を実施すること。

  • ア 保険薬剤師が、患者の服用している薬剤の特性や患者の服薬状況等に応じてその必要性を個別に判断した上で適切な方法で実施すること。
  • イ 保険薬剤師が必要と認める場合は、薬剤交付後においても電話等により、(3)のイに掲げる内容について、保険薬剤師が患者等に確認し、その内容を踏まえ、必要な指導等を実施すること。
  • ウ イの対応は情報通信機器を用いた方法により実施して差し支えないが、患者等に一方的に一律の内容の電子メールを一斉送信すること等のみをもって対応することは、継続的服薬指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて対応する必要があること
  • エ 継続的服薬指導に当たっては、「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」(日本薬剤師会)等を参考とすること。

文章が追加された理由ですが、これまでの調剤後薬剤管理指導加算はあくまでも服薬管理指導料の加算だったので、服薬管理指導料の規定に準ずる形でしたが、今回、調剤後薬剤管理指導料という単独の薬学管理料に変更されたことで、個別の規定が必要になったということだと思います。

調剤後薬剤管理指導加算が調剤後薬剤管理指導料に変更されたことで、算定対象が大きく拡大していますが、それに伴って効率化が進んだ結果、個別の対応が失われることを危惧してる部分もあるかもしれませんね。

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第6号

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252057.pdf

第 92 地域支援体制加算
1 地域支援体制加算に関する施設基準
(1) 以下の区分に応じ、それぞれに掲げる基準を満たすこと。

  • ア 地域支援体制加算1
    ⑧ 服薬情報等提供料の算定回数が 30 回以上であること。なお、当該回数には、服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合を含む。
  • ウ 地域支援体制加算3
    ⑧ 服薬情報等提供料の算定回数が 60 回以上であること。なお、当該回数には、服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合を含む。

様式 87 の3の2
地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類

[記載上の注意]
4 「3」の(1)から(9)の実績の範囲は以下のとおり。
(8)服薬情報等提供料及びそれに相当する業務の算定実績。なお、「相当する業務」とは、以下の①から④をいう。ただし、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、区分番号00に掲げる調剤基本料の「注6」に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関へ情報提供を行った場合は除く。
服薬管理指導料の「注6」の特定薬剤管理指導加算2、②調剤後薬剤管理指導料、③服用薬剤調整支援料2、
かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者に対し、①から③に相当する業務を実施した場合

調剤後薬剤管理指導料を算定する場合、同じ情報提供を根拠として服薬情報等提供料を算定することはできませんが、地域支援体制加算で求められる「服薬情報等提供料に相当する業務の算定実績」には含めることが可能となっています。

算定を行った根拠について薬剤服用歴等に記載する(薬学管理料)

別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252056.pdf

<薬学管理料>
通則

(5) 薬剤服用歴等の記載に当たっては、患者から収集した情報、相談事項及び患者への指導内容を単に全て記載するのではなく、その要点を記載することで差し支えないが、指導後速やかに記載を完了させること。また、定型文を用いて画一的に記載するのではなく、指導等を行った保険薬剤師が必要事項を判断して記載すること。特に、薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載すること。なお、指導の内容等について処方医等へ情報提供した場合には、情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付すること。

薬剤服用歴の記載について、令和4年度改定では調剤管理料で定められていましたが、令和6年度からは薬学管理料の通則に変更されています。
主に細かい変更となっていますが、ポイントとなるのが追加された(5)の内容です。
改定前に話題になった、「要点の記載」、「情報提供文書の写しの添付があれば要点省略可能」、「定型分による画一的な記載の禁止」がここで述べられています。

この中で、「薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載する」という文章が追加されており、すべての薬学管理料について、算定を行う根拠の記載が求めらています。

これまでに公開されている疑義解釈資料

過去の診療報酬改定時も含めた疑義解釈資料を整理します。

疑義解釈資料の送付について(その1) 事務連絡 令和6年3月28日(R6年度改定)

疑義解釈資料の送付について(その1)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf

(別添6)調剤報酬点数表関係

【調剤後薬剤管理指導料】

問 23 心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者に、新たに糖尿病用剤が処方等された場合に、それぞれの疾患に関して必要な薬学的管理指導等を行った場合に、調剤後薬剤管理指導料「1」及び「2」を同一月に算定可能か。
(答)それぞれの要件を満たせば算定可ただし、単に慢性心不全の治療にも用いられることがある糖尿病剤が処方されているだけでは要件を満たしたことにはならないことに留意すること。
慢性心不全の治療にも用いられることがある糖尿病剤とはつまりSGLT2阻害薬ですね。

疑義解釈資料の送付について(その1) 令和2年3月31日(R2年度改定)

疑義解釈資料の送付について(その1)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000615888.pdf

(別添4)調剤診療報酬点数表関係

【特定薬剤管理指導加算2】

問 12 電話等により患者の副作用等の有無の確認等を行い、その結果を保険医療機関に文書により提供することが求められているが、算定はどの時点から行うことができるのか。
(答)保険医療機関に対して情報提供を行い、その後に患者が処方箋を持参した時である。この場合において、当該処方箋は、当該加算に関連する薬剤を処方した保険医療機関である必要はない。なお、この考え方は、調剤後薬剤管理指導加算においても同様である。

算定は情報提供等直後の受付時で、その時の医療機関は算定に関する医療機関である必要はありません。

そのほか 厚生労働省 資料(R6年度改定)

個別改定項目について(短冊)

第2 改定の概要
1.個別改定項目について(令和6年2月14日)※2月14日から修正しております。(3月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220531.pdf

Ⅱ ポスト 2025 を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療 DX を含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
【Ⅱ-7 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価-⑦】
⑦ 薬学的なフォローアップに関する評価の見直し

第1 基本的な考え方
薬剤師による充実した薬学管理を推進し、質の高い薬物療法が適用できるようにするため、地域における医療機関と連携して行う、調剤後の薬学管理に係る評価を見直す。

第2 具体的な内容
1.現行の服薬管理指導料の調剤後薬剤管理指導加算について、対象となる糖尿病薬の範囲を拡大し、対象患者を慢性心不全患者に拡大するとともに、医療機関と薬局が連携して糖尿病患者、慢性心不全患者の治療薬の適正使用を推進する観点から評価体系を見直し、当該加算を調剤後薬剤管理指導料として新設する。これに伴い、服薬管理指導料の注 10 の調剤後薬剤管理指導加算は廃止する。
2.調剤後薬剤管理指導料が対象とする業務は、かかりつけ薬剤師が通常行う業務の範囲と異なることから、かかりつけ薬剤師指導料の算定患者に対して実施した場合でも算定可能となるよう見直す。

令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】

第2 改定の概要
3.令和6年度診療報酬改定説明資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html

説明資料(分割版)
24 令和6年度診療報酬改定の概要 (調剤)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238903.pdf

滋賀県で実施されている「心不全フォローアップシート」の活用が例にあげられています。
病院はお薬手帳に入院中に使用した主な薬剤名を記載することで退院時薬剤情報管理指導料(90点)を算定できますが、入院前と退院後で処方内容に変更があった場合にその理由や患者の状況について薬局に文書で情報提供を行った場合に退院時薬剤情報連携加算(60点)を算定可能です。
これを利用して病院から薬局へ「心不全フォローアップシート」によるフォローアップを依頼し、薬局はそれを用いて調剤後のフォローアップを実施、病院に情報提供を行う形です。
改定前は調剤後薬剤管理指導加算(令和4年度改定)で心不全は算定対象ではなかったので薬局は服薬情報等提供料1(30点)を算定していました。
こういった事例について、今回の改定で調剤後薬剤管理指導料が算定可能になりました。

令和6年度改定前の中医協での議論

中央社会保険医療協議会 総会(第562回)議事次第
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00221.html

○調剤(その2)について
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001165063.pdf

過去の情報

令和6年度改定より前の情報を整理しておきます。

調剤後薬剤管理指導加算(R4年度改定)

令和4年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html

診療報酬の算定方法の一部を改正する件 令和4年厚生労働省告示第54号
別表第三 調剤報酬点数表
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907836.pdf

第2節 薬学管理料
区分10の3 服薬管理指導料(令和4年度改定)

注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り60点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和4年3月4日 保医発0304第1号
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000923500.pdf

<薬学管理料>
区分10の3 服薬管理指導料
11 調剤後薬剤管理指導加算(令和4年度改定)

(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにインスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(2) (1)の「新たにインスリン製剤等が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。

  • ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者
  • イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者
  • ウ インスリン製剤の注射単位の変更又はスルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者

(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。

  • ア 保険医療機関からの求めがあった場合
  • イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき

(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に添付又は記載する。

(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき患者の服薬中の体調の変化等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。

(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない

調剤後薬剤管理指導加算(R2年度改定)

令和2年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) 令和2年厚生労働省告示第57号
別表第三 調剤報酬点数表
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603771.pdf

第2節 薬学管理料
区分10 薬剤服用歴管理指導料(令和2年度改定)

注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和2年3月5日 保医発0305第1号
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603920.pdf

<薬学管理料>
区分 10 薬剤服用歴管理指導料
10 調剤後薬剤管理指導加算(令和2年度改定)

(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにインスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(2) (1)の「新たにインスリン製剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。

  • ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者
  • イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者
  • ウ インスリン製剤の注射単位の変更又はスルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者

(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。

  • ア 保険医療機関からの求めがあった場合
  • イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき

(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。

(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき副作用等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、遅滞なく当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。

(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない

第2 改定の概要
個別改定項目について(短冊)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000601838.pdf

Ⅱ 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現(令和2年度改定)
【Ⅱ-10 薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた評価、薬局の対物業務から対人業務への構造的な転換を推進するための所要の評価の重点化と適正化、院内薬剤師業務の評価 -②】
② 薬局における対人業務の評価の充実

第1 基本的な考え方
対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料の評価を見直すとともに、対人業務に係る薬学管理料の評価を見直す。

第2 具体的な内容
6.地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局が調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合について新たな評価を行う。

(新) 薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算 30点

第2 改定の概要
2,令和2年度診療報酬改定説明資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html

12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000608537.pdf

 

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