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m3.com会員登録年度末ということで決算に伴う棚卸を控えている薬局の方も多いと思います。
「棚卸だから在庫を絞らないと!」
と言われたことないですか?
棚卸の月は憂鬱。
棚卸作業も大変なのに在庫を絞るから欠品が怖いし、棚卸が終わっても、買ってなかった薬をまとめ買いするから検品や伝票入力が大変。
なんで在庫を絞るんだと思います?
「在庫=資産だから在庫が多いと税金をたくさん収めないといけないから」
と教えられた人も多いと思います。
結論から言うとそんなことはないんです。
あ、薬価改定を理由に絞るのは別ですよー。
薬価改定時についてはこちらの記事にも書いています。
特例拡大再算定と市場拡大再算定~4月薬価改定前に在庫を絞っておきたい品目 – 薬剤師の脳みそ
医薬品には固定資産税がかかる?
医薬品の在庫は会社の資産だから税金がかかると言う意見があります。
もし、そうであるなら、そこに生じる税金は固定資産税と言うことになりますが、薬局の在庫する医薬品は流動資産。
固定資産税の対象とはなりません。
法人税
では、法人税はどうでしょうか?
法人税とは簡単に言えば、企業(法人)に対する所得税です。
所得税と考えればわかるように、得られた利益(売上総利益)が多ければ多いほど多くの税金がかかります。
売上総利益は、売上高-売上原価で計算されます。
売上原価
売上高はわかるけど、売上原価って…?
売上原価とは、売上に関わる原価。
医薬品で言えば、売れたものの原価と言うことになります。
処方箋調剤で考えてみましょう。
例えば、医薬品A 100錠を9000円で仕入れて、90錠を調剤して利益を得た場合、売上原価は8100円(90錠分)となります。
これをどうやって計算するかと言うと…計算式があります。
売上原価の計算式は、
売上原価=期首在庫+当期仕入-期末在庫
これだけじゃ、ピンと来ないですよね?
期首在庫とは対象となる期間が開始した時点での在庫。言い換えれば前期の最終在庫になりますね。
例えば…
期首在庫(金額)が100万円、当期仕入れ(額)が500万円、期末在庫(金額)が150万円だとすると、当期の売上原価、調剤した医薬品の仕入れ額は450万円となります。
ちょっと考えてみるとピンと来るでしょうか?
税金に影響するのは調剤•販売した医薬品だけ
と言うわけで、いくら在庫金額が多くても、調剤したり、販売したりしていない医薬品の金額は税金に関係ないわけです。
ですので、法人税に関しては棚卸で在庫を絞る意味はないと言うことになります。
売上原価の計算式で考えても、当期仕入れが増えても使わなければ期末在庫が増えるわけですから相殺されますよね。
何で在庫を絞る?
じやあ、何で在庫を絞るんだ?と聞かれたら困るわけですが…。
やはり、在庫金額が税金に影響すると思い込んでいる人が多いと言うのが一番なんだと思います。
チェーン薬局などでも、元々は決算時の棚卸で在庫を絞っていたけれど、会計担当者が変わってから、在庫は絞らなくても良くなったと言う話を聞いたりします。
勘違いや思い込みというのも多い理由かもしれません。
在庫を絞るのは適正在庫の見直し
定期的に在庫を見直す機会を作るため、あえて棚卸では在庫を絞ってます。
と言う意見もありそうですが、それだと棚卸後にまとめて薬を買ったら意味がないですよね?
在庫量が過剰であれば、それだけ多くの仕入れ金額が必要で経営を圧迫する恐れがあります。
なので、適正な在庫量と言うのを意識するのは大切なのですが、適正在庫と言うのは決算前だけでなく、常に維持すべきものです。
経営的に視れば仕入れ金額が激しく上下する方がやっかいな気もします。
それを気にするくらいなら、棚卸をしながら不動在庫や期限切迫品のチェックをすることに力を割くべきですよね。
在庫を絞ることによるデメリット
在庫を絞れば欠品が増える。
当たり前のことですが、結果、一番不利益を被るのは患者さんです。
また、せっかく、自分の薬局を訪れてくれた患者さんの期待に応えられないのは、かかりつけ薬局となる機会を逃すことにも繋がります。
患者の獲得という視点で考えれば、薬局にとっても不利益です。
薬価改定前の在庫削減
ただし、今月(平成26年3月)に関しては話が違いますね。
今月は薬価改定の前月。
来月から多くの医薬品(新薬創出加算品目など以外)の薬価は下がります。
消費税の増税もあるので単純ではないですが、同じ仕入れなら来月になってから購入した方が安い場合が多くあります。
なので、薬価改定を理由に在庫を絞るのは当然のことです。
会社や薬局、それぞれ方針や理由の元に、棚卸で在庫を絞っていると思います。
もし、明確な理由がないのであれば、棚卸で在庫を絞る必要はないですよー。と声をかけてあげてください。
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