アーゼラ点滴静注液100mg、1000mg

  • 2013年4月2日
  • 2021年1月4日
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平成25年3月25日付承認医薬品です。
今回は新薬18成分を含む23品目でした。


以前は承認されたものをまとめて掲載されていたのですが、
記事の更新ペースも考えて、今回から薬剤別に記事を掲載することにしました。

オファツムマブ点滴静注液(商品名:アーゼラ点滴静注液100mg、1000mg/グラクソ・スミスクライン)
※新規有効成分医薬品
オーファンドラッグ
効能・効果は「再発又は難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病」。

B細胞(pro-B細胞から成熟B細胞)の表面に特異的に存在するCD20を標的とした完全ヒトモノクローナル抗体です。
抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)活性を示します。
化学療法剤と異なり、傷害する細胞が明確なため、副作用が予想しやすいのがメリットとなります。

すでに販売されているリツキシマブ(商品名:リツキサン)とは異なるエピトープを認識するのが特徴です。
また、リツキシマブは「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫」にしか適応を持たないため、オファツムマブは日本で初めて「慢性リンパ性白血病」(CLL)に適応を持つ抗体製剤になります。

ALLは成熟した小型リンパ球が末梢血、骨髄、リンパ節などで増殖する悪性腫瘍の一種です。
厚労省の患者調査(08年)によると、国内患者数は2000人と推計されているそうです。
シクロホスファミド(商品名:エンドキサン)、フルダラビン(商品名:フルダラ)等の化学療法剤が治療薬として使用されているが、治癒を期待することはできません。
国内では前述のリツキシマブもALLの治療薬としては承認されていませんし、海外で使用されているアレムツズマブ(CD52抗体)も販売まではまだまだ時間がかかりそうです。
というわけで、国内のALLにおける貴重な選択肢の一つになりそうです。
海外では、まずフルダラビン、抵抗性を示した場合は、アレムツヅマブ、さらに抵抗性を示すものにはオファツムマブという風に使用されているようです。
さらにはモノクローナル抗体を複数組み合わせて用いる治療法もあるくらいなので、国内での開発が進んでいくことに期待したいですね。

国内での治験症例が極めて限定的であるため、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」との承認条件が付与され、「造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行われるよう」になっています。

現在、「非ホジキンリンパ腫」や「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」、「濾胞性リンパ腫」に対する治験が行われています。
さらには慢性リウマチや再発寛解型多発性硬化症(RRMS)に対する臨床試験も行なわれているようです。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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