居宅療養管理指導費に関するQ&Aについて〜平成30年度介護報酬改定

4月を過ぎ、平成30年度の調剤報酬改定への対応もすっかり終わったところと思います。
今回の改定では介護報酬の改定も同時に行われました。
在宅を行なっている薬局は、こちらへの対応にも追われたことと思います。
今回は介護報酬版の疑義解釈とも言えるQ&Aのうち、居宅療養管理指導費に関する部分についてまとめました。
結論から言うと、「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」を算定する予定のない薬局にとっては、理解している内容の確認だけで、特に新しい内容ではないかもしれません。

居宅療養管理指導費のH30年度改定に関する記事です。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A

Vol.1(平成30年3月23日公開)の薬局関連部分

まずは、平成30年3月23日に公開されている30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)のうち、薬局に関連する内容です。

2回に分けて訪問指導を行った場合の考え方

4:以下のような場合は、「単一建物居住者」複数人に対して行う場合の居宅療養管理指導費を算定するのか。
1. 利用者の都合等により、単一建物居住者複数人に対して行う場合であっても、2回に分けて居宅療養管理指導を行わなければならない場合
2. 同じマンションに、同一月に同じ居宅療養管理指導事業所の別の医師がそれぞれ別の利用者に居宅療養管理指導を行った場合

いずれの利用者に対しても「単一建物居住者」複数人に対して行う場合の居宅療養管理指導を算定する。※平成30年10月1日以降、平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問50は削除する。
単一建物居住者についての考え方

居宅療養管理指導における今回の改定で一番大きかったのが「同一建物居住者」から「単一建物居住者」への考え方の変更です。
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(厚生労働省告示第七十八号)の18〜19ページにその考え方が記載されています。

注1 在宅の利用者であって通院が困難なものに対して、指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、医師又は歯科医師の指示(薬局の薬剤師にあっては、医師又は歯科医師の指示に基づき、当該薬剤師が策定した薬学的管理指導計画)に基づき、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導を行い、介護支援専門員に対する居宅サービス計画の策定等に必要な情報提供を行った場合に、単一建物居住者(当該利用者が居住する建物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、同一月に指定居宅療養管理指導を行っているものをいう。)の人数に従い、1月に2回(薬局の薬剤師にあっては、4回)を限度として、所定単位数を算定する。ただし、薬局の薬剤師にあっては、別に厚生労働大臣が定める者に対して、当該利用者を訪問し、薬学的な管理指導等を行った場合は、1週に2回、かつ、1月に8回を限度として、所定単位数を算定する。

下線部の通り、単一建物居住者の人数は事業所単位・月単位で考えます。

  1. 利用者の都合で2回に分けて訪問を行なっても
  2. 同じ薬局(事業所)内の別の薬剤師が訪問を行っても(Q&Aでは医師ですが)

ということで、「単一建物居住者」複数人に対して行う場合の居宅療養管理指導を算定するのは当然ですね。

参考:平成24年Q&A(vol.1)問50

念のため、平成30年10月1日以降に削除される「平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問50」を転載しておきます。

平成30年10月1日以降削除:平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問50(クリックで展開)
50 以下のような場合は、「同一建物居住者」の居宅療養管理指導費を算定するのか。
1 利用者の都合等により、同一建物居住者であっても、午前と午後の2回に分けて居宅療養管理指導を行わなければならない場合
2 同一世帯の利用者に同一日に居宅療養管理指導を行った場合
3 同じマンションに、同一日に同じ居宅療養管理指導事業所の別の医師
がそれぞれ別の利用者に居宅療養管理指導を行った場合
(答)いずれの利用者に対しても「同一建物居住者」の居宅療養管理指導費を算定する。

同じ建物に居住する要介護者と要支援者へ訪問指導を行った場合

5:同一月に、同一の集合住宅等に居住する2人の利用者に対し、居宅療養管理指導事業所の医師が訪問し、居宅療養管理指導を行う際に、1人が要介護者で、もう1人が要支援者である場合は、単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合の居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定するのか。
(答)要介護者は単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合の居宅療養管理指導費を、要支援者は単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合の介護予防居宅療養管理指導費を算定する。なお、他の職種についても同様の取扱いとなる。
※ 平成30年10月1日以降、平成24年Q&A(vol.2)(平成24年4月25日)問5は削除する。
単一建物居住者の人数は要介護・要支援合わせて考える

居宅療養管理指導費を算定している方はよくご存知かと思いますが、利用者の方の介護認定によって居宅療養管理指導費の名称が異なります。(点数や算定要件は全く同じです)

  • 要介護1〜5:居宅療養管理指導費
  • 要支援1〜2:介護予防居宅療養管理指導費

名称が異なるということは請求上別のものになるのですが、単一建物居住者の考え方としては両方を合わせて考えるということになります。

参考:平成24年Q&A(vol.2)問5

念のため、平成30年10月1日以降に削除される「平成24年Q&A(vol.3)(平成24年4月25日)問5」(vol.2と記載されていますがvol.3の間違いですね)も転載しておきます。

平成30年10月1日以降削除:平成24年Q&A(vol.3)(平成24年4月25日)問5(クリックで展開)
5:同一日に、同一の集合住宅等に居住する2人の利用者に対し、居宅療養管理指導事業所の医師が訪問し、居宅療養管理指導を行う際に、1 人が要介護者で、もう 1 人が要支援者である場合は、同一建物居住者の居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定するのか。
要介護者は同一建物居住者に係る居宅療養管理指導費を、要支援者は同一建物居住者に係る介護予防居宅療養管理指導費を算定する。
なお、他の職種についても同様の取扱いとなる。

ケアマネージャーへの報告

6:医師、歯科医師又は薬剤師又による居宅療養管理指導について、介護支援専門員への情報提供が必ず必要になったが、月に複数回の居宅療養管理指導を行う場合であっても、毎回情報提供を行わなければ算定できないのか。
6:毎回行うことが必要である。
なお、医学的観点から、利用者の状態に変化がなければ、変化がないことを情報提供することや、利用者や家族に対して往診時に行った指導・助言の内容を情報提供することでよい。
※平成30年10月1日以降、平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問54は削除する。
訪問指導の度にケアマネへの情報提供が必要

これは今までも当然行われていると思うのですが、ケアマネージャー(介護支援専門員)への情報提供は月に1回と決まっているわけではなく、訪問指導を行う度に必要です。

参考:平成24年Q&A(vol.1)問54

念のため、平成30年10月1日以降に削除される「平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問54」も転載しておきます。

平成30年10月1日以降削除:平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問54(クリックで展開)
54:医師、歯科医師、薬剤師又は看護職員による居宅療養管理指導について、介護支援専門員への情報提供が必ず必要になったが、月に複数回の居宅療養管理指導を行う場合であっても、毎回情報提供を行わなければ算定できないのか。
(答)毎回行うことが必要である。 なお、医学的観点から、利用者の状態に変化がなければ、変化がないことを情報提供することや、利用者や家族に対して往診時に行った指導・助言の内容を情報提供することでよい。

単一建物居住者の根拠となる住所と居住場所の考え方

7:住民票の住所と実際の居住場所が異なる場合は、実際の居住場所で「単一建物居住者」の人数を判断してよいか。
実際の居住場所で判断する。
※平成30年10月1日以降、平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問52は削除する。
実際に住んでいる場所で単一建物居住の人数を考える

介護施設などに入所している場合、住民票の住所は元の場所に残していることが多いと思います。
この場合、実際の訪問場所と住民票の住所が異なりますが、単一建物居住の人数はあくまでも訪問した場所で考えるということですね。
効率的な訪問を行う場合に単位(点数)を下げているのですから当然ですよね。

参考:平成24年Q&A(vol.1)問52

念のため、平成30年10月1日以降に削除される「平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問52」も転載しておきます。

平成30年10月1日以降削除:平成24年Q&A(vol.1)(平成24年3月16日)問52(クリックで展開)
52:住民票の住所と実際の居住場所が異なる場合は、実際の居住場所で「同一建物居住者」として判断してよいか。
実際の居住場所で判断する。

地域加算に関する届出

8:居宅療養管理指導において、「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」を創設するにあたり、他の訪問系サービスと同様に、通常の事業の実施地域を運営基準に基づく運営規程に定めることを指定(介護予防)居宅療養管理指導事業所に求めることを受けて、運営規程の変更として、当該変更に係る事項について当該指定(介護予防)居宅療養管理指導事業所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならないのか。
運営規程に定める通常の事業の実施地域について、都道府県知事に届け出る必要はないが、一旦運営規程に定めた実施地域を変更する場合は、届け出る必要がある。
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

今回の改定では、介護報酬独自の加算として、地域に応じた各種加算が追加されています。

  • 特別地域居宅療養管理指導加算
  • 中山間地域等における小規模事業所加算
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

この中の「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」は、「特別地域、中山間地域等(特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算の対象地域対象地域)に居住している利用者に対し、通常の事業の実施地域を越えて居宅 サービスを行うことを評価するもの」で「単位数の100分の5を加算」することができます。
この点数を算定するためには予め「通常の事業の実施地域」を定めておく必要があります。

実施地域の届出は変更時のみ必要

「通常の事業の実施地域」を運営規程に定める時点では特に報告は必要ないようですが、その内容を変更する場合には届出が必要となるようですね。

Vol.3(平成30年4月13日公開)

続いて、平成30年4月13日に公開されている平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)の内容です。
薬局には直接該当する内容ではないのですが、訪問診療を行う医師や歯科医師に関する内容なのでまとめています。
Vol.2(平成30年3月28日公開)には薬局該当部分が見当たりませんでしたので省略しています。

訪問診療と居宅療養管理指導が混在する場合(薬局非該当)

1:医師の居宅療養管理指導において、同じ建築物に居住する2人に対して、同一月中に2人に訪問診療を行う場合であって、1人は当該月に訪問診療のみを行い、もう1人は当該月に訪問診療と居宅療養管理指導を行う場合に、居宅療養管理指導については、どの単位数を算定することとなるのか。
単一建物居住者1人に対して行う場合の単位数を算定する。なお、歯科医師による居宅療養管理指導についても同様の取扱いとなる。
※ 平成30年4月13日以降、平成24年Q&A(vol.2)(平成24年3月30日)問5は削除する。
訪問診療と居宅療養管理指導の人数は分けて考える

ここでいう訪問診療とは「在宅患者訪問診療料」を指しており、医療保険における訪問指導を指します。
ですので、医療保険と介護保険が混在する場合はそれぞれ別に考えていいということになるのだと思いますが、これをそのまま薬局(在宅患者訪問薬剤管理指導料と居宅療養管理指導費)に当てはめていいのかは難しいと思います。
保険薬局の薬剤師による居宅療養管理指導費は医療保険における在宅患者訪問薬剤管理指導料に置き換わるもの(医療と介護の給付調整による)なのですが、医師や歯科医師による居宅療養管理指導費は在宅患者訪問診療料と同一ではないんですよね・・・。
文章の中でも歯科医師については言及されていますが薬剤師に関する記載はないですよね。

参考:平成24年Q&A(vol.2)問5

念のため、平成30年10月1日以降に削除される「平成24年Q&A(vol.2)(平成24年3月30日)問5」も転載しておきます。

平成30年10月1日以降削除:平成24年Q&A(vol.2)(平成24年3月30日)問5(クリックで展開)
5:医師の居宅療養管理指導において、同一の集合住宅等に居住する複数の利用者に対して、同一日に2人に訪問診療を行う場合であって、1人は訪問診療のみを行い、もう1人は訪問診療と居宅療養管理指導を行う場合に、居宅療養管理指導については、同一建物居住者以外の単位数を算定することとなるのか。
同一建物居住者以外の単位数を算定する。なお、歯科医師による居宅療養管理指導についても同様の取扱いとなる。

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