併用に制限(があるかもしれない)糖尿病治療薬

DPP4阻害剤の適応のしばりが特に印象的ですが、糖尿病薬は併用できる薬剤に縛りがあるものが少なくありません。
保険診療上、必ずしも査定を受けるとは言い切れませんが、切られる可能性はゼロではありません。
そこで、備忘録として効能・効果で併用について述べられているものをまとめておこうと思います。

糖尿病治療薬の適応

糖尿病治療薬の適応は併用している糖尿病薬に制限が記載されているものがいくつか存在します。
これを守らないと保険が通らないとは限りませんが、個別指導等で指摘される可能性はあります。

ビグアナイド剤

メトホルミン(商品名:グリコラン/メトグルコ)

2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用

ブホルミン(商品名:ジベトス)

インスリン非依存型糖尿病
(ただし、SU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合に限る。)

グリニド系

ナテグリニド(商品名:スターシス/ファスティック)

2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

  1. 食事療法・運動療法のみ
  2. 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
  3. 食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  4. 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

レパグリニド(商品名:シュアポスト)

2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

  1. 食事療法・運動療法のみ
  2. 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
  3. 食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  4. 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

ミチグリニド(商品名:グルファスト)

2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし,下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

  1. 食事療法・運動療法のみ
  2. 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
  3. 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

αグルコシダーゼ阻害剤

ミグリトール(商品名:セイブル)

糖尿病の食後過血糖の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)

チアゾリジン系

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)

2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。

  1. 食事療法、運動療法のみ
  2. 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
  3. 食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
  4. 食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  5. 食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用

DPP4阻害剤

シダグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る
食事療法、運動療法のみ
食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用

アログリプチン(商品名:ネシーナ)
2 型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
1食事療法、運動療法のみ
2食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
3食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
4食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤を使用
5食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用

テネリグリプチン(商品名:テネリア)
2型糖尿病
ただし,下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る.
(1)食事療法,運動療法のみ
(2)食事療法,運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤を使用
(3)食事療法,運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

アナグリプチン(商品名:スイニー)
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る
食事療法、運動療法のみ
食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

DPP4阻害剤の適応(効能・効果)はすべて「2型糖尿病」に変更されています。

GLP-1受容体作動薬

リラグルチド注(ビクトーザ)

2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

  1. 食事療法、運動療法のみ
  2. 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用

2型糖尿病」に変更されています

エキセナチド注(商品名:バイエッタ、ビデュリオン)

2型糖尿病
ただし、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤ビグアナイド系薬剤又はチアゾリジン系薬剤との併用を含む)を使用しても十分な効果が得られない場合に限る。

リキシセナチド注(商品名:リキスミア)、デュラグルチド注(商品名:トルリシティ)、セマグルチド注(商品名:オゼンピック)

2型糖尿病

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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