2016年8月25日、エンシュアHに新フレーバーが追加となりました。
ついに・・・というかやっと?ストロベリー味が追加ですね。
エンシュアリキッドの方には昔からあったイチゴ味ですが、エンシュアHの方にも追加になります。
経腸栄養剤の比較については、より詳しい内容を別記事にまとめています。
イノラス配合経腸用液の特徴・作用機序・副作用〜添付文書を読み解く【他の栄養剤との比較】
各経腸栄養剤の味
今回のエンシュアHのイチゴ味追加に合わせて、各経腸栄養剤の味をまとめておきます。
エンシュア・Hの味
ストロベリー味の登場で全6種類のラインナップとなりました。
- バニラ味
- コーヒー味
- バナナ味
- 黒糖味(2009.11.13販売開始)
- メロン味(2013.9.2販売開始)
- ストロベリー味(2016.8.25販売開始)
一般的にエンシュアHは一番濃度が濃い分(375kcal/250mL、エンシュアリキッドの1.5倍)、ドロドロ感があり甘さも強く感じます。
気になるイチゴ味ですが、あっさり飲めるための工夫か、酸味がきかせてあり比較的飲みやすいように感じました。
エンシュア・リキッドの味
- バニラ味
- コーヒー味
- ストロベリー味
エンシュア・リキッドの味は3種類のみです。
ラインナップの豊富さからも、メーカーがエンシュアHの方に力を入れているのがわかりますね。
エンシュアリキッドはエンシュアHよりはドロドロ感が少なく、少し甘みも弱く感じます。
食品の缶詰と同じで、開封後は冷蔵庫で保管です。
エンシュアの缶の裏を見ると、開封後は冷蔵庫に保管して48時間以内に使用するよう記載されていますね。
エネーボ配合経腸用液の味
- バニラ味
2014年5月に販売されたエネーボはバニラ味のみのラインナップになっています。
ラコールNF配合経腸用液のフレーバー
ラコールについてもまとめておきます。
- ミルク(旧バニラ)
- コーヒー
- バナナ
- コーン
エンシュアリキッドよりもサラサラ感が強くあっさりしていると感じる人が多いようです。
以前は、ミルクフレーバーに混ぜて使用するスティック型の専用フレーバーが提供されていました。
- コーヒー味
- レモンスカッシュ味
- ココア味
- コーンスープ味
- ごま味
今はもう中止されているようですね。
各経腸栄養剤の特徴
エンシュア・リキッドを基本とした時の各経腸栄養剤の違いや特徴を簡単にまとめておきます。
栄養成分組成については各添付文書を参照してください。
エンシュアリキッドの特徴
250mLは缶ですが、500mL入りのバッグの包装もあります。
これは味はバニラのみですが、直接胃瘻に接続できるように作られたものです。(専用の接続チューブキットがあります)
エンシュアHの特徴
同じ量のエンシュアリキッドの1.5倍の栄養を含みます。
包装は250mLの缶のみ。
濃度が濃い分、ドロドロ感が強く、甘みも強く感じるので飲みにくいと言われることがあります。
濃度が濃いことにより、エンシュアリキッドに比べて下痢が起こりやすいです。
エンシュアHの浸透圧
- エンシュア・H:約700mOsm/kg H2O
- エンシュア・リキッド:約330mOsm
※添付文書の記載のまま
エネーボの特徴
他の経腸栄養剤で補給しにくい微量元素などが含まれているのが特徴です。
包装は250mLの缶のみ。
栄養摂取が困難な状況で、従来の経腸栄養剤に頼ってしまっている状態で不足する以下の成分を摂取できます。
- クロム
- モリブデン
- セレン
- フラクトオリゴ糖
- タウリン
- L-カルニチン
ラコールNFの特徴
以前はNFが付いていないラコールとして販売されていましたが、含まれるビタミンK1の量を1/10程度にしたラコールNFに切り替わりました。
包装は200mLと400mLがあり、400mLはミルク味のみですが、胃瘻との接続が容易になってます。(専用の接続チューブキットがあります)
胃瘻の際の注入時間を短くする経腸用半固形剤がラインナップされているのも特徴です。(これも専用の接続チューブキットがあります)
また、経口で使用される包装を考えた時、エンシュアは缶ですが、ラコールはアルミパウチなので、持って帰るときの重さが軽いのと、飲み終わった後の廃棄の面でもラコールの方が楽ですね。(エンシュアリキッドの500mLバッグを使う方法もありますが)
使用されている油分が、ラコールではより日本人の生活に強い良質なものになっており、下痢をしにくい人もいるようです。
- エンシュア:トウモロコシ油
- ラコールNF:ダイズ油、シソ油、パーム油
ω-3脂肪酸が多いのが特徴ですね。
まとめ
エンシュアHにストロベリーが追加になりました。
長期間服用している方など、どうしても味に飽きてくるので、選択肢が増えるのはかなり嬉しいと思います。
ラインナップの数からもアボットはエンシュアリキッドよりもやはりエンシュアHに力をいれているんだなってことがよくわかりますね。
経腸栄養剤を選ぶ要素として、
- 栄養成分
- 味
- 缶かアルミパウチか
- 下痢の考慮
- 胃瘻への接続しやすさ
といったとこでしょうか?
その時々で適切なものを提案できるようにしておきたいですね。