毎日気になる調剤報酬改定。
先日の記事の続きです。
平成26年度調剤報酬改定その1 – 薬剤師の脳みそ
先日に引き続き、本日2月5日に行われた中医協(中央社会保険医療協議会)での公聴会資料が公開されました。
平成26年調剤報酬改定についての最新版は
平成26年度診療報酬改定 官報告示 – 薬剤師の脳みそ
です。
平成26年調診療酬関連記事の一覧は
https://yakuzaishi.love/archive/category/H26%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%A0%B1%E9%85%AC%E6%94%B9%E5%AE%9A
です。
よろしくお願いします。
詳しくは厚生労働省のホームページから確認できます。
リンク先を参照してください。
中央社会保険医療協議会 総会(第271回) 議事次第
総-2-1が該当資料です。
簡単にまとめていこうと思います。
在宅薬剤管理指導業務の一層の推進
まず、基本的な考えとして、
在宅への対応、24時間対応を基準調剤加算で評価していくこと。
質の高い在宅医療を提供するため、同一建物居住者への在宅患者訪問薬剤管理指導の評価を見直すことが述べられています。
また、共同利用の無菌製剤室を使った場合の無菌性製剤処理加算の算定。
同加算に麻薬、乳幼児に対する加算を加えることも述べられています。
まずは基準調剤加算。
これまでの算定要件と比較して変更箇所のみまとめてみます。
基準調剤加算共通算定要件
基準調剤加算1・2共通の部分です。
旧「開局時間以外の時間において調剤を行うにつき必要な体制が整備されていること。」→削除
旧「適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。」→新「適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供していること。」
新「麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。」が追加。
基準調剤加算の前提条件として在宅が加わりました。
また、これまでは基準2の算定要件だった麻薬小売業の免許が共通項目になりました。
開局時間以外の調剤体制が削除されていることに注目してください。
基準調剤加算1個別算定要件
基準調剤加算1の部分。
新「当該薬局を含む近隣の薬局と連携して二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行うのに必要な体制が整備されていること。」が追加。
24時間調剤・・・。
上で開局時間以外の調剤体制が削除となっています。
これまでの「開局時間以外の調剤体制」とは24時間電話受付などによる調剤体制でした。
じゃあ、今回のものは?連携しての24時間調剤とはつまりどういうことでしょう?
基準調剤加算2個別算定要件
基準調剤加算2の部分。
旧「麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。」→削除(共通項目へ)
新「当該薬局のみで二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行うのに必要な体制が整備されていること。」が追加。
新「在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、相当の実績を有していること。」が追加。
新「当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。」が追加。
新「当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制が整備されていること。」が追加。
ここでは自薬局のみでの24時間調剤となっています。
おそらく、これは「24時間開局」を指しているのではないかと思います。
少なくとも今までの「24時間電話対応」より進んだものであることは間違いないと思います。
基準1の場合は、連携による輪番制のようなものを指すのでしょうか?
残りの二つに関しては、在宅医療に積極的に取り組んできている薬局は、おそらく似たようなことをこれまで経験してきていると思いますので、その体制を整えるだけだとは思います。
「24時間調剤」=「24時間開局」であれば、基準調剤加算算定のハードルはかなり高くなりますね・・・。
24時間開局している薬局
また、「基準調剤加算の『薬局の求められる機能とあるべき姿』(厚生労働科学研究費補助金事業「薬剤師が担うチーム医療と地域医療の調査とアウトカムの評価研究」にて公表、医薬食品局総務課より通知(平成26年1月 21日薬食総発0121第1号))で掲げられている項目(※)を踏まえ、いわゆる「かかりつけ薬局」としての要件を追加する。」とも記載されています。
その資料がこちらです。
http://www.jsphcs.jp/cont/14/0107-1.pdf
この内容をどのように基準加算の算定要件に加え、満たしているかどうかを判断するかは不明ですが、薬局の開局時間に関しては次のように書かれています。
「開局時間 以外であっても、緊急等に対応きる体制とし休日夜間等における緊急時の連絡先を患者情報提供すともに、自薬局で対応できない場合には、他の薬局と連携し、休日・夜間の対応が可能である体制を整備していること。」
「特に、在宅薬剤管理指導の充実を図る観点等から、個々の薬局における休日・夜間等の緊急時等への対応の即応性を考慮すると、24時間対応可能な体制を整えることはより望ましいものと考えられる。」
どうでしょう?
この2つの文章を読むと、24時間開局が求められているようですね。
2月25日更新:24時間対応についてまとめました。
24時間対応薬局について考えてみる~平成26年度調剤報酬改定 番外編 – 薬剤師の脳みそ
ちなみに、調剤基本料の特例24点(いわゆる低い方)から除外する条件として、「24時間開局」が挙げられています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201401/534872.html
リンク先の日経DIの記事に詳しくは書かれていますが、「24時間開局」とは『電気をつけて人がいる、営業中ということ』だそうです。
在宅患者訪問薬剤管理指導の見直し
個人的には、「保険薬剤師1人につき1日に5回に限り算定」は何かの間違いであって欲しかったのですが、間違いではなかったようですね・・・。
「1と2を合わせて保険薬剤師1人につき1日に5回に限り算定する。」と名分化されました。
※1:同一建物居住者以外の場合、2:同一建物居住者の場合
「在宅患者訪問薬剤管理指導の同一建物居住者以外の評価を引き上げ、同一建物居住者の評価を引き下げる。」も決定のようです。
前回も紹介しましたが、「在宅医療における医療機関と保険薬局との連携の強化のために、保険医療機関において、在宅薬剤管理指導業務を行い夜間・休日等の時間外に対応できる保険薬局のリストを患者に渡して説明すること等については、保険医療機関及び保険医療養担当規則における特定の保険薬局への誘導の禁止に反しないことを明らかにする。」ということです。
「夜間・休日等の時間外に対応できる保険薬局のリスト」というのは、これまでの予想が正しければ、24時間開局or輪番参加ということでしょうから、これのハードルもかなり高いですね。
24時間営業の薬局かー。
これはなかなか・・・。
チェーン薬局が基準調剤加算を取りにくくなるのは間違いないですが、個人薬局はもっと不可能ですね。
とりあえず、今日はここまで。