2019年3月25日、ビムパット®の新剤形、ビムパット点滴静注200mgが発売されました。
これでビムパットは錠剤(ビムパット錠50mg・100mg)、DS(ビムパットドライシロップ10%、2019年3月11日に発売されたばかり)、点滴静注と3つの剤形を持つようになります。
ただし、今回発売されたビムパット点滴静注は他の剤形と単純に使い分けるものではなく、あくまでも、「発作などで一時的に服用が難しくなった場合」に使用されるものです。
ビムパット点滴静注の基本情報
- 抗てんかん剤「ビムパット®点滴静注200mg」新発売のお知らせ
- 抗てんかん剤「ビムパット®点滴静注200mg」新発売のお知らせ
- ビムパット点滴静注200mg 添付文書
- ビムパット点滴静注200mg インタビューフォーム
- ビムパット錠 50mg、ビムパット錠 100mg、ビムパットドライシロップ 10%、ビムパット点滴静注200mgに係る医薬品リスク管理計画書(RMP)の概要
- ビムパット錠 50mg、ビムパット錠 100mg、ビムパットドライシロップ 10%、ビムパット点滴静注200mgに係る医薬品リスク管理計画書
- 医薬品名と薬価
- ビムパット点滴静注200mg:4252円/瓶
- 成分名:ラコサミド
- 効能・効果:一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法
てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) - 用法・用量:
- ラコサミドの経口投与から本剤に切り替える場合:通常、ラコサミド経口投与と同じ1日用量及び投与回数にて、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。
- ラコサミドの経口投与に先立ち本剤を投与する場合:
- 成人:通常、成人にはラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。
- 小児:通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけ て1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。
- いずれの場合においても、症状により適宜増減できるが、1日 最高投与量及び増量方法は以下のとおりとすること。
- 成人:成人では1日最高投与量は400mgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として100mg以下ずつ行う。
- 小児:4歳以上の小児のうち体重30kg未満の小児では1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児では1日8mg/kgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行う。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ1日最高投与量及び増量方法とすること。
点滴静注はあくまでも代替療法
効能・効果にも記載されていますが、ビムパット点滴静注はビムパット錠・ビムパットドライシロップの代替療法に限られています。
添付文書には経口投与が可能になった時点で速やかに経口製剤に切り替えるように記載されています。
《用法・用量に関連する使用上の注意》
5.経口投与が可能になった場合は速やかにラコサミド経口製剤に切り替えること。[国内外の臨床試験において、5日間を超えた点滴静脈内投与の使用経験はない。] 引用元:ビムパット点滴静注 添付文書
用法・用量は経口製剤と同じ
ビムパット点滴静注とビムパット錠の用法・用量を比較するとほぼ同じになっています。
(ビムパット点滴静注の用法・用量は「ラコサミドの経口投与に先立ち本剤を投与する場合」
年齢 | 剤形 | 用法・用量 |
---|---|---|
成人 | 錠剤 | 通常、成人にはラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日400mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として100mg以下ずつ行うこと。 |
点滴静注 | 通常、成人にはラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。 1日最高投与量は400mgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として100mg以下ずつ行う。 | |
小児 | 錠剤 | 通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により体重30kg未満の小児には1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日8mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。 |
点滴静注 | 小児:通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけ て1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。 4歳以上の小児のうち体重30kg未満の小児では1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児では1日8mg/kgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行う。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ1日最高投与量及び増量方法とすること。 |
点滴静注の方がバイオアベイラビリティがいいはずなのに・・・と思い込んでいましたが、ラコサミドのバイオアベイラビリティは非常に優れているんですね。
VII.薬物動態に関する項目
2.薬物速度論的パラメータ
(3)バイオアベイラビリティ
ラコサミドは経口投与後速やかに完全に吸収され、初回通過効果はごくわずかであり、経口バイオアベイラビリティは約100%と高く、食事の影響は受けない。
引用元:ビムパット錠 インタビューフォーム
ドライシロップも数日前に登場
ちなみに、ビムパット錠の小児用量は2019年1月8日に追加されたばかりで、ビムパットドライシロップは2019年3月11日に発売されたばかりです。