イグザレルト・リクシアナ・エクア・ラピアクタ等に添付文書改訂指示

平成28年4月21日、厚労省医薬・生活衛生局は、新たな副作用が確認された医薬品について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知しました。
イグザレルト、リクシアナ、エクア、ラピアクタ、ガバペン、ディレグラ等に重大な副作用が追記されます。

※副作用に関する記載を中心とした記事ですが、あくまでも医療従事者を対象とした記事です。副作用の追加=危険な薬剤というわけではないのがほとんどです。服用に際して自己判断を行わず医療従事者の指示にしたがってください。

H28.4.21付 使用上の注意の改訂指示

PMDAのリンクを貼っておきます。

具体的な改訂指示の内容についてまとめていきます。

おくすり

 

リバーロキサバン(錠剤・細粒)による血小板減少

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • イグザレルト錠10mg
  • イグザレルト錠15mg
  • イグザレルト細粒分包10mg
  • イグザレルト細粒分包15mg

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、血小板減少関連症例が15例(うち、因果関係が否定できない症例7例)報告されているようです。
死亡は0例です。

エドキサバントシル酸塩水和物錠による肝機能障害・黄疸

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • リクシアナ錠15mg
  • リクシアナ錠30mg
  • リクシアナ錠60mg

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、肝機能障害関連症例が5例(すべて因果関係は否定できず)報告されているようです。
死亡は0例です。

ビルダグリプチン、ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩、シタグリプチンリン酸塩水和物による類天疱瘡

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • エクア錠50mg(ビルダグリプチン)
  • エクメット配合錠LD(ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩)
  • エクメット配合錠HD(ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩)
  • ジャヌビア錠100mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • ジャヌビア錠50mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • ジャヌビア錠25mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • ジャヌビア錠12.5mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • グラクティブ錠100mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • グラクティブ錠50mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • グラクティブ錠25mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)
  • グラクティブ錠12.5mg(シタグリプチンリン酸塩水和物)

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

類天疱瘡:類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、それぞれの薬剤で類天疱瘡関連症例が以下の通り報告されています。

  • ビルダグリプチン:28例(うち、因果関係が否定できない症例8例)、死亡0例
  • ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩:0例
  • シタグリプチンリン酸塩水和物:7例(うち、因果関係が否定できない症例3例)、死亡1例(うち、因果関係が否定できない症例0例)

 

類天疱瘡とは?

類天疱瘡という副作用名をあまり聞いたことがなかったので調べてみました。
基底膜部(表皮と真皮の境の部分)に対する自己抗体(抗表皮基底膜部抗体)ができてしまった結果、基底膜部が破壊され、表皮と真皮の接着が悪くなり、水疱が引き起こされるもののようです。

テトラサイクリン/ミノサイクリン・ニコチン酸アミドの内服併用、副腎皮質ステロイドの内服や外用、レクチゾールの内服、ロキシスロマイシン内服などの治療が行われるようです。

ペラミビル水和物によるアナフィラキシー

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ラピアクタ点滴静注液バッグ150mg
  • ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg

添付文書の「重要な基本的注意」の項に以下の文章を追記するように指示が出されています。

ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、投与中は救急処置の可能な状態で患者の状態を十分に観察すること。また、投与終了後もショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、注意すること。

また、「副作用」重大な副作用の項に、下線部の文章を追記するように指示が出されています。

ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(血圧低下、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、アナフィラキシー関連症例が17例(うち、因果関係が否定できない症例8例)報告されているようです。
死亡例は1例(うち、因果関係が否定できない症例1例)です。

ガバペンチン・ガバペンチン エナカルビルによるアナフィラキシー

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ガバペン錠200mg(ガバペンチン)
  • ガバペン錠300mg(ガバペンチン)
  • ガバペン錠400mg(ガバペンチン)
  • ガバペンシロップ5%(ガバペンチン)
  • レグナイト錠300mg(ガバペンチン エナカルビル)

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

アナフィラキシー:アナフィラキシー(血管性浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、どちらの薬剤もアナフィラキシー関連症例の報告はありません。
ですが、ガバペンチンについては、海外症例が集積しCCDS(Company Core Data Sheet/企業中核データシート)が改訂されたことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断されたようです。
ガバペンチン エナカルビルについても、国内及び海外症例の報告はありませんが、ガバペンチンのプロドラッグであることから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断されたようです。

フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合剤による急性汎発性発疹性膿疱症

添付文書改訂の対象となる商品名は一種類のみですね。

  • ディレグラ配合錠

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

急性汎発性発疹性膿疱症:急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、多数の小膿疱等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、急性汎発性発疹性膿疱症が1例(うち、因果関係が否定できない症例1例)報告されているようです。
死亡0例です。

一般用医薬品の塩酸プソイドエフェドリン又は硫酸プソイドエフェドリン含有製剤による急性汎発性発疹性膿疱症

上記と同様にOTCについても改定指示が出されています。
対象となる商品はかなり多いので省略しますが、添付文書の「相談すること」の項に、下線部の文章を追記するように指示が出されています。

服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談することまれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
急性汎発性発疹性膿疱症:高熱、皮膚の広範囲の発疹・発赤、赤くなった皮膚上に小さなブツブツ(小膿疱)が出る、全身がだるい、食欲がない等が持続したり、急激に悪化する。

直近3年度の、塩酸プソイドエフェドリン又は硫酸プソイドエフェドリンを含む配合剤で急性汎発性発疹性膿疱症の記載がない製剤の国内副作用症例の集積状況で、急性汎発性発疹性膿疱症が2例(うち、因果関係が否定できない症例0例)報告されているようです。
死亡0例です。

レボドパ関連製剤による閉塞隅角緑内障

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ドパゾール錠200mg(レボドパ)
  • ドパストンカプセル250mg(レボドパ)
  • ドパストン散98.5%(レボドパ)
  • ドパストン静注25mg(レボドパ)
  • ドパストン静注50mg(レボドパ)
  • イーシー・ドパール配合錠(レボドパ・ベンセラジド塩酸塩)
  • ネオドパゾール配合錠(レボドパ・ベンセラジド塩酸塩)
  • マドパー配合錠(レボドパ・ベンセラジド塩酸塩)
  • カルコーパ配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • カルコーパ配合錠L250(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • ドパコール配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • ドパコール配合錠L50(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • ネオドパストン配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • ネオドパストン配合錠L250(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • パーキストン配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • パーキストン配合錠L250(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • メネシット配合錠100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • メネシット配合錠250(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • レプリントン配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物)
  • スタレボ配合錠L100(レボドパ・カルビドパ水和物・エンタカポン)
  • スタレボ配合錠L50(レボドパ・カルビドパ水和物・エンタカポン)

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

閉塞隅角緑内障:急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、それぞれの薬剤で閉塞隅角緑内障関連症例が以下の通り報告されています。

  • レボドパ:0例
  • レボドパ・ベンセラジド塩酸塩:2例(うち、因果関係が否定できない症例2例)、死亡0例
  • レボドパ・カルビドパ水和物:0例
  • レボドパ・カルビドパ水和物・エンタカポン:0例

 

アファチニブマレイン酸塩による急性膵炎

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ジオトリフ錠20mg
  • ジオトリフ錠30mg
  • ジオトリフ錠40mg
  • ジオトリフ錠50mg

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

急性膵炎:急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、急性膵炎が4例(うち、因果関係が否定できない症例2例)報告されているようです。
死亡0例です。

トラベクテジンによる心機能障害

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • ヨンデリス点滴静注用0.25mg
  • ヨンデリス点滴静注用1mg

添付文書の「慎重投与」の項に以下の文章を追記するように指示が出されています。

アントラサイクリン系薬剤による治療歴のある患者又は心機能障害のある患者

また、「重要な基本的注意」の項に以下の文章を追記する指示が出されています。

心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査(左室駆出率(LVEF)の測定を含む)を行うとともに、心機能障害に関連する臨床的な徴候や症状を十分に観察すること。

さらに、「副作用」重大な副作用の項には以下の文章が追記する指示が出されています。

心機能障害:うっ血性心不全及び左室駆出率低下等の心機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、心機能障害の報告はありません。
ですが、以下の理由を元に、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断したようです。

  1. アントラサイクリン系薬剤による治療歴のある悪性軟部腫瘍患者を対象とした海外第 III 相試験の結果、対照群と比較して心機能障害(うっ血性心不全及び左室駆出率低下等)の発現割合が高く、因果関係が否定できない心機能障害の症例も認められたこと
  2. 国内においても心毒性を有するアントラサイクリン系薬剤による治療歴のある患者や心機能障害のある患者に投与されることが多いと想定され、当該患者に投与する際には、より慎重な投与が必要になると考えられること
  3. 海外第 III 相試験結果をもとに CCDS(Company Core Data Sheet/企業中核データシート)及び米国添付文書にて、心機能障害に関する注意喚起が行われたこと

 

オセルタミビルリン酸塩(カプセル・ドライシロップ)による虚血性大腸炎

添付文書改訂の対象となる商品名は以下のとおりです。

  • タミフルカプセル75
  • タミフルドライシロップ3%

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、下線部の文章を追記するように指示が出されています。

出血性大腸炎、虚血性大腸炎:出血性大腸炎、虚血性大腸炎があらわれることがあるので、血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、虚血性大腸炎関連症例が4例(うち、因果関係が否定できない症例1例)報告されているようです。
死亡0例です。

塩化ナトリウム・塩化カリウム・無水硫酸ナトリウム・マクロゴール 4000・アスコルビン酸・L-アスコルビン酸ナトリウムによる失神・意識消失

添付文書改訂の対象となる商品名は一種類のみです。

  • モビプレップ配合内用剤

添付文書の「副作用」重大な副作用の項に、以下の文章を追記するように指示が出されています。

失神、意識消失:失神、意識消失を起こすことがあり、血圧低下を伴う症例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、自宅で服用させる場合は、「重要な基本的注意」の項を参照し、指導すること。

直近3年度の国内副作用症例の集積状況で、失神もしくは意識消失が9例(うち、因果関係が否定できない症例6例)報告されているようです。
死亡0例です。

まとめ

今回の改定指示ではそこまで大きいものは出ていません。
強いて気になるものを挙げるとすれば、イグザレルトによる血小板減少とエクア・グラクティブ・ジャヌビアによる類天疱瘡でしょうか?
ガバペン・レグナイトによるアナフィラキシーについては、国内報告が0だったことに逆に驚きました。
抗てんかん薬はアレルギー関連の副作用を引き起こすものとイメージしているからですね。
やはり薬局で目にする頻度を考えれば、イグザレルトやエクア・グラクティブ・ジャヌビアについては頭の片隅でもいいので記憶しておきたいところですね。

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