引き続き、厚生労働省が平成28年3月4日に説明会を行った平成28年度診療報酬改定についてです。
今回は薬剤服用歴管理指導料、いわゆる薬歴管理料についてです。
薬歴管理料は、
- 半年以内に来局したことがあるかどうか
- お薬手帳を持参しているかどうか
- 調剤基本料1・4(減算なし)を算定しているかどうか
- 特別養護老人ホームの入居者かどうか
により点数が変わります。
H28調剤報酬改定についての過去記事はこちらです。
なお、疑義解釈等が公開されて初めて考え方がわかるものもあるので、あくまで現時点での一人の薬剤師の解釈として捉えてもらえれば幸いです。
解釈に変更等があれば随時更新する予定です。
https://yakuzaishi.love/archive/category/%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%A0%B1%E9%85%AC%E6%94%B9%E5%AE%9A-%E5%B9%B3%E6%88%9028%E5%B9%B4%E5%BA%A6%EF%BC%882016%E5%B9%B4%E5%BA%A6%EF%BC%89%E8%AA%BF%E5%89%A4%E5%A0%B1%E9%85%AC%E6%94%B9%E5%AE%9Ahttps://yakuzaishi.love
厚生労働省の2016診療報酬改定についての資料へのリンクはこちらです。
薬剤服用歴管理指導料の改定
薬剤服用歴管理指導料
- 原則6月以内に処方せんを持参した患者に対して行った場合38点
- 1の患者以外の患者に対して行った場合50点
- 特別養護老人ホーム入所者に対して行った場合38点
- 注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者又は区分番号00の1に掲げる調剤基本料1若しくは区分番号00の4に掲げる調剤基本料4以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方せんを持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、50点を算定する。
- イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
- ロ 処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
- ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
- ニ 患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者又はその家族等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
- ホ 薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
- 注2 3については、保険薬剤師が老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホームを訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。
- イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
- ロ 処方された薬剤について、患者等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
- ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
- ニ 患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
- ホ 必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
お薬手帳を持っている方が薬剤服用歴管理指導料が安くなる?
これまでの薬歴管理料は、
- (処方せんの受付1回につき)41点
- お薬手帳を用いずに指導等を行った場合:(処方せんの受付1回につき)34点
となっており、お薬手帳を持たないほうが点数としては低く設定されていました。
それが、今回の改定では、「6ヶ月以内に再来局した患者」「調剤基本料1・4を算定している薬局」という条件はありますが、お薬手帳を持っている方が薬歴管理料が低く設定されています。
患者さんの視点で(値段にだけ注目して)考えてみると・・・。
お薬手帳を持って来ない場合、これまでのケースでは34点だった薬歴管理料が、4月以降は50点となります。
それを回避するために、お薬手帳を持って来るようにしても、34点が4月からは38点となります。
特養入居者に対する薬歴管理料
そして薬剤服用歴管理指導料3。
特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設の入居者を訪問して指導を行った場合に算定できるものです。
これについてよくわかっていなかった部分もあるのですが・・・。
そもそも、特別養護老人ホームの入居者に対して薬歴は算定できなかったみたいですね。
正式な文書は見つかりませんが、特養には医師・看護師の配置が定められているため、服薬管理もそれら医療従事者が行うようになっているとのことです。
これ知らずに、介護者等が薬局に来たら算定しているケースもありそうな気がしますがどうなんでしょう?
介護老人保健施設(老健)の入居者に対して薬学管理料が算定できないのは広く知られていると思いますけどね。
特養入居者に、訪問薬剤管理指導料や(予防)居宅療養管理指導費が算定できないのも、一般的に知られていると思います。
今回の改定では、これまで薬学管理料を一切算定できなかった特養入居者に対して、訪問した上での服薬指導を行うことで、薬学管理料を算定可能としたものです。
特養入居者の調剤を行っていた薬局にとってはうれしい話になるのではないでしょうか?
調剤基本料1(4)を取れなくても薬歴管理料で元が取れる?
調剤基本料1・4以外を算定している場合は、薬剤服用歴管理指導料は一律50点とされています。(再来局・お薬手帳持参による38点はなし)
調剤基本料の改定を踏まえて考えてみる
過去記事でまとめていますが、今回の改定で調剤基本料は細分化され、
- 調剤基本料1:41点(1年以上かかりつけ機能なし:21点)
- 調剤基本料2:25点(1年以上かかりつけ機能なし:13点)
- 調剤基本料3:20点(1年以上かかりつけ機能なし:10点)
- 調剤基本料4:31点(1年以上かかりつけ機能なし:16点)
- 調剤基本料5:19点(1年以上かかりつけ機能なし:10点)
- 特別調剤基本料:15点(1年以上かかりつけ機能なし:8点)
となります。
調剤基本料1(4)の場合
今回の改定で、調剤基本料1と調剤基本料4の場合は、半年以内の再来局時にお薬手帳を持参すれば、薬歴管理料が38点となるので、
- 調剤基本料1:41点+薬歴管理料1:38点→79点
- 調剤基本料4:31点+薬歴管理料1:38点→69点
となります。
新患や半年以上間隔のあいた再来局、お薬手帳を持参していない場合は、
- 調剤基本料1:41点+薬歴管理料2:50点→91点
- 調剤基本料4:31点+薬歴管理料2:50点→81点
となります。
調剤基本料1(4)以外の場合
調剤基本料1・4以外の場合は、どうなるかというと、新患、お薬手帳の持参の有無に係らず、
- 調剤基本料1(減算):21点+薬歴管理料2:50点→71点
- 調剤基本料2:25点+薬歴管理料2:50点→75点
- 調剤基本料2(減算):13点+薬歴管理料2:50点→63点
- 調剤基本料3:20点+薬歴管理料2:50点→70点
- 調剤基本料3(減算):10点+薬歴管理料2:50点→60点
- 調剤基本料4(減算):16点+薬歴管理料2:50点→66点
- 調剤基本料5:19点+薬歴管理料2:50点→69点
- 調剤基本料5(減算):10点+薬歴管理料2:50点→60点
- 特別調剤基本料:15点+薬歴管理料2:50点→65点
- 特別調剤基本料(減算):8点+薬歴管理料2:50点→58点
となります。
薬歴管理料まで含めてみると調剤基本料改定の影響は少ない?
上ではお薬手帳を持っているかどうかという考え方でまとめました。
ですが、薬剤師としての考え方として、薬局の収入とは関係なく、すべての患者さんにお薬手帳を持ってもらうよう努力するのは当然のことです。
なので、すべての患者さんが基本的にお薬手帳を持っているとして考えてシミュレーションをしてみます。
調剤基本料1(4)における薬歴管理料の平均値
薬局における新規患者の割合が平均8%なので、半年以上来ていなかった患者さんを含めて15%くらいと予想します。
そう考えると、薬歴管理料1と薬歴管理料2を合わせた平均値は39.8点。
- 調剤基本料1:41点+薬歴管理料(平均):39.8点→80.8点
- 調剤基本料4:31点+薬歴管理料(平均):39.8点→70.8点
と考えることができます。
調剤基本料と薬歴管理料を合わせた点数の比較
これを元に、調剤基本料と薬歴管理料の合計点を比較してみます。
改定前のものも含めて、点数が高い順にまとめてみます。
- 旧調剤基本料+薬歴(手帳あり)→82点
- 調剤基本料1+薬歴(平均)→80.8点
- 調剤基本料2+薬歴→75点
- 旧調剤基本料+薬歴(手帳なし)→74点
- 調剤基本料1(減算)+薬歴→71点
- 調剤基本料4+薬歴(平均)→70.8点
- 調剤基本料3+薬歴→70点
- 調剤基本料5+薬歴→69点
- 旧調剤基本料特例+薬歴(手帳あり)→66点
- 調剤基本料4(減算)+薬歴→66点
- 特別調剤基本料+薬歴→65点
- 調剤基本料2(減算)+薬歴→63点
- 調剤基本料3(減算)+薬歴→60点
- 調剤基本料5(減算)+薬歴→60点
- 旧調剤基本料特例+薬歴(手帳なし)→59点
- 特別調剤基本料(減算)+薬歴→58点
あれ?意外と差が出ない・・・。
基準調剤加算(32点)は調剤基本料1でしか算定できないので、そこを含めると差が大きくなりますが、調剤基本料だけで見ると差はそれほど大きくないんですね。
というか、状況によってはプラス改定となっていますね。
こうしてみてみると、今回の改定で最も影響を受けるのは、基準調剤加算や後発医薬品調剤体制加算(1:18点、2:22点)がはずれてしまう店舗で、それ以外の場合はマイナスであっても、それほど大きい影響はないというのが実際のところではないでしょうか?
薬歴の改定単独で見ても多くの薬局はプラス改定?
旧薬剤服用歴管理指導料ではお薬手帳の有無で点数が変わっていました。
そのため、お薬手帳あり・お薬手帳なしの割合によって、薬歴の平均点が異なります。
その割合ごとに考えてみると・・・
- 手帳あり:手帳なし=10:0→41
- 手帳あり:手帳なし=9:1→40.3
- 手帳あり:手帳なし=8:2→39.6
- 手帳あり:手帳なし=7:3→38.9
- 手帳あり:手帳なし=6:4→38.2
- 手帳あり:手帳なし=5:5→37.5
- 手帳あり:手帳なし=4:6→36.8
- 手帳あり:手帳なし=3:7→36.1
- 手帳あり:手帳なし=2:8→35.4
- 手帳あり:手帳なし=1:9→34.7
- 手帳あり:手帳なし=0:10→34
上にも書きましたが、調剤基本料1・4の薬局では、薬歴1の割合を85%(新患・久しぶりが15%)とすると薬歴の平均点は39.8点。
改定前にお薬手帳の持参率が90%以下であれば薬歴管理料はプラス改定ということになりますね。
薬剤服用歴管理指導料についての留意事項
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335815&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114871.pdf
調剤報酬点数表についての留意事項も公開になっています。
その中でもいくつかの変更点が見られますが、特に気になったところについてまとめておきます。
<薬学管理料>
区分10 薬剤服用歴管理指導料
(1)
イ 患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、その要点を薬剤服用歴の記録に記載するとともに、これに基づき、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと。薬剤服用歴の記録への記載は、指導後速やかに完了させるとともに、同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存・管理すること。
薬歴未記載問題を踏まえての追記だと思います。
薬歴の記載を速やかに行うことが明記されています。
エ 薬の状況については、患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づき、患者又はその家族等から確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう努めること。
残薬確認についてはこれまでどおりですが、その理由の確認が求められるようになりました。
(5) (1)アの薬剤情報提供文書により行う薬剤に関する情報提供は、調剤を行った全ての薬剤の情報が一覧できるようなものとする。ただし、調剤した薬剤をやむを得ず複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とすることができる。なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
いわゆるdoの場合、患者の意向を踏まえて薬情を交付しなくてもよいという文章が追記されました。
ただし、その理由を薬歴に記載する必要があります。
(11) 手帳については、患者に対して、手帳を保有することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を保有しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。
患者の意向を確認した上で手帳を利用しない場合はその理由を薬歴に記載する必要があります。
また、患者が手帳を忘れた場合は、説明を行ったうえで薬歴2を算定するようにされています。
(14) 患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。
患者がお薬手帳を忘れた場合は、説明の上でシールをお渡しし、次回持参時にきちんと記録されているかどうかを確認するようにされています。
疑義解釈その1の薬剤服用歴管理指導料に関する部分
H28.3.31に公開された疑義解釈その1で半年間についての考え等についていくつか回答されています。
(問23)薬剤服用歴管理指導料「1」について、「原則過去6月内に処方せんを持参した患者」とあるが、「6月内」の判断については、診療報酬改定前である平成28年3月31日以前の来局についても対象となるか。
(答)貴見のとおり。
(問24)薬剤服用歴管理指導料「1」について、「原則過去6月内に処方せんを持参した患者」とあるが、6月を超えた処方せんであっても、当該指導料を算定するのはどのようなケースか。
(答)1回の投薬が6ヶ月を超える場合の次回来局時などが考えられる。
また、お薬手帳持参についても詳しく述べられています。
(問25)手帳を持参していない患者に対して、患者から求めがなければ手帳に関する説明をしなくても50点を算定可能か。
(答)そのような患者については、手帳を保有することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者が手帳を用いない場合はその旨を薬剤服用歴の記録に記載することとしているため、手帳に関する説明を全くしていない場合は薬剤服用歴管理指導料を算定してはならない。
(問28)患者が電子版の手帳を持参してきたが、保険薬局が提携している電子版の手帳の運営事業者と患者が利用する電子版の手帳の運営事業者が異なる場合や運営事業者と提携していない保険薬局の場合など、薬剤師が薬局の電子機器等から患者の手帳の情報を閲覧できない場合はどのようになるのか。
(答)電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27年11月27日薬生総発第1127第4号)の「第二提供薬局等が留意すべき事項」の4(2)に規定する一元的に情報閲覧できる仕組みが公益社団法人日本薬剤師会より提供されているので(平成28年4月1日より)、当該仕組みの活用により、患者から手帳の情報が含まれる電子機器の画面を直接閲覧することなく情報把握することを原則とする。このような仕組みが活用できない保険薬局においては、受付窓口等で患者の保有する手帳情報が含まれる電子機器の画面を閲覧し、薬剤服用歴に必要情報を転記した場合に限り、薬剤服用歴管理指導料を算定可能とする。この際、患者の保有する電子機器を直接受け取って閲覧等を行おうとすることは、患者が当該電子機器を渡すことを望まない場合もあるので、慎重に対応すること。なお、このような方法で情報を閲覧等できない場合は、患者が手帳を持参していない場合の点数(50点)を算定するのではなく、薬剤服用歴管理指導料自体が算定できないことに留意すること。
問28・・・。
あまり多いケースではないでしょうけど、今後は増えていくかもしれませんね。
予想外に厳しい答えでした。
お薬手帳の電子化、対応する薬局が増えていきそうなので、どんどん進んでいきそうですね。
今回の改定では、薬局から患者さんへわかりやすく説明するようにとされといますので、調剤基本料1・4を算定する薬局は、
- 最終来局からの期間が半年以内
- お薬手帳を持参する
という二つの条件に当てはまれば薬歴管理料が50点から38点となることを説明する必要がありますね。
そもそも、41点・34点が50点・38点となることから、もともとの算定割合にもよりますが、プラス改定になる可能性が高いことがわかりますね。
薬剤服用歴管理指導料は電算上は4種類?
今回の改定で、
- 薬剤服用歴管理指導料1:38点(お薬手帳あり かつ 再来局の間隔が6ヶ月以内)
- 薬剤服用歴管理指導料2:50点(お薬手帳なし もしくは 再来局の間隔が6ヶ月を超える もしくは 調剤基本料1・4以外)
- 薬剤服用歴管理指導料3:50点(特別養護老人ホーム入所者)
の3種類に分かれた薬剤服用歴管理指導料ですが、電算コード上は4種類に分かれています。
診療報酬情報提供サービス
どうやら、薬歴2が分かれているようですね。
- 薬剤服用歴管理指導料A:薬歴1(6月以内に処方せんを持参した場合)
- 薬剤服用歴管理指導料B:薬歴2(6月以内に処方せんを持参した場合以外)
- 薬剤服用歴管理指導料C:薬歴3(特別養護老人ホーム入所者の場合)
- 薬剤服用歴管理指導料D:薬歴2(手帳持参なし・調剤基本料1又は4以外)
薬歴2を2つに分けた理由がいまいち不明ですが、調剤基本料1・4の店舗であれば、お薬手帳の持参率をレセコンで集計することが可能ですね。
どれに該当するかは以下のように判断するイメージでしょうか?
特養入所者→Yes→薬歴D(薬歴3:50点)
↓No
調剤基本料1・4以外を算定→Yes→薬歴D(薬歴2:50点)
↓No
お薬手帳を持参してない→Yes→薬歴D(薬歴2:50点)
↓No
6ヶ月以内に来局→Yes→薬歴A(薬歴1:38点)
↓No
薬歴B(薬歴2:50点)
薬歴についての改定まとめ
かなり計算がややこしいので、前半は数字の話ばかりになってしまいましたが、薬歴に関しては基本、プラス改定ということになりそうです。
ただし、お薬手帳を持っていない人の理由であったり、残薬の確認・その理由等をしっかり記載しておかないと、個別指導等で厳しく突っ込まれるようになるのではないでしょうか?
ただ、調剤基本料が大きく下がることで不安になっていた薬局も、特例の場合は薬歴2のみの算定となるので、基本料で下がった分を薬歴である程度取り返すことが可能なのはうれしいですね。
ただ、今回の改定、これからの薬局に求められる内容を考えると、薬歴というものの扱い方をこれまで以上に考えていく必要がありそうです。
「同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう」という言葉の中には、薬歴の記載方法も含まれていると思います。
点数が上がったということは評価されている、それだけの内容を期待されているということです。
この4月を機会に、これまでの薬歴を見直していく必要があるのではないでしょうか?
今回の改定は、薬局のあり方を変える改定です。
それは、調剤報酬で示されている内容だけでなく、すべてにおいて、どのようにして患者さんのためとしていくかということを考える必要があると思います。
さらに先の改定を見据えて、薬局の薬剤師の未来を、日本の医療の未来を見据えて取り組んでいく必要があるのだと思います。