不妊治療(PCOS治療)にメトホルミンやピオグリタゾン?

久しぶりの更新です。
不妊治療にメトホルミン(商品名:メトグルコ、グルコバイ、メルビン)を使用するケースがあるという話を耳にしたので調べてみました。

不妊の原因の中でも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に用いるようです。

PCOSって?

ここで、PCOSについて詳しくまとめると。

卵巣の多嚢胞性腫大とともに、無排卵に基づく月経異常と不妊を訴え、多毛や肥満を伴う症候群。英語でPolycystic ovary syndromeと言うので、略して「PCOS」と呼ぶ。症候群(syndrome)を抜かしてPCO、あるいは多嚢胞性卵巣と呼ぶこともある。
所見としては卵巣の嚢胞状腫大白膜の肥厚が起こる。卵巣内に10ミリ以下の発育を停止した小卵胞がたくさん存在することによって、卵巣が膨れ上がり正常の倍以上の大きさになることも珍しない。(1卵巣あたり10〜100個の卵胞)
また、コラーゲン線維の沈着によって白膜が肥厚して硬化してしまう。通常、卵巣の白膜は0.1mm程度の厚さしかないが、多嚢胞性卵巣では0.15mmを超え、ときには0.5〜0.8mmに達するケースもある。
超音波診断では卵巣内に多数の中小の卵胞が、真珠のネックレスのように繋がっているかのように見えるのが特徴。

要は卵子の発育が不十分になるうえに、卵巣が硬化することで、排卵も起こりにくくなるって感じでしょうか?

PCOSにはインスリン抵抗性が関与?

PCOSにはインスリン抵抗性の関与が知られているようです。
インスリン抵抗性が増した結果、血中インスリン値が高くなり、LH高値となり、アンドロゲン分泌が過剰となります。アンドロゲンは、アロマターゼによりエストロゲンになる。
しかし、卵胞発育の初期には、FSH分泌を上昇させるため、卵胞が発育していくが、アロマターゼ発現が抑制されます。
結果、継続的な卵胞成長に必要なエストロゲンが産生されず、高アンドロゲンの状態となり、卵胞発育が閉鎖傾向となります。これが繰り返されることで、小卵胞が増加し、莢膜細胞の肥厚化により、多のう胞卵巣、未破裂卵胞が形成されると考えられます。

そこで、インスリン抵抗性を改善する目的でメトホルミン、加えてピオグリタゾン(商品名:アクトス)を服用することがあるというわけ。
肥満女性にPCOSが多いことが知られている(肥満がアンドロゲンの過剰産生を促す)けど、肥満でインスリン抵抗性と言えば、メトホルミンやピオグリタゾンなんで、そういう意味でもぴったりですね。

ちなみに、メトホルミンは催奇形性と乳酸アシドーシスの増加、ピオグリタゾンはラットにおける母体ならびに退治の脂肪率増加により妊娠中は禁忌となっています。
ですが、不妊治療を行なっているのであれば、妊娠が診断される時期は早いでしょうし、その時点で服用を中止すれば問題ないんでしょうね。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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