Q:お盆休みを理由に長期処方を行うことは可能ですか?

処方日数制限

A:基本的には不可。お盆休みは法定休暇に該当しないので対象とはならないのが基本です。

投与期間に上限が設けられている医薬品

麻薬及び向精神薬、薬価収載後1年を経過していない新医薬品については処方できる日数に制限が設けられています。

第十 厚生労働大臣が定める注射薬等
二 投薬期間に上限が設けられている医薬品

 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一号に規定する麻薬((二)に掲げるものを除く。)
 麻薬及び向精神薬取締法第二条第六号に規定する向精神薬((二)及び(三)に掲げるものを除く。)
 新医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条の四第一項第一号に規定する新医薬品をいう。)であって、使用薬剤の薬価(薬価基準)への収載の日の属する月の翌月の初日から起算して一年(厚生労働大臣が指定するものにあっては、厚生労働大臣が指定する期間)を経過していないもの(次に掲げるものを除く。)

療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等

日数制限が免除され30日分投与可能なケース

ですが、「旅程その他の事情」があると認められた場合は最大で30日分まで処方を行うことが可能です。

旅程その他の事情を考慮し、必要最低限の範囲において、1回30日分を限度として投与してさし支えないもとのする。

厚生労働省保険局医療課長通知保医発第0404001号(平成14年4月4日付)

青色マーカーで印をつけた「旅程その他の事情」には一般的に以下のものが該当します。

  • 長期休暇(GW等の祝日による連休、年末年始)
  • 海外渡航

「長期休暇」に該当するものとして、具体的に記載された資料はないのですが、一般的には「国民の祝日に関する法律」で定められている祝日、「行政機関の休日に関する法律」で休みに定められている年末年始休暇(12/29〜1/3)が該当します。

地域によってお盆の期間が異なるケースがあるため、公的なお盆休みというものが存在しないのが一つの理由です。
また、公立病院はお盆は休まず外来診療を行なっていますし、同じように開局している薬局も少なくないと思います。

「休日加算の対象となる休日」でも同様の考えとなっています。

区分01 薬剤調製料
(9) 調剤技術料の時間外加算等
カ 休日加算
(イ)
休日加算の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和 23 年法律第 178 号)第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日、3日、12月29日、30日及び31日は休日として取り扱う。

別添3 調剤報酬点数表に関する事項

ということで、「旅程その他の事情」にお盆休みは含まれていないと考えるのが一般的です。

お盆休みを理由に長期処方を行うのは絶対にダメなのか?

いかなる場合でもお盆休みは長期処方の対象とならないのか?と言われるとそうとは言い切れません。
「基本的には」行うことができないです。

あくまでも、「旅程その他の事情」なので、正当な理由があればお盆休みでも長期処方が可能となるケースは存在すると思います。
(近隣にお盆に開院している医療機関がないなど)

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