ランタスXR、トルリシティ~薬食審第一部会で効果持続型のインスリン注射の承認が了承

平成27年6月5日、厚生労働省の薬食審医薬品第一部会で複数の新薬の承認が了承されました。
その中で、ランタスXR、トルリシティという二つの糖尿病注射薬の名前があがっています。

今回、審議された新薬は、

  • ザイヤフレックス注射用(一般名:クロストリジウムヒストリチクス菌由来のコラゲナーゼ):旭化成ファーマ、効能・効果は「触知可能な拘縮索を有するデュピュイトラン拘縮」
  • ランタスXR注ソロスター(一般名:インスリングラルギン遺伝子組換え):サノフィ、効能・効果「インスリン療法が適応となる糖尿病」
  • トルリシティ皮下注0.75mgアテオス(一般名:デュラグルチド遺伝子組換え):日本イーライリリー、効能・効果「2型糖尿病」
  • ストレンジック皮下注12mg/0.3mL、ストレンジック皮下注18mg/0.45mL、ストレンジック皮下注28mg/0.7mL、ストレンジック皮下注40mg/1mL、ストレンジック皮下注80mg/0.8mL(一般名:アスホターゼアルファ遺伝子組換え):アレクシオンファーマ、効能・効果「低ホスファターゼ症」

新たに適応が拡大されたものとして、

  • リバロ錠1mg、リバロ錠2mg、リバロOD錠1mg、リバロOD錠2mg(一般名:ピタバスタチンカルシウム水和物):興和、効能・効果「家族性高コレステロール血症」の小児適応追加
  • エムラクリーム(一般名:リドカイン/プロピトカイン):佐藤製薬、効能・効果「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」の小児適応追加
  • ボトックス注用50単位、ボトックス注用100単位(一般名:A型ボツリヌス毒素):グラクソ・スミスクライン、効能・効果「斜視」追加
  • ラジカット注30mg、ラジカット点滴静注バッグ30mg(一般名:エダラボン):田辺三菱製薬、効能・効果「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」追加

また、報告品目として、
アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、アイリーア硝子体内注射用キット40mg/mL(一般名:アフリベルセプト遺伝子組換え):バイエル薬品、「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」の効能・効果を追加
これはもともとの適応の「網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」から「中心」が削除されたものです。

ランタスXR注ソロスター

ランタス「XR」の登場です。
海外ではToujeoという名前で承認されています。

XRとはeXtended Releaseの略で「徐放性」を意味します。
持効型インスリンであるランタスの特徴をさらに強めた製剤と言えます。
いわばスーパーランタスですね。

ランタスXRの特徴

ランタスXRはランタスと同等の血糖降下作用を持ちながら、夜間低血糖および24時間低血糖の発現率が低く、体重増加も小さいということが確認されています。

ランタスの主成分であるインスリングラルギンは、皮下注されるとpHの変化により、微細な沈殿物を形成します。
これが徐々に溶けていくことで、皮下から血中に少しずつ移行していき、結果として、血中のインスリン濃度が一定に保たれることになります。
これにより、持効型と呼ばれる、平坦で一定のインスリン濃度による、ピークを持たない持続的な血糖降下作用を示します。

それでは、ランタスXRでは何が異なるかというと。
ランタスXRは、ランタスのインスリングラルギン濃度が100単位/mLなのに対して、300単位/mLと3倍の濃度で作られている製剤です。
この濃度がポイントで、少ない投与量の注射ですむことに加え、ランタスよりもさらに微細な沈殿物の形成、よりなだらかで長時間に渡る効果につながっているようです。

おそらく、トレシーバフレックスタッチ(一般名:インスリンデグルデク)と同じような位置づけになるのではないかと思います。
ちょうど、バイオシミラーであるインスリングラルギンBS注「リリー」が発売されるので、その対抗の意味合いも強いと思います。

トルリシティ皮下注0.75mgアテオス

国内2剤目となる週1回投与のGLP-1受容体作動薬です。
すでに発売されているビデュリオンと同様に、シリンジにあらかじめ注射液が充填されているペン型注入器です。
特徴の一つとして、注射針が29ゲージと細いことがあげられます。
ビデュリオンは23ゲージと太かったので、使用する患者さんの苦痛が和らげられるのではないかと期待されますね。

また、リリーの発売するGLP-1作動薬としては、1日2回のバイエッタ皮下注(一般名:エキセナチド遺伝子組換え)に続き、2剤目、2成分目となります。

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