来年は診療報酬改定の年という事で、段々と改定に関する話題が耳に入ってきています。
2016年度の診療報酬改定に関する議論はすでに始まっています。
平成27年3月19日に行われた政府の規制改革会議「健康・医療ワーキンググループ」で一部の湿布薬の保険外しが話題に上ったようです。
OTC類似薬の保険給付範囲の見直し
薬事日報のウェブサイトに記事が掲載されています。
【規制改革会議】湿布薬“保険外し”を検討‐刺激型の第一世代に照準 : 薬事日報ウェブサイト
それによると、市販品類似薬の保険給付範囲の見直しが検討されています。
健康保険組合連合会は、主成分にサリチル酸メチル、メントールなどが含まれる第一世代の外用消炎鎮痛剤(湿布薬)については保険給付から外すと共に、湿布薬の処方に一定の上限を設けることを提言。医療用医薬品のスイッチOTC化の推進も求めた。
健保組合から湿布薬の保険削減が提案されたようです。
第一世代の湿布薬が保険から外されてしまう?
第一世代の湿布というと、
成分として、
- サリチル酸メチル
- dl-カンフル
- l-メントール(トウガラシエキス)
が含まれるものです。
医療用医薬品として、
- パップ剤:MS冷シップ、キュウパップM
- 温感パップ剤:MS温シップ
- プラスター剤:GSプラスター
- 温感プラスター剤:ハリホット、GSプラスターH
などが挙げられます。
それぞれ市販薬(主成分はサリチル酸グリコール)として、
- パップ剤:サロンシップ、パテックス、ハリックス
- 温感パップ剤:サロンシップ温感、ハリックス
- プラスター剤:サロンパス
- 温感プラスター剤:サロンパス温感
等が発売されています。
これらについて、保険給付の対象から除外し、市販薬へ置き換えていこうという考えのようです。
まとめ
まだまだ、高齢者などには人気の高い第一世代の湿布ですが、実際にどの程度効果が高い=必要性が高いかと言うと疑問もあります。
これらを保険削除とすればある程度の医療費削減となるはずです。
また、湿布薬の上限を決めるとありますが、考え方によっては整形外科等の受診回数を増やしたり、複数科での湿布薬の処方が増え、逆に医療費増加になる可能性もあるのではないでしょうか?
もちろん、そのあたりは考えてくるのだとは思いますが。
薬局としては処方可能な枚数に曖昧な部分が多く、疑義照会の判断に迷うところがあるので、まずは処方ルールの明確化を行って欲しいところです。
明確なルールを決めるだけでも無駄な処方が減ると思いますね。
第32回健康・医療ワーキング・グループの議事次第は以下に公開されています。
健康・医療ワーキング・グループ 議事次第 – 内閣府
2012年度は栄養補給目的のビタミン剤、2014年度にはうがい薬の単体処方が保険適用外と市販薬類似薬の保険削除が行われてきましたが、今回の湿布薬はどのような形に落ち着くのでしょうか?