平成27年4月24日、厚労省の薬食審医薬品第二部会が開催されました。
今回は新薬ではなく、既存薬の効能追加の承認が了承されています。
タリオン(一般名:ベポタスチンベシル酸塩)に小児適応追加
- タリオン錠5mg
- タリオン錠10㎎
- タリオンOD錠5mg
- タリオンOD錠10mg
小児適応の追加ということで、小児用量が追加されます。
小児適応をもつ第二世代抗ヒスタミン薬
他の第二世代抗ヒスタミン薬の小児適応についてもまとめておきます。
ザジテン(一般名:ケトチフェンフマル酸塩)
1日ケトチフェンとして0.06mg/kgを1日2回朝食後及び就寝前
セルテクト(一般名:オキサトミド)
1回オキサトミドとして0.5mg/kgを朝及び就寝前の1日2回
アレジオン(一般名:エピナスチン塩酸塩)
1日1回エピナスチン塩酸塩として0.25~0.5mg/kg
ジルテック(一般名:セチリジン塩酸塩)
2歳以上7歳未満の小児:1回セチリジン塩酸塩として2.5mgを1日2回朝食後及び就寝前
7歳以上15歳未満の小児:1回セチリジン塩酸塩として5mgを1日2回朝食後及び就寝前
アレグラ(一般名:フェキソフェナジン塩酸塩)
7歳以上12歳未満の小児:フェキソフェナジン塩酸塩として1回30mgを1日2回
12歳以上の小児:フェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回
アレロック(一般名:オロパタジン)
2歳以上7歳未満の小児:1回オロパタジン塩酸塩として2.5mgを朝及び就寝前の1日2回
7歳以上の小児:1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回
クラリチン(一般名:ロラタジン)
3歳以上7 歳未満の小児:ロラタジンとして1回5mgを1日1回食後
7歳以上の小児:ロラタジンとして1回10mgを1日1回食後
ザイザル(一般名:レボセチリジン塩酸塩)
7歳以上15歳未満の小児:レボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回朝食後及び就寝前
注射用レザフィリン(一般名:タラポルフィンナトリウム)に適応追加
- 注射用レザフィリン100㎎
「化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道がん」の効能・効果が追加。
腫瘍に集積し、レーザー光が照射されると活性酸素を生じ、腫瘍細胞及び腫瘍血管を傷害することで、腫瘍増殖を抑制します。
現在の効能効果は、
- 外科的切除等の他の根治的治療が不可能な場合、あるいは、肺機能温存が必要な患者に他の治療法が使用できない場合で、かつ、内視鏡的に病巣全容が観察でき、レーザ光照射が可能な早期肺癌(病期0期又はI期肺癌)
- 原発性悪性脳腫瘍(腫瘍摘出手術を施行する場合に限る)
ペグイントロン(一般名:ペグインターフェロン アルファ-2b遺伝子組換え)に悪性黒色腫に対する適応追加
- ペグイントロン皮下注用50μg/0.5mL用
- ペグイントロン皮下注用100μg/0.5mL用
- ペグイントロン皮下注用150μg/0.5mL用
「悪性黒色腫における術後補助療法」の効能・効果が追加されます。
現在、悪性黒色腫に関する効能・効果を有するIFN製剤には、フェロン注射用(一般名:インターフェロン ベータ)があります。
報告品目
以下は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品です。
ジフルカンカプセル(一般名:フルコナゾール)
- ジフルカンカプセル50mg
- ジフルカンカプセル100mg
「カンジダ属に起因する膣炎および外陰膣炎」の効能・効果が追加されます。
経口剤での適応を持つのは初めての薬品です。
クラバモックス(一般名:クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物)
- クラバモックス小児用配合ドライシロップ
「副鼻腔炎」の効能・効果が追加されます。
耳鼻科領域では中耳炎に対してよく使用されていますね。
シムジア皮下注(一般名:セルトリズマブ ペゴル遺伝子組換え)
- シムジア皮下注200mgシリンジ
効能・効果から「既存治療で効果不十分な」が削除され、「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」となります。
これにより、関節リウマチの第一選択薬として投与可能になります。
第一選択薬として投与可能な生物製剤としては、ヒュミラ(一般名:アダリムマブ遺伝子組換え)に続く2剤目です。
リツキサン注(一般名:リツキシマブ遺伝子組換え)
- リツキサン注10㎎/mL
「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫」の効能・効果に対し、他の抗がん剤と併用する場合と、維持療法に用いる場合の用法・用量が追加されます。
ソル・コーテフ(一般名:ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム)
- ソル・コーテフ注射用100mg
- ソル・コーテフ静注用250mg
- ソル・コーテフ静注用500mg
静注用250mgと静注用500mgには「気管支喘息」の効能効果が追加されます。
注射用100mgには既存効能にある「気管支喘息」に、現在併せて記載のある「喘息発作重積状態」を含める形に改められるようです。