【立てよ薬剤師プロジェクト】「薬剤師の脳みそ」を続けている理由

  • 2018年9月25日
  • 2021年1月10日
  • 脳みそ
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今回はこのブログ「薬剤師の脳みそ」の目的について書いてみようと思います。
薬剤師の脳みそが2012年6月9日から開始しているので、2018年現在、6年間続けたことになりますが、
何故このブログを始めたのか?
どうして続けているのか?
ということについて書いてみたいと思います。

薬剤師の脳みそを立ち上げたきっかけ

最初のきっかけは自分の薬局の後輩に薬のことや仕事のことを伝えたかったからです。

薬剤師になってから学ぶこと

薬局の仕事、薬剤師の仕事というのは多くの知識を必要とするものです。
薬剤師になるためには薬剤師免許が必要です。
そのため、薬学部で6年間学び、国家試験に合格するためには多くの知識を必要とします。

ですが、現場に出るとその知識だけでは全く足りないのです。

  • 薬学部では十分に学ぶことができない専門知識
  • その知識を患者さんに伝えるためのコミュニケーション技術

これらをしっかり理解し、経験を重ねていかないと、患者さんに薬のことをしっかり伝えるのは難しいです。

それに新人薬剤師のほとんどは社会人としても新人です。
社会のこと、組織のこと、1人の社会人として学ぶことは多くあります。

当時の自分の薬局には新人が入ってくる機会が多かったですし、それなりの規模のチェーン薬局だったので、新人研修などで他の店舗の薬剤師に指導する機会も多かったです。
そんな中、薬剤師として働くことに不安を感じている後輩たちの声を聞くことも少なくありませんでした。

仕事中に伝えられることは限られている

仕事中、目の前で起きたことであればその場で伝えています。
ただ、個人の力量にもよりますが、学ぶことが多い新人時代、忙しい仕事の中だけでは身につけることができる量に限りがあります。
ゴールに向かって、最短距離で走っていける人もいれば、回り道をしたり同じところを行ったり来たりしてしまう人もいます。
そこでじっくり話をしてあげればいいんですが、当時の自分には仕事中にそんな時間はありませんでした。
仕事の終わった後にじっくり話すにも限度があります。

薬剤師の脳みその誕生

そこで、立ち上げたのがこのブログ「薬剤師の脳みそ」です。

仕事中は一生懸命学んでもらうのが当然と思いますが、家に帰ってからは個人のやり方があると思います。
ブログという形であれば気楽に読むことができるし、自分のタイミングで読むことができます。
また、後から読み返すことも可能です。

自分自身が得た知識やそこに至る考えをまとめることで、先輩(自分)がどんな風に考えて、行動しているかを知って欲しいという思いがありました。

薬剤師として意識して欲しいこと

薬剤師としてなぜ勉強していかないといけないか?
薬剤師は知識を武器に戦う(?)職業なので当然といえば当然です。
勉強することが、薬が好きだからというのも大事なことです。
患者さんのためになりたいというのも大事です。
でも、最低限忘れてはいけないことは、自分たちは知識に対してお金をもらう仕事ということです。

薬剤師であれば自分の知識に価値を持たせないといけない

保険薬局(調剤薬局)では、ただ処方箋どおりに薬を渡し、薬の代金をもらっている訳ではありません。
薬局での支払い(お薬代)を考えると、薬自体の代金(薬剤料)はその一部に過ぎません。
よほど高い薬や大量の薬をもらわない限り、薬剤料以外の部分が多いことも珍しくありません。

確かに、卸さんから薬を仕入れる納入価と患者さんにお渡しする薬剤料による利益もありますがそれは微々たるものです。
(薬剤料は国が2年毎に決める薬価に基づいて計算される。薬価は実際の薬局の納入価を調査した結果に基づいて決められる)
一包化や粉砕などの調剤上の工夫により加算料をもらうことができますが、それは全ての患者さんに対してではありません。

薬局の利益の中心になるのは調剤基本料と薬学管理料です。
そして、薬学管理料の中心は薬剤服用歴管理指導料(薬歴管理料)です。

「服薬指導」を行い、その内容を「薬歴」に記載することで算定できるのが薬歴管理料です。
患者さんが、安全に、安心して、薬を使い、そしてしっかりと薬の効果を発揮するために服薬指導を行います。
その服薬指導の際には薬歴を用いて前回までの流れを把握した上で行います。
さらに服薬指導の後には薬歴を記載し、次回の指導内容に活かせるようにします。
これが「薬剤服用歴管理指導料」を算定する際の流れです。

ここにお金が生じるわけですから、患者さんはお金を払って服薬指導を受け、自身のことについて記録を書いてもらっていることになるわけです。
服薬「指導」って個人的にはとてもおこがましい言葉だなと思います。
そう思われないために、無駄なお金を払っていると思われないためにも、患者さんに満足してもらえるだけの話や記録ができないと駄目だと思っています。

服薬指導は原則すべての患者さんに行います。
そのため、薬剤師はその価値に見合うだけの話を患者さんにしないといけないし、その価値に見合う記録(薬歴)を残さないといけないと思います。

簡単にいうと、お金もらっている以上は、仕事中のいかなる行動でも、「さすが!」と言われるようにならないとね!ってことですね。

(新人)薬剤師が不安になること

こんな話をすると新人の薬剤師はますます不安になってしまうのですが、不安になること自体は悪いことではありません。
その不安感を解消するために、自分の知識や技術を磨いていけばいいんです。
ただ、そのためにはとても多くの努力が必要です。

薬剤師は薬のリスク(危険性)とベネフィット(効き目)について十分知っています。
4〜6年かけて薬の事を学び、実際の医療現場でそれを使っているのだから当然です。
ですが、患者さんは違います。
服薬指導という短時間のコミュニケーションでそれを大まかに得てもらうためには、薬剤師の話し方一つにかかっています。

自分の知識に必要がない薬剤師が服薬指導を行うと、患者さんに不安を与える結果につながることが多いです。
怖そうに説明される副作用、そりゃ怖くなって当然です。
リスクとベネフィットをしっかり理解して説明していれば、そのバランスは保たれるはずですが、
自信がない薬剤師の説明ではリスクが無駄に大きく見えてしまいます。
そうならないためにも、自分が自信を持てるだけの知識を得ることが必要です。

薬剤師の脳みそが目指すもの

毎日の業務に不安を感じている薬剤師が減れば、それだけ患者さんの不安も解消できるはずです。
薬剤師の脳みそが目指すのはそこです。
自分が疑問に思うことは、他の薬剤師も疑問に思っているはずです。
それを解消できたなら、そのことをブログに書いて発信することで、同じ悩みを持つ人と共有し、不安に思っている薬剤師を減らすことができるはずです。

そんなことを思いながらブログを始めました。
最近、初心に戻ってやらないといけないなと思っています。

薬剤師の脳みそを続けていく理由

薬剤師の脳みそもおかげさまで7年目に突入しています。
開始当時からは職場も複数回変わりましたが、仕事は相変わらず忙しく、思うように更新できていません。
それでもやめないのには理由があります。

薬剤師の脳みそを続けることで変わった自分

このブログを続けることで一番変わったのは自分です。
人にわかってもらえるようにまとめることは大きなエネルギーが必要ですが、その分、自分が得るものも大きいです。
以前にも増して知識を得ることができていますし、文章を書く中で考えていることはその後のいろんな仕事で役立っています。
また、ブログを読んでくれる人が増えていくことが継続するための励みになっています。
コメント欄に記入してもらったり、Facebookページのメッセージで相談してもらえたりすることはとても嬉しいです。

服薬指導自体がそうですが、自分ではなく相手に理解してもらうためには、いろんな事を考えないとできません。
それは時に疲れることもありますが、自分の大きな経験として蓄積されています。

誰かのためになる事をしたい

誰かのためになりたい。
これは薬剤師に限らず、医療従事者であれば誰もが持っている気持ちだと思います。
そういった気持ちで、実際に薬局で働いていますが、このブログも同じです。
少しでも誰かの力になっているということがこのブログを続けている大きな原動力です。

ブログを初めてみませんか?

薬剤師である自分が学んだことをブログに書いていくことで、
それを見たほかの薬剤師や医薬関係者、薬を使っている人の不安や悩みを少しでも解消できれば嬉しいと思っています。
もし、自分も始めてみようかなと思っている薬剤師がいれば、是非、始めてみてください。
でも、本業を疎かにしないようにしましょうね〜。

「立てよ薬剤師」について

いつかはこういった内容を書いておかなければなあと思っていたのですが、なかなか時間が取れていませんでした。
今回の記事は、「立てよ薬剤師第2回」として、るるー主さんに声を書けてもらったのをきっかけに書きました。
テーマは「薬剤師としてブログやSNSで情報発信をする目的は?」です。

第一回についてはこちら。

今回もそうそうたるメンバーが集まっています。
この記事と同じ日時(H30.9.25 21:00)に更新されているはずなので、ハッシュタグ「#立てよ薬剤師」で検索してみてください。
(るるー主さん、声をかけていただきありがとうございます。)

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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