調剤基本料(2020年4月〜2022年3月)

調剤基本料(令和2年4月〜令和4年3月)についてまとめます。
この記事での調剤基本料は以下に示す内容です。

  • 調剤基本料1
  • 調剤基本料2
  • 調剤基本料3 イ
  • 調剤基本料3 ロ
  • 調剤基本料の注1(調剤基本料1の特例)
  • 調剤基本料の注2(特別調剤基本料)
  • 調剤基本料の注3(複数受付時の減算)
  • 調剤基本料の注4(未妥結減算、かかりつけ減算)

2020年度の改定内容はもとより、一つ一つの算定要件や施設基準、その根拠となる通知を整理しています。

調剤基本料の加算についてまとめた記事はこちらです。

地域支援体制加算(2020年4月〜2022年3月)

後発医薬品調剤体制加算と後発医薬品に係る減算(2020年4月〜2022年3月)

2020年度の調剤報酬改定全体についてまとめている記事はこちらです。

令和2年(2020年)調剤報酬改定のまとめとわかりやすい解説

目次

調剤基本料 2020年度調剤報酬改定

  • 調剤基本料1(42点)
    • 調剤基本料2・3イ・3ロ、注2(特別調剤基本料)のいずれにも該当しない場合
  • 調剤基本料2(26点)
    • 集中率に基づくもの
      • 処方箋受付回数 月4,000回超かつ集中率70%超
      • 処方箋受付回数 月2,000回超かつ集中率85%超
      • 処方箋受付回数 月1,800回超かつ集中率95%超追加
    • 特定の医療機関の受付回数に基づくもの
      • 特定の保険医療機関の処方箋受付回数 月4,000回超(同一建物内の医療機関は合算)
      • 同一グループ内で集中率が最も高い医療機関が同じ場合はその合計受付回数が月4,000回超
  • 調剤基本料3 イ(21点)
    • グループ受付回数 月3万5千回超4万回以下かつ集中率95%超追加
    • グループ受付回数 月4万回超40万回以下かつ集中率85%超
    • グループ受付回数 月3万5千回超40万回以下かつ特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引あり(4万回→3万5千回に拡大
  • 調剤基本料3 ロ(16点): グループ受付回数40万回超
    • 集中率85%超
    • 特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引あり

(変更部分は赤字にしています)

  • 注2(特別調剤基本料)(9点
    • 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、当該保険医療機関の処方箋処方箋集中率が70%を超えるもの。(診療所と同じ建物に薬局がある場合を除く)病院→診療所を含む保険医療機関に拡大、95%→70%に拡大
    • 調剤基本料の届出を行っていない薬局
  • 注3(複数の医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合):受付回数が2回目以降に該当する処方箋の調剤基本料を20%減算
  • 注4(未妥結減算):調剤基本料を50%減算
    • 妥結率が5割以下
    • 取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない
  • 注4(かかりつけ減算):調剤基本料を50%減算
    • かかりつけ機能に係る業務が年間10回未満(特別調剤基本料を算定している薬局は100回未満)

(変更部分は赤字にしています)

5:地域支援体制加算
6:後発医薬品調剤体制加算
7:後発医薬品に係る減算
8:長期投与の分割調剤に係る調剤基本料
9:後発医薬品の分割調剤(お試し調剤)に係る調剤基本料
10:医師の指示による分割調剤に係る調剤基本料
※これらについては別記事にまとめています

H30年度改定と比較してR2年度改定では調剤基本料2、調剤基本料3 イの範囲が拡大特別調剤基本料の範囲が診療所に拡大調剤基本料2、調剤基本料3 イの範囲が拡大されています。
また、複数の処方箋を同時に受け付けた場合の調剤基本料の減算が追加されています。

子ぺんぎん(ジェンツー)
毎度お馴染みのフローチャートにまとめてみたよ!
ぺんぎん薬剤師
改定ごとにどんどん複雑になってるな・・・。

調剤基本料に関する通知

ここからは調剤基本料に関連する通知を各項目ごとに整理しながら解説していきます。

調剤基本料の概要

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)

 における調剤基本料(各種加算等含む)の内容です。
いわば、基本となる情報ですね。

第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 調剤基本料1 42点
  • 調剤基本料2 26点
  • 調剤基本料3
    • イ 同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業場、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下この表において同じ。)による処方箋受付回数3万5千回を超え40万回以下の場合 21点
    • ウ 同一グループの保険薬局による処方箋受付回数40万回を超える場合 16点
  • 注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、処方箋の受付1回につき、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、本文の規定にかかわらず、調剤基本料1により算定する。
  • 2 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、注1本文の規定にかかわらず、特別調剤基本料として、処方箋の受付1回につき9点を算定する。
  • 3 複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合において、当該処方箋のうち、受付が2回目以降の調剤基本料は、処方箋の受付1回につき所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。
  • 4 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1〜2

実際には注1〜10までのただし書が記載されていますが、以下の通り今回の記事(調剤基本料)に関連するものだけ記載しています。

  • 注1:調剤基本料1の特例
  • 注2:特別調剤基本料
  • 注3:複数受付時の調剤基本料減算
  • 注4:未妥結・かかりつけ機能を発揮していない薬局の減算

調剤基本料の施設基準における受付回数の考え方

この記事では調剤基本料の施設基準についてまとめていきますが、先にその中で必要となる受付回数についての考え方について整理しておきます。
(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)に以下のように記載されています。
(2020年度改定で新たに加わった部分は赤字にしています)

第88 調剤基本料
2 調剤基本料の施設基準に関する留意点

  • (1) 処方箋の受付回数
    処方箋の受付回数の計算に当たり、受付回数に数えない処方箋は以下のとおりとする。

    • ア 調剤料の時間外加算、休日加算、深夜加算又はの夜間・休日等加算を算定した処方箋
    • 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は在宅患者緊急時等共同指導料の基となる調剤に係る処方箋ただし、在宅患者訪問薬剤管理指導料の処方箋については、単一建物診療患者が1人の場合は受付回数の計算に含める。
    • ウ 介護保険法に基づく指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表の「5」の居宅療養管理指導費のハの(2)又は指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第127号)別表の「5」の介護予防居宅療養管理指導費のハの(2)の基となる調剤に係る処方箋ただし、単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。
  • (2) 処方箋の受付回数及び特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数が、調剤基本料の施設基準に該当するか否かの取扱いについては、処方箋受付回数の合計が、調剤基本料の施設基準で定められている回数に、受付回数を計算した月数を乗じて得た回数を超えるか否かで判定する。
  • (3) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値とする。
  • (4) (3)の計算に当たり、同一グループの保険薬局の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員をいう。)及びその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居又は生計を一にする者をいう。)の処方箋は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数及び当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数のいずれからも除いて計算する。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P248

これまでは在宅関連の管理料(在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費)の基となる処方箋は全て受付回数から除外されていましたが、今回の2020年4月からは単一建物診療患者(単一建物居住者)が1人の場合は受付回数に含めるよう変更になっています。

  • 単一建物診療患者(単一建物居住者)に関する処方箋が受付回数に含まれるようになります。

また、受付回数の計算からは公費単独の処方箋は除外されます。

Q:調剤基本料および後発医薬品調剤体制加算の適用区分の計算にあたっては、健康保険法、国民健康保険法および後期高齢者医療制度に係る処方箋のみ(これらとの公費併用を含む)が対象であると理解してよいか。たとえば、公費単独扱いである生活保護に係る処方箋については、除外して計算するものと理解してよいか。

A:その通り

Q&A(H22年度診療報酬改定)

調剤基本料の施設基準

調剤基本料1、調剤基本料2、調剤基本料3 イ、調剤基本料3 ロ、注2(特別調剤基本料)の施設基準について一つずつ該当する通知を参照しながら解説していきます。

調剤基本料1(変更なし)

調剤基本料1については注1も含めて2020年度改定では特に変更はありません。

調剤基本料1は調剤基本料2、調剤基本料3 イ、調剤基本料3 ロ、注2(特別調剤基本料)に該当しない薬局が算定可能です。
また、注1(調剤基本料の特例)に該当する場合も算定可能です。

調剤基本料1(42点)の施設基準

  • 調剤基本料2、調剤基本料3 イ、調剤基本料3 ロ、注2(特別調剤基本料)のいずれにも該当しない
  • 医療を提供しているが、医療資源の少ない地域に所在しており、以下の条件に該当する薬局(注1)
    1. 一ヶ月の処方箋受付回数が2,500回以下
    2. 所在する中学校区の保健医療機関数が10以下
    3. 所在する中学校区に病床数200床以上の保健医療機関が存在しない

※歯科医療のみを担当するものは含まない
※薬局の処方箋集中率70%を超える医療機関は中学校区外であっても区域内にあるものとして考える

元々は現在の調剤基本料1に該当するものが基本となっていましたが平成26年度〜平成30年度の診療報酬改定で調剤基本料の細分化が進みんだ結果、現在の形となっています。
調剤基本料1を算定する薬局数は平成26年度末に同等のものを算定していたのが97.4%だったのに対して、平成30年度末には84.4%と減少しています。
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12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)

調剤基本料1の施設基準(変更なし)

調剤基本料1の施設基準は以下のように記載されています。

第十五 調剤
一 調剤基本料の施設基準

  • (1) 調剤基本料1の施設基準
    (2)から(4)まで又は二の二の(1)のいずれにも該当しない保険薬局であること。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P126

第88 調剤基本料
1 調剤基本料に関する施設基準

  • (1) 調剤基本料1
    調剤基本料2、調剤基本料3及び特別調剤基本料のいずれにも該当しない保険薬局であること。なお、調剤基本料の「注1」のただし書きの施設基準に該当する保険薬局(「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局)は、以下の(2)から(5)の基準にかかわらず調剤基本料1となる

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P246〜247

ちなみに青マーカーをつけているのがこの後まとめる調剤基本料の特例(注1)に該当する内容です。

調剤基本料の注1(調剤基本料の特例)(変更なし)

別表第3(調剤点数表)には以下のように記載されています。

第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、処方箋の受付1回につき、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、本文の規定にかかわらず、調剤基本料1により算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1〜2

医療資源が乏しい地域に所在し、受付回数が月に2,500回以下の薬局については、調剤基本料1の施設基準を満たしていない場合でも特例として調剤基本料1を算定できます。

調剤基本料の注1(医療資源の少ない地域に所在する保険薬局)の施設基準(変更なし)

調剤基本料の注1の施設基準は以下のように記載されています。

第十五 調剤
二 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準

  • (1) 基本診療料の施設基準等の別表第六の二に規定する地域に所在すること。
  • (2) 当該保険薬局が所在する特定の区域内における保険医療機関(歯科医療のみを担当するものを除く。)について、許可病床数が二百床未満であり、その数が十以下であること。ただし、当該保険薬局において、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超える場合については、当該保険医療機関は、当該特定の区域内に所在するものとみなす
  • (3) 処方箋受付回数が一月に二千五百回を超えないこと。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P129

第89 調剤基本料の注1 ただし書に規定する施設基準
(処方箋集中率等の状況によらず例外的に調剤基本料1を算定することができる保険薬局)
1 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準

  • (1) 対象となるのは、基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号)の別添3の別紙2の「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局であること。
  • (2) 「特定の区域内」とは、原則として、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第5条第2項に基づき、就学すべき中学校の指定をする際の判断基準として、市(特別区を含む。)町村の教育委員会があらかじめ設定した区域(以下「中学校区」という。)とする。ただし、当該保険薬局の所在する中学校区外に所在する保険医療機関であっても、当該保険薬局における当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が70%を超える場合には、当該保険医療機関は特定の区域内にあるものとみなす。
  • (3) 「特定の区域内における保険医療機関」の数には、歯科医療のみを担当する保険医療機関を含めず、医科歯科併設の保険医療機関は含める
  • (4) 処方箋の受付回数が1月に2,500回を超えるか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P250

オレンジのマーカー

は医療資源の少ない地域の定義、青のマーカーは薬局の所在する地域の条件、緑のマーカーは受付回数の条件です。

調剤基本料の特例(注1)の対象となる条件(変更なし)

少しややこしいので簡単にまとめます。
(「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」についてはこの後に詳しくまとめます。)

「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在しており、以下の条件に該当する薬局

  1. 一ヶ月の処方箋受付回数が2,500回以下
  2. 所在する中学校区の保健医療機関数が10以下
  3. 所在する中学校区に病床数200床以上の保健医療機関が存在しない

※歯科医療のみを担当するものは含まない
※薬局の処方箋集中率70%を超える医療機関は中学校区外であっても区域内にあるものとして考える

前回改定の際に公開された厚生労働省の資料がわかりやすいので掲載しておきます。
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平成30年度診療報酬改定の概要(調剤)の77ページ

調剤基本料の特例(注1)の対象となる地域(変更あり)

施設基準の文中でオレンジのマーカーをつけたのが調剤基本料の特例の対象となる可能性のある医療資源の乏しい地域です。
(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)には「基本診療料の施設基準等の別表第六の二に規定する地域」、(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)には「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号)の別添3の別紙2の「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」」と記載されていますが、どちらも同じ地域を意味します。

まずは「(3) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件の別表第六の二に規定する地域」です。

別表第六の二 厚生労働大臣が定める地域

  • 一 北海道江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町及び奥尻町の地域
  • 二 北海道日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町及び新ひだか町の地域
  • 三 北海道稚内市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町及び幌延町の地域
  • 北海道帯広市、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町及び浦幌町の地域
  • 五 北海道根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の地域
  • 六 青森県五所川原市、つがる市、鰺ヶ沢町、深浦町、鶴田町及び中泊町の地域
  • 七 青森県むつ市、大間町、東通村、風間浦村及び佐井村の地域
  • 八 岩手県花巻市、北上市、遠野市及び西和賀町の地域
  • 九 岩手県大船渡市、陸前高田市及び住田町の地域
  • 十 岩手県宮古市、山田町、岩泉町及び田野畑村の地域
  • 十一 岩手県久慈市、普代村、野田村及び洋野町の地域
  • 十二 秋田県北秋田市及び上小阿仁村の地域
  • 十三 秋田県大仙市、仙北市及び美郷町の地域
  • 十四 秋田県湯沢市、羽後町及び東成瀬村の地域
  • 十五 山形県新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村及び戸沢村の地域
  • 十六 東京都大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村及び小笠原村の地域
  • 十七 新潟県十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町及び津南町の地域
  • 十八 新潟県佐渡市の地域
  • 十九 福井県大野市及び勝山市の地域
  • 二十 山梨県市川三郷町、早川町、身延町、南部町及び富士川町の地域
  • 二十一 長野県木曽郡の地域
  • 二十二 長野県大町市及び北安曇野郡の地域
  • 二十三 岐阜県高山市、飛騨市、下呂市及び白川町の地域
  • 二十四 愛知県新城市、設楽町、東栄町及び豊根村の地域
  • 二十五 滋賀県長浜市及び米原市の地域
  • 二十六 滋賀県高島市の地域
  • 二十七 兵庫県豊岡市、養父市、朝来市、香美町及び新温泉町の地域
  • 二十八 奈良県五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村及び東吉野村の地域
  • 二十九 島根県雲南市、奥出雲町及び飯南町の地域
  • 三十 島根県大田市及び邑智郡の地域
  • 三十一 島根県海士町、西ノ島町、知夫村及び隠岐の島町の地域
  • 三十二 香川県小豆郡の地域
  • 三十三 長崎県五島市の地域
  • 三十四 長崎県小値賀町及び新上五島町の地域
  • 三十五 長崎県壱岐市の地域
  • 三十六 長崎県対馬市の地域
  • 三十七 鹿児島県西之表市及び熊毛郡の地域
  • 三十八 鹿児島県奄美市及び大島郡の地域
  • 三十九 沖縄県宮古島市及び多良間村の地域
  • 四十 沖縄県石垣市、竹富町及び与那国町の地域

上記のほか、離島振興法第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域、奄美群島振興開発特別措置法第一条に規定する奄美群島の地域、小笠原諸島振興開発特別措置法第四条第一項に規定する小笠原諸島の地域及び沖縄振興特別措置法第三条第三号に規定する 離島の地域に該当する地域

(3) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年厚生労働省告示第58号) P204〜207

赤字

の部分は平成30年度改定((3) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(平成30年 厚生労働省告示第44号))と比較して追加になった部分です。
さらに、以下の地域については今回の改定で削除されています。

令和2年度改定で削除

  • 北海道留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、 遠別町、天塩町の地域
  • 岩手県久慈市、普代村、野田村、洋野町の地域
  • 福島県下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町
の地域
  • 石川県輪島市、珠洲市、穴水町、能登町
の地域
  • 長野県中野市、飯山市、下高井郡(山ノ内町、木島平村、野沢温泉村)、下水内郡(栄村)の地域
  • 高知県須崎市、中土佐町、檮原町、津野町、四万十町の地域
  • 熊本県阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、西原村、 南阿蘇村の地域

※令和2年3月31日時点で調剤基本料の注1の届出を行っている場合は令和4年3月31日までは別表第6の2に規定する地域に所在するものとみなす

次に(3) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号)の別添3の別紙2の「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」。

別紙2
医療を提供しているが、医療資源の少ない地域

都道府県二次医療圏市町村
北海道南檜山江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町
日高日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、
新ひだか町
宗谷稚内市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、
礼文町、利尻町、利尻富士町、幌延町
十勝帯広市、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、
清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、
池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町、浦幌町
根室根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町
青森県西北五地域五所川原市、つがる市、鯵ヶ沢町、深浦町、鶴田町、中泊町
下北地域むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村
岩手県岩手中部花巻市、北上市、遠野市、西和賀町
気仙大船渡市、陸前高田市、住田町
宮古宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村
久慈久慈市、普代村、野田村、洋野町
秋田県北秋田北秋田市、上小阿仁村
大仙・仙北大仙市、仙北市、美郷町
湯沢・雄勝湯沢市、羽後町、東成瀬村
山形県最上新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、
鮭川村、戸沢村
東京都島しょ大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、
八丈町、青ヶ島村、小笠原村
新潟県魚沼十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、津南町
佐渡佐渡市
福井県奥越大野市、勝山市
山梨県峡南市川三郷町、早川町、身延町、南部町、富士川町
長野県木曽木曽郡(上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村、木曽町)
大北大町市、北安曇野郡(池田町、松川村、白馬村、小谷村)
岐阜県飛騨高山市、飛騨市、下呂市、白川町
愛知県東三河北部新城市、設楽町、東栄町、豊根村
滋賀県湖北長浜市、米原市
湖西高島市
奈良県南和五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、
野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
兵庫県但馬豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町
島根県雲南雲南市、奥出雲町、飯南町
大田大田市、邑智郡(川本町、美郷町、邑南町)
隠岐海士町、西ノ島町、知夫村、隠岐の島町
香川県小豆小豆郡(土庄町、小豆島町)
長崎県五島五島市
上五島小値賀町、新上五島町
壱岐壱岐市
対馬対馬市
鹿児島県熊毛西之表市、熊毛郡(中種子町、南種子町、屋久島町)
奄美奄美市、大島郡(大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町、
喜界町、徳之島町、天城町、伊仙町、和泊町、知名町、
与論町)
沖縄県宮古宮古島市、多良間村
八重山石垣市、竹富町、与那国町

上記のほか、離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条第1項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域、奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)第1条に規定する奄美群島の地域、小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)第4条第1項に規定する小笠原諸島の地域及び沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)第3条第三号に規定する離島の地域に該当する地域

(3) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号) P127〜128

赤字

の部分は平成30年度改定((3) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(平成30年3月5日保医発0305第2号))と比較して追加になった部分です。
さらに、以下の地域については今回の改定で削除されています。

令和2年度改定で削除

  • 北海道:留萌(留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、 遠別町、天塩町)
  • 岩手県:久慈(久慈市、普代村、野田村、洋野町 )
  • 福島県:南会津(下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町
)
  • 石川県:能登北部(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町
)
  • 長野県:北信 (中野市、飯山市、下高井郡(山ノ内町、木島平村、野沢温泉村)、下水内郡(栄村) )
  • 高知県:高橋(須崎市、中土佐町、檮原町、津野町、四万十町 )
  • 熊本県:阿蘇(阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、西原村、 南阿蘇村)

※令和2年3月31日時点で調剤基本料の注1の届出を行っている場合は令和4年3月31日までは別表第6の2に規定する地域に所在するものとみなす

地域に関する経過措置

削除されてしまった地域の調剤基本料の注1については以下のとおり経過措置が設けられています。

経過措置について
1 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準(医療資源の少ない地域):令和2年3月31日時点で、調剤基本料の注1ただし書に係る届出を行っている薬局については、令和4年3月31日までの間に限り、改正前の基本診療料の施設基準等別表第6の2に規定する地域に所在するものとみなす。

12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤) P45

「令和4年3月31日まで」ってことは次回改定までは有効っということですね。

疑義解釈(その1)(令和2年3月31日)

【調剤基本料】
問1:注1のただし書きの施設基準(医療を提供しているが、医療資源の少ない地域に所在する保険薬局)及び注2の施設基準(保険医療機関と不動産取引等その他特別な関係を有している保険薬局)のいずれにも該当する場合、調剤基本料1と特別調剤基本料のどちらを算定するのか。
(答):必要な届出を行えば、注1のただし書きに基づき調剤基本料1を算定することができる。

【事務連絡】 (3) 1 疑義解釈資料の送付について(その1)(令和2年3月31日) P81

特別調剤基本料に該当する場合でも調剤基本料の特例の条件を満たしていれば調剤基本料1が算定可能です。

調剤基本料2(変更あり)

調剤基本料2は大型門前薬局を対象とした調剤基本料です。
特定の医療機関からの処方箋の受付割合(集中率)が高く、処方箋の受付回数が一定数を超える薬局では、医薬品の備蓄の効率性が高まり、医療経済実態調査でも損益率が高くなるというデータが示されていることを根拠に調剤基本料が低く設定されています。
2020年4月の改定ではより少ない受付回数を対象とした算定要件が作られました。

調剤基本料2(26点)の施設基準

  • 集中率に基づくもの
    • 処方箋受付回数 月4,000回超かつ集中率70%超
    • 処方箋受付回数 月2,000回超かつ集中率85%超
    • 処方箋受付回数 月1,800回超かつ集中率95%超追加
  • 特定の医療機関の受付回数に基づくもの
    • 特定の保険医療機関の処方箋受付 月4,000回超(同一建物内の医療機関は合算)
    • 同一グループ内で集中率が最も高い医療機関が同じ場合はその合計受付回数 月4,000回超

受付回数 月1,800回超かつ集中率95%超

は思いのほか厳しくない施設基準ですが、次回(2022年度)以降の改定でさらに広がっていくのではないかと予想します。

調剤基本料2の対象となる薬局をグラフでイメージしてみました。過去の変更もわかるように記載しています。

対象をジリジリと広げてきてるなあ・・・。

調剤基本料2の施設基準(変更あり)

調剤基本料2の施設基準は以下のように記載されています。
前回改定から変更・追加された大まかな部分を赤字としています。

第十五 調剤
一 調剤基本料の施設基準

  • (2) 調剤基本料2の施設基準
    次のいずれかに該当する保険薬局((3)、(4)及び二の二のに該当するものを除く。)であること。

    • イ 処方箋の受付回数が一月に四千回を超えること。(特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超える場合に限る。)
    • ロ 処方箋の受付回数が一月に二千回を超えること。(イに該当する場合を除き、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超える場合に限る。)
    • ハ 処方箋の受付回数が一月に千八百回を超えること。(イ又はロに該当する場合を除き、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が九割五分を超える場合に限る。)
    • ニ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(当該保険薬局の所在する建物内に複数の保険医療機関が所在している場合にあっては、当該複数の保険医療機関に係る処方箋の受付回数を全て合算した回数とする。)が一月に四千回を超えること。(イからハまでに該当する 場合を除く。)
    • ホ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)のうち、これに 属する他の保険薬局において、保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が最も高い保険医療機関が同一の場合は、当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が、一月に四千回を超えること。(イからニまでに該当する場合を除く。)

引用元:(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P126〜127

ほぼ同じ内容ではありますが、(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の247ページにはよりわかりやすい表現で書かれています。(今回改定に関する部分はピンクマーカーで印をつけています)

第88 調剤基本料
1 調剤基本料に関する施設基準

  • (2) 調剤基本料2
    次のいずれかに該当する保険薬局であること(調剤基本料3及び特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 処方箋集中率等に基づく基準
      • (イ) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合(以下「処方箋集中率」という。)が70%を超え、処方箋の受付回数が1月に4,000回を超えるもの
      • (ロ) 処方箋集中率が85%を超え、処方箋の受付回数が1月に2,000回を超えるもの
      • (ハ) 処方箋集中率が95%を超え、処方箋の受付回数が1月に1,800回を超えるもの
    • イ 特定の保険医療機関からの処方箋受付回数に基づく基準(アに該当するものを除く。)
      • (イ) 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一の建物内に複数の保険医療機関が所在するいわゆる医療モールの場合にあっては、当該建物内の全ての保険医療機関に係る処方箋の受付回数を合算したものとする。)が1月に4,000回を超えること。
      • (ロ) 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)のうち、これに属する他の保険薬局において、処方箋集中率が最も高い保険医療機関が同一の場合は、処方箋の受付回数は当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が、1月に4,000回を超えること。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P247

  • 月1,800回超かつ集中率95%超の施設基準が追加されています。
いわゆる医療モール、同一グループ、不動産の賃貸借取引関係等の定義

調剤基本料2の施設基準を考える上で必要な定義は(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の248〜250ページに記載されています。

第88 調剤基本料
2 調剤基本料の施設基準に関する留意点

  • (5) 「当該保険薬局の所在する建物内に複数保険医療機関が所在している場合」とは、保険薬局と複数の保険医療機関が一つの建築物に所在している場合のことをいう。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなす。
  • (6) 同一グループは次の基準により判断する。
    • ア 同一グループの保険薬局とは、次に掲げる者の全ての保険薬局とする。
      1. 保険薬局の事業者の最終親会社等
      2. 保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
      3. 保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
      4. 1から3までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者
    • イ アの保険薬局の事業者の最終親会社等は、保険薬局の事業者を子会社等とする者のうち、親会社等がない法人又は個人(以下「法人等」という。)をいう(カにおいて同じ。)。
    • ウ イの親会社等は、次に掲げる者とする。
      1. 他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等
      2. 他の法人(持分会社(会社法(平成17年法律第86号)第575条第1項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)その他これに準じる形態の法人に限る。)の資本金の過半数を出資している法人等
      3. 他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に掲げる者と同等以上の支配力を有すると認められる法人等
    • エ ア2及びイの子会社等は、次に掲げる者とする。この場合において、法人等の子会社等が次に掲げる者を有する場合における当該者は、当該法人等の子会社等とみなす。(法人等及びその子会社等が共同で次に掲げる者を有する場合における当該者を含む。)
      1. 法人等が議決権の過半数を所有している他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      2. 法人等が資本金の過半数を出資している他の法人(持分会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      3. 法人等が、他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に規定する法人等と同等以上の支配力を有すると認められる場合における当該他の法人
    • オ ア3の関連会社等とは、法人等及びその子会社等が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社等以外の他の法人の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条第6項に規定する場合をいう。)における当該子会社等以外の他の法人をいう。
    • カ 保険薬局の事業者の最終親会社等が連結財務諸表提出会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第1号に規定する連結財務諸表提出会社をいう。)である場合には、当該最終親会社の連結子会社(同条第4号に規定する連結子会社をいう。)をア2に掲げる者とみなし、当該最終親会社等の関連会社(同条第7号に規定する関連会社をいう。)をア3に掲げる者とみなす。
  • (7) (6)ウ3及びエ3における「同等以上の支配力を有すると認められる」とは、例えば、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第4項第2号及び第3号に規定する要件に該当する場合等、他の法人の意思決定機関を支配している場合等が該当するものであること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合は、この限りでないこと。
  • (9) 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局に関して、ここでいう不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限るものである。また、ここでいう賃貸借取引関係とは、保険医療機関と保険薬局の事業者が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合を含むものである。
    なお、特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局とは、当該契約の名義が当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者であるか否かにかかわらず、次のものを指すものである。

    • ア 保険薬局の個々の店舗について、その土地及び建物が特定の保険医療機関の所有である場合における当該店舗
    • イ 保険医療機関が保険薬局の事業者(当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者を含む。)から土地又は建物を賃借している場合において、当該保険医療機関と近接な位置にある当該保険薬局の店舗

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P248〜250

「不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限る」と記載されていますが、そこには駐車場も含まれます。

調剤報酬点数表関係〈別添4〉
【調剤基本料】
(問8)不動産の賃貸借取引関係を確認する範囲は「保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるもの」とされているが、薬局の建物のほか、来局者のための駐車場(医療機関の駐車場と共有している場合も含む。)も含まれるのか。
(答)含まれる。

疑義解釈資料の送付について(その1)(事務連絡 平成28年3月31日)

調剤基本料3(変更あり)

調剤基本料3はグループ薬局、いわゆるチェーン薬局を対象とした調剤基本料です。
調剤基本料2と同じく収益性が高いことを理由に設定されたもので、調剤基本料2よりもさらに低い点数が設定されています。
調剤基本料3はイとロに分かれており、イが小〜中規模チェーン薬局、ロが大規模チェーン薬局を対象としたものです。

調剤基本料3(イ 21点/ロ 16点)の施設基準

  • 調剤基本料3 イ(21点)
    • グループの処方箋受付回数合計 月3万5千回超 4万回以下追加
      • 集中率95%超
      • 特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引関係
    • グループの処方箋受付回数合計 月4万回超 40万回以下
      • 集中率85%超
      • 特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引関係
  • 調剤基本料3 ロ(16点)
    グループの処方箋受付回数合計 月40万回超

      • 集中率85%超
      • 特定の保険医療機関との間に不動産賃貸借取引関係

調剤基本料3 イは合計受付回数が月4万回超えるグループを対象としていたものでしたが、今回の改定ではその範囲を拡大し、合計受付回数が月3万5千回を超えるグループ薬局が対象となりました。
なお、合計受付回数が月40万回を超えるグループ薬局を対象とする調剤基本料3 ロの施設基準については変更されていません。

調剤基本料3の対象となる薬局をグラフでイメージしてみました。過去の変更もわかるように記載しています。

こっちも順調に広がっているよね・・・。

調剤基本料3の施設基準(変更あり)

まずは(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)の127〜128ページに記載されている「調剤基本料2」の施設基準の内容です。(今回新規に加わった部分はピンクマーカーで印をつけています)

第十五 調剤
一 調剤基本料の施設基準

  • (3) 調剤基本料3のイの施設基準
    次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • イ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に三万五千回を超え、四万回以下のグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が九割五分を超える又は特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。
    • ロ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に四万回を超え、四十万回以下のグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超える又は特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。
  • (4) 調剤基本料3のロの施設基準
    同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に四十万回を超えるグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超えること。
    • 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P127〜128

ほぼ同じ内容ではありますが、(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の247ページにはよりわかりやすい表現で書かれています。(今回改定に関する部分はピンクマーカーで印をつけています)

第88 調剤基本料
1 調剤基本料に関する施設基準

  • (3)調剤基本料3 イ
    次のいずれかに該当する保険薬局であること(特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に3万5千回を超え、4万回以下の場合
      • (イ) 処方箋集中率が95%を超えるもの
      • (ロ) 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
    • イ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に4万回を超え、40万回以下の場合
      • (イ) 処方箋集中率が85%を超えるもの
      • (ロ) 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
  • (4)調剤基本料3 ロ
    同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に40万回を超える場合であって以下のいずれかに該当するものであること(特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 処方箋集中率が85%を超えるもの
    • 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P247

  • 合計受付回数が月に3万5千回超4万回以下のグループに所属し、集中率95%超の薬局についての施設基準が追加されています。

同一グループ、不動産の賃貸借取引関係等の定義

調剤基本料3の施設基準を考える上で必要な定義は(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の248〜250ページに記載されています。

第88 調剤基本料
2 調剤基本料の施設基準に関する留意点

  • (6) 同一グループは次の基準により判断する。
    • ア 同一グループの保険薬局とは、次に掲げる者の全ての保険薬局とする。
      1. 保険薬局の事業者の最終親会社等
      2. 保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
      3. 保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
      4. 1から3までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者
    • イ アの保険薬局の事業者の最終親会社等は、保険薬局の事業者を子会社等とする者のうち、親会社等がない法人又は個人(以下「法人等」という。)をいう(カにおいて同じ。)。
    • ウ イの親会社等は、次に掲げる者とする。
      1. 他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等
      2. 他の法人(持分会社(会社法(平成17年法律第86号)第575条第1項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)その他これに準じる形態の法人に限る。)の資本金の過半数を出資している法人等
      3. 他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に掲げる者と同等以上の支配力を有すると認められる法人等
    • エ ア2及びイの子会社等は、次に掲げる者とする。この場合において、法人等の子会社等が次に掲げる者を有する場合における当該者は、当該法人等の子会社等とみなす。(法人等及びその子会社等が共同で次に掲げる者を有する場合における当該者を含む。)
      1. 法人等が議決権の過半数を所有している他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      2. 法人等が資本金の過半数を出資している他の法人(持分会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      3. 法人等が、他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に規定する法人等と同等以上の支配力を有すると認められる場合における当該他の法人
    • オ ア3の関連会社等とは、法人等及びその子会社等が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社等以外の他の法人の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条第6項に規定する場合をいう。)における当該子会社等以外の他の法人をいう。
    • カ 保険薬局の事業者の最終親会社等が連結財務諸表提出会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第1号に規定する連結財務諸表提出会社をいう。)である場合には、当該最終親会社の連結子会社(同条第4号に規定する連結子会社をいう。)をア2に掲げる者とみなし、当該最終親会社等の関連会社(同条第7号に規定する関連会社をいう。)をア3に掲げる者とみなす。
  • (7) (6)ウ3及びエ3における「同等以上の支配力を有すると認められる」とは、例えば、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第4項第2号及び第3号に規定する要件に該当する場合等、他の法人の意思決定機関を支配している場合等が該当するものであること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合は、この限りでないこと。
  • (8) 同一グループ内の処方箋受付回数が1月に3万5千回、4万回又は40万回を超えるか否かの取扱いは、当年2月末日時点で(6)に規定する同一グループ内の保険薬局について、保険薬局ごとの1月当たりの処方箋受付回数を合計した値が3万5千回、4万回又は40万回を超えるか否かで判定する。保険薬局ごとの1月当たりの処方箋の受付回数は以下のとおりとする。
    • ア 前年2月末日以降継続して保険薬局に指定されている薬局の場合は、前年3月1日から当年2月末日までに受け付けた処方箋受付回数を12で除した値とする。
    • イ 前年3月1日から当年1月末日までに新規指定された保険薬局の場合は、指定された日の属する月の翌月から、当年2月末日までに受け付けた処方箋受付回数を月数で除した値とする。
    • ウ 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、イの記載にかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
  • (9) 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局に関して、ここでいう不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限るものである。また、ここでいう賃貸借取引関係とは、保険医療機関と保険薬局の事業者が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合を含むものである。
    なお、特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局とは、当該契約の名義が当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者であるか否かにかかわらず、次のものを指すものである。

    • ア 保険薬局の個々の店舗について、その土地及び建物が特定の保険医療機関の所有である場合における当該店舗
    • イ 保険医療機関が保険薬局の事業者(当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者を含む。)から土地又は建物を賃借している場合において、当該保険医療機関と近接な位置にある当該保険薬局の店舗

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P248〜250

「不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限る」と記載されていますが、そこには駐車場も含まれます。

調剤報酬点数表関係〈別添4〉
【調剤基本料】
(問8)不動産の賃貸借取引関係を確認する範囲は「保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるもの」とされているが、薬局の建物のほか、来局者のための駐車場(医療機関の駐車場と共有している場合も含む。)も含まれるのか。
(答)含まれる。

疑義解釈資料の送付について(その1)(事務連絡 平成28年3月31日)

注2 特別調剤基本料(変更あり)

????????????第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 2 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、注1本文の規定にかかわらず、特別調剤基本料として、処方箋の受付1回につき9点を算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1〜2

収益性が高く効率的な経営が可能となる医療機関と不動産賃貸借関係等その他の特別な関係を有している敷地内薬局等を対象とした特別調剤基本料は元々低かった点数(H30改定:10点、R1改定:11点)がさらに下げられ9点になっています。
また、前回改定では病院の敷地内薬局等が対象でしたが、今回はその対象を診療所を含むすべての医療機関の敷地内薬局等(医療ビル内の薬局は除く)にまで拡大してきました。
さらに集中率に関しても拡大され、集中率95%だったものが一気に集中率70%となっています。

特別調剤基本料(9点)

※11点(H30改定:10点)から9点↓に見直し

  • 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、当該保険医療機関の処方箋集中率が70%を超えるもの。(診療所と同じ建物に薬局がある場合を除く)病院→診療所を含む保険医療機関に拡大、95%→70%に拡大
  • 調剤基本料の届出を行っていない薬局

ちなみに、特別調剤基本料の対象となる敷地内薬局等の定義は、「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」です。
「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」であって、その保険医療機関の処方箋の集中率が70%を超えている場合が特別調剤基本料の対象となります。

それとは別に調剤基本料の注4(かかりつけ減算)について、特別調剤基本料を算定している場合の施設基準が見直されています。
これについては後にまとめます。

特別調剤基本料(調剤基本料の注2)の施設基準(変更あり)

まずは(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)の129ページに記載されている「調剤基本料の注2」の施設基準の内容です。(今回変更された部分はピンクマーカーで印をつけています)

第十五 調剤
二の二 調剤基本料の注2に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
次のいずれかに該当する保険薬局であること。

  • (1) 保険医療機関不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局(当該保険薬局の所在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合を除く。)であって、当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超えること。
  • (2) 一の(1)から(4)までのいずれかに適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局以外の保険薬局であること。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P129

ほぼ同じ内容ではありますが、(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の247ページにはよりわかりやすい表現で書かれています。(今回改定に関する部分はピンクマーカーで印をつけています)

第88 調剤基本料
1 調剤基本料に関する施設基準

  • (5) 特別調剤基本料
    次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • 保険医療機関不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、処方箋集中率が70%を超えるもの。ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く
    • イ 調剤基本料の施設基準に係る届出を行っていないもの

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P247

診療所と同じ建物に薬局がある場合(医療ビル)は除外とされています。
医療ビルが除外となる理由がよくわからないんですが、なぜなんでしょう?
医療ビルについては調剤基本料2の受付回数の部分で制限されているし、複数の診療所が集まる可能性が高く地域医療への貢献度が高いから?
だとしたら同一敷地内にあるクリニックモール(平面)や総合病院でも同じことですよね?
集中率で調節するならわかりますが、医療ビル(診療所一つでも)であれば除外っていうのはよくわかりません。。。

  • 診療所(同一建物に薬局が所在する場合は除く)が施設基準に追加されています。

不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局の定義(変更あり)

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)

の251〜252ページに「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」の定義が記載されています。

第90 調剤基本料の注2に規定する保険薬局(特別調剤基本料)

  1. 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは、次の(1)から(4)までのいずれかに該当するものであること。ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は、ここでいう「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」には該当しない。
    • (1) 当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
    • (2) 当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
    • (3) 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
    • (4) 当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
  2. 1の「不動産」については、「第88調剤基本料」の2の(9)に準じて取り扱う。
  3. 1の「賃貸借取引関係」とは、保険医療機関と保険薬局が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指す他、次の(1)から(3)までの場合を含む。
    • (1) 保険医療機関が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険薬局との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (2) 保険薬局が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険医療機関との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (3) 保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合
  4. 1の(1)については、保険薬局(保険薬局の事業者の最終親会社等、「第88調剤基本料」の2の(6)ア1から4までに定める者を含む。)の不動産を保険医療機関が賃借している場合であって、当該保険医療機関と近接する位置に同一グループの他の保険薬局があるときは、当該他の保険薬局は「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  5. 1の(1)については、診療所である保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合は、平成30年4月1日以降に開局したものに限り「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  6. 1の(2)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係がある場合」と判断する。この場合において、譲り受けた者が更に別の者に譲り渡した場合を含め、譲り受けた者にかかわらず適用する。
    • (1) 平成28年10月1日以降に病院である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
    • (2) 平成30年4月1日以降に診療所である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
  7. 1の(3)については、特定の保険医療機関に対する貸与時間の割合がそれ以外のものへの貸与時間全体の3割以上である場合に「当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している」と判断する。この場合において、災害等の発生により、緊急にやむを得ず当該保険医療機関に貸与した場合は、当該貸与に係る時間は含めないものとする。
  8. 1の(4)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した」と判断する。
    • (1) 病院からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成28年10月1日以降に開局した場合
    • (2) 診療所からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成30年4月1日以降に開局した場合
  9. 1の(4)の「開局時期の指定」については、開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合についても適用する。
  10. 「当該保険薬局の所在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合」とは、保険薬局と診療所が一つの建築物に所在している場合のことをいう。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなす。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P251〜252

「2、1の「不動産」については、「第88調剤基本料」の2の(9)に準じて取り扱う。」と記載されていますが、「「第88調剤基本料」の2の(9)」は以下のとおりです。

第88 調剤基本料
2 調剤基本料の施設基準に関する留意点

  • (9) 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局に関して、ここでいう不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限るものである。また、ここでいう賃貸借取引関係とは、保険医療機関と保険薬局の事業者が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合を含むものである。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P248〜250

「不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限る」と記載されていますが、そこには駐車場も含まれます。

調剤報酬点数表関係〈別添4〉
【調剤基本料】
(問8)不動産の賃貸借取引関係を確認する範囲は「保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるもの」とされているが、薬局の建物のほか、来局者のための駐車場(医療機関の駐車場と共有している場合も含む。)も含まれるのか。
(答)含まれる。

疑義解釈資料の送付について(その1)(事務連絡 平成28年3月31日)

「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」を図にまとめてみました!

基本的には改定前と同じなのですが、診療所が該当範囲になったことと集中率が70%超となったことでかなり範囲が広がることが想定されます。
あまりにも厳しすぎるということで、診療所に関する項目については、一部ですが平成30年4月1日以降に開局した薬局のみへの適用となっています。

「不動産取引等その他の特別な関係」の経過措置

  1. 当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
    • 診療所:平成30年4月1日以降に開局したものに限る
  2. 当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
    • 病院:平成28年10月1日以降に開局したものに限る
    • 診療所:平成30年4月1日以降に開局したものに限る
  3. 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
  4. 当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
    • 病院からの公募:平成28年10月1日以降に開局したものに限る
    • 診療所からの公募:平成30年4月1日以降に開局したものに限る

表にまとめると以下のようになります。
表が画面に入りきらない場合は横にスクロールできます。

対象となる開局年月日
対象となる医療機関病院診療所
関係性(1)不動産の賃貸借取引関係全てH30.4.1以降
(2)医療機関が譲り渡した不動産を利用H28.10.1以降H30.4.1以降
(3)薬局所有の会議室その他の設備を貸与全て
(4)時期の指定を受けて開局H28.10.1以降H30.4.1以降
  • 対象となる医療機関が診療所で薬局と同じ建物内に所在する場合は除外
  • 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係」の対象となる医療機関の集中率が70%超の場合に特別調剤基本料に該当

「(3) 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合」については期日による限定がありませんが、嫌ならすみやかに解消しなさいってことでしょうか?

「3」に「賃貸借取引関係」についての詳しい記述がありますが、「保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係」は間に第三者を介した転貸(いわゆる又貸し)の場合でも適用されるということですね。
また、契約名義人が開設者の近親者法人の役員となっている場合も適用されます。

さらに、「4」の記述により、薬局が医療機関に不動産を貸している場合、当該医療機関と近接する位置に同一グループの他薬局がある場合は他薬局も「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断されます。
近接の判断がわからないのですが、敷地内ってことでしょうか?
それとも単純に距離が近いってことでしょうか?
後者なんだとは思いますが、きっと集中率70%を超え得るような距離ということなんでしょうね。
ただ、複数店舗を持っている薬局が不動産を貸している場合となると、グループに所属する全ての薬局がその医療機関と賃貸借関係を持つことになるんじゃないかと思うのですがどうなんでしょう?
わざわざ「4」の記載がある意味がわからない・・・。

診療所に適応が拡大されることによる変化

特別調剤基本料についての改定をまとめましたが、範囲が診療所に拡大される影響はかなり大きいのではないかと思います。
不動産取引については今後開局する際には避ければいいわけですし、設備貸与に関しても解消すればいいのではないかと思います。
医療機関との関係上、若干のトラブル?はあるかもしれませんが、ほとんどが対応可能かと思います。(ですよね?)
一番影響が大きいのは「開局時期の指定」の解釈なんじゃないでしょうか?
文章を読む限りでは、敷地内薬局を誘致する公募のみが該当しているように思えますが、
開局時期の指定という日本語だけを考えると、

  • 新規開院に合わせての門前薬局の開局
  • 院外処方への切り替えに合わせての門前薬局の開局

も該当する可能性があります。
もし、仮にそうだとすると、敷地内薬局どころではなく、門前薬局という薬局のビジネススタイルそのものを見直す必要のある改定内容ということになりますね。
新規に門前薬局を開局するのは難しい時代に突入することになってしまいます。

さすがに公募に応じたのみが開局時期の指定に該当って解釈になるんだと思うけど・・・。

令和2年度診療報酬改定説明 Q&A(2020.3.5)

令和2年度診療報酬改定説明

(YouTube)の中でQ&Aが公開されていたので該当部分を記載しておきます。

  • Q 特別調剤基本料については、保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は対象外とされている。次のうち、どの場合が特別調剤基本料に該当する可能性があるか。
    • (a) 同一建物内に診療所及び薬局のみが所在する場合
    • (b) 同一敷地内に複数の建物があり、診療所と薬局が別の建物にそれぞれ所在する場合
    • (c) ビル内に複数の診療所及び薬局が所在する場合(いわゆる医療モールの場合)
  • A (b)のみ、特別調剤基本料に該当する場合がある。

16 令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)

注3 複数の医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合の調剤基本料(新規)

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)

の1ページに以下のように記載されています。

第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 3 複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合において、当該処方箋のうち、受付が2回目以降の調剤基本料は、処方箋の受付1回につき所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1

複数の医療機関の処方箋を同時に受け付けた場合:受付回数が2回目以降に該当する処方箋の調剤基本料を20%減算新設

複数の医療機関を受診した場合に一ヶ所の薬局を利用してもらうべく新たに作られたルールです。

かかりつけ薬局の促進につながるのか?

この結果、かかりつけ薬局を決める人が増える・・・増えればいいですが。
そもそも、医療機関ごとに薬局を決めている人って同じ日に複数の医療機関を受診しているのでしょうか?
医療機関の混み具合によっては1日(もしくは2〜3日)で複数の医療機関を受診するのが困難なケースも少なくないと思います。(医療機関の受診は同じ日でなくてもいいんですが、混乱する患者さんが多そうなので念のため。)
ただ、医療ビルや医療モールの場合は話が別です。
同じ場所に複数の医療機関が存在するので、まとめて受診して薬局で薬をもらって帰っている人が多いはずです。
その場合、患者さんの行動(一つの薬局で薬をもらう)は今までと変わりありませんが、調剤基本料は安くなります。
というわけで、新規にかかりつけ薬局を決める患者さんがどの程度増えるかはわかりませんが、医療費削減効果は期待できるのではないかと思います。
医療ビルや医療モールの場合、見せかけのかかりつけ薬局(その医療ビルや医療モールで受診する場合はビル・モール内の薬局で全ての医療機関の薬を受け取るが他の医療機関に行く場合はその医療機関の門前薬局で薬を受け取る)も存在していると思うので、この改定を理由にかかりつけ薬局として選んでもらうチャンスかもしれません。(混雑しがちな医療ビル・医療モールの薬局は他の薬局に患者さんを取られる機会になる可能性もありますが)

複数の医療機関を同時に持ってきてもらうことによる金銭的なメリットが追加されたので、患者さんに対して声かけはしやすくなるよね!薬局はこれまで以上にかかりつけ化を推進していかないと!

令和2年度診療報酬改定説明 Q&A(2020.3.5)

令和2年度診療報酬改定説明

(YouTube)の中でQ&Aが公開されていたので該当部分を記載しておきます。

  • Q 調剤基本料について、「複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合、当該処方箋のうち、受付が2回目以降の調剤基本料は、(中略)所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。」とある。2つの保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合、1つ目は100分の100、2つ目は100分の80となると思料するが、受付順序に特段の定めはないと考えて良いか。
  • A 特に定めはない。

16 令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)

疑義解釈(その1)(令和2年3月31日)

【調剤基本料】
問2:複数の保険医療機関が交付した処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、注3の規定により2回目以降の受付分の調剤基本料は100分の80となるが、「同時にまとめて」とは同日中の別のタイミングで受け付けた場合も含むのか。
(答):含まない。同時に受け付けたもののみが対象となる。

【事務連絡】 (3) 1 疑義解釈資料の送付について(その1)(令和2年3月31日) P81

「同日」ではなく「同時」に受け付けた場合のみ調剤基本料が80%になります。

調剤基本料の注4(未妥結減算・かかりつけ減算)(変更あり)

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)

の1ページに以下のように記載されています。

第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  • 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1

(2) 3 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第1号)別添3(調剤点数表)

の2ページにはもう少し詳しく記載されています。

調剤報酬点数表に関する事項
<調剤技術料>
区分00 調剤基本料
2 調剤基本料の注4に規定する保険薬局

  • (1) 以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を100分の50に減算する。
    なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和2年3月5日保医発 0305 第3号)を参照すること。

    • ア 医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
    • イ 医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局
    • 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局
  • (2) 当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数に100分の50にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。

(2) 3 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第1号)別添3(調剤点数表)P2

別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。(注3→注4

  • 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
    • 妥結率50%以下
    • 妥結率、単品単価契約率、一律値引き契約状況が未報告
    • かかりつけ機能に係る業務が年間10回未満(特別調剤基本料を算定している薬局は100回未満)(特別調剤基本料を算定している薬局について厳しい条件に変更

「かかりつけ機能に係る業務が年間10回未満」については「そんな薬局が存在するの?」ってくらい簡単なハードルです。
それもあってか、特別調剤基本料を算定している薬局についてはこの基準が厳しくなります。
特別調剤基本料を算定している薬局は「かかりつけ機能に係る業務が年間100回未満」の場合、未妥結減算の対象になります。

一気に10倍の100回!ただ、年間100回でも簡単なんじゃないかなあ・・・?

この基準に該当してしまう薬局って実際あるの?あと、妥結率が低かったり、提出しない薬局ってどれくらい存在するんだろ?

減算を受けた場合調剤基本料は以下のようになります。

  • 調剤基本料1:42点→21点
  • 調剤基本料2:26点→13点
  • 調剤基本料3 イ:21点→11点
  • 調剤基本料3 ロ:16点→8点
  • 特別調剤基本料:9点→5点

前回改定までは減算を受けた薬局は薬歴が53点に固定されていたけど、今回の改定から調剤基本料1以外を算定している薬局もお薬手帳の有無で薬歴の点数が変更されるようになったので、純粋な減算になりますね。

調剤基本料の注4(未妥結減算・かかりつけ減算)の施設基準(変更あり)

まずは(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)の129〜130ページに記載されている「調剤基本料の注4」の施設基準の内容です。

第十五 調剤
三 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
次のいずれかに該当する保険薬局であること。

  • (1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率(医科点数表の初診料の注4に規定する医療用医薬品の取引価格の妥結率をいう。以下同じ。)が五割以下であること。
  • (2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率(卸売販売業者(薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第三十四条第三項に規定する卸売販売業者をいう。以下同じ。)と当該保険薬局との間で取引された医療用医薬品に係る契約に占める、品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約の割合をいう。)及び一律値引き契約(卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品のうち、一定割合以上の医療用医薬品について総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約をいう。)に係る状況について、地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。
  • (3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を一年間実施していない保険薬局(処方箋の受付回数が一月に六百回以下の保険薬局を除く。)であること。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P129〜130

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)

の252〜254ページにはよりわかりやすい表現で書かれています。(今回改定に関する部分はピンクマーカーで印をつけています)

第91 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
1 次のいずれかに該当する保険薬局は「注4」の規定により、調剤基本料を100分の50に減算する。

  • (1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
  • (2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。
  • (3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局であること。
    ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局である場合を除く

2 妥結率等に関する留意点

  • (1) 保険薬局と卸売販売業者との価格交渉においては、「「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」について」(平成30年1月23日医政発0123第9号、保発0123第3号)に基づき、原則として全ての品目について単品単価契約とすることが望ましいこと、個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉、医薬品の安定供給や卸売業者の経営に影響を及ぼすような流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこと等に留意するとともに、医薬品価格調査の信頼性を確保する観点から定めているものであり、「妥結率」、「単品単価契約率」及び「一律値引き契約に係る状況」については以下のとおりとする。
    • ア 「妥結率」の報告における妥結とは、取引価格が決定しているものであり、契約書等の遡及条項により、取引価格が遡及し変更することが可能な場合には未妥結とする。また、取引価格は決定したが、支払期間が決定しないなど、取引価格に影響しない契約事項が未決定の場合は妥結とする。
      ※妥結率の計算については、下記のとおりとする。
      妥結率=卸売販売業者(医薬品医療機器等法第34条第3項に規定する卸売販売業者をいう。)と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額(各医療用医薬品の規格単位数量×薬価を合算したもの)/当該保険薬局において購入された医療用医薬品の薬価総額
    • イ 「単品単価契約率」における単品単価契約とは、品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約をいう。
      ※単品単価契約率の計算については、下記のとおりとする。
      単品単価契約率=単品単価契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額
    • ウ 「一律値引き契約に係る状況」における一律値引き契約とは、「卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品のうち、一定割合以上の医療用医薬品について総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約」をいう。この場合、一定割合以上とは、以下の計算により得られた割合が5割以上であることとし、全ての医療用医薬品が一律値引きにより価格決定した場合を含むものとする。
      また、一律値引き契約に係る状況については、一律値引き契約の該当の有無及び該当有りとした場合にあっては、取引卸売販売業者ごとの当該契約における値引き率(薬価と取引価格(税込み)との差を薬価で除し、これに100を乗じて得た率をいう。)を報告すること。
      ※一律値引き契約における割合の計算については、下記のとおりとする。
      総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額
  • (2) 妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、別添2の様式85により、毎年10月1日から11月末日までに、同年4月1日から9月30日までの期間における実績を地方厚生(支)局長へ報告することとし、11月末日までの報告に基づく調剤基本料は、翌年4月1日から翌々年3月末日まで適用する。

3 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務に関する留意点

  • (1) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務」は、以下のものをいう。
    • 調剤料の時間外加算、休日加算及び深夜加算並びに夜間・休日等加算
    • 薬剤服用歴管理指導料の麻薬管理指導加算
    • 薬剤服用歴管理指導料の重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
    • かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料
    • 外来服薬支援料
    • 服用薬剤調整支援料・在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料及び在宅患者緊急時等共同指導料並びに居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費を算定するに際して実施する業務
    • 退院時共同指導料
    • 服薬情報等提供料
  • (2) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」は、1年間の(1)に掲げる業務の算定が合計10回未満のものが該当する。ただし、特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計100回未満のものが該当する。
  • (3) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」への該当性は、前年3月1日から当年2月末日までの1年間の実績をもって判断する。該当する場合は当年4月1日より翌年3月末日までの間は、調剤基本料の注4で定める点数で算定する。ただし、前年3月1日から当年2月末日までに指定された保険薬局の場合は、3の(1)に掲げる業務の算定回数が、(2)に掲げる年間の実績基準(10回又は100回)を12で除して得た数に当年2月末までの調剤基本料を算定した月数を乗じて得た数以上であれば、「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しないものとする。
  • (4) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当した場合であっても、当年4月1日から翌年3月末日までの期間中に、(1)に掲げる業務を合計10回(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計100回)算定した場合には、算定回数を満たした翌月より「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しない。
  • (5) 処方箋の受付回数が1月に600回を超えるか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P252〜254

  • かかりつけ減算について、特別調剤基本料を算定している場合の施設基準が追加されています。

かかりつけ機能に関わる業務をまとめておきますね。

かかりつけ機能に係る業務

  • 時間外等加算
  • 夜間・休日等加算
  • 麻薬管理指導加算
  • 重複投薬・相互作用等防止加算
  • かかりつけ薬剤師指導料
  • かかりつけ薬剤師包括管理料
  • 外来服薬支援料
  • 服用薬剤調整支援料
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急時等共同指導料
  • 退院時共同指導料
  • 服薬情報等提供料
  • 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
  • 居宅療養管理指導費
  • 介護予防居宅療養管理指導費

調剤基本料に関する届出について

調剤基本料に関連する各届出についてまとめます。

調剤基本料の届出に使用する書類

第88 調剤基本料
3 届出に関する事項
調剤基本料の施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P250

別添2の様式84は(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の623〜626ページに掲載されている以下の書類です。
f:id:pkoudai:20200311213009p:plain:w300f:id:pkoudai:20200311213026p:plain:w300f:id:pkoudai:20200311213038p:plain:w300f:id:pkoudai:20200311213048p:plain:w300

調剤基本料の実績と算定期間

調剤基本料は年度ごとに算定を行うのが基本です。
「前年の3月1日〜その年の2月末まで」の実績を元にどの調剤基本料に該当するかが判断され、「その年の4月1日〜来年の3月末まで」同じ調剤基本料を算定します。
毎年、3月の時点で実績を確認し、調剤基本料に変更があれば届出の提出が必要です。
変更なければ基本的に届出の提出は不要です。

継続の場合の調剤基本料の届出

毎年3月に実績の見直しを行い、変更があれば届出を提出する

  • 実績期間:前年3月1日〜当年2月末
  • 算定期間:当年4月1日〜翌年3月31日

※調剤報酬改定などで施設基準が大幅に変更になった場合は届出が必要な場合がある

集中率が高いと3月はドキドキ!

第2 届出に関する手続き

  • 4 届出に当たっては、当該届出に係る基準について、特に定めがある場合を除き、実績期間を要しない。
    (略)

    • (11) 調剤基本料の施設基準
      • ア 処方箋受付回数
        • (イ) 前年3月1日から当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,12〜13

もし、算定期間(4月1日〜翌年3月末)の途中で調剤基本料の実績に影響を与えるような変更があった場合(調剤薬局グループに所属することになった等)でも、翌年3月末までは同じ調剤基本料を算定できます。
このことは平成28年度診療報酬改定 (2) 1 疑義解釈資料の送付について(その1)(平成28年3月31日)の113ページに記載されています。

<別添 4>
【調剤基本料】
調剤報酬点数表関係

  • (問3)既に指定を受けている保険薬局がある薬局グループに新たに属することになり、その結果、調剤基本料3の施設基準の要件に該当することになった場合は、年度の途中であっても調剤基本料の区分を変更するための施設基準を改めて届け出る必要があるか。
  • (答)既に指定を受けている保険薬局としては、調剤基本料は4月1日から翌年3月末日まで適用されているので、同一グループに新たに所属したことをもって改めて届け出ることは不要であり、所属する前の調剤基本料が算定可能である。なお、次年度の調剤基本料の区分は、当年3月1日から翌年2月末日までの実績に基づき判断し、現在の区分を変更する必要がある場合は翌年3月中に調剤基本料の区分変更の届出を行うこと。

平成28年度診療報酬改定 (2) 1 疑義解釈資料の送付について(その1)(平成28年3月31日) P113

新規開局の場合

新規開局の場合は少しややこしくなっています。
新規開局した場合は実績がないため、実績が評価されるまでの期間は調剤基本料1を算定します。
ただし、「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している」場合は特別調剤基本料を算定しなければいけません。
新規の場合は本来の施設基準である集中率70%以上に該当(実績がないので判断できない)しなくても特別調剤基本料の対象となります。
また、「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している」に該当しなくても「グループ全体の処方せん受付回数が月4万回超40万回以下で特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある」場合は調剤基本料3のイを「グループ全体の処方せん受付回数が月40万回超で特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある」場合は調剤基本料3のロを算定しなければいけません。
まとめると以下のようになります。

新規開局の調剤基本料

原則として調剤基本料1を算定
ただし、以下の場合はそれぞれ該当する点数を算定

  • 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している:特別調剤基本料
  • グループ合計受付回数が月4万回超40万回以下、特定の医療機関と不動産賃貸借取引関係:調剤基本料3 イ
  • グループ合計受付回数が月40万回超、特定の医療機関と不動産賃貸借取引関係:調剤基本料3 ロ

第2 届出に関する手続き

  • 4 (11) 調剤基本料の施設基準
    • ア 処方箋受付回数
      • (ロ) (イ)にかかわらず、前年3月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局については、次のとおりとし、処方箋受付回数の実績が判断されるまでは、調剤基本料1に該当しているものとして取り扱う(ただし、保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しているものとして別添1の第90の1(1)から(4)までに該当する場合は、特別調剤基本料とする。特別調剤基本料の施設基準に該当する場合を除き、特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある等の施設基準に該当する場合は調剤基本料3とする。)。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,12〜13

新規開局で特別調剤基本料に該当する場合

新規開局の時点で特別調剤基本料に該当するかどうかを判断する施設基準は以下の通りです。

  • (1)医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある
    • 医療機関が診療所の場合:平成30年4月1日以降開局に限る
    • 転貸、近親者・役員が名義人になっている場合を含む
  • (2)医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局
    • 医療機関が病院の場合:平成28年10月1日以降開局に限る
    • 医療機関が診療所の場合:平成30年4月1日以降開局に限る
  • (3)医療機関に対し薬局が所有する会議室その他の設備を貸与
  • (4)医療機関から開局時期の指定を受けて開局
    • 医療機関が病院の場合:平成28年10月1日以降開局に限る
    • 医療機関が診療所の場合:平成30年4月1日以降開局に限る

※不動産=(事業に使用される土地・建物)

第90 調剤基本料の注2に規定する保険薬局(特別調剤基本料)

  1. 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは、次の(1)から(4)までのいずれかに該当するものであること。ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は、ここでいう「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」には該当しない。
    • (1) 当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
    • (2) 当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
    • (3) 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
    • (4) 当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
  2. 1の「不動産」については、「第88調剤基本料」の2の(9)に準じて取り扱う。
  3. 1の「賃貸借取引関係」とは、保険医療機関と保険薬局が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指す他、次の(1)から(3)までの場合を含む。
    • (1) 保険医療機関が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険薬局との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (2) 保険薬局が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険医療機関との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (3) 保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合
  4. 1の(1)については、保険薬局(保険薬局の事業者の最終親会社等、「第88調剤基本料」の2の(6)ア1から4までに定める者を含む。)の不動産を保険医療機関が賃借している場合であって、当該保険医療機関と近接する位置に同一グループの他の保険薬局があるときは、当該他の保険薬局は「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  5. 1の(1)については、診療所である保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合は、平成30年4月1日以降に開局したものに限り「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  6. 1の(2)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係がある場合」と判断する。この場合において、譲り受けた者が更に別の者に譲り渡した場合を含め、譲り受けた者にかかわらず適用する。
    • (1) 平成28年10月1日以降に病院である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
    • (2) 平成30年4月1日以降に診療所である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
  7. 1の(3)については、特定の保険医療機関に対する貸与時間の割合がそれ以外のものへの貸与時間全体の3割以上である場合に「当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している」と判断する。この場合において、災害等の発生により、緊急にやむを得ず当該保険医療機関に貸与した場合は、当該貸与に係る時間は含めないものとする。
  8. 1の(4)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した」と判断する。
    • (1) 病院からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成28年10月1日以降に開局した場合
    • (2) 診療所からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成30年4月1日以降に開局した場合
  9. 1の(4)の「開局時期の指定」については、開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合についても適用する。
  10. 「当該保険薬局の所在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合」とは、保険薬局と診療所が一つの建築物に所在している場合のことをいう。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなす。

引用元:(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P251〜252

新規開局の場合は3ヶ月で見直しが必要

新規開局の場合は3ヶ月経過した時点(正確には開局の翌月から3ヶ月間)での実績で調剤基本料を見直す必要があります。
(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の626ページ(別添2の様式84)に以下のように記載されています。

記載上の注意
1 「2」については、新規指定(遡及指定が認められる場合を除く。)の場合は、指定日の属する月の翌月から3ヶ月間の実績から、調剤基本料の区分が調剤基本料1から変更になる場合は届出が必要になることに注意する。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) 別添2の様式84 P626

新規開局後の実績期間

前年3月1日以降に開局した場合、実績を判断する期間(前年の3月1日〜その年の2月末まで)を満たすことができません。
また、開局が12月以降の場合は3月の時点で見直しに必要な開局翌月から3ヶ月の期間を満たすこともできません。
そのため、新規開局を行った時期に応じて実績を判断する期間のルールが設けられています。
3ヶ月後と合わせて、開局時期ごとの調剤基本料の見直しを整理します。

開局時期による調剤基本料の見直しの流れ

  • 3月1日〜10月31日に開局
    1. 開局〜4ヶ月後の月末:調剤基本料1(もしくは特別調剤基本料・調剤基本料3)
    2. 開局5ヶ月後の月初〜3月31日:開局翌月の月初から3ヶ月間の実績で調剤基本料が決定
    3. 4月1日〜3月31日:開局翌月の月初〜2月末の実績で調剤基本料が決定
  • 11月1日〜11月30日に開局
    1. 開局〜4ヶ月後の月末:調剤基本料1(もしくは特別調剤基本料・調剤基本料3)
    2. 4月1日〜3月31日:開局翌月の月初〜2月末の実績で調剤基本料が決定
  • 12月1日〜2月末に開局
    1. 開局〜4ヶ月後の月末:調剤基本料1(もしくは特別調剤基本料・調剤基本料3)
    2. 開局5ヶ月後の月初〜翌年3月31日:開局翌月の月初から3ヶ月間の実績で調剤基本料が決定

以下に具体例とともに記載されています。

第2 届出に関する手続き

  • 4 (11) 調剤基本料の施設基準
    • ア 処方箋受付回数
      • (ロ) (略)
        • a 前年3月1日から前年11月30日までの間に新規に指定された保険薬局について
          指定の日の属する月の翌月1日から当年2月末日までの処方箋受付回数で判定し、当年4月1日から翌年3月31日まで適用する。
        • b 前年12月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局について
          指定の日の属する月の翌月1日から3か月間の処方箋受付回数で判定し、当該3か月の最終月の翌々月1日から翌年3月31日まで適用する。
        • (ハ) 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「医薬品医療機器等法」という。)上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、(ロ)bにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
    • 新規届出の場合
      例:30年8月1日に新規指定された薬局((ロ)の場合)

      • ①から④までは調剤基本料1に該当するものとして取り扱う(ただし、保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しているものとして第90の1(1)から(4)までに該当する場合は、特別調剤基本料とする。特別調剤基本料の施設基準に該当する場合を除き、特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある等の施設基準に該当する場合は調剤基本料3とする。)。
      • ②から③までにおける実績で判断し、その翌々月(④の翌日)から⑥まで適用する。
      • 31年4月1日(⑥の翌日)から令和2年3月末日(⑦)までの調剤基本料の施設基準の適合は②から⑤までの期間における実績で判断する。

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(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,12〜13

新規開局でも実績期間を必要としない場合(遡及指定が認められる場合)

開設者の変更等の理由で開設許可を新規に取得した場合は遡及指定が認められ、遡及指定前の実績に基づいて調剤基本料が判断されます。

第2 届出に関する手続き

  • 4 (11) 調剤基本料の施設基準
    • ア 処方箋受付回数
      • (ハ) 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「医薬品医療機器等法」という。)上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、(ロ)bにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,12〜13

2020年度改定時に必要な届出

調剤基本料に関して、改定後(2020年4月以降)も継続して算定を行う場合に届出が必要なのは以下の内容です。

  • 調剤基本料2(区分に変更があった場合のみ)
  • 調剤基本料3のイ(区分に変更があった場合のみ)

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12 令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)の44ページより)
もちろん算定する調剤基本料に変更がある場合は届出が必要です。

調剤基本料の注1の届出(医療資源の少ない地域に所在する保険薬局)

第89 調剤基本料の注1 ただし書に規定する施設基準(処方箋集中率等の状況によらず例外的に調剤基本料1を算定することができる保険薬局)
2 届出に関する事項

  • (1) 施設基準に係る届出は、別添2の様式87の2を用いること。
  • (2) 当該保険薬局が所在する中学校区について、当該区域の地名がわかる資料を添付すること。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P251

別添2の様式87の2は(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)の631〜632ページに掲載されている以下の書類です。
f:id:pkoudai:20200311213652p:plain:w300f:id:pkoudai:20200311213703p:plain:w300

調剤基本料の注1に該当するかどうかの判断

調剤基本料の注1に該当するかどうかは2月末の時点の状況で判断されます。
届出が受理されることで調剤基本料1に該当しない場合でも、当年4月1日〜翌年3月31日まで調剤基本料1を算定することができます。
2月末の時点で該当していなくて途中で該当した場合に届出を提出した場合、受理された翌月の月初から翌年3月31日まで調剤基本料1を算定できます。

第2 届出に関する手続き

  • 4 (12) 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
    当年2月末日時点の状況をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。ただし、当年4月1日から翌年3月末日までの間に、新たに施設基準に適合した場合は、届出を行うことができ、届出のあった月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定することができるものとする。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,13

調剤基本料の注4の届出(未妥結減算・かかりつけ減算)

調剤基本料の注4には未妥結減算とかかりつけ減算の二種類です。
ちなみに減算に該当しても届出は不要のようです。

妥結率に関する報告

妥結率については毎年10月1日から11月30日までの間に、その年の4月1日〜9月30日の期間における実績を報告するようになっています。
妥結率が低い場合だけでなく、その報告を行わなかった場合も未妥結減算の対象となり、その期間は翌年4月1日〜翌々年3月31日です。

第91 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
2 妥結率等に関する留意点

  • (2) 妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、別添2の様式85により、毎年10月1日から11月末日までに、同年4月1日から9月30日までの期間における実績を地方厚生(支)局長へ報告することとし、11月末日までの報告に基づく調剤基本料は、翌年4月1日から翌々年3月末日まで適用する。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P253

別添2の様式85は以下の書類です。
f:id:pkoudai:20200317204805p:plain:w300f:id:pkoudai:20200317204819p:plain:w300

薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務

特に届出は必要ありません。
実績期間は前年3月1日〜当年2月末日、該当した場合、減算の対象となるのは当年4月1日〜翌年3月31日です。
ただし、解消された灰、翌月から減算は解除されます。
減算に該当した場合も届出の必要はありません。

第91 調剤基本料の注4に規定する保険薬局
3 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務に関する留意点

  • (3) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」への該当性は、前年3月1日から当年2月末日までの1年間の実績をもって判断する。該当する場合は当年4月1日より翌年3月末日までの間は、調剤基本料の注4で定める点数で算定する。ただし、前年3月1日から当年2月末日までに指定された保険薬局の場合は、3の(1)に掲げる業務の算定回数が、(2)に掲げる年間の実績基準(10回又は100回)を12で除して得た数に当年2月末までの調剤基本料を算定した月数を乗じて得た数以上であれば、「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しないものとする。
  • (4) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当した場合であっても、当年4月1日から翌年3月末日までの期間中に、(1)に掲げる業務を合計10回(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計100回)算定した場合には、算定回数を満たした翌月より「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しない。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P253

新規に開局した薬局の妥結率の報告

妥結率の報告では「4月1日〜9月30日」の実績について報告しますが、4月2日以降に開局した場合は、翌々年の3月31日までは妥結率が5割を超えているとみなします。

第2 届出に関する手続き

  • 4 (13) 妥結率の実績
    • 妥結率の実績の算定期間は、報告年度の当年4月1日から9月30日までとし、翌年4月1日から翌々年3月31日まで適用する。
    • ロ イにかかわらず、妥結率の報告年度の当年4月2日以降に新規に保険薬局に指定された薬局においては、翌々年3月31日までは妥結率が5割を超えているものとみなす
    • ハ 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、ロにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
    • 新規届出の場合
      例:30年5月1日に新規指定された薬局の場合

      • ①から④までは妥結率が5割を超えていると見なす
      • ②から③までの妥結率の実績を令和2年4月1日(④の翌日)から⑤まで適用する。

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(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P13

そのほか届出に関する基本的な情報

まずは届出の基本的な扱いについて。

第2 届出に関する手続き

  • 1 特掲診療料の施設基準等に係る届出に際しては、特に規定のある場合を除き、当該保険医療機関単位又は当該保険薬局単位で行うものであること。
  • 2 「特掲診療料の施設基準等」の各号に掲げる施設基準に係る届出を行おうとする保険医療機関又は保険薬局の開設者は、当該保険医療機関又は保険薬局の所在地の地方厚生(支)局長に対して、別添2の当該施設基準に係る届出書(届出書添付書類を含む。以下同じ。)を1通提出するものであること。なお、国立高度専門医療研究センター等で内部で権限の委任が行われているときは、病院の管理者が届出書を提出しても差し支えない。また、当該保険医療機関は、提出した届出書の写しを適切に保管するものであること。
  • 3 届出書の提出があった場合は、届出書を基に、「特掲診療料の施設基準等」及び本通知に規定する基準に適合するか否かについて要件の審査を行い、記載事項等を確認した上で受理又は不受理を決定するものであること。また、補正が必要な場合は適宜補正を求めるものとする。なお、この要件審査に要する期間は原則として2週間以内を標準とし、遅くとも概ね1か月以内(提出者の補正に要する期間は除く。)とするものであること。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2

届出の受理が行われないケース

下記の場合は届出が受理されません。

第2 届出に関する手続き

  • 5 特掲診療料の施設基準等に係る届出を行う保険医療機関又は保険薬局が、次のいずれかに該当する場合にあっては当該届出の受理は行わないものであること。
    • (1) 当該届出を行う前6か月間において当該届出に係る事項に関し、不正又は不当な届出(法令の規定に基づくものに限る。)を行ったことがある保険医療機関又は保険薬局である場合。
    • (2) 当該届出を行う前6か月間において療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(平成 18 年厚生労働省告示第 107 号)に違反したことがある保険医療機関又は保険薬局である場合。
    • (3) 地方厚生(支)局長に対して当該届出を行う時点において、厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成 18 年厚生労働省告示第 104 号)に規定する基準のいずれかに該当している保険医療機関である場合。
    • (4) 当該届出を行う前6か月間において、健康保険法(大正11年法律第70号)第78条第1 項(同項を準用する場合を含む。)及び高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第80号)(以下「高齢者医療確保法」という。)第72条第1項の規定に基づく検査等の結果、診療内容若しくは調剤内容又は診療報酬若しくは調剤報酬の請求に関し、不正又は不当な行為が認められた保険医療機関又は保険薬局である場合。なお、「診療内容又は診療報酬の請求に関し、不正又は不当な行為が認められた場合」とは、「保険医療機関及び保険医等の指導及び監査について」(平成12年5月31日保発第 105 号厚生省保険局長通知)に規定する監査要綱に基づき、戒告若しくは注意又はその他の処分を受けた場合をいうものとする。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P14

届出の受理について

受理された後の通知について。

第2 届出に関する手続き

  • 6 届出の要件を満たしている場合は届出を受理し、次の受理番号を決定し、提出者に対して受理番号を付して通知するとともに、審査支払機関に対して受理番号を付して通知するものであること。
    • 調剤基本料1:(調基1)第 号
    • 調剤基本料2:(調基2)第 号
    • 調剤基本料3イ:(調基3イ)第 号
    • 調剤基本料3ロ:(調基3ロ)第 号
    • 調剤基本料1(注1のただし書に該当する場合):(調基特1)第 号
    • 地域支援体制加算:(地支体)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算1:(後発調1)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算2:(後発調2)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算3:(後発調3)第 号
    • 無菌製剤処理加算:(薬菌)第 号
    • 在宅患者調剤加算:(在調)第 号
    • 薬剤服用歴管理指導料の4に掲げる情報通信機器を用いた服薬指導:(オン外薬)第 号
    • 薬剤服用歴管理指導料の注7に掲げる特定薬剤管理指導加算2:(特薬管2)第 号
    • かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料:(か薬)第 号

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P14,P26

受理されない場合の通知

不受理の場合。

第2 届出に関する手続き

  • 9 届出の不受理の決定を行った場合は、速やかにその旨を提出者に対して通知するものであること。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P27

届出後の算定開始について

届出後の算定開始のタイミングについて。
改定直後(令和2年4月)については20日までの猶予あり。

第2 届出に関する手続き

  • 8 4に定めるもののほか、各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。なお、令和2年4月20日までに届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P26〜27

受理後の見直し等について

毎年7月1日現在の時点で届出の見直しが行われます。

第3 届出受理後の措置等

  • 1 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関又は保険薬局の開設者は届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に変更の届出を行うものであること。ただし、神経学的検査、精密触覚機能検査、画像診断管理加算1、2及び3、歯科画像診断管理加算1及び2、麻酔管理料(I)、歯科麻酔管理料、歯科矯正診断料並びに顎口腔機能診断料について届け出ている医師に変更があった場合にはその都度届出を行い、届出にあたり使用する機器を届け出ている施設基準については、当該機器に変更があった場合には、 その都度届出を行うこと。また、CT撮影及びMRI撮影について届け出ている撮影に使用する機器に変更があった場合にはその都度届出を行うこと。その場合においては、変更の届出を行った日の属する月の翌月(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)から変更後の特掲診療料を算定すること。ただし、面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合など月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準の場合には、当該施設基準を満たさなくなった日の属する月に速やかに変更の届出を行い、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の特掲診療料を算定すること。
  • 2 届出を受理した保険医療機関又は保険薬局については、適時調査を行い(原則として年1回、受理後6か月以内を目途)、届出の内容と異なる事情等がある場合には、届出の受理の変更を行うなど運用の適正を期するものであること。
  • 3 特掲診療料の施設基準等に適合しないことが判明した場合は、所要の指導の上、変更の届出を行わせるものであること。その上で、なお改善がみられない場合は、当該届出は無効となるものであるが、その際には当該保険医療機関又は当該保険薬局の開設者に弁明を行う機会を与えるものとすること。
  • 4 届出を行った保険医療機関又は保険薬局は、毎年7月1日現在で届出の基準の適合性を確認し、その結果について報告を行うものであること。
  • 5 地方厚生(支)局においては、届出を受理した後、当該届出事項に関する情報を都道府県に提供し、相互に協力するよう努めるものとすること。
  • 6 届出事項については、被保険者等の便宜に供するため、地方厚生(支)局において閲覧(ホー ムページへの掲載等を含む。)に供するとともに、当該届出事項を適宜とりまとめて、保険者等に提供するよう努めるものとする。また、保険医療機関及び保険薬局においても、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準(昭和58年厚生省告示第14号)及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)の規定に基づき、院内の見やすい場所に届出内容の掲示を行うよう指導をするものであること。

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P27

令和2年度改定にあたって継続の場合でも届出が必要になるもの

第4 経過措置等
第2及び第3の規定にかかわらず、令和2年3月31日現在において特掲診療料の届出が受理されている保険医療機関及び保険薬局については、次の取扱いとする。
令和2年3月31日において現に表1及び表2に掲げる特掲診療料以外の特掲診療料を算定している保険医療機関又は保険薬局であって、引き続き当該特掲診療料を算定する場合には、新たな届出を要しないが、令和2年4月以降の実績をもって、該当する特掲診療料の施設基準等の内容と異なる事情等が生じた場合は、変更の届出を行うこと。
表1 新たに施設基準が創設されたことにより、令和2年4月以降において当該点数を算定するに当たり届出の必要なもの
(一部略)

  • 薬剤服用歴管理指導料の4に掲げる情報通信機器を用いた服薬指導
  • 薬剤服用歴管理指導料の注7に掲げる特定薬剤管理指導加算2

表2 施設基準の改正により、令和2年3月31日において現に当該点数を算定していた保険医療機関及び保険薬局であっても、令和2年4月以降において当該点数を算定するに当たり届出の必要なもの
(一部略)

  • 調剤基本料の注5に掲げる地域支援体制加算(調剤基本料1を算定している保険薬局で、令和3年4月1日以降に引き続き算定する場合に限る。)

表3 施設基準等の名称が変更されたが、令和2年3月31日において現に当該点数を算定していた保険医療機関であれば新たに届出が必要でないもの
(略)

【省令、告示】 (4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P28〜30

参考資料

今回の記事の参考資料についてまとめます。

関連資料へのリンク

通知等の全文

第1節 調剤技術料
区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

  1. 調剤基本料1 42点
  2. 調剤基本料2 26点
  3. 調剤基本料3
    • イ 同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業場、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下この表において同じ。)による処方箋受付回数3万5千回を超え40万回以下の場合 21点
    • ウ 同一グループの保険薬局による処方箋受付回数40万回を超える場合 16点
  • 注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、処方箋の受付1回につき、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、本文の規定にかかわらず、調剤基本料1により算定する。
  • 2 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、注1本文の規定にかかわらず、特別調剤基本料として、処方箋の受付1回につき9点を算定する。
  • 3 複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合において、当該処方箋のうち、受付が2回目以降の調剤基本料は、処方箋の受付1回につき所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。
  • 4 別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。
  • 5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、地域支援体制加算として、所定点数に38点を加算する。
  • 6 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)第7条の2に規定する後発医薬品(以下「後発医薬品」という。)の調剤に関して別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
    • イ 後発医薬品調剤体制加算1 15点
    • ロ 後発医薬品調剤体制加算2 22点
    • ハ 後発医薬品調剤体制加算3 28点
  • 7 後発医薬品の調剤に関して別に厚生労働大臣が定める保険薬局において調剤した場合には、所定点数から2点を減算する。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く。
  • 8 長期投薬(14日分を超える投薬をいう。)に係る処方箋受付において、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目以降の調剤については、1分割調剤につき5点を算定する。なお、当該調剤においては第2節薬学管理料は算定しない。
  • 9 後発医薬品に係る処方箋受付において、当該処方箋の発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目の調剤に限り、5点を算定する。なお、当該調剤においては、第2節薬学管理料(区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料を除く。)は算定しない。
  • 10 医師の分割指示に係る処方箋受付(注及び注9に該当する場合を除く。)において、1回目の調剤については、当該指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降の調剤については投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方箋を交付した保険医(以下この表において「処方医」という。)に対して情報提供を行った場合に算定する。この場合において、区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算、区分番号01に掲げる調剤料及びその加算並びに第2節に掲げる薬学管理料(区分番号15にの5に掲げる服薬情報等提供料を除く。)は、それぞれの所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算定する。

(2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第57号)別表第3(調剤点数表)P1〜2

調剤報酬点数表に関する事項
<調剤技術料>
区分00 調剤基本料
1 受付回数等

  • (1) 調剤基本料は、患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋の受付1回につき算定する。なお、分割調剤を行う場合は、により算定する。
  • (2) 同一患者から同一日に複数の処方箋を受け付けた場合、同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方箋又は同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋については一括して受付1回と数える。
    ただし、同一の保険医療機関から交付された場合であっても、歯科の処方箋については歯科以外の処方箋と歯科の処方箋を別受付として算定できる。
  • (3) 複数の保険医療機関が交付した処方箋を同時にまとめて受け付けた場合においては、受付回数はそれぞれ数え2回以上とする。また、この場合において、当該受付のうち、1回目は調剤基本料の所定点数を算定し、2回目以降は「注3」により調剤基本料の所定点数を100分の80にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。

2 調剤基本料の注4に規定する保険薬局

  • (1) 以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を100分の50に減算する。
    なお、詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和2年3月5日保医発 0305 第3号)を参照すること。

    • ア 医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
    • イ 医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局
    • ウ 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局
  • (2) 当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数に100分の50にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。

(2) 3 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第1号)別添3(調剤点数表)P1〜2

別表第六の二 厚生労働大臣が定める地域

  • 一 北海道江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町及び奥尻町の地域
  • 二 北海道日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町及び新ひだか町の地域
  • 三 北海道稚内市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町及び幌延町の地域
  • 四 北海道帯広市、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町及び浦幌町の地域
  • 五 北海道根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の地域
  • 六 青森県五所川原市、つがる市、鰺ヶ沢町、深浦町、鶴田町及び中泊町の地域
  • 七 青森県むつ市、大間町、東通村、風間浦村及び佐井村の地域
  • 八 岩手県花巻市、北上市、遠野市及び西和賀町の地域
  • 九 岩手県大船渡市、陸前高田市及び住田町の地域
  • 十 岩手県宮古市、山田町、岩泉町及び田野畑村の地域
  • 十一 岩手県久慈市、普代村、野田村及び洋野町の地域
  • 十二 秋田県北秋田市及び上小阿仁村の地域
  • 十三 秋田県大仙市、仙北市及び美郷町の地域
  • 十四 秋田県湯沢市、羽後町及び東成瀬村の地域
  • 十五 山形県新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村及び戸沢村の地域
  • 十六 東京都大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村及び小笠原村の地域
  • 十七 新潟県十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町及び津南町の地域
  • 十八 新潟県佐渡市の地域
  • 十九 福井県大野市及び勝山市の地域
  • 二十 山梨県市川三郷町、早川町、身延町、南部町及び富士川町の地域
  • 二十一 長野県木曽郡の地域
  • 二十二 長野県大町市及び北安曇野郡の地域
  • 二十三 岐阜県高山市、飛騨市、下呂市及び白川町の地域
  • 二十四 愛知県新城市、設楽町、東栄町及び豊根村の地域
  • 二十五 滋賀県長浜市及び米原市の地域
  • 二十六 滋賀県高島市の地域
  • 二十七 兵庫県豊岡市、養父市、朝来市、香美町及び新温泉町の地域
  • 二十八 奈良県五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村及び東吉野村の地域
  • 二十九 島根県雲南市、奥出雲町及び飯南町の地域
  • 三十 島根県大田市及び邑智郡の地域
  • 三十一 島根県海士町、西ノ島町、知夫村及び隠岐の島町の地域
  • 三十二 香川県小豆郡の地域
  • 三十三 長崎県五島市の地域
  • 三十四 長崎県小値賀町及び新上五島町の地域
  • 三十五 長崎県壱岐市の地域
  • 三十六 長崎県対馬市の地域
  • 三十七 鹿児島県西之表市及び熊毛郡の地域
  • 三十八 鹿児島県奄美市及び大島郡の地域
  • 三十九 沖縄県宮古島市及び多良間村の地域
  • 四十 沖縄県石垣市、竹富町及び与那国町の地域

上記のほか、離島振興法第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域、奄美群島振興開発特別措置法第一条に規定する奄美群島の地域、小笠原諸島振興開発特別措置法第四条第一項に規定する小笠原諸島の地域及び沖縄振興特別措置法第三条第三号に規定する 離島の地域に該当する地域

(3) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年厚生労働省告示第58号) P204〜207

別紙2
医療を提供しているが、医療資源の少ない地域

都道府県二次医療圏市町村
北海道南檜山江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町
日高日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、
新ひだか町
宗谷稚内市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、
礼文町、利尻町、利尻富士町、幌延町
十勝帯広市、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、
清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、
池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町、浦幌町
根室根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町
青森県西北五地域五所川原市、つがる市、鯵ヶ沢町、深浦町、鶴田町、中泊町
下北地域むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村
岩手県岩手中部花巻市、北上市、遠野市、西和賀町
気仙大船渡市、陸前高田市、住田町
宮古宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村
久慈久慈市、普代村、野田村、洋野町
秋田県北秋田北秋田市、上小阿仁村
大仙・仙北大仙市、仙北市、美郷町
湯沢・雄勝湯沢市、羽後町、東成瀬村
山形県最上新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、
鮭川村、戸沢村
東京都島しょ大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、
八丈町、青ヶ島村、小笠原村
新潟県魚沼十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、津南町
佐渡佐渡市
福井県奥越大野市、勝山市
山梨県峡南市川三郷町、早川町、身延町、南部町、富士川町
長野県木曽木曽郡(上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村、木曽町)
大北大町市、北安曇野郡(池田町、松川村、白馬村、小谷村)
岐阜県飛騨高山市、飛騨市、下呂市、白川町
愛知県東三河北部新城市、設楽町、東栄町、豊根村
滋賀県湖北長浜市、米原市
湖西高島市
奈良県南和五條市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、
野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
兵庫県但馬豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町
島根県雲南雲南市、奥出雲町、飯南町
大田大田市、邑智郡(川本町、美郷町、邑南町)
隠岐海士町、西ノ島町、知夫村、隠岐の島町
香川県小豆小豆郡(土庄町、小豆島町)
長崎県五島五島市
上五島小値賀町、新上五島町
壱岐壱岐市
対馬対馬市
鹿児島県熊毛西之表市、熊毛郡(中種子町、南種子町、屋久島町)
奄美奄美市、大島郡(大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町、
喜界町、徳之島町、天城町、伊仙町、和泊町、知名町、
与論町)
沖縄県宮古宮古島市、多良間村
八重山石垣市、竹富町、与那国町

上記のほか、離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条第1項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域、奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)第1条に規定する奄美群島の地域、小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)第4条第1項に規定する小笠原諸島の地域及び沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)第3条第三号に規定する離島の地域に該当する地域

(3) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号) P127〜128

第十五 調剤
一 調剤基本料の施設基準

  • (1) 調剤基本料1の施設基準
    (2)から(4)まで又は二の二の(1)のいずれにも該当しない保険薬局であること。
  • (2) 調剤基本料2の施設基準
    次のいずれかに該当する保険薬局((3)、(4)及び二の二のに該当するものを除く。)であること。

    • イ 処方箋の受付回数が一月に四千回を超えること。(特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超える場合に限る。)
    • ロ 処方箋の受付回数が一月に二千回を超えること。(イに該当する場合を除き、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超える場合に限る。)
    • ハ 処方箋の受付回数が一月に千八百回を超えること。(イ又はロに該当する場合を除き、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が九割五分を超える場合に限る。)
    • ニ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(当該保険薬局の所在する建物内に複数の保険医療機関が所在している場合にあっては、当該複数の保険医療機関に係る処方箋の受付回数を全て合算した回数とする。)が一月に四千回を超えること。(イからハまでに該当する 場合を除く。)
    • ホ 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)のうち、これに 属する他の保険薬局において、保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が最も高い保険医療機関が同一の場合は、当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が、一月に四千回を超えること。(イからニまでに該当する場合を除く。)
  • (3) 調剤基本料3の施設基準
    次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • イ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に三万五千回を超え、四万回以下のグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が九割五分を超える又は特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。
    • ロ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に四万回を超え、四十万回以下のグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超える又は特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。
  • (4) 調剤基本料3のロの施設基準
    同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が一月に四十万回を超えるグループに属する保険薬局(二の二の(1)に該当するものを除く。)のうち、次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • イ 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が八割五分を超えること。
    • ロ 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があること。

二 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準

  • (1) 基本診療料の施設基準等の別表第六の二に規定する地域に所在すること。
  • (2) 当該保険薬局が所在する特定の区域内における保険医療機関(歯科医療のみを担当するものを除く。)について、許可病床数が二百床未満であり、その数が十以下であること。ただし、当該保険薬局において、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超える場合については、当該保険医療機関は、当該特定の区域内に所在するものとみなす。
  • (3) 処方箋受付回数が一月に二千五百回を超えないこと。

二の二 調剤基本料の注2に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
次のいずれかに該当する保険薬局であること。

  • (1) 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局(当該保険薬局の所在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合を除く。)であって、当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が七割を超えること。
  • (2) 一の(1)から(4)までのいずれかに適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局以外の保険薬局であること。

(4) 1 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)(令和2年 厚生労働省告示第59号)P126〜130

第2 届出に関する手続き

  • 1 特掲診療料の施設基準等に係る届出に際しては、特に規定のある場合を除き、当該保険医療機関単位又は当該保険薬局単位で行うものであること。
  • 2 「特掲診療料の施設基準等」の各号に掲げる施設基準に係る届出を行おうとする保険医療機関又は保険薬局の開設者は、当該保険医療機関又は保険薬局の所在地の地方厚生(支)局長に対して、別添2の当該施設基準に係る届出書(届出書添付書類を含む。以下同じ。)を1通提出するものであること。なお、国立高度専門医療研究センター等で内部で権限の委任が行われているときは、病院の管理者が届出書を提出しても差し支えない。また、当該保険医療機関は、提出した届出書の写しを適切に保管するものであること。
  • 3 届出書の提出があった場合は、届出書を基に、「特掲診療料の施設基準等」及び本通知に規定する基準に適合するか否かについて要件の審査を行い、記載事項等を確認した上で受理又は不受理を決定するものであること。また、補正が必要な場合は適宜補正を求めるものとする。なお、この要件審査に要する期間は原則として2週間以内を標準とし、遅くとも概ね1か月以内(提出者の補正に要する期間は除く。)とするものであること。
  • 4 届出に当たっては、当該届出に係る基準について、特に定めがある場合を除き、実績期間を要しない。
    (略)

    • (11) 調剤基本料の施設基準
      • ア 処方箋受付回数
        • (イ) 前年3月1日から当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。
        • (ロ) (イ)にかかわらず、前年3月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局については、次のとおりとし、処方箋受付回数の実績が判断されるまでは、調剤基本料1に該当しているものとして取り扱う(ただし、保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しているものとして別添1の第90の1(1)から(4)までに該当する場合は、特別調剤基本料とする。特別調剤基本料の施設基準に該当する場合を除き、特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある等の施設基準に該当する場合は調剤基本料3とする。)。
          • a 前年3月1日から前年11月30日までの間に新規に指定された保険薬局について 指定の日の属する月の翌月1日から当年2月末日までの処方箋受付回数で判定し、当年4月1日から翌年3月31日まで適用する。
          • b 前年12月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局について 指定の日の属する月の翌月1日から3か月間の処方箋受付回数で判定し、当該3か月の最終月の翌々月1日から翌年3月31日まで適用する。
        • (ハ) 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「医薬品医療機器等法」という。)上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、(ロ)bにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
      • 新規届出の場合
        例:30年8月1日に新規指定された薬局((ロ)の場合)

        • ①から④までは調剤基本料1に該当するものとして取り扱う(ただし、保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しているものとして第90の1(1)から(4)までに該当する場合は、特別調剤基本料とする。特別調剤基本料の施設基準に該当する場合を除き、特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある等の施設基準に該当する場合は調剤基本料3とする。)。
        • ②から③までにおける実績で判断し、その翌々月(④の翌日)から⑥まで適用する。
        • 31年4月1日(⑥の翌日)から令和2年3月末日(⑦)までの調剤基本料の施設基準の適合は②から⑤までの期間における実績で判断する。f:id:pkoudai:20200312001428p:plain
    • (12) 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準
      当年2月末日時点の状況をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。ただし、当年4月1日から翌年3月末日までの間に、新たに施設基準に適合した場合は、届出を行うことができ、届出のあった月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定することができるものとする。
    • (13) 妥結率の実績
      • イ 妥結率の実績の算定期間は、報告年度の当年4月1日から9月30日までとし、翌年4月1日から翌々年3月31日まで適用する。
      • ロ イにかかわらず、妥結率の報告年度の当年4月2日以降に新規に保険薬局に指定された薬局においては、翌々年3月31日までは妥結率が5割を超えているものとみなす。
      • ハ 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、ロにかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
      • 新規届出の場合
        例:30年5月1日に新規指定された薬局の場合

        • ①から④までは妥結率が5割を超えていると見なす
        • ②から③までの妥結率の実績を令和2年4月1日(④の翌日)から⑤まで適用する。

f:id:pkoudai:20200312001443p:plain

    • (14)調剤基本料の注6に規定する保険薬局
      届出前3月間の実績にて判定すること。
  • 5 特掲診療料の施設基準等に係る届出を行う保険医療機関又は保険薬局が、次のいずれかに該当する場合にあっては当該届出の受理は行わないものであること。
    • (1) 当該届出を行う前6か月間において当該届出に係る事項に関し、不正又は不当な届出(法令の規定に基づくものに限る。)を行ったことがある保険医療機関又は保険薬局である場合。
    • (2) 当該届出を行う前6か月間において療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(平成 18 年厚生労働省告示第 107 号)に違反したことがある保険医療機関又は保険薬局である場合。
    • (3) 地方厚生(支)局長に対して当該届出を行う時点において、厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成 18 年厚生労働省告示第 104 号)に規定する基準のいずれかに該当している保険医療機関である場合。
    • (4) 当該届出を行う前6か月間において、健康保険法(大正11年法律第70号)第78条第1 項(同項を準用する場合を含む。)及び高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第80号)(以下「高齢者医療確保法」という。)第72条第1項の規定に基づく検査等の結果、診療内容若しくは調剤内容又は診療報酬若しくは調剤報酬の請求に関し、不正又は不当な行為が認められた保険医療機関又は保険薬局である場合。なお、「診療内容又は診療報酬の請求に関し、不正又は不当な行為が認められた場合」とは、「保険医療機関及び保険医等の指導及び監査について」(平成12年5月31日保発第 105 号厚生省保険局長通知)に規定する監査要綱に基づき、戒告若しくは注意又はその他の処分を受けた場合をいうものとする。
  • 6 届出の要件を満たしている場合は届出を受理し、次の受理番号を決定し、提出者に対して受理番号を付して通知するとともに、審査支払機関に対して受理番号を付して通知するものであること。
    • 調剤基本料1:(調基1)第 号
    • 調剤基本料2:(調基2)第 号
    • 調剤基本料3イ:(調基3イ)第 号
    • 調剤基本料3ロ:(調基3ロ)第 号
    • 調剤基本料1(注1のただし書に該当する場合):(調基特1)第 号
    • 地域支援体制加算:(地支体)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算1:(後発調1)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算2:(後発調2)第 号
    • 後発医薬品調剤体制加算3:(後発調3)第 号
    • 無菌製剤処理加算:(薬菌)第 号
    • 在宅患者調剤加算:(在調)第 号
    • 薬剤服用歴管理指導料の4に掲げる情報通信機器を用いた服薬指導:(オン外薬)第 号
    • 薬剤服用歴管理指導料の注7に掲げる特定薬剤管理指導加算2:(特薬管2)第 号
    • かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料:(か薬)第 号

(略)

  • 8 4に定めるもののほか、各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。なお、令和2年4月20日までに届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする。
  • 9 届出の不受理の決定を行った場合は、速やかにその旨を提出者に対して通知するものであること。

第3 届出受理後の措置等

  1. 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関又は保険薬局の開設者は届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に変更の届出を行うものであること。ただし、神経学的検査、精密触覚機能検査、画像診断管理加算1、2及び3、歯科画像診断管理加算1及び2、麻酔管理料(I)、歯科麻酔管理料、歯科矯正診断料並びに顎口腔機能診断料について届け出ている医師に変更があった場合にはその都度届出を行い、届出にあたり使用する機器を届け出ている施設基準については、当該機器に変更があった場合には、 その都度届出を行うこと。また、CT撮影及びMRI撮影について届け出ている撮影に使用する機器に変更があった場合にはその都度届出を行うこと。その場合においては、変更の届出を行った日の属する月の翌月(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)から変更後の特掲診療料を算定すること。ただし、面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合など月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準の場合には、当該施設基準を満たさなくなった日の属する月に速やかに変更の届出を行い、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の特掲診療料を算定すること。
  2. 届出を受理した保険医療機関又は保険薬局については、適時調査を行い(原則として年1回、受理後6か月以内を目途)、届出の内容と異なる事情等がある場合には、届出の受理の変更を行うなど運用の適正を期するものであること。
  3. 特掲診療料の施設基準等に適合しないことが判明した場合は、所要の指導の上、変更の届出を行わせるものであること。その上で、なお改善がみられない場合は、当該届出は無効となるものであるが、その際には当該保険医療機関又は当該保険薬局の開設者に弁明を行う機会を与えるものとすること。
  4. 届出を行った保険医療機関又は保険薬局は、毎年7月1日現在で届出の基準の適合性を確認し、その結果について報告を行うものであること。
  5. 地方厚生(支)局においては、届出を受理した後、当該届出事項に関する情報を都道府県に提供し、相互に協力するよう努めるものとすること。
  6. 届出事項については、被保険者等の便宜に供するため、地方厚生(支)局において閲覧(ホー ムページへの掲載等を含む。)に供するとともに、当該届出事項を適宜とりまとめて、保険者等に提供するよう努めるものとする。また、保険医療機関及び保険薬局においても、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準(昭和58年厚生省告示第14号)及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)の規定に基づき、院内の見やすい場所に届出内容の掲示を行うよう指導をするものであること。

第4 経過措置等
第2及び第3の規定にかかわらず、令和2年3月31日現在において特掲診療料の届出が受理されている保険医療機関及び保険薬局については、次の取扱いとする。
令和2年3月31日において現に表1及び表2に掲げる特掲診療料以外の特掲診療料を算定している保険医療機関又は保険薬局であって、引き続き当該特掲診療料を算定する場合には、新たな届出を要しないが、令和2年4月以降の実績をもって、該当する特掲診療料の施設基準等の内容と異なる事情等が生じた場合は、変更の届出を行うこと。
表1 新たに施設基準が創設されたことにより、令和2年4月以降において当該点数を算定する に当たり届出の必要なもの
(一部略)

  • 薬剤服用歴管理指導料の4に掲げる情報通信機器を用いた服薬指導
  • 薬剤服用歴管理指導料の注7に掲げる特定薬剤管理指導加算2

表2 施設基準の改正により、令和2年3月31日において現に当該点数を算定していた保険医療機関及び保険薬局であっても、令和2年4月以降において当該点数を算定するに当たり届出の必要なもの
(一部略)

  • 調剤基本料の注5に掲げる地域支援体制加算(調剤基本料1を算定している保険薬局で、令和3年4月1日以降に引き続き算定する場合に限る。)

表3 施設基準等の名称が変更されたが、令和2年3月31日において現に当該点数を算定していた保険医療機関であれば新たに届出が必要でないもの
(略)

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号) P2,12〜14,26〜30

第88 調剤基本料
1 調剤基本料に関する施設基準

  • (1) 調剤基本料1
    調剤基本料2、調剤基本料3及び特別調剤基本料のいずれにも該当しない保険薬局であること。なお、調剤基本料の「注1」のただし書きの施設基準に該当する保険薬局(「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局)は、以下の(2)から(5)の基準にかかわらず調剤基本料1となる。
  • (2) 調剤基本料2
    次のいずれかに該当する保険薬局であること(調剤基本料3及び特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 処方箋集中率等に基づく基準
      • (イ) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合(以下「処方箋集中率」という。)が70%を超え、処方箋の受付回数が1月に4,000回を超えるもの
      • (ロ) 処方箋集中率が85%を超え、処方箋の受付回数が1月に2,000回を超えるもの
      • (ハ) 処方箋集中率が95%を超え、処方箋の受付回数が1月に1,800回を超えるもの
    • イ 特定の保険医療機関からの処方箋受付回数に基づく基準(アに該当するものを除く。)
      • (イ) 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一の建物内に複数の保険医療機関が所在するいわゆる医療モールの場合にあっては、当該建物内の全ての保険医療機関に係る処方箋の受付回数を合算したものとする。)が1月に4,000回を超えること。
      • (ロ) 特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)のうち、これに属する他の保険薬局において、処方箋集中率が最も高い保険医療機関が同一の場合は、処方箋の受付回数は当該他の保険薬局の処方箋の受付回数を含む。)が、1月に4,000回を超えること。
  • (3)調剤基本料3 イ
    次のいずれかに該当する保険薬局であること(特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に3万5千回を超え、4万回以下の場合
      • (イ) 処方箋集中率が95%を超えるもの
      • (ロ) 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
    • イ 同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に4万回を超え、40万回以下の場合
      • (イ) 処方箋集中率が85%を超えるもの
      • (ロ) 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
  • (4)調剤基本料3 ロ
    同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に40万回を超える場合であって以下のいずれかに該当するものであること(特別調剤基本料に該当するものを除く。)。

    • ア 処方箋集中率が85%を超えるもの
    • イ 特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
  • (5) 特別調剤基本料
    次のいずれかに該当する保険薬局であること。

    • ア 保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、処方箋集中率が70%を超えるもの。ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く。
    • イ 調剤基本料の施設基準に係る届出を行っていないもの

2 調剤基本料の施設基準に関する留意点

  • (1) 処方箋の受付回数
    処方箋の受付回数の計算に当たり、受付回数に数えない処方箋は以下のとおりとする。

    • ア 調剤料の時間外加算、休日加算、深夜加算又はの夜間・休日等加算を算定した処方箋
    • イ 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は在宅患者緊急時等共同指導料の基となる調剤に係る処方箋。ただし、在宅患者訪問薬剤管理指導料の処方箋については、単一建物診療患者が1人の場合は受付回数の計算に含める。
    • ウ 介護保険法に基づく指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表の「5」の居宅療養管理指導費のハの(2)又は指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第127号)別表の「5」の介護予防居宅療養管理指導費のハの(2)の基となる調剤に係る処方箋。ただし、単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。
  • (2) 処方箋の受付回数及び特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数が、調剤基本料の施設基準に該当するか否かの取扱いについては、処方箋受付回数の合計が、調剤基本料の施設基準で定められている回数に、受付回数を計算した月数を乗じて得た回数を超えるか否かで判定する。
  • (3) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値とする。
  • (4) (3)の計算に当たり、同一グループの保険薬局の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員をいう。)及びその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居又は生計を一にする者をいう。)の処方箋は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数及び当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数のいずれからも除いて計算する。
  • (5) 「当該保険薬局の所在する建物内に複数保険医療機関が所在している場合」とは、保険薬局と複数の保険医療機関が一つの建築物に所在している場合のことをいう。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなす。
  • (6) 同一グループは次の基準により判断する。
    • ア 同一グループの保険薬局とは、次に掲げる者の全ての保険薬局とする。
      1. 保険薬局の事業者の最終親会社等
      2. 保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
      3. 保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
      4. 1から3までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者
    • イ アの保険薬局の事業者の最終親会社等は、保険薬局の事業者を子会社等とする者のうち、親会社等がない法人又は個人(以下「法人等」という。)をいう(カにおいて同じ。)。
    • ウ イの親会社等は、次に掲げる者とする。
      1. 他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等
      2. 他の法人(持分会社(会社法(平成17年法律第86号)第575条第1項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)その他これに準じる形態の法人に限る。)の資本金の過半数を出資している法人等
      3. 他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に掲げる者と同等以上の支配力を有すると認められる法人等
    • エ ア2及びイの子会社等は、次に掲げる者とする。この場合において、法人等の子会社等が次に掲げる者を有する場合における当該者は、当該法人等の子会社等とみなす。(法人等及びその子会社等が共同で次に掲げる者を有する場合における当該者を含む。)
      1. 法人等が議決権の過半数を所有している他の法人(株式会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      2. 法人等が資本金の過半数を出資している他の法人(持分会社その他これに準じる形態の法人に限る。)
      3. 法人等が、他の法人の事業の方針の決定に関して、1及び2に規定する法人等と同等以上の支配力を有すると認められる場合における当該他の法人
    • オ ア3の関連会社等とは、法人等及びその子会社等が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社等以外の他の法人の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条第6項に規定する場合をいう。)における当該子会社等以外の他の法人をいう。
    • カ 保険薬局の事業者の最終親会社等が連結財務諸表提出会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第1号に規定する連結財務諸表提出会社をいう。)である場合には、当該最終親会社の連結子会社(同条第4号に規定する連結子会社をいう。)をア2に掲げる者とみなし、当該最終親会社等の関連会社(同条第7号に規定する関連会社をいう。)をア3に掲げる者とみなす。
  • (7) (6)ウ3及びエ3における「同等以上の支配力を有すると認められる」とは、例えば、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第4項第2号及び第3号に規定する要件に該当する場合等、他の法人の意思決定機関を支配している場合等が該当するものであること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合は、この限りでないこと。
  • (8) 同一グループ内の処方箋受付回数が1月に3万5千回、4万回又は40万回を超えるか否かの取扱いは、当年2月末日時点で(6)に規定する同一グループ内の保険薬局について、保険薬局ごとの1月当たりの処方箋受付回数を合計した値が3万5千回、4万回又は40万回を超えるか否かで判定する。保険薬局ごとの1月当たりの処方箋の受付回数は以下のとおりとする。
    • ア 前年2月末日以降継続して保険薬局に指定されている薬局の場合は、前年3月1日から当年2月末日までに受け付けた処方箋受付回数を12で除した値とする。
    • イ 前年3月1日から当年1月末日までに新規指定された保険薬局の場合は、指定された日の属する月の翌月から、当年2月末日までに受け付けた処方箋受付回数を月数で除した値とする。
    • ウ 開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、イの記載にかかわらず、当該遡及指定前の実績に基づいて取り扱う。
  • (9) 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局に関して、ここでいう不動産とは、土地及び建物を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるものに限るものである。また、ここでいう賃貸借取引関係とは、保険医療機関と保険薬局の事業者が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指すものとし、保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合を含むものである。
    なお、特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局とは、当該契約の名義が当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者であるか否かにかかわらず、次のものを指すものである。

    • ア 保険薬局の個々の店舗について、その土地及び建物が特定の保険医療機関の所有である場合における当該店舗
    • イ 保険医療機関が保険薬局の事業者(当該保険薬局の事業者の最終親会社等、(6)ア1から4までに定める者を含む。)から土地又は建物を賃借している場合において、当該保険医療機関と近接な位置にある当該保険薬局の店舗

3 届出に関する事項
調剤基本料の施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。

第89 調剤基本料の注1 ただし書に規定する施設基準
(処方箋集中率等の状況によらず例外的に調剤基本料1を算定することができる保険薬局)
1 調剤基本料の注1ただし書に規定する施設基準

  • (1) 対象となるのは、基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和2年3月5日保医発0305第2号)の別添3の別紙2の「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局であること。
  • (2) 「特定の区域内」とは、原則として、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第5条第2項に基づき、就学すべき中学校の指定をする際の判断基準として、市(特別区を含む。)町村の教育委員会があらかじめ設定した区域(以下「中学校区」という。)とする。ただし、当該保険薬局の所在する中学校区外に所在する保険医療機関であっても、当該保険薬局における当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が70%を超える場合には、当該保険医療機関は特定の区域内にあるものとみなす。
  • (3) 「特定の区域内における保険医療機関」の数には、歯科医療のみを担当する保険医療機関を含めず、医科歯科併設の保険医療機関は含める。
  • (4) 処方箋の受付回数が1月に2,500回を超えるか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。

2 届出に関する事項

  • (1) 施設基準に係る届出は、別添2の様式87の2を用いること。
  • (2) 当該保険薬局が所在する中学校区について、当該区域の地名がわかる資料を添付すること。

第90 調剤基本料の注2に規定する保険薬局(特別調剤基本料)

  1. 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは、次の(1)から(4)までのいずれかに該当するものであること。ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は、ここでいう「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」には該当しない。
    • (1) 当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
    • (2) 当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
    • (3) 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
    • (4) 当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
  2. 1の「不動産」については、「第88調剤基本料」の2の(9)に準じて取り扱う。
  3. 1の「賃貸借取引関係」とは、保険医療機関と保険薬局が直接不動産の賃貸借取引を契約している場合を指す他、次の(1)から(3)までの場合を含む。
    • (1) 保険医療機関が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険薬局との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (2) 保険薬局が所有する不動産を第三者が賃借し、当該賃借人と保険医療機関との間で賃貸借取引を契約している場合
    • (3) 保険医療機関及び保険薬局の開設者の近親者が当該契約の名義人となっている場合及び保険医療機関及び保険薬局が法人である場合の当該法人の役員が当該契約の名義人となっている場合
  4. 1の(1)については、保険薬局(保険薬局の事業者の最終親会社等、「第88調剤基本料」の2の(6)ア1から4までに定める者を含む。)の不動産を保険医療機関が賃借している場合であって、当該保険医療機関と近接する位置に同一グループの他の保険薬局があるときは、当該他の保険薬局は「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  5. 1の(1)については、診療所である保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合は、平成30年4月1日以降に開局したものに限り「特定の保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局」と判断する。
  6. 1の(2)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係がある場合」と判断する。この場合において、譲り受けた者が更に別の者に譲り渡した場合を含め、譲り受けた者にかかわらず適用する。
    • (1) 平成28年10月1日以降に病院である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
    • (2) 平成30年4月1日以降に診療所である保険医療機関が譲り渡した不動産を利用して開局している場合
  7. 1の(3)については、特定の保険医療機関に対する貸与時間の割合がそれ以外のものへの貸与時間全体の3割以上である場合に「当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している」と判断する。この場合において、災害等の発生により、緊急にやむを得ず当該保険医療機関に貸与した場合は、当該貸与に係る時間は含めないものとする。
  8. 1の(4)については、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合に「当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した」と判断する。
    • (1) 病院からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成28年10月1日以降に開局した場合
    • (2) 診療所からの公募に応じるなど、開局時期の指定を受けて平成30年4月1日以降に開局した場合
  9. 1の(4)の「開局時期の指定」については、開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合についても適用する。
  10. 「当該保険薬局の所在する建物内に保険医療機関(診療所に限る。)が所在している場合」とは、保険薬局と診療所が一つの建築物に所在している場合のことをいう。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなす。

第91 調剤基本料の注4に規定する保険薬局

  1. 次のいずれかに該当する保険薬局は「注4」の規定により、調剤基本料を100分の50に減算する。
    • (1) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
    • (2) 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。
    • (3) 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局であること。
      ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局である場合を除く。
  2. 妥結率等に関する留意点
    • (1) 保険薬局と卸売販売業者との価格交渉においては、「「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」について」(平成30年1月23日医政発0123第9号、保発0123第3号)に基づき、原則として全ての品目について単品単価契約とすることが望ましいこと、個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉、医薬品の安定供給や卸売業者の経営に影響を及ぼすような流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこと等に留意するとともに、医薬品価格調査の信頼性を確保する観点から定めているものであり、「妥結率」、「単品単価契約率」及び「一律値引き契約に係る状況」については以下のとおりとする。
      • ア 「妥結率」の報告における妥結とは、取引価格が決定しているものであり、契約書等の遡及条項により、取引価格が遡及し変更することが可能な場合には未妥結とする。また、取引価格は決定したが、支払期間が決定しないなど、取引価格に影響しない契約事項が未決定の場合は妥結とする。
        ※妥結率の計算については、下記のとおりとする。
        妥結率=卸売販売業者(医薬品医療機器等法第34条第3項に規定する卸売販売業者をいう。)と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額(各医療用医薬品の規格単位数量×薬価を合算したもの)/当該保険薬局において購入された医療用医薬品の薬価総額
      • イ 「単品単価契約率」における単品単価契約とは、品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約をいう。
        ※単品単価契約率の計算については、下記のとおりとする。
        単品単価契約率=単品単価契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額
      • ウ 「一律値引き契約に係る状況」における一律値引き契約とは、「卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品のうち、一定割合以上の医療用医薬品について総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約」をいう。この場合、一定割合以上とは、以下の計算により得られた割合が5割以上であることとし、全ての医療用医薬品が一律値引きにより価格決定した場合を含むものとする。
        また、一律値引き契約に係る状況については、一律値引き契約の該当の有無及び該当有りとした場合にあっては、取引卸売販売業者ごとの当該契約における値引き率(薬価と取引価格(税込み)との差を薬価で除し、これに100を乗じて得た率をいう。)を報告すること。
        ※一律値引き契約における割合の計算については、下記のとおりとする。
        総価額で交渉し、総価額に見合うよう当該医療用医薬品の単価を同一の割合で値引きすることを合意した契約に基づき取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額/卸売販売業者と当該保険薬局との間で取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額
    • (3) 妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、別添2の様式85により、毎年10月1日から11月末日までに、同年4月1日から9月30日までの期間における実績を地方厚生(支)局長へ報告することとし、11月末日までの報告に基づく調剤基本料は、翌年4月1日から翌々年3月末日まで適用する。
  3. 薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務に関する留意点
    • (1) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務」は、以下のものをいう。
      • 調剤料の時間外加算、休日加算及び深夜加算並びに夜間・休日等加算
      • 薬剤服用歴管理指導料の麻薬管理指導加算
      • 薬剤服用歴管理指導料の重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
      • かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料
      • 外来服薬支援料
      • 服用薬剤調整支援料・在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料及び在宅患者緊急時等共同指導料並びに居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費を算定するに際して実施する業務
      • 退院時共同指導料
      • 服薬情報等提供料
    • (2) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」は、1年間の(1)に掲げる業務の算定が合計10回未満のものが該当する。ただし、特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計100回未満のものが該当する。
    • (3) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」への該当性は、前年3月1日から当年2月末日までの1年間の実績をもって判断する。該当する場合は当年4月1日より翌年3月末日までの間は、調剤基本料の注4で定める点数で算定する。ただし、前年3月1日から当年2月末日までに指定された保険薬局の場合は、3の(1)に掲げる業務の算定回数が、(2)に掲げる年間の実績基準(10回又は100回)を12で除して得た数に当年2月末までの調剤基本料を算定した月数を乗じて得た数以上であれば、「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しないものとする。
    • (4) 「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当した場合であっても、当年4月1日から翌年3月末日までの期間中に、(1)に掲げる業務を合計10回(特別調剤基本料を算定する保険薬局においては合計100回)算定した場合には、算定回数を満たした翌月より「薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的な業務を1年間実施していない保険薬局」に該当しない。
    • (5) 処方箋の受付回数が1月に600回を超えるか否かの取扱いについては、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。

(4) 2 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(令和2年3月5日 保医発0305第3号)P246〜254

 

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