オーキシスタービュヘイラー〜COPDの適応を有するLABA

随分時間が空いてしまいました。
先日、オーキシスタービュヘイラー(一般名:ホルモテロールフマル酸水和物)の説明会に参加しました。

セレベント(一般名:サルメテロール)、オンブレス吸入用カプセル(一般名:インダカテロールマレイン酸塩)に続く国内3番目の吸入用LABA(Long-acting beta-adrenoceptor agonist/長時間作用性β2アドレナリン受容体刺激薬)です。
シムビコート(一般名:ブデゾニド/ホルメテロール配合剤)として配合剤で発売されているホルメテロールですが、単剤での発売は国内初めてです。

この薬、アストラゼネカが販売するのかと思いきやそうではなく、シムビコートを共同販売しているアステラスでもなく、明治製菓ファルマの販売となります。
これでタービュヘイラーというデバイスを用いた吸入器を販売するメーカーは3社になります。
感染症なので呼吸器分野にも慣れている明治製菓ファルマだとは思いますが、吸入器の販売は初めてです。
タービュヘイラーがすでに国内で十分に普及しているものとしての判断もあるのでしょうか?

適応は「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩和」です。
COPDに用いるLABAとしてはオンブレスが一日一回という簡便さを武器に売り上げを伸ばしつつあります。
さらには吸入用LAMAシーブリの発売も決まり、LABA/LAMA配合剤も期待されています。
この状況下でオーキシスがどのようなメリットを打ち出せるかが勝負になりると思います。

用法は一日二回。簡便さではオンブレスに及びませんが、ホルメテロールには即効性があります。
吸入後、5分で効果を実感できるのでアドヒアランスの向上が期待できます。
オンブレスとほぼ同等の効果ということですが、二回目吸入後、一般的に夜間は多少なりともオンブレス以上の効果となると思います。
軽度の喘息を合併している場合などは夜間増悪を抑制しやすくなる…かも。
そういう場合はシムビコートやアドエアを使用した方がいいのかもしれませんが…。

ホルメテロールと言えば、シムビコートで見られる急性増悪時に頓用可能なSMART療法。
オーキシスにも期待されますが、今のところその適応はなく、取得予定もないそうです。
急性増悪時や労作前の頓用が可能なら面白いのですが…。
吸入操作を減らすためかオーキシス一回吸入に含まれるホルメテロールの量は9μgとなっています。
シムビコートは4.5μgで、SMAR療法では一般的にシムビコート一吸入を頓用に用います。
これを考えるとオーキシスをSMART療法のように用いるのは難しい?
(シムビコートは一回の発作で最大6吸入まで使用可能なのでできないことはないですが)

吸入LAMAの発売予定がないタービュヘイラー。
今のところ合剤の発売予定もないようです。
COPD初期からオーキシスを用いていれば、同じタービュヘイラーであるシムビコートに切り替えやすいというメリットはありますが、今のところオンブレスに対抗できる強みがあまり見当たらないというのが感想です。

今後、COPDの市場はどんどん活性化していくと思います。
どのような薬剤が発売され、主流になっていくか楽しみですね。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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